花男の物置部屋 引っ越して3箇所目

備忘録的に食ったもん、読んだもん、聴いたもん等を書いてます。

「トッカン 特別国税徴収官」 高殿 円

2010-08-13 22:54:00 | 活字もすっげえたまには読むぞ


「街中のどんな葬儀屋やヤクザよりも嫌われ者」滞納税金の取り立て屋、徴収官。その中で特に悪質の脱税徴収に当たるのがトッカン=特別国税徴収官。トッカン付きとなったペーペー徴収官のぐー子こと鈴宮深樹=25歳が、ハスキー犬を思わす強烈な上司=鏡の下、ドタバタと徴収業務に・・・・んでなにやらトラブルにも巻き込まれ・・・どうなる?てなお話です。


この作者、ライトノベル系の人らしいです。それゆえのポップさ?だったらライトノベルにも手を出して見ようかと・・・少しだけ思う厄年過ぎたおっさんである。パターンとしては良くあるお仕事成長物。愛せるダメ新人と毒舌切れ者上司と言うコンビも定番。そんな定番が・・・一癖も二癖もある・・・あるいはよんどころない事情がある脱税者相手のお仕事と言う設定が・・・・だましだまされの部分でのミステリィ要素も含めピリッとした骨格に。うん・・・エンディングがちょっと長すぎかな・・・とほんのちょっぴり思ったけど・・・全体通してかなりに楽しめました。


非常に面白かったです。



「遺品」 若竹 七海

2010-08-13 02:23:00 | 活字もすっげえたまには読むぞ


開襟シャツにグレーのスラックスとかかとの太いパンプス、後ろにひっつめた髪とクールなメガネ・・・子供の頃あこがれた女性学芸員のキリッとした態度、自分もいつかなると・・・念願かなって得た市の博物館の学芸員の職を失なってしまった「わたし」。同時に失った彼氏の・・・友人から紹介された仕事は、30年以上前に亡くなって何故か最近ブームの女優兼作家の曾根繭子の博物館の立ち上げ・・・その場所は長野にある彼女の自殺したホテル・・・そして博物館の立ち上げの展示会の準備に奔走する「わたし」の周りで次々奇妙な出来事が・・・そんなお話。


この人の作品にはホラーと言うかオカルトの要素が入ったミステリィも結構あるけど、ここまで純然たるホラーは珍しいんじゃ無いか?で、タイプ違えど・・・・やっぱ上手ですね。臨場感もキャラ付けとその配置・・・嫌なやつはとことん嫌なやつで・・・素敵・・・クライマックスの興奮も・・・怖いより、少しファンタジーな結末も何故か読み終わって爽快で・・・いやあ・・・好きですね。若竹作品はずれないです。


非常に面白かったです。