【1/2Time】洗車の時間 ～90分の癒し～

ロードスターを手に入れてから、色々な「はじめて」がありました。
これはそんな「はじめて」の出来事の中から、洗車のお話です。
平日に洗車に行っていたとは、自分自身おどろきました（笑）


「洗車の時間　～90分の癒し～」（2004年12月掲載）

トワイライトブルー、夕暮れ時の青色。とても素敵な響きです。
ロードスターの中で濃紺色というと、サテライトブルーやモンテゴブルーがあります。
サテライトは紫、モンテゴは緑が入ったような色で、トワイライトは深みのある青といったところでしょうか。
「紺色の車」ということで探していたので、特にトワイライトブルーについてのこだわりはありませんでしたが、今はこの色がとても気に入っています。
幌も本当は紺色なのですが、こちらは汚れて色がほとんど分かりません。

汚れと言えば、濃い色の車は特に汚れが目立ちます。私の場合は青空駐車なので尚更です。
出かけるのはたいて土日なので、温かい時期は平日の夜に洗車場に行きますが、夏から秋にかけては照明に集まった昆虫がボトボト落ちてきて大変でした。


（ビニール幌のお手入れ3点セット）

初めてミーティングに参加する日の前日、初めての洗車に挑戦しました。
洗車の手順は大雑把にしか知らなかったので、マニュアル本を読んで手順を覚え、必要なモノを買い揃えました。
それまでは全く用事のなかったオートバックスで、自分の車のために買い物している自分に、何ともいえない喜びを感じたものです。

洗車の手順を頭に入れ、実家の庭先を借りて洗車を開始。しかし、頭に色々なことが巡って思うように作業が進みません。
ボンネットは力を入れすぎると凹むとか、幌は気をつけないと雨漏りするとか、日差しが強いと洗いシミができるから早く拭き取らないといけない云々。
丁寧にやろうと思えば思うほど、慎重になって時間が掛かってしまいました。
また、選んだケア用品に問題があったのか、初めに使ったワックス入りシャンプーは大失敗でした。
洗うのが下手なせいなのか、汚れが落ち切らず艶もあまり出ていません。
悔しいので次の洗車の時には半練りのワックスを使ってみましたが、一生懸命塗ったのに雨が降ったらあっさり落ちてしまいました。



そうやって毎週のように洗車する私にうんざりしたのか、伴侶からはコーティング処理を勧められました。
ちょうど車も１ヶ月点検の時期を迎えていたので、預けついでに「愛車エステパック」を申し込むことに。
ガラスとボディのコーティングで約4万円。中古車に施すのはもったいないような気もしますが、愛しい車にかけるお金なら全然惜しくはないのです。

コーティングの効果は絶大でした。水のはじき方は、まるで若い娘さんの肌のよう。
洗車も簡単で、専用のシャンプーで洗って拭き取るだけで見事に艶が戻ります。
コイン洗車場では時間と水圧との戦いに悪戦苦闘しましたが、段々と要領を得てスムーズに作業できるようになりました。
以前は汚れ落ちが悪く、拭き取るとウエスが真っ黒になっていたのに、今はほとんど汚れません。
洗車用品の後片付けも楽になりました。

朝、空を見上げて「あ～、洗車したい」と思った日は、仕事が終わったらまっすぐ家に帰ります。
疲れていても、気持ちが収まらなければ洗車場にゴーです。
まだ空が明るい時間に洗車を開始し、拭き取りが終わる頃にはすっかり夜になっていて、だいたい１時間半かかります。
あんなに小さな車に１時間半は長すぎだと思われますが、ちょうど仕事帰りにジムで汗を流すように、洗車が一日の疲れを忘れさせてくれるのです。

「さあ、帰ろうか」

車を眺めながら缶コーヒーを飲んで一息ついたら、少しだけ遠回りして帰ります。
ライトを点け、洗車場から家まで夜のお散歩。
週末しか乗らない車だけに、この平日に過ごす短い時間に愛情を補充してあげるのです。



（おわり）