昨夜お風呂から上がってたまたまつけたTVで樹木希林
さんの旅の跡を娘の也哉子さんがたどる記録(?)を
放映していた。
途中だったし、題名も見なかったけれどつい惹かれて
見入った。
伊勢神宮、沖縄平和の礎などを旅する希林さん。
それを偲びながら歩く娘。
知覧、長野上田の無言館などをゆっくり、時には
「命短し恋せよ乙女~♬」などと口ずさみながら・・・。
若くして戦争に散った青年たちの哀しみを偲び
ながら旅する姿は心を打たれた。
以前、指宿の砂湯と知覧に旅したことがある。
このことは前にも書いたことがあるけれど、その前に
江田島に行って旧兵学校の中にある教育参考館で
戦地に赴く兵士たちが親や妻などに送った手紙などが
展示されていたのを読んで恥ずかしいほど涙をこぼした。
涙がこぼれてとまらなかった。
わたくしは泣き虫ではあるけれどこんなに泣いたことは
久しぶりであった。
知覧に行くときは1人旅だったし、ハンカチ1枚では
足りないとタオルのハンカチを2枚バッグに忍ばせ
ていた。
ところがあまり涙がこぼれなかったのだ。
江田島での経験が強かったせいか、そっとぬぐう程度で
済んだ。
親や妻、恋人に残す手紙の形式がほとんど同じなの
である。
江田島も知覧もAさんもBさんも同じような内容のことが
綴られている。
江田島でじっくり読んで涙した分、知覧では気持ちが
薄れたのかもしれない。
長野上田の駅近くのビジネスホテルで1泊してタクシー
を呼んで上田城をみにいった。NHKで真田丸が大河
ドラマになった前年のことである。
町中に赤い六文銭ののぼりがはためいていた。
その日、別所温泉に行く予定だったのでタクシーは返す
つもりだったのだが、これからの予定を聞かれて
別所温泉と答えたらこのまま別所温泉まで行って案内
すると唆されて5時間の約束で結局そのまま別所温泉
まで行くことになった。
その途中でかねて気になっていた「無言館」に立ち
寄ってもらった。
無名の戦没画学生たちの絵画や彫刻が静かな林の
中の館に集められていた。ひっそりと、ひそやかに。
館主は窪島誠一郎氏。水上勉さんの息子である。
別れ別れになっていた2人が親子であることはずいぶん
後になって分かったという記事を読んで感動した覚えがある。
樹木希林という女優さんは亡くなったけれど人をひきつける
魅力があると改めて思いながらTVを見た。