地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

フィリピンと日本、戦争の爪痕

2011年03月27日 | Weblog
今朝の「日刊まにら新聞」にこんな見出しの記事があった。


先祖の遺骨盗まれた比人男性が自殺。
関連性指摘される収集事業「無言の一石」



先祖の遺骨を盗まれた30代の男性が、それを苦に自殺したという記事、実は日本と深い関係がある。
フィリピンでの戦没日本人遺骨収集をやっているのは、日本政府から委託を受けたNPO団体。
現地の人に遺骨収集の報奨金を出している。

このことが現地住民の間に亀裂を生んでいるそうだ。
お金がもらえるとなると、他人の先祖のお墓から遺骨を盗んで、それを戦没日本人のものだとして提出する人が出てくる。

手段を選ばず懐を温めたい住民と、そんな不正は許さない住民の間でしばしば衝突が起きていたようだ。

ちなみに以前は遺骨1体につき4,000ペソ(約8,000円)がもらえたそうだが、最近はノルマがきつくなり、収集数が増えたため500ペソまで単価が落ちたとの不満の声もある。
(ノルマって何なんだ?!)


今回、先祖の遺骨を盗まれた男性はある部族の人。
その部族では先祖の霊を慰めるために盛大な儀式を行わないといけない。
しかし、そのために用意する供え物などの費用負担が重くのしかかる。

この日、妻が儀式に使う豚などの購入先の目途が付いたと伝えた後、男性は自宅で自殺した。


こんなことが起こっているとは、日本人として情けなくなる。
そもそも遺族も、これまでに渡された遺骨が全く関係のないフィリピン人のものだったかも知れないと思うと、全く身内を供養できたことになっていない。

戦没者の遺骨はDNA検査をしているわけではないのか?
そもそもどれが誰の遺骨かというのは、どうやって確認を取っているのか?
まとめて戦没者の遺骨を供養しているだけ?

今まで遺骨収集の記事などは目にしてきたけど、深く掘り下げて調べてみたことはないので、一度調べてみたいと思う。
うちの祖父は生きてフィリピンから帰ってきたけど、故郷の土を踏むことなくこの地で没した邦人はたくさんいる…。

と思って少しネットで検索してみたら、確かにこの手の疑惑の記事は出ている。


http://diamond.jp/articles/-/9652

もちろんNPO団体はボーンビジネスを否定している。
某アルピニストが理事だったけど、週刊誌に取り上げられてから退会したそうだ。

NHKとはいえ、マスコミの報道を鵜呑みにしてはいけないが、この記事で語られているような政府の対応は目に浮かぶ。
きちんと検証してもらいたいな。

そのためには国民がもっと戦争というものに関心を持たないといけないんだよね。

フィリピンあれやこれや、の続き

2011年03月26日 | Weblog
日本で未曾有の大災害があり、フィリピンでそれがどう報じられているかというと、秩序正しい日本人を絶賛する声が多い。
食料が足りなくても暴動を起こしたり略奪をしたりせず、行儀よくきちんと列に並んで配給を受け取っている被災者の姿が、フィリピンのみならず海外メディアで驚きと称賛となっている。

一方、放射能汚染に関する根拠のない噂がフィリピンにも流れており、一部地域ではパニックに陥ったようだ。
先日タクシーの運転手からも「雨が降ると日本から来た放射能を浴びるんじゃないのか?」と聞かれた。


ところで比政府が日本へ送ると言っている緊急援助隊の待遇が破格で、希望者が殺到しているそうだ。
フィリピンは国策として国民を海外に出稼ぎに出しており、彼らはOFW(Overseas Filipino Workers)と呼ばれている。
シリアやエジプトなど政変のあった場所からOFWを無事に保護したと政府は宣伝しているが、実際にはそのような場所にいても帰国したがらないOFWが多いらしい。
みんな収入が第一優先だからだ。
フィリピンへ帰ってきてもお金が稼げず、たちまち家族が困窮してしまう。



さて、またまたフィリピンでの食事をご紹介。
事務所があるエリアはビジネス街で、そこからホテル方面はほとんど飲食店がないため、事務所ビル1階のフードコートのファストフードをテイクアウトするか、コンビニなどで何か買って帰ることが多い。


あんまりお腹の調子が良くなかったとき、フードコートのフィリピン料理屋で買ったお粥。




味はかなり濃いめで、ガーリック風味たっぷりだったけど、おいしかった。
Arrozなんとかという名前だったので、ここにもスペイン語の影響あり。



また別の日、今度は別のフィリピン料理屋でご飯とおかずのセットを買ってみた。
おかずはいくつか種類がある中から指さしで選べる。
今日は魚のフライとゴーヤの炒め物をチョイス。




ゴーヤはまさにゴーヤチャンプルーで、おいしかった。



おやつにバナナを春巻きの皮で包んで揚げたものも購入。





それからコンビニで売っているサラダが1回で食べきるには大きすぎるので、前日から半分残しておいたもの。




マンゴーやチーズも入っていて、ドレッシングもマンゴーマスタード味でおいしい。

注)いつも色が悪いのは、ホテルの照明が暗いからです。



それから、それから、この前初めて入ったParis Deliceというフレンチカフェ。
土曜日のランチでキッシュを食べ、さらに夕ご飯用にサンドイッチとスープをテイクアウト。




トマトクリームスープがとてもおいしい。
サンドイッチは、ヨーロピアンを注文したはずなのに、間違ってこの前食べたのと同じモッツアレラ&バジルだった。


さらに朝食用に買ったパンでご機嫌。
クロワッサン、チョコパン、そして夕べのスープについてきた小さいバゲット。




う~ん、フランスの香り



その他地域情報。

毎週土曜日、サルセド地区の公園ではマーケットが開かれている。
食べ物屋さんや野菜、果物屋さん、植木屋さんなど様々なブースが軒を連ねる。

















ここはビル街の中の公園です。






さて、1週間ほど前から仕事の都合で別のホテルへ移動。
ホテルのランクは落ちるが、スタッフの対応はいい。











週末、部屋に戻ると枕の上に何かある。




よく見ると「おやすみなさい」のメッセージカード。




心遣いはありがたいが、「おやすみなさい」に添えるキャンディがメントスはなかろう…。
目が覚めて眠れないよ




その他、フィリピン特有のことと言えば…、

どのお店へ行っても店員の数がやたらと多く、あいさつがうるさいということは以前書いたが、我がお気に入りスーパーのSMシューマートでは、洗濯洗剤売り場がすごかった。
5~6人の若い女性店員らが、通路の両側から大声で商品をアピってくる。
こっちは自分で商品棚にある商品を手に取ってみてみたいのに、おすすめ商品を手にした店員がワサワサ寄ってきて邪魔をする。

商品をカゴに入れると、大声で”Thank you for being served!”と。
…。それはなんか違うだろう…。

レジの効率は恐ろしく悪く、日本のスーパーのレジ店員ならすでに10人のお客さんをさばけているであろうところ、フィリピンでは1人しかさばけない状況だ。
別に商品の値段を手打ちしてるわけではない。
日本と同じようにピッと赤外線に通すだけなのに、だ。

レストランでもお会計が恐ろしく遅いので、急いでるときは食べ物を注文すると同時に「お会計!」と言っといた方がよさそうだ。


店員や運転手、下っ端のスタッフなど、何か話しかけるとまず”Yes, ma’am.”という言葉が返ってくるので、なんだか壁を感じる。
上司に対しても”Yes, ma’am.” ”Yes, sir.”で、絶対服従だ。
しょうがないのでこっちも取引先のエライサンなどには、”Yes, ma’am.” “Thank you ma’am.”などと言っている。


ある日、取引先のNo.2の恐ろしいおばちゃんが会議に登場し、自分のスタッフのみならず私たちゲストのことも威圧しまくっていた。
日本語の研修生に配給する昼食の話をしていた時、そこの研修施設の食堂からケータリングを計画していたが、その恐ろしいおばちゃんが猛反対。

自分とこの食堂なのに「あんなマズイ食事を食べさせると必ず不満が上がってくる!野菜なんか生煮えの時があるじゃない!」と。
それはあなたが指導して、食堂環境をインプルーブすればよいのでは…?

そして、「外部からのデリバリーにしなさい。伝統的なフィリピン料理の」と言うので、それならいいかなと思ったら、その後に続いた言葉が、「例えばマクドナルドとか、ジョリビー(←フィリピン版マックのような感じ)、チョウキン(←中華のファストフード)、イナサル(←ジョリビーと同じような店)…」だった。
どれも激安ファストフード店である。
しかも伝統的な料理ではない。(マックなんかアメリカやん。)

もう、思いもかけないセリフに椅子からずり落ちそうになった。
どんだけ強烈なボケ持ってるんですか、おばさん!

もちろん本人はいたって真面目である。





一言いわせてもらう。

食文化が貧しい国は発展しない!!!

ランチ事情

2011年03月09日 | Weblog
食べ物があまりおいしくないフィリピンだが、毎日少しでもおいしいものを求めてさまよっている。
しかし、毎日毎日外食だと非常につらい。



今日はランチタイムに近くにあるおしゃれなフレンチカフェに行ってみた。
存在は知っていたが、なぜかいつも素通りで、その先にある怪しげな「新宿ラーメン」とかに行ってたもので

初めてフレンチカフェに入ってみて感動した。
パンやお菓子はフランスから輸入しているそうで(本当か知らないけど)、バゲットがめちゃくちゃおいしかったのだ
メニューにはサンドイッチのほか、スープやキッシュもある。

とりあえず本日はモッツァレラチーズとトマトとバジルのサンドイッチにしてみた。
う~ん、おいしい
こんなにおいしいのに、なんで今までこの店を素通りしてたんだろ。
どうりでフランス人がいっぱい来てるわけだ。

おしゃれっぽいカフェだけど、目の前の道は車やジープニーで渋滞しており、物乞いの子供らが出現する。

同じマカティの中心部でも、うちのオフィスから1つ道を渡ると雰囲気が変わり、こういったドメスティックな空気が満載となる。
その中にあってのフレンチカフェ。


ところで今日はランチのためにエレベーターで1階に下りて驚いた。
ドアが開いた瞬間、エレベーターホールにびっしり人が詰まっていて、賛美歌を歌っている。
1階の裏玄関ホールでは、よく催し物をやっている。
化粧品などを売る店が出ているときもあれば、宗教グッズを売っている売店の時もある。
今日は特別な日なのか知らないが、真昼間からミサをやっていたようだ。

両手を胸の前に軽く掲げて賛美歌を歌う人の波を「すいません、すいません」と言ってかきわけて通り抜け、ランチへと向かったのであった。



さて、話はランチに戻り、先日フレンチカフェの並びにあるペルシャ料理の店に行ってみた。
ドアを開けると何やら高級レストランのような装い。

(し、しまった…。でも今日はちゃんとお金持ってる。)

メニューを見るとやはりちょっとお高い。
ランチなのでシシカバブサンドイッチにしてみた。
それにペルシャ紅茶をつけただけで、500ペソ近くになってしまった。
う~ん、1,000円ランチかぁ。

でもまあ、お肉おいしかったし、たまにはいいか。
店員が色々話しかけてきたので、「この辺にスーパーある?」と聞いてみたが、ちょっと離れたところにマーケットがあるくらいで、やはりビジネス街にスーパーはないようだ。


ペルシャ料理の斜め向かいにあるイスラエル料理屋にも近々行ってみたいと思うが、こちらも高そうな予感。


まだまだ開拓の余地がありそうだ。

フィリピンあれやこれや

2011年03月06日 | Weblog
一瞬の一時帰国の後、マニラに舞い戻った。

なぜかドコモの携帯がうまく機能しておらず、こっちから送ったメールは届いてるようだが、返信メールが受け取れない。
メッセージセンターへの問い合わせ機能もうまく働かず。

前回マニラに来たときは大丈夫だったのに、なぜ?


さて、今回は最初の2週間、予算から足が出た分自腹を切って選んだホテル。

Studioタイプのサービスアパートメントだけど、広い!






ドアの施錠はしっかりしていてよろしい。




小さいキッチンついてます。




テレビは旧式か…。
でもNHK映る。




シャワー室とバスタブが別々なのは誤算だった。






久しぶりにChow Kingにて中華のテイクアウト。
ドリンクもついて175ペソ(約350円)は安い!
いや、実はもうちょっと品数少ないセットで89ペソというのもある。




が、日本から戻ってきた直後に食べるとおいしくなかった。
日本でごちそう食べたからなあ。。。



フィリピンで最も困るのは食事。
まわりはファストフード店ばかりでどうしようもない。

今日は休みだったのでショッピングモールへ行き、タイ料理屋でパッタイを注文した。
ドリンク、チップも含めると350ペソなのでちょっとお高い。
味はおいしかったけど、パッタイってこんなにウスターソースみたいな味付けだったっけ?
あと、チリを足しても足しても辛くない。

ドコモ携帯でおしゃれなショッピングセンターやパッタイの写真を撮ったのに、いざドコモデータリンクで取り込もうとしたらうまく行かない。
自宅に置いてきたパソコンでは問題なくできたが、こちらに持ってきた新しいパソコンは指紋認証機能などややこしいセキュリティがいっぱいついてるせいか、データリンクをインストールしてもドライバーがうまく行かなかった。
残念だ…。


ちなみに今宿泊中のホテルはインターネットが有料なので、今日1日しかつないでいない。
2週間後に別のホテルに移ったら、インターネット無料かな?
なにかと不便なことが多い海外生活。


さて、フィリピンあれやこれや。

【イメルダ夫人】
靴を何千足と持っていた、悪評高いイメルダ・マルコス夫人だが、今も国会議員としてご活躍中らしい。
市民からの評判はというと、支持者にはお金を配っているので、すこぶる評判はいいみたいだ。
非常にわかりやすい。

絶妙のタイミングで、BBCがイメルダ夫人を取材していた。

番組は最初にスラムなどを取材。
家がなくてお墓に住む人々がいる。
ちょっと立派な、祠のような作りになっているお墓などは、すっかり家と化しており、中にテレビや扇風機などの家財道具まで備え付けてある。
他にも、つみあがったお墓の上に小屋を建てて住む人たちの姿など。

お金のない人のお墓は何段にも積み上げられた集合住宅のような形式になっている。
日本でも省スペースの納骨堂などあるが、フィリピンは土葬なので場所を取る。
お墓の場所代みたいなものは5年ごとに支払うそうだが、支払いが滞ると容赦なくお墓を開けられ、遺骨が引きずり出される。
正者だけでなく、死者までもが家賃を滞納したら叩き出されるとは…。

しかもお墓から素手で遺骨を取り出して袋に入れているのは子供である。
BBCのリポーターに「どういう気持ち?」と聞かれ、「別になんとも思わない。8歳の時からやってるから」との答え。

そういった貧しい人たちの映像を見せた後で、いざイメルダ・マルコス夫人の豪邸訪問。
数々の美術品が飾られている、広々とした居間。
リポーターが「あなた方は最初からお金持ちだったのか、それとも国のお金でこれらのものを買ったのか?」と質問すると、イメルダさんは「夫は最初からお金持ちだった」との返事。

そういえば機内誌にちらっとイメルダ夫人の記事が出ていて、「私はマテリアル・ガールなんかじゃないわ。私の父は『自分を愛し返さないものを愛するな』と教えてくれたの」とのズッコケコメントが載っていた。
あんだけ靴を愛していて何千足も持っていたのに?

そういや先日の新聞で、マルコス元大統領を英雄墓地に入れるかどうかで議論が巻き起こっていると書いてあったな。
現大統領だか首相だかが誰かに決断を丸投げしていた。
その後どうなっただろうか?

また、番組はパラワン諸島でボートで生活する人々や、彼らを追い出してエコツーリズムを呼び込もうとするフィリピン政府の思惑などを映し出す。
フィリピンは世界中で最も貴重な自然が存在し、最も早く環境破壊が進んでいるとのこと。

さらには紛争地帯であるミンダナオ島のイスラム教徒たちの生活や難民たちの姿も取材されていた。
本当にフィリピンには、一言で言い表せないいろんな問題が詰まっている。


【貧富の差】
イメルダ夫人とスラムの人々も対照的だが、本当にフィリピンでは貧富の格差が大きいと思う。
先日訪問したSt. Luke's Medical Centerは巨大なホテルのような建物で、最新の医療機器がそろい、セレブな入院生活が楽しめる病室もある。
とても途上国には見えない設備だ。

ちなみにフィリピンの病院内はカフェなどが充実している。
みんな食べることが好きなので、病院内にもスタバやその他ファストフード店がたくさん入っている。
(でも内臓系の疾患で入院してると、そんなもの食べられないんじゃ…?)

もう一つの特徴は、病院内のエレベーターにエレベーターガールが存在すること。
不思議だ…。

で、あらためて驚くのは、どんなに高級な病院、高級なホテル、高級なレストランであっても、そこに来ている人たちはかなりの数フィリピン人だということ。
他の途上国であれば、そのような場所のお客さんはすべて外国人ということも珍しくない。
しかしフィリピンにはかなりの数の富裕層が存在するのである。

お金持ちエリアを一歩出たらその格差は大きい。
ため息が出る。


【ダバオ】
危険なので「渡航の延期をおすすめします」あるいは「渡航の是非を検討してください」となっているミンダナオ島だが、ダバオ市だけは安全だそうだ。
なんでも現在のダバオ市長がめちゃめちゃ悪人に対して厳しくて、自ら殺し屋を雇って悪人を消して行っているとか。
なので悪人たちはみんなダバオの外へ逃げ出しているとか。(真偽のほどは未確認)
市長が直接市民から苦情や相談を受け付けるテレビだかラジオだかの番組があり、市民から訴えられた悪人は公共の電波を通じて市長じきじきに名指しで注意され、「いついつまでに改善しないと、どうなるかわかってるだろうな?」との脅しを受けるそうだ。(ほんとか?)

ある時、「うちの息子は飲んだくれてばかりで仕事をせず、暴力をふるう」と相談した母親に対し、市長の返事は「で?息子を殺ってほしいのか?」だったとか。(笑)
まさかそれだけはご勘弁、と母親が哀願し、数日後に息子が市長のオフィスに呼び出され、直接注意を受けたらしい。
う~ん、すごい話だ。


【語学教育】
なまじ英語ができるだけに、フィリピン人は一般的に外国語習得に関心がないという。
外国語大学が存在しないらしく、また、日本語学科を設けている大学もないに等しいらしい。
そういうわけで、ほかの東南アジア諸国と違って、日本語学習者は極端に少なく、日本に関心を持つ人も限られる。

しかし、上述のミンダナオ州ダバオ市にあるミンダナオ国際大学だけは別格で、唯一日本語学科を持ち、日本語教育が盛んだという。
その背景には戦前に日本人移民が多かったというダバオの歴史的背景がある。

とはいえダバオは特殊であり、一般的にフィリピンでは日本語を含む外国語教育はあまり盛んではない。
今や英語は公用語として教えられているが、7000以上の島を持つフィリピンでは方言も多数あり、地方の子供たちは自分たちのそれぞれの親の出身地の方言を覚え、学校ではタガログ語と英語を教えられ、それだけでも軽く4か国語ぐらいを習得しているのに、これ以上ほかの外国語が入る余地はないという指摘もある。


【食べ物】
さあ困ったぞ。
フィリピンの食事がおいしくない。
そして大変不健康である。

今日は夜ご飯に「テリヤキボーイ」という日本食のチェーン店に行ってみた。
本当はもうちょっと遠出してみたかったけど、この辺りはビジネス街なので日曜日は人通りが少なめで、閉店しているお店も多い。
身の安全のため、すぐ近くのレストランをチョイス。
テリヤキボーイでは以前ランチでカレーを食べて、まあまあおいしかった。(家庭のカレーの味)

これと言って食べたいものも思いつかないけど、とりあえずエビ天ぷら弁当をチョイス。
天ぷらもどうかと思いつつ、どうもお肉を食べる気にならなかったので。

エビ天ぷら弁当にはサラダともやしとエビ天と味噌汁とコーヒーゼリーがついてきた。
せっかくの野菜摂取のチャンスであるサラダには、これでもかというぐらいマヨネーズがたっぷりとかかっている。
もやしは炒めてあると思われるが、シェフが味付けを忘れたのでは?と疑うほど味がしない。
コーヒーゼリーには私の嫌いなホイップクリームがたっぷり。
食事と一緒に注文したアイスティーは激甘のネスティー。
占めて600~700円相当のディナーであるが、この不満足感はなんとも言えない。


コンビニで売っているジュースには果汁100%のものが見当たらず、砂糖がたっぷり入っている。
ヨーグルトもなぜかゼリー入りで甘い。
本当に健康管理に困る。

この2週間はキッチン付きのホテルだが、ここはビジネス街だからかスーパーが見当たらない。
したがって、食品の購入はコンビニ頼み。
スーパーに行けばきっと100%のジュースもあるだろうし、ヨーグルトもプレーンは無理でもせめてゼリーが入っていないものがあるに違いない。
だけどスーパーがない!
一応人がたくさん住んでるので、どこかにあるはず。
職場の人に聞く暇もなく前回の2週間が過ぎてしまったので、今度こそ…。

近くにコリアン食材を売ってる店があり、そこで野菜が売られているのは見た。
また、土曜日は公園でマーケットが開かれているので、そこでも様々な食材が売られている。

ふと気づいた。
食材買っても調味料買わないと料理ができない…。
先ほど夕食帰りにセブンイレブンに寄り、とりあえず塩だけは購入。
コンビニで売ってて大丈夫なのかわからない卵も買ったので、明日の朝はスクランブルエッグでも作ってみようかな。
ミニストップで買った小さいマーガリンもあるし。


油と砂糖から逃れ、健康管理するには自炊は必須と思われる。
自炊以外の方法はほぼ思いつかない。
オフィスの近くにヘルシーな韓国料理屋さんはあるが、毎日は行けない。
したがって自炊が唯一の健康な食生活を送る方法である。

が、しかし、仕事の都合上4か月以上もホテル暮らしとなる。
きつい…。
正直きつい…。

これでせめてベトナムみたいに地元の料理がおいしければ楽しみがあるが、食事がまずい国というのは致命的である。
テンションが上がらない。
フィリピン料理以外のイタリア料理やスペイン料理、中華料理などはおいしいけど、いずれもこってり系だ。

こってりが嫌だからと言って、私は食事をサンドイッチで済ますというようなことができず、お昼も夜も温かいものが食べたいタイプだ。
そしてできればパンよりもお米が食べたい。
温かいからと言ってマクドナルドやKFCは不可なのである。

というわけで、毎日まともな食べ物を求めてさまよっている。

私、フィリピンでどれぐらい頑張れるだろうか…。

フィリピンにあしあと、はじまります

2011年03月01日 | Weblog
フィリピンは先進国か、途上国か。


マニラのニノイ・アキノ国際空港から宿泊先のマカティ市に向かう車窓から見えるのは、そびえたつ摩天楼。
そして華やかなショッピングモールの数々。

私の勤務先があるマカティは、高層ビルがいっぱいのビジネス街。
シャングリラやシェラトンなどの高級ホテルもある。

私が泊ったホテルは、モダンなデザインとアートを売り物にしている某ホテル。
部屋は非常に奇麗。










ここは本当に途上国か?


しかし、空港から出てすぐのエリアはなんとなくタイのチェンマイを思い出させる感じ。
ただ、乗り物はソンテウではなく、フィリピン名物のジープニーが走り回っている。
ジープニーとは、米軍から払い下げられたジープを改造して乗合バスにしたてたもの。
日本のトラック野郎よろしく、派手に飾り立てられ、大音響の音楽が鳴っていたりする。

乗り方はソンテウと同じで、ジープニーの行き先が自分の行きたい方向と合っていれば乗る。
一定区間は一定料金。


高速道路わきにはスラムらしきものが見える。

マカティのビジネス街も、ビルだけ見てると先進国のようにも見えるが、よく見てみるとやっぱり途上国だ。
歩道はガタガタで、道に座り込んで物を売る行商人がいる。
ガソリンが悪いので排気ガスがひどく、空気は汚れている。
うちのビルの裏手を流れる川はどぶ川だ。


途上国の中の「なんちゃってアメリカ」。
街中いたるところにマクドナルド、KFC、スターバックスコーヒーなどがあふれる。
フィリピン歴の長いN先生は、「乱暴な言い方ですが、ここはハワイだと思って下さい」とおっしゃった。
確かに、ここは東南アジアだと思ってはいけない。
他の東南アジア諸国とは根本的に何かが違う。


コンビニはセブンイレブンとミニストップが多い。
中で肉まんなども売っている。


週末に徒歩圏内のショッピングエリアに行ってみた。
アヤラセンターという場所にデパートなどが密集している。

まずはグロリエッタというモールを偵察。
海外のブランドショップも入ってるし、大型ドラッグストアやレストランも。
とりあえず一通りなんでも買えると見た。

グロリエッタに隣接するランドマークというデパートは、もうちょっとローカル色が強まる。
私にはこのくらいがいいかもしれない。
さらにSMシューマートという、フィリピン庶民御用達のデパート+スーパーはもっと良かった。
庶民派のお店の方が見ていて楽しい。
いずれも巨大な施設なので、なんでもそろう。

グロリエッタからマカティアベニューを挟んだ向かいにあるグリーンベルトは、その名の通り緑あふれる気持ちの良い空間。
グロリエッタよりさらに高級感を増して、オシャレ度をアップさせた感じ。
資生堂とかも入ってるし、マンゴーやザラ、バナナリパブリックなども。
グロリエッタは確か4つのモールが、グリーンベルトは5つのモールが合わさっていたと思う。
グリーンベルト4や5はオシャレブティック中心だが、グリーンベルト1はかなり庶民的な印象を受けた。
いずれにせよ、ドラッグストアや書店、ステーショナリショップその他なんでもある。


フィリピン人はラテン系気質で明るい。
それはそれで素晴らしいことだと思う。
が、ちょっと面倒くさいこともある。

ベトナムなど、サービスという概念から程遠い社会主義国と違い、変に資本主義が根付いている。
店員が笑顔であいさつしてくるのだ。
日本のお店で決まり文句の「いらっしゃいませ~」のように、フィリピンでも"Good afternoon. Welcome to ○○!"と気持ちのこもらない挨拶をしてくる場合もある。

例えば近所のミニストップ。
店内に足を踏み入れるや否や、店員のみならず守衛さんまでもが、"Good evening, ma'am! Welcome to MiniStop!"と声を張り上げる。
レジでお金を払い終わると、"Thank you, ma'am. Please come again!"と大声で決まり文句。
う~ん、なんちゃってアメリカのくせに、こういうとこ日本っぽいな。

さらに困るのはデパートなど。
どんなに一部のお金持ちエリアは発展していても、やはりここは途上国。
店員の数がやたらと多いのだ!

途上国の人件費は安い。
万引き防止も兼ねてか、無駄に多くの人員を配置している。
ベトナムなどであれば、あいさつすらなく、無愛想かつ無表情のままそっとそばに張りつかれる。
が、フィリピンはいちいちあいさつしてくるのだ。

店内を3歩あるけば店員に当たるというぐらい店員が多いので、それはもうコーナーを曲がる度に"Good afternoon, ma'am!"と声をかけられる始末。
非常に面倒くさい…。

スーパーですらそうだった。
野菜売り場や果物売り場で商品を見ていると、あふれかえる店員から"Good afternoon, ma'am! Welcome to ○○!"と声がかかる。
ふぅ…



行くところに行けば商品があふれ返り、アメリカに住んでいるかのような錯覚を覚えるが、やっぱり違う。

ホテルからルームサービスを頼んだ時のこと。
電話すると1階のレストランにつながる。

私「ルームサービスお願いしたいんですけど」
店員「○△※・・・」←わけのわからない返事が返ってくる

私「あのー、ルームサービス頼めるよね?」
店「担当の人に代わります」

私「ズッキーニとトマトのバジルパスタ注文したいんだけど、いい?」
担「ああ、野菜のパスタね。できるよ」

私(いや、できるできないじゃなくて、メニューに乗ってんじゃん。)
 「野菜っていうか、ズッキーニとトマトね!」
担「ああ、ズッキーニとトマト入れられるよ」

私「っていうか、ルームサービスメニューに乗ってるやつのことね!ズッキーニとトマトね!バジルね!」

(おいおい、毎日ルームサービスの電話かかってくるだろうに、手元にメニュー置いてないんかい。。。)

担「はいはい、分かりました。ズッキーニとトマトのパスタね。ところでガーリックブレッドもいる?」
私「いる」
担「別料金だけど?」
私「いくら?」
担「ちょっと待って」(大声で誰かに聞いている)

(だから電話の横にメニュー置いとけよ…

担「たった50ペソだよ」
私「じゃあそれでお願い」

ふぅ~、英語が公用語のフィリピンなのに、なんだか必要以上にエネルギーを使ったルームサービスコールだった。



また別の日。
予約していたホテルにキャンセルの電話を入れたところ、

私「予約のキャンセルしたいんですけど」
電話に出た子「理由は?」
私「あ、ちょっと出張の日程が変わりそうなんで、一旦キャンセルしてあらためて…(焦)」
電「○△□※…」
私「え?なんですか?」
電「○△□※…」←一応英語だけど、なまっててよくわからない

私「あの~、私の名前言ってもいいかな?この前直接そっちに行ってフロントで予約したし、その時にパスポートのコピーも渡してあるし」
電「フロント担当者に代わります」

おい、じゃああんたは一体なんだったんだ?
そしてそもそもキャンセル理由を聞く意味はあったのか?!



やっぱりフィリピンは途上国と認定しましょう。