故郷へ恩返し

故郷を離れて早40年。私は、故郷に何かの恩返しをしたい。

ねえあんた、なあおまえ

2017-06-11 06:17:30 | プロジェクトエンジニアー

ねえあんた、なあおまえ。
と会話が成立する関係です。
なんの話をしているのでしょう。


今日のタイトルも、「ねえあんた、なあおまえ」です。
言葉から、下町を連想させます。
「ねえ、あんた」と話はいつも女の人から。
「なあおまえ」と話が続くような終わるような。
無言のうちに、相手への気遣いが感じられます。
永年連れ添った者どおしだから。

この寒さじゃ、今年は野菜が遅れるわね。
と物思いにふける妻。
そうだね。
と間の抜けた返事の私。

連れ添いというのは、肌の温度が感じられるような、
いるようでいない空気のような関係です。
これからの人に参考になるでしょうか。

子供たちが独立して、なんとなく張り合いがない毎日です。
子供のことが中心の会話でした。
いつしかお互いの身体を気遣うようになりました。
いくぶん元気な女の人が、生活のリズムを刻みます。
たゆたゆと流れる時間の中に埋もれていきます。

こんな風だったら良いね。
と、どちらからか話が出ます。
勝手にやったら。では話は終わります。
少しだけでも話しに乗ってあげましょう。
忘れたことを思い出そうとします。
なかなか出てきません。
会話をしているうちに、ああそうそうと思い出します。
急ぎの用事は、あるようでないような毎日です。

かつては、身体を動かしながら話をしていました。
いまでは、どっこらしょと会話のような掛け声から始まります。
今では、話をするうちに頭が温まって来て、やることが決まります。

ひまわりの種を採らないでほっといたら、雀が種を食べてしまった。
ああ、それで種が飛び散りひまわりの苗が生えたんだ。
花を植えたい。
苗を作って欲しい人に分けてあげたい。
木をもらって来て、動物の彫刻を掘りたい。
花の間に置こうか。
似顔絵もままならないのに、夢は膨らみます。
ブラックベリーを育てて生垣にしたい。
通りがかりの子供達が食べられるように。

玄関に、バジルの苗がありました。
近所の方が、早朝から畑に出て置いてくれたのでした。
朝飯を作るのはどこへやら。
妻の頭には苗しかなくなりました。

ねえあんた なあおまえよと 日が暮れる

2017年6月11日
コメント
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