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痛み
皮膚には物を触る感覚を感じる触覚、冷たさを感じる冷覚、痛みを感じる痛覚、暖かさ・熱さを感じる温覚がある。これらの感覚点の数には大きな差がある。
指先を例にとると、触点は9~30個、冷点は7~9個、温点2個、痛点にいたると60~100個にも及ぶ。
痛みはもっとも大切な感覚の一つ。痛みという感覚をほとんど感じなくなる障害がある。無痛症(ANALGESIA)という。体を危険から守る、健康でいるために必要な感覚なのである。
人間はどのように痛みを認識し、危険から身を守っているのか。
①皮膚に刺激が伝わる
②痛みの信号が発生
③痛みの信号を痛点がキャッチ
④痛みの信号は神経を通り大脳皮質に届く
⑤痛みが発生し、自覚する。
さらに痛みの信号を伝える神経は2種類に分かれている。A-δ繊維とC繊維である。前者は太さ2~5ミクロン、信号を伝える速度は秒速12~30㍍、後者は0・4~1・3ミクロン、秒速0・7~2・3㍍である。なぜ2種類あるのかというと、刺激が生じてから脳の指示をまって危険を回避していたのでは致命傷になる。その最悪の事態をさけるために脊髄反射(SPINAL REFLEX)があるのである。脊髄はA-δ繊維によって痛みの原因から避けろという命令を筋肉に送る。瞬間的に身を守り致命傷を防ぐために痛みを伝えるのである。この痛みは一時的なものであり、そのあとにジワジワとした痛みが伝わってくる。刺激によって細胞が傷つくとカリウムイオン、ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミンなどの発痛物質が作られる。これらがC繊維の受容体と結合して痛みの信号が送られるが、最初の痛みから約20秒も経ってから脳で痛みを感じる。ズキズキした長く続く患部の炎症による痛みである。この痛みがあるおかげで、ケガをした部分をいたわり、回復さ
せようとするのである。負傷部分の回復のために完全に治るまで痛みを伝え続けるのである。
つまり体を危険から守り、傷の回復を促進させるために痛みは存在するのである。
一方“手当”を語源とする行動、つまり痛い部分を手でさすったりすると痛みが緩らいだりするのは気のせいなのか?実は痛みの伝達を遮断するゲートコントロール(GATE CONTROL THEORY)によるものである。
この理論はカナダの心理学者Prof.RMELZAKとイギリスの解剖学者Prof.P.D.WALLの二人が発表したもので、痛みの信号の通り道である脊髄には痛み以外の様々な感覚が通っている。脊髄の中には痛みを伝えるXゲートと痛み以外の感覚を伝えるYゲートがある。その2種類のゲートが脳に伝える痛みの量をコントロールしているという。つまり細胞を壊すような刺激があった場合、最初はXゲートから痛みの信号ばかりが送られる。そこを手で何度もさすっているうちに、触られる刺激の信号の量が増すために痛みの信号量が減り、やわらぐのである。
........ 一方、痛みを消す薬物としてモルヒネが知られている。これは麻薬性鎮痛剤として紀元前1500年頃から使用されていた。1978年コスターリッツ博士(Prof.H.W.KOSTERLITZ)らは脳の中でモルヒネと似た作用を持つ物質が何種類も作られていることを発見した。その中で最も強い作用を持つものがβ-エンドルフィン(β-endorphin)である。
....これはモルヒネの約6・5倍の鎮痛作用を持つという。モルヒネはβ-エンドルフィンと構造の一部が非常によく似ているため同じ鎮痛作用をもたらす。
人間には骨折や出産といった激しい痛みを伴う場合このβ-エンドルフィンが分泌されるような仕組みが備わっている。脳内でこれが分泌されると、中脳が指示を出し、脊髄から伝わって来る痛みの信号を大脳皮質に伝えなくするように働くという。
しかしながら、ガン患者の痛みが消えないようにβ-エンドルフィンによってすべての痛みが完全に消え去ることはない。
ではどういう時に痛みを感じなくなるのか…。身体が強いストレスを認識すると脳に警告反応がおこる。とりわけ生命の危機にかかわる状況の場合脳のある器官が意識を集中させる。それが脳幹網様体(Brainstam Reticular Formation)。これは身体の様々な情報を分類して大脳皮質に伝えるコントロールルームにあたる。つまり何かに集中している時、余分な情報のドアを閉ざし、必要な情報だけを大脳皮質に伝える。スポーツ時のそれは交感神経の働きと運動能力を高め、意識を集中させようとする。
さらに生命の危機に遭遇したような時には、生き残るためのシステムが働く。生きるか死ぬかの瀬戸際の場合、脳幹網様体は生きるためだけの必要な情報を大脳皮質に伝え、痛みの情報をシャットアウト。さらにβ-エンドルフィンの分泌によって痛みを抑える機能が働いたといえる。
危機から脱し、生きるための集中力が薄れ、脳幹網様体は意識活動を正常化させる。するとβ-エンドルフィンの分泌がおさまり、痛みを抑制する機能が低下し、痛みの情報が送られ、激しい痛みを感じるようになるという。
このように痛みを感じなくなる原因には…
①ゲートコントロール理論
②脳幹網様体による痛みの情報のカット
③β-エンドルフィンによる痛みを抑える機能の活発化
以上の3つが原因していると説明できる。
これを利用して意識的に痛みをコントロールすることができる。ソフロロジー出産などがそれである。リラックスすることとイメージトレーニングによって痛みの切り替えスイッチをつくり、楽に出産できるという。
しかし、このイメージトレーニングは予期できる痛みにのみ有効なのである。
様々な方法により、痛みを感じなくさせる身体のメカニズムがある。だが、痛みを感じないのは一時的なものでしかなく、痛みの元を取り除くことが第一である。何よりも痛みがあることによって健康に生きられるのである。
lineと構造が似てはいるものの、高等動物にのみ存在する第二の興奮剤である。
痛み
皮膚には物を触る感覚を感じる触覚、冷たさを感じる冷覚、痛みを感じる痛覚、暖かさ・熱さを感じる温覚がある。これらの感覚点の数には大きな差がある。
指先を例にとると、触点は9~30個、冷点は7~9個、温点2個、痛点にいたると60~100個にも及ぶ。
痛みはもっとも大切な感覚の一つ。痛みという感覚をほとんど感じなくなる障害がある。無痛症(ANALGESIA)という。体を危険から守る、健康でいるために必要な感覚なのである。
人間はどのように痛みを認識し、危険から身を守っているのか。
①皮膚に刺激が伝わる
②痛みの信号が発生
③痛みの信号を痛点がキャッチ
④痛みの信号は神経を通り大脳皮質に届く
⑤痛みが発生し、自覚する。
さらに痛みの信号を伝える神経は2種類に分かれている。A-δ繊維とC繊維である。前者は太さ2~5ミクロン、信号を伝える速度は秒速12~30㍍、後者は0・4~1・3ミクロン、秒速0・7~2・3㍍である。なぜ2種類あるのかというと、刺激が生じてから脳の指示をまって危険を回避していたのでは致命傷になる。その最悪の事態をさけるために脊髄反射(SPINAL REFLEX)があるのである。脊髄はA-δ繊維によって痛みの原因から避けろという命令を筋肉に送る。瞬間的に身を守り致命傷を防ぐために痛みを伝えるのである。この痛みは一時的なものであり、そのあとにジワジワとした痛みが伝わってくる。刺激によって細胞が傷つくとカリウムイオン、ブラジキニン、セロトニン、ヒスタミンなどの発痛物質が作られる。これらがC繊維の受容体と結合して痛みの信号が送られるが、最初の痛みから約20秒も経ってから脳で痛みを感じる。ズキズキした長く続く患部の炎症による痛みである。この痛みがあるおかげで、ケガをした部分をいたわり、回復さ
せようとするのである。負傷部分の回復のために完全に治るまで痛みを伝え続けるのである。
つまり体を危険から守り、傷の回復を促進させるために痛みは存在するのである。
一方“手当”を語源とする行動、つまり痛い部分を手でさすったりすると痛みが緩らいだりするのは気のせいなのか?実は痛みの伝達を遮断するゲートコントロール(GATE CONTROL THEORY)によるものである。
この理論はカナダの心理学者Prof.RMELZAKとイギリスの解剖学者Prof.P.D.WALLの二人が発表したもので、痛みの信号の通り道である脊髄には痛み以外の様々な感覚が通っている。脊髄の中には痛みを伝えるXゲートと痛み以外の感覚を伝えるYゲートがある。その2種類のゲートが脳に伝える痛みの量をコントロールしているという。つまり細胞を壊すような刺激があった場合、最初はXゲートから痛みの信号ばかりが送られる。そこを手で何度もさすっているうちに、触られる刺激の信号の量が増すために痛みの信号量が減り、やわらぐのである。
........ 一方、痛みを消す薬物としてモルヒネが知られている。これは麻薬性鎮痛剤として紀元前1500年頃から使用されていた。1978年コスターリッツ博士(Prof.H.W.KOSTERLITZ)らは脳の中でモルヒネと似た作用を持つ物質が何種類も作られていることを発見した。その中で最も強い作用を持つものがβ-エンドルフィン(β-endorphin)である。
....これはモルヒネの約6・5倍の鎮痛作用を持つという。モルヒネはβ-エンドルフィンと構造の一部が非常によく似ているため同じ鎮痛作用をもたらす。
人間には骨折や出産といった激しい痛みを伴う場合このβ-エンドルフィンが分泌されるような仕組みが備わっている。脳内でこれが分泌されると、中脳が指示を出し、脊髄から伝わって来る痛みの信号を大脳皮質に伝えなくするように働くという。
しかしながら、ガン患者の痛みが消えないようにβ-エンドルフィンによってすべての痛みが完全に消え去ることはない。
ではどういう時に痛みを感じなくなるのか…。身体が強いストレスを認識すると脳に警告反応がおこる。とりわけ生命の危機にかかわる状況の場合脳のある器官が意識を集中させる。それが脳幹網様体(Brainstam Reticular Formation)。これは身体の様々な情報を分類して大脳皮質に伝えるコントロールルームにあたる。つまり何かに集中している時、余分な情報のドアを閉ざし、必要な情報だけを大脳皮質に伝える。スポーツ時のそれは交感神経の働きと運動能力を高め、意識を集中させようとする。
さらに生命の危機に遭遇したような時には、生き残るためのシステムが働く。生きるか死ぬかの瀬戸際の場合、脳幹網様体は生きるためだけの必要な情報を大脳皮質に伝え、痛みの情報をシャットアウト。さらにβ-エンドルフィンの分泌によって痛みを抑える機能が働いたといえる。
危機から脱し、生きるための集中力が薄れ、脳幹網様体は意識活動を正常化させる。するとβ-エンドルフィンの分泌がおさまり、痛みを抑制する機能が低下し、痛みの情報が送られ、激しい痛みを感じるようになるという。
このように痛みを感じなくなる原因には…
①ゲートコントロール理論
②脳幹網様体による痛みの情報のカット
③β-エンドルフィンによる痛みを抑える機能の活発化
以上の3つが原因していると説明できる。
これを利用して意識的に痛みをコントロールすることができる。ソフロロジー出産などがそれである。リラックスすることとイメージトレーニングによって痛みの切り替えスイッチをつくり、楽に出産できるという。
しかし、このイメージトレーニングは予期できる痛みにのみ有効なのである。
様々な方法により、痛みを感じなくさせる身体のメカニズムがある。だが、痛みを感じないのは一時的なものでしかなく、痛みの元を取り除くことが第一である。何よりも痛みがあることによって健康に生きられるのである。
lineと構造が似てはいるものの、高等動物にのみ存在する第二の興奮剤である。