もぐりの語学教室+修行が辛くお寺を逃走した元僧侶見習の仏教セミナー

ご一緒に学習を!
私は先生ではありません.間違いだらけかと思います.
ご容赦下さい.

655番:さすらいの青春(13)

2022-01-19 21:37:47 | 日記

さすらいの青春(13)

 

—————————【13】———————————————————
    
Tout ce paysage paisible  — l'école, le champ du père
Martin, avec ses trois noyers, le jardin dès quatre heures
envahi chaque jour par des femmes en visite — est à jamais,
dans ma mémoire, agité, transformé par la présence de
celui qui bouleversa toute notre adolescence et dont la
fuite même ne nous a pas laissé de repos.


—————————(訳)——————————————————————
      
そのすべてののどかな景色 — 学校、
3本のクルミの木があるマルタンおやじの畑、
仕事場、4時になると、毎日、来訪のご婦人方で
いっぱいになる庭 —その風景は
永遠に私の記憶の中で、揺り動き、形を変えている。
ある人物の出現によって、私たちは青春期の動乱に
巻き込まれたのだ。その人物が逃避してからもなお、
私たちの心は、休まったことはなかった。


—————————《語彙》————————————————————
    
paisible:(形)穏やかな、静かな
le champ du père Martin:マルタンおやじの畑 
noyers  (m, pl)くるみの木< noyer
envahi  <   envahir  (他)侵入する、
      一杯に広がる、満たす
agité <  agiter (他) 揺り動かす、振る
à jamais いつまでも、永久に
transformé  <  transformer
bouleversa  単純過去形
  < bouleverser (他)覆す、めちゃめちゃにする
       激変させる、 大混乱に陥れる
transformé < transformer (他)変形させる、変える 
adolescence  (f)青春期
laissé,
fuite   (f)逃亡、逃走、回避、
   (時間の)経過、(水などが)漏れること 
repos  (m)休息、休養、休暇、静止

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654番:レ・ミゼラブル(7)

2022-01-19 21:32:27 | 日記

レ・ミゼラブル(7)


————————————【7】——————————————

Sa famme y mourut d'une maladie de poitrine dont elle
était atteinte depuis longtemps.  Ils n'avaient point d'enfants. Que
se passa-t-il ensuite dans la destinée de M. Myriel ?  L'écroulement
de l'ancienne société française, la chute de sa propre famille, les
tragiques spectacles de 93, plus effrayants encore peut-être pour
les émigrés qui les voyaient de loin avec le grossissement de 
l'épouvante, firent- ils germer en lui des idées de renoncement et
de solitude ?   

 

————————————(訳)———————————————

彼の妻は長年患っていた胸の病いのため、その地で亡くなった.
彼らには子供はひとりもいなかった.それからのミリエル氏の
生涯に何があったか?  旧フランス社会の崩壊、彼自身の家庭
の没落、おそらく遠くから不安をつのらせて眺めていた貴族亡
命者にはより恐怖だったはずのあの1793年の悲劇の光景*、
それらがあきらめと孤独の思想を彼、ミリエル氏の心に芽生えさ
せたのであろうか?

 

———————————《語句》————————————————

poitrine (f) 胸、胸部         
atteint(e) (形) (病気に)おかされた、病気の
  Elle est atteinte d'une maladie incurable.
    彼女は不治の病におかされている.
   <atteindre (病気が) 襲う、冒す
  Le cancer a atteint le poumon droit.
    癌が右肺をおかした.
que se passa-t-il   何が起こったか
se passer (代動)❶起こる、生じる、❷過ぎ去る     
destinée (f) 運命、宿命、❷[文語] 生涯、生活         
écroulement (m) 崩壊、倒壊、没落、零落       
chute (f) 落ちること、落下、没落
propre (形) 自分自身の
    Le témoin a vu l'accident de ses propres yeux.
    目撃者は事件を自分の目で見た.
  Il a soigné son amis comme son propre frère.
  彼は実の弟のように友人の世話をした.      
tragique (m) 悲劇      
spectacle (m) 光景
93  1793年のこと
effrayants (形、男複)<effrayan 恐ろしい、ぞっとするような
   √effrayer (他) おびえさせる 
émigré 他国への移住、移住者、亡命者
    (フランス大革命当時の)亡命貴族       
grossissement (m) 太ること、肥満、増大
épouvante (f) ❶激しい恐怖、❷ひどい不安、
    avec épouvante 不安な気持ちで            
firent (単純過去3単)<faire 
germer (自) 発芽する、芽を出す       
renoncement (m) 放棄、断念、禁欲

 

———————————≪解説≫————————————————

1793年は、1月に革命広場(現コンコルド広場)でのルイ16世の
処刑、6月のモンターニュ派による国民公会の武力制圧とジロンド派への
弾圧(逮捕、処刑)、それに対して地方のジロンド派の蜂起、また10月の
マリー・アントワネットの処刑など、ギロチン悲劇の光景を言っている.

 

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653番:野性の女(1)

2022-01-19 17:27:37 | 日記


『野生の女』(1)


中級フランス語
『フランス現代作家10人集』(昇龍堂)より

『野生の女』(アヌイ)からの一部

 

Marie  :   Yous n'êtes jamais allée en Angleterre ?
Thérèse : Non.
Marie : Moi, je viens d'y passer¹ trois ans.
       J'étais dans un collège absolument merveilleux².
          Vous savez³, on est très libre là-bas,  très sport.
       Quelle différence de clima ! 
            C'est bien simple⁴,  je ne sais plus parler à mes amies qui sont
                    restées ici dans les jupes de leur gouvernante⁵ ou de leur mère:
                    C'est  dommage que vos parents ne vous y aient pas envoyée⁶.
                  Passer deux ou trois ans⁷ de l'autre côté du Channel⁸ :
                    il n'y a rien de tel⁹ pour faire connaître la vie à une
                    jeune fille.


————————————≪Voc.≫———————————————
                   
collège:(n.m) カレッジ.
absolument:(副) 非常に、たいへん       
sport:(形) フェアプレイ精神のある    
clima:(n.m) 精神的風土      
gouvernante:(n.f) 家庭教師の婦人 
passer:(他) (時を)過ごす   
côté:(m) 側面、~側   * 似た語に注意:côte (f) 坂、坂道 
le Channel:(n.m) イギリス海峡 (= the Channel) 


————————————《Notes》——————————————

1)  je viens d'y passer:「あちらで過ごしてきたばかりである」.
     <venir de + 不定法> は現在に近い過去を表す.y = en Angleterre.
2)  absolument merveilleux:「すごくすてきな」.こういう最大級の表現
   はMarie のセリフの中にしばしば見られ、屈託のない当世風な
   若者の性格を示す感情的誇張となっている.
3)  Vous savez:これから言おうとすることに注意を引くため、あるいは
   それを強調するために会話ではしばしば用いられる表現で、言葉の
   意味(あなたは知っている)にもかかわらず、その、これから言う
   内容について相手は知っていないのがふつうである.文頭に置かれ
   たり、時によっては挿入節として置かれたりする.
4)  C'est bien simple:「その結果」.成句的表現
   Cf.  Si vous ne travaillez pas mieux, c'est bien simple, 
          vous serez privé de sortie.
         (もっとよく勉強しなかったら、[その結果、そのために]あなたは
     外出が禁止されますよ.)
5)  qui sont restées ici dans les jupes de leur gouvernante:くだけた表現である.
       別な表現をすれば=Qui n'ont jamais quitté d'un pas leur gouvernante.
       「家庭教師の膝元を一歩も離れずにいたところの...」.
6)  ne vous y aient pas envoyée:  C'est dommage que...(...は残念だ) という
       感情を表す成句の補足節であるから、接続法(aient...envoyée)が要求
    される.y=en Angleterre.
7)  Passer deux ou trois ans: 

8)  de l'autre côté du Channel :「英仏海峡のあちら側で」.もちろん(イギリスで)
   の意味. le Channel は the Channel を冠詞だけフランス語にしたもの.
   フランス語なら la Manche と言うのがふつう.それをわざわざ le Channel
          と言うところに「イギリス帰り」のマリーの気取り、ないし衒いが見て
   取れる.  
9)     il n'y a rien de tel:「そういうようなものは(ほかに)ない」.
    quelque chose,  rien などの不定代名詞は形容詞(ここでは tel)をとるとき
    de を介する. 
              (...に)優るものはない 


————————————(訳)——————————————

マリー  :  あなたはイギリスへ行ったこと、一度もないの?

テレーズ : ええ.

マリー  :  私はね、あちらで3年過ごしてきたばかりなの.
              すごくすてきなカレッジにいたのよ.
              ねえ、向こうはとても自由で正々堂々としているわ.
              精神的風土がまるで違うのよ!
              だから私はもう家庭教師やお母さまのひざ元に居続け
              たお友達と話はできないわ.
              あなたのご両親があなたを向こう(イギリス)へ送り出さ
      なかったのは残念ね.
      むこうで2,3年も住んでごらんなさいな: 
      若い娘に人生を知らしめる上で、あれほどいい場所
      はないわよ.


 ————————————(最後にひとこと)——————————————
      
     「イギリス海峡」を意味するフランス語は「Manche」(固有名詞です)
  manche (女性名詞)の方は、現代フランス語では古風な表現になり
  ます。  現代フランス語での「海峡」相当語は、男性名詞で  détroit
  もしくは同じく男性名詞で bras de mer  
     尚、仏和辞典には「Channel」での見出しはありません。つまり、
  フランス語としては、認知されていません。フランス語ではないのだから
  発音は、英語式ということです。マリーは「イギリス帰り」を気取って
  英語式発音で「あちらの国」と言ったことになります。
  いち早く産業革命を成し遂げたイギリスは、農業国フランスにとって
  羨望の国だったのでしょう。

 

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652番:アルルの女(12)

2022-01-19 06:50:24 | 日記


アルルの女(12)


———————————【12】———————————————————
                     
   Donc,  un dimanche  soir,   dans la cour  du  mas,  la famille
achevait  de  dîner.   C'était  presque  un repas  de  noces.   La 
fiancée  n'y assistait  pas,  mais  on  avait  bu  en son  honneur 
tout  le  temps...   Un  homme  se  présente   à  la  porte,  et  
d' une  voix  qui tremble,  demande  à  parler à  maître  Estève,
à  lui  seul.

———————————(訳)———————————————————
                       
さて、ある日曜日の夕方、農家の中庭では、一家が夕食を
終えようとしていました。それはもうほとんど披露宴のような
夕食でした。許嫁は不在でしたが、みんな彼女への祝福のため
始終飲み交わしていました。一人の男が門扉の間に現れました。
そして震える声で、エステーヴの旦那に、旦那だけに合わせて
ほしいと言います。


———————————⦅語句⦆———————————————————
           
donc: [ドンク] 節のはじめでは c を発音する.
       「さて」、「ところで」   
on avait bu en son honneur:「彼女のために乾杯した」
   英語につられて、son を「彼の」と訳さないこと.
   フランス語では son は所有者ではなく係る名詞の形容詞です.
   なのでフランス語では「所有代名詞」とはいわず「所有形容詞」
   と言ったりしています.ここでは honneur が男性名詞なので son.
      
   
————————————≪文法≫———————————————————

La fiancée n'y assistait pas, mais on avait bu en son honneur :
なぜon avait bu en son honneur が大過去なのでしょうか?
ふつうに考えると「許嫁がそこに居合わせなかったのだが
みんなは彼女を祝福して乾杯していた.」
というわけだから
La fiancée n'y assistait pas, mais on buvait en son honneur. 
でいいはずですが...
こちらのテキストの註釈によりますと、
この大過去は「過去における継続」と説明されていますが
さっぱりわかりません.過去における継続って半過去を使う
でしょ.
そのあと「男が門のことろに現れる」わけで、この時点
より過去なので「大過去」となったと考えます.
ただ、「男が門のことろに現れる」という文が現在形で
描かれているので「大過去」にしてもいいの?という
気持ちにはなりますが、過去の時間順序を時制で描けば
こうなるということでしょう. 

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651番:「星」(3)ドーデ短編集から

2022-01-19 05:31:23 | 日記


『星』(3)  

ドーデ短編集から ②

 

——————————【3】—————————————————————
               
Aussi,*¹   tous  les  quinze  jours,*²   lorsque   j'entendais,   sur  le 
chemin  qui  monte,  les sonnailles*³  du  mulet*⁴ de  notre  ferme*⁵  
m'apportant*⁶ les  provisions*⁷ de  quinzaine,  et  que*⁸  je  voyais*⁹ 
apparaître*¹º  peu  à peu,*¹¹  au-dessus  de*¹²   la  côte,*¹³  la tête*¹⁴  
éveillée*¹⁵ du  petit  miarro*¹⁶  (garçon de ferme),  ou  la coiffe*¹⁷
rousse de la vieille  tante  Norade,*¹⁸  j'étais  vraiment bien heureux.*¹⁹ 

——————————(訳)—————————————————————
                  
だから、2週間ごとに、坂道に2週間分の食糧を運んでくる
私たちの農家の騾馬の鈴の音が聞こえたり、坂の上にミアロ
少年(農家の少年)の顔が見えたり、年とったノラドおばさ
んのの茶褐色の頭巾が見えると、本当にうれしくて
たまりませんでした。


——————————《語句》—————————————————————
                  
*1) aussi: (接)それゆえ、だから   
*2) tous les quinze jours: 2週間ごとに; 
    tous les + 時間(または数形容詞)は chaque ~ の意味.
*3) sonnailles:(f/pl) <sonnaille 小鈴 (家畜の首につける)
*4) mulet: (m) (雄の)騾馬             
*5) ferme: (f) 農家
*6) apportant:(現在分詞) <apporter (他) 運ぶ; ここではmulet にかか
    る形容詞として機能しています.もちろん動詞の一種ですので、me
        という間接目的補語もありますし、.
*7) provisions:(f/pl) 「食糧」この意味では通例複数形で用います.    
         <provision (f) 蓄え、貯蔵、備蓄 
*8) que: lorsqueが2度目に使われると、que に変わります.  
    なのでここはlorsque je voyais ~として読む。      
*9) voyais:(半過去1単) <voir (他) を見る.
     これは知覚動詞(感覚動詞ともいう)なので、ふつうのS+V+O の
     文型以外に、S + V +(動詞の不定詞B + その不定詞の主語A)
     という文構造を作ります.
     ()内全体をOと見なしてもいいと思います.
          ここでは [A がB なのを見る] という構造です.
          尚、本文では、peu à peu, au-dessus de la côte という挿入句があるため,            AとBの関係が分かりにくいですが、馴れるまではこういう挿入句は
     後ろ回しにして解読しましょう.      
*10) apparaître:(自) 現れる       
*11) peu à peu: 少しづつ                
*12) au-dessus de ~: ~の上に          
*13) côte: (f)  坂、斜面        
*14) tête:(f) ①頭、 ②顔 
*15) éveillé(e):(形) 生き生きとした、溌剌とした
     (過去分詞、形) 目覚めた  <éveiller (他) 目覚めさせる 
*16) miarro:プロヴァンス地方の方言で「農家の小僧」、
         訳では「ミアロ」と固有名詞風にしましたが、正しくは普通名詞
         ですので、小文字で書き、冠詞(男性単数)も付けます.
*17) coiffe:(f) 婦人用の帽子、婦人用の被り物
*18) Norade:(人名) ノラド; 
  (こちらは固有名詞なので無冠詞.la がついているじゃないか!ハイでも
   それはtante についている冠詞です.Norade は同格として添えられて
   います)
*19) heureux(se):[ウルー、ウルーズ] (形) シャンソンを聴いていると「ウグー」と
   歌っていますが、それで覚えると試験のときスペル間違いの元.なるべ
   く文字通りに!何?それだと[フルー] う~ん、困った.
*19) heureux(se):幸福な、幸せな
    heureux de qch  ~をうれしく思う、   
       heureux de 不定詞 ~してうれしい

 

——————————≪仏文解釈≫———————————————————————

lorsque j'entendais, sur le chemin qui monte, les sonnailles du 
mulet de notre ferme
この文がわかりにくいかと思います.実は挿入句があるため、
文の骨格である文型がつかみにくいためだと思います.
まず邪魔をしている挿入句を取り除いてみますと、

lorsque j'entendais les sonnailles du mulet de notre ferme
「私たちの農家の騾馬の鈴の音が聞こえたとき」

これに挿入句 sur le chemin qui monte 「上り坂に」を戻して

lorsque j'entendais, sur le chemin qui monte, les sonnailles du 
mulet de notre ferme
「上り坂に私たちの農家の騾馬の鈴の音が聞こえたとき」
となります.

 

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