地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

恐怖体験

2006年08月16日 | Weblog
2週間ぶりにベトナムへ戻りました。
空港から自宅へ向かう車の中、外を見ているとバイクの後ろに捌いた豚を2匹豪快に積んでいる風景に出くわしました。
ええ、バイクの荷台にね、お腹を割かれた豚が両手両足をでろ~んと広げて大の字で仰向けに寝てるんですよ。上下互い違いになって。
お腹の上にはその豚君たちから取り出した内臓らしきものが入ったビニール袋が積まれています。

そんな風景を見ても特に気持ち悪がることもなく、「あ~、ベトナムやなあ。日本の友達に報告しよっと。」と冷静な自分にベトナム化を感じます。


ところが、そんな私も別のところで思わぬ恐怖体験を。

翌日、仕事帰りにいつもの市場へ立ち寄り、いつもの野菜売りの女の子から野菜を購入。
「お姉さん、長いこと見なかったけどどこか遊びに行ってたの?」「日本へ2週間帰ってたのよ~」などと世間話をしつつ。

野菜売り女子は私には「7,000ドン均一ルール」を作っているのか知らないけど、いつも何故か合計は7,000ドンです。
少ししか買わない時も勝手にネギとか香草とかを追加して、最後には「はい、7,000ドン。」
「5,000ドンにしてよ」と値切ってみたけど、あっさり拒否されました。
そういや彼女のお母さんから買うときは何故かほとんどの場合9,000ドン。
きっと娘から買ったほうがお得に違いない。

野菜を買って帰ろうとしたところへ、エビ売りのおばさんが擦り寄ってきました。
「ほら、新鮮なエビ、どう?」
いつも出勤途中にタライの中でピチピチ跳ねている新鮮なエビを見て、「おいしそう~」と思いつつ買えずにいましたが、今日はせっかくだから買ってみようかな。

で、値段なんですが、2週間も日本にいて戻ってくるとベトナム語、特に数字に頭がついて行きません。
ベトナム語では英語のように例えば「5万」は「Fifty Thousand」のような言い方をするので、疲れている時、ボーっとしている時は言われても一瞬単位が分からなくなります。

しかも行商人達は農村出身なので言葉が訛っています。
日本帰りの頭に訛ったベトナム語で早口でまくし立てられると全く聞き取れません!
なにやら野菜売りが「ニャムニャム!」とか言ってます。
え?だから幾らさ?
「だからニャムニャムだってば!」

えーっと、えーっと、きっと「ナムラム(55)」と言っているのだ。
つまりは5万5千ドンだと思う。。。でも自信ない。頭は混乱。
結果、しびれを切らした野菜売りがお札を見せてくれました。
あ、やっぱり5万5千ドンだ。

500グラムで5万5千ドン。
正直、高いのか安いのか分かりません。
いつも野菜しか買わない私は、支払う代金といえば数千ドン程度。
いきなり5万5千はものすごく大金に聞こえます。

「高い!5万にして!」と5千ドンも値切ってみたところ、エビ売りはあっさりOKを出してくれました。
ん?こんなにあっさりOKが出るとは、やはりボラれているのか?それとも夕方だから早く売り切って帰りたい

お金を払い、家路に急ぎながら頭の中で考えます。
「確かスーパーでいつも買ってる冷凍エビが6万5千ドン。あれって何グラム入ってたっけ?」

さて、家に着いて早速冷凍庫のエビを確認すると500グラム入りで6万5千ドンでした。
少なくとも冷凍エビよりは安い。
ちょうど母から電話が入ったので、「ブラックタイガーぐらいの大きさのエビ500グラムで350円から400円って高い?安い?15匹ぐらい入ってるけど。」と聞いてみました。
母曰く、「そら、安いのんちゃうの~?」
そらそうだ。日本の物価で考えると安い。
問題はベトナムで高いか安いかなのです!

さてさて、せっかく買ってきた新鮮なエビ。
すぐに料理した方がいいでしょう。

で、袋を開けてみたところ。

ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃ~
跳ねてるよぅ~!怖いよぅ~!

そうなのです。
生きてる魚介類を豪快にさばけるほど自分がお料理上手ではなかったことにはたと気づきました。

とりあえずボウルに入れ、流水ですすぐも元気なエビ達が跳ね回っています。



新鮮なエビたち。


そして一番元気な奴がボウルの外まで飛び出しました。

きゃあぁぁぁ~・・・

まるでゴキブリが出たかのように叫んでしまいました。
きっと近所まで聞こえています。


こやつが大きくジャンプしてボウルの外まで・・・。

怖いので一番ぐったりしてそうなエビ達数匹の頭をもいで殻をむきましたが、ひえ~、頭もがれても動いてる~!
エビをむくだけで3年ぐらい寿命が縮まり、意外と現代っ子な自分を発見。
それにしても、う~む、やはりベトナムにいると食物連鎖を意識します。
「なまんだ~」とエビ達に手を合わせ、自然の恵みに感謝。


残りのエビは怖いのでそのままジップロックに入れて冷凍庫へ。
どうか安らかにお眠り下さい。(間違っても解凍した時に生き返ったりしないで下さい。)

ふぅ~、恐怖のエビ体験でした。

ちなみにその日の献立は、卵どんぶりにするつもりだったのをエビ玉丼にしました。

(ちょっとご飯が少なく、具と汁が多く、見た目悪し。)
恐怖体験で疲れたので、つけあわせは冷奴とインスタントの納豆スープだけです。
あしからず。
三つ葉の代わりにパクチーを入れたので和食なのになぜかベトナムの味になってしまいました。



翌日、ベトナム語の先生に「500グラムの生きたエビ5万ドンって高い?」と聞いてみたら、「それはとってもお得よ!」と言われました。

あ~、よかった