さっぷいさっぷい外語学院(生徒:ゴタ、張るカイロさん)

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

625番:アルルの女(3)

2022-01-04 16:12:29 | 日記

アルルの女(3)

              L'ARLÉSIENNE
              アルルの女(3)

 

—————————【3】——————————————————————— 
                   
  Pourquoi cette maison m'avait-elle frappé ?   Pourquoi
ce portail fermé me serrait-il* le cœur ?   Je n'aurais pas
pu le dire,  et pourtant ce logis me faisait froid.   Il y
avait trop de silence autour...  Quand on passait, les chiens
n'aboyaient pas,  les pintades s'enfuyaient sans crier... A
l'intérieur,  pas une voix *!   


————————— (訳)———————————————————————
                  
なぜこの家が私の心を打ったのか?なぜこの家の閉ざ
された門が私の心を締め付けたのか?それは
(たとえ聞かれても)言うことはできなかったであろう。
しかしこの建物は私をぞっとさせたのだった。
周囲はあまりにも静かだった・・・ここを通ると、犬も
吠えないし、ほろほろ鳥も鳴かずに逃げて行った。
(屋敷の)中は、まるで声がなかった。


—————————《語彙と文法》——————————————————————
                     
frappé <frapper(他)   打つ、たたく、
        (心を)打つ、強烈な印象を与える
portail (m)正面入口、正門
aboyaient 半過去 <aboyer (自)(犬が)吠える 
pintades (複数形)<pintade (f) ほろほろ鳥
        (食用として家禽化もされている)
s'enfuyaient< enfuyuir (s') 逃げる、逃げ去る  
*  serrait-il    pourquoi のあとでは、複合倒置。
一般に、疑問副詞では動詞が直接補語を伴う場合には
複合倒置(代名詞に置き換えて倒置)が行われる. 
直接補語を伴わない場合、
pourquoi 以外の疑問副詞のときは主語が名詞でもこの倒置は
行ないません.
 Où vont ces gens-là ? (あの人たちはどこへ行くのですか?) 
  Où vont-ils ces gens-là ?  とは言わない.
pourquoi のあとでは、主語が名詞なら複合倒置します.
 Pourqui Jeanne est-elle si triste ? 
 (なぜジャンヌはそんなに悲しんでいるのですか)
* pas une voix    Il n'y a を補って
  Il n'y a pas une voix. として解釈する。
普通は不定冠詞が直接補語で否定形になると de に変わるが
ここではun, une は冠詞ではなく、数詞として扱われる。
そしてこの数詞が否定形の中では強い否定の形容詞の機能が
生じ、aucan, aucune より強い働きを持つようになる。  

—————————≪語法≫——————————————————————

Ce portail fermé me serrait-il le cœur. 
この閉まった門扉は(いつも)私の心を締めつけた.

身体の部分をあらわす名詞には定冠詞をつけるのがふつうです.
そしてこの場合所有者(この例では心の所有者)は間接補語,
(ここではme) で表されます.
英語既習者はThis closed gate always wringed me by my heart. につられて
 うっかりCe portail fermé me serrait-il mon cœur. 
としないよう注意しましょう.

—————————≪文法≫——————————————————————

本文2行目、Je n'aurais pas pu le dire... は条件法になっています.
しかしこれは帰結節だけで、セットになる条件節(~ならば)が
みあたりません.とりあえず、これは条件法過去なので、ここだけ
で訳すとなると、「私はそれを言うことはできなかっただろう」ですね.
では、どうだったとしたら、なのでしょうか?
おそらく「聞かれたとしても」という文を補えば、しっくりくると
思います.条件節が省かれるケースは多いので、読み手の方で補う
練習も大切だと思います.

  尚 Je n'aurais pas pu le dire. のle は中性代名詞です.これは名詞を
指すのではなく、事柄を指します.「なぜ心が締めつけられたのか
というそのこと」を指します.

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624番:アルト・ハイデルベルク(11)

2022-01-04 13:34:57 | 日記

アルト・ハイデルベルク(11)


—————————【11】—————————————
            
   3. Szene.
            Hofmarschall (durch die Mittelthür)
Hofmarschall.   Ist der Kammerdiener Lutz da?
Schölerman.   Nein, Exzllenz. Ich werde sofort -
Hofmarschall.   Man soll ihn suchen. Der Kammerdiener Lutz
                       wird zu Sr. Durchlaut befohlen.
             Bitte rasch.
Schölerman.    Zu Befehl, Exzellenz.
         Hofmarschall.  (zurück in das Mittelzimmer, ab).

 

—————————【訳】—————————————
              第三場

           宮内大臣 (中央の扉から登場)

宮内大臣: 近侍のルッツはいるかね?
シェーラーマン:いいえ、閣下。私が直ちに・・・。
宮内大臣:   ルッツを探してもらいたい。急いで頼む。
シェーラーマン:了解しました、閣下。

    宮内大臣、中央の部屋へ引返し、退場


—————————【語彙】—————————————
             
Der Kammerdiener:(同尾式) (昔の王侯の)近侍、近従
befohlen: (過去分詞) <befehlen (動詞)  命令する、
     (~に)行くように命じる、来るように命じる 


—————————【文法】—————————————
             
      (受動態について)
werden + 過去分詞 で受け身表現になります。
     Ein Brief wird von mir geschrieben.  手紙が私によって書かれる。

werden の人称変化は次の通りです。

 人称 \ 数    単数                複数
1人称  (私は) ich werde    (私たちは)     wir werden
 2 人称 (君は)  du wirst            (君たちは)   ihr werdet
3人称  (彼は)     er wird             (彼らは)   sie werden
  
※  3人称単数で、(彼は)のところは、
   「彼女は」、「それは」も三人称単数で同じ変化です。
   以下すべてerで代表させます。

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623番:さすらいの青春(11)

2022-01-04 13:34:57 | 日記

さすらいの青春(11)


——————————【11】————————————
      
Car aussitôt que je veux retrouver le lointain 
souvenir de cette première soirée d'attente dans
notre cour de Sainte - Agathe,
déjà ce sont d'autres attentes que je me rappelle;  
déjà, les deux mains appuyée aux barreaux du portail, 
je me vois épiant,
avec anxiété quelqu'un qui va descendre la grand'rue.


——————————(訳)————————————
       
というのは、サント=アガットの校庭で、
待っていたあの初めての夜の
遠い思い出をたどれば、
私は、すぐにまた別の待っていたことの記憶を
呼び起こすことになるのだ。

既に、私は門の格子に両手をかけて、
誰かが街道を下って来るのを
心配そうに伺っている自分の姿を見るからである。


  ——————————《語句》————————————
       
aussitôt que ~するとすぐ、直ちに
déjà すでに
appuyées  <appuyer (他動詞)支える、
        (contre, à, sur に)もたせかける、押し付ける
    (par)(によって)支える    
barreaux (m, 複数形) < barreau (m) 格子、柵
épiant 現在分詞 < épier こっそり観察する、見張る
     ② 探る、耳を澄ます 
              / épier les bruits  物音に耳を澄ます
me vois < se voir  自分の姿を見る、自分の姿を思い描く
anxiété  (f) 心配、不安、気がかり

    実は、この文章について、門外漢の私には
  文法的に不明なところがあります。
    voir の直接目的は、quelqu'un で 
  「誰かが大通りからやって来るのを見る・・・」
    となるはずですが、me という目的語 がありますので、
  混乱しています。
    直訳すると、
    「私は不安げに、両手を門扉の格子に付けて、
   誰かが大通りからやって来るのを
     自分に見ている。」
    というヘンテコな日本語になります。

    きっと、その誰かを眺めている自分の姿を
  想像している・・・といっているのでしょう。
    ここは、すみません、わからないので、
  「グラン・モーヌ(みすず書房)」の名訳に
    頼りました。(訳の後半はこの本を写しています。)

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