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自由への長い道(上・下)―ネルソン・マンデラ自伝①

2010年06月07日 | 
ネルソン・マンデラ氏は、政治囚として約27年間を刑務所で過ごし、南アフリカで黒人初の大統領になった男。
長い間 黒人は白人支配という社会の中で虐げられてきて、マンデラ氏自身もアパルトヘイト政策の為、日常生活の中でも、刑務所の中でも白人優位の中で不当な生活をしていかざるをえなかった。
しかしマンデラ氏は、白人優位社会の中で弁護士という職業をしながら、自由の戦士として国の体制と常に戦い続けた。

「彼を知り己を知れば百戦殆からず」
この自伝を読んで頭に浮かんできたのがこの言葉。
リヴォニア裁判でのマンデラ氏側と、政府側にいる検察官でトランスヴァール州の副法務長官パーシー・コトール博士とのやりとり。
他にもロベン島で政治囚に対する待遇改善を求めてハンストをしたり、仲間同士で交信するために紙にミルクで文字を書いて看守に内容がばれないようにしたり、刑務所側の裏をかいた行動をとっている。
マンデラ氏は刑務所側の動きを読んでいてとても頭がいい。逆にいうと国側の対応があまりにもお粗末すぎるというべきか。


「インビクタス~負けざる者たち」
映画の中ではマンデラ氏が大統領になり、試合をすればいつも負けてばかりいる南アフリカの弱小ラグビーチームを、ワールドカップで絶対に優勝すると信じて疑わなかった姿が描かれている。
ある意味スポーツを通して国民を国と一体化させ、政治と経済の発展に利用したともいえる大統領。
疑問に思ったのが、長い期間 獄中で白人から肉体労働を命じられ食べ物も満足に与えられない日々を過ごしていたにもかかわらず、マンデラ氏自身は白人に対する怒りや憎しみを抱いていないと感じたことだ。
前大統領の警護をしていた白人警備員をそのまま起用したときには、黒人の警備員全員が白人を起用することに対して反対したけれど、マディバ(マンデラ氏)は自分の意見を変えなかった。
それにしてもマンデラ氏は、黒人初の大統領で白人優位体制を望む人々からは邪魔な存在のはずで、早朝同じ時間に少数の警護の人を連れて散歩するなど暗殺の機会は多かったのに、よく白人から暗殺されなかったものだと不思議に思ってしまう。
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