神楽坂のチーズ屋マージュはチーズ料理専門店。3ヵ月前に避難のごとく、住み込みウェイトレスとして働き始めた美藻=21歳。店主はメガネを外せば死人が出るくらいの美男子だが女性が苦手な真沙流=30歳。真沙流と同い年の親友、ハマった気障なソムリエの薫も入り浸りライトBLな雰囲気を醸し出している。夜は予約客のみだが、ランチが人気で仕事も修羅場と化すほどの人気店に時折謎が持ち込まれる。そんな時限定で真沙流の鋭い頭脳が発揮され・・・夫婦問題、かつて父に食べさせてもらったが見つからないチーズ料理、預けられたセミの抜け殻と元俳優をだます女の謎、チーズのスープを求める女の真実、そして美藻の抱えた問題等々・・・・そんな感じ。
一冊できっちり物語としてまとまってます。シリーズ化するならシリーズ好きとしては嬉しいけど・・・これ一本できっちり伏線を残さず回収しきってて潔い作品ですね。主軸の3人はもちろん、ロックな那奈さん、美藻の母親等々脇にも味わい深いキャラが多くて物語が活気づく。テンポよく一気に読めました。「謎を解くなんてその気になれば誰でも出来る事さ・・・」「それよりどうやって絡まった糸を解きほぐすか、チーズ料理屋の僕が考えなくちゃいけないのはきっとそっちなんだよ」とかもなかなかミステリィの主人公スタンスとしてツボ。
非常に面白かったです。
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