地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

チベット鉄道

2007年08月24日 | Weblog
一夜明けて朝。

まだ時間が早かったので、起きてる人はちらほらしかいません。
通路沿いの椅子に座ってしばしボーッと車窓から移りゆく景色を眺めます。
列車の旅っていいですね~。
気分はすっかり関口知宏


しばらくすると乗務員さんが廊下の窓のカーテンを開けに来ました。
各寝台室の入り口にはドアもカーテンもなく、廊下から丸見えの状態です。
廊下のカーテンを開けると部屋に朝日が差し込んできて、自然と乗客が起きるという仕組みです。(たぶん)


その後Sさんも部屋から出てきたので、2人で景色を見ながらしゃべっていました。
すっかり日が昇り、周りがだんだん起き出してもねぼすけT子はまったく起きてくる気配がないので、強制的に起こしにかかりました。
早く朝ごはん食べようよ~。



さあ、ここで列車の中の様子をご案内しましょう。

乗客のみなさん、起きて顔を洗ったら朝食です。
朝だろうが昼だろうが夜だろうが、列車に乗る旅人の主食はカップラーメン!(がほとんど)


こちら、私と同室の方たち。
全員思いっきりカップラーメンすすってます。




私達はカップラーメンは2食分だけ持ち込み、あとはパンやフルーツなどを食べていました。
中国人は下手したら丸2日間、朝・昼・晩とカップラーメンでっせ!


ベトナムでもそうなのですが、アジアにおけるこのカップラーメンのステータスの高さは一体なんなんでしょうか?
決して体に良くないと思うのに、健康を気遣っているはずの中国人やベトナム人はインスタントラーメンを好んで食べます。
鍋物屋さんに行っても最後に入れる数種類の麺のチョイスの中に、必ずインスタント麺が入っています。


日本に留学する子供に母親がありったけのインスタントラーメンを持たせる光景も目にします。
う~ん、外国で勉強する我が子にインスタントラーメンはないやろ。
お金を渡して「食事だけはしっかりと栄養のあるものを取るように」という風にはならんのか???と、留学生を送り出す度に思っていました。



さて、車内販売のご飯は15元。昼や夜はご飯とおかず数品、朝はお粥もあります。
また、日中は新幹線の車内販売のようなカートに雑誌やトイレットペーパー、トランプなどなど、色んなものを乗せて売りに来ます。ほとんどの物が10元でした。





トイレをはじめとし、車内はものすごい勢いで汚れていくのですが、乗務員さんが定期的に掃除してくれます。(そうでなきゃあ、やってられない・・・。


たっぷりたまったカップラーメンのゴミを片付けたりと、乗務員さんは大忙し。
(あ、私思いっきり寝起きっぽい?気圧の関係で顔がむくんでるんですってば・・・。




大変そうな仕事とはいえ、恐らくこの列車の乗務員というのは花形職業なんでしょうね。
一昔前のスッチーとかバスガイドさんみたいな感じ?



ほぼ丸2日間列車に乗っているのですが、日中はやることもなく、外の景色を見たり、本を読んだり、しゃべったり、うたた寝したり。

暇なので目の前にいる中国人カップル(最初にお世話になった、英語ができる彼氏とワガママそうな彼女)を観察。
彼の方は好青年なんですが、彼女の方はちょっと・・・。

「ねえ、彼、絶対この女にだまされてるよ」
「いやあ、若い時はこういうワガママっぽいのがいいんじゃない?」
「言ってくれればもっと気立ての良い娘紹介してあげるのにねえ」
などなど、言いたい放題で思いっきりおばちゃんな私達3人。



通常、隣の車両へ行くドアは鍵がかけられていて行き来ができないのですが、食事時になるとアナウンスが入り、食堂車でご飯が食べられるので行き来できるようになります。

しかし、これでもし本当に1人だけ車両離れてたら、他の2人にも会えず最悪な2日間だったではないですか!
気が抜けないわ~、チベット鉄道。



暇つぶしに、行き来ができる時間帯に他の車両も覘きに行ってみました。

こちら、寝台じゃなく座席の車両です。
これは軟座のようですね。たとえ軟座でも2昼夜これは辛いな・・・。




こちら、食堂車。
食堂車で食事をするには、どうやら予約が必要なようです。




写真ではすごーく綺麗に見えていますが、実物は普通でした。

テレビ番組の映像や雑誌に載っている青蔵列車の様子はものすごく綺麗で、従業員もピシッとした感じですが、実際はそうでもないと思います。
う~ん、映像マジック・・・。

食堂車あるメニューは車内販売のものと同じだったような気がします。


Sさんが厨房の写真を撮ろうとしましたが、乗務員に注意されて撮影できず。
別に軍事機密でもあるまいに。
意味なく制限されるところに社会主義国を感じます。(ベトナムも同じですから)



途中、いくつかの駅で停車するのですが、大きな駅で長めの時間停車する時は、ホームに下りて食べ物を買ったりします。

これはある駅のホームで買ったクレープのようなもの。



実際は6元なのに、売り子のおばちゃんにまくしたてられ、なぜか8元巻き上げられました・・・。
絶対このおばちゃん、私らが外国人だからってわざとやってる。
言葉ができないってつらい。



車内では、Sさんがスイスアーミーナイフでりんごを切ってくれたので、クレープで巻いて食べました。(ちなみにSさんはまな板を使わず食べ物を切る名人。)



私も絶対欲しい、アーミーナイフ!
聞くところによると安物はやはり良くないそうです。
高くても正規品を買うべし!

停車駅では他にもミニトマトなんかも買って、おやつ代わりに頂きました。
フルーツトマトのような甘いものを想像していたのですが、普通にトマト味でした・・・。



車内ではいつでもお湯がもらえるので、各部屋に備え付けのポットにお湯を汲みに行き、北京の空港から持ってきたプーアール茶を飲んだり、成都のスーパーで買ったコーヒーを飲んだり。
2日目になるとだんだん高度も上がってくるので、高山病対策に水分をたくさん摂取せねば。
でもお湯があるお陰で、9リットルも買い込んだミネラルウォーターはほとんど口にせず・・・。失敗した。



日中はずっと友達の部屋にいて、自分の部屋には夜寝に帰るだけなので、最初は同室の人と全く会話を交わしていなかったのですが、1日目の夜にちょこっと自分のベッドに荷物を取りに戻った際に、同室の男の子2人が話しかけてきました。

相手もかなりのブロークン・イングリッシュ、私もかなりのブロークン・チャイニーズですが、なんとか意思疎通したところ、2人のうち1人は警察官だということが分かりました。

あれこれ世間話をしていると、年齢を聞かれたのでまさか正直に言うと相手がサーッと引いてしまいそうなので、「内緒♪」と言って教えないでいると、「23歳?」とか言ってきます。
むふふ、そんなわけないけど否定もせず。

そのうち相手が「18歳?」とまで言い出し、さすがに「そんなわけないやん!」とツッコミましたがな。
筆談してると、なにやら「18歳は春、19歳は冬」みたいな感じの諺?詩?を書いてきました。
うるさい、こっちはとっくに氷河期だ!

話が延々と続きそうだったので、「あっちの部屋で友達が待ってるので・・・」と適当なところで話を切り上げておいとまし、早速SさんとTちゃんに報告すると、「若く見られて喜んでるのはおばさんだ!」とバッサリ。

まあ、明日の朝明るいところで私の顔見たらびっくりするやろうな、あのおまわりさん。
なんてたってこの旅の間中、私はずっとノーメーク。(すんません)

彼らのうちの1人が警察官だったことを告げると、近所の中国人のおばちゃんらとゴミの後片付けをめぐってバトルを繰り広げていたSさんとTちゃんが、「じゃあそのおまわりさんに、このおばちゃんらのマナー注意してもらおうよ!」とか言い出します。

そ、それは無理やろ・・・。
ピーナッツとかひまわりの種とか食べた後の殻を片付けないで、そのままテーブルの上に置いといたりするのは、中国人的には全然普通ですから。
たとえそれが共有スペースであっても。
ベトナムに住んでいた私にはよ~く分かります。

確かに、人が廊下沿いの机で食事をしている最中でも、ドンと目の前にお湯を入れたカップラーメンを置いて、「はよどけ」とばかりの中国人のおばちゃんの態度に腹が立つのも分かります。
なので、こちらもちょっぴりイジワルして、思いっきりゆっくり食事をして、おばちゃんらのラーメンがのびのびになるよう仕向けたりもしました。むふ。

でもおばちゃんらはラーメンがのびても全然平気な様子だったので、今度は食べ終わってから「ここ座る?」とおばちゃんに合図して、逆に恩を売ってみたり。(相手が恩を感じているかは不明。)

いやあ、なかなか列車内で起こる様々な出来事も面白いもんですよ。



さて、1日目の夜には全員に酸素チューブが配られます。(腹を立てたS&Tが、中国人のおばちゃんに「私の酸素チューブは?」と聞かれ、思いっきり「知らん!」と言ってたりもしましたが・・・。

車内は一定の酸素濃度と気圧が保たれていますが、それでも高山病の症状を訴える人は出るようです。

各ベッドの枕元に酸素チューブを差し込むところがあります。




寝ている間、やばいと思ったら装着すべし。

廊下にも同様に酸素チューブの差込口がありました。



夜中、誰かに揺り起こされ、もう朝が来てSさんか誰かが起こしに来たのかと思ったら、懐中電灯を手にした乗務員さんでした。

中国語で何か言われ、こっちも寝ぼけてるし「はあ・・・?」みたいな反応をすると、納得した感じで他の人を揺り起こしに行きました。

どうやら睡眠中に高山病で具合が悪くなっている人がいないか確かめているようです。
そうか、ちゃんと生存確認までしにくるのか。
熟睡中の私には迷惑な話でしたが。


次の朝起きると、廊下の椅子にたくさんの人が座って、突っ伏して寝ていました。

後でSさんに聞くと、夜中の2時ぐらいに停車したので起きて行ってみると、たくさんの人が起きて廊下に出ていたとのこと。
たぶん私同様、乗務員さんに1回起こされて、そのまますぐに寝付けなかった人じゃないでしょうか。



高度が上がるごとに景色もどんどん変わって行きます。
これがチベット鉄道の醍醐味でしょうね!

走り出して最初は街中を、そしてだんだん緑の深い自然の中を走り、時折また大きな街を通り過ぎ、ラサに近づくにつれて緑が減り、乾いた荒野が広がってきます。






自分達の乗っている列車の影。




途中でヤクの群れや、野生のヤギらしきものにも遭遇。





この時はたいそう興奮しましたが、ラサ入りしてしまえばヤクは嫌と言うほど見られます。


最後の方でまた緑が出現し、菜の花のような黄色い花がいっぱい咲いていました。





すったもんだの列車の旅の末、ようやく終着点のラサ駅に到着。
ラサ駅は意外と近代的で大きくてびっくり。






同室のおまわりさん達は上の段のベッドからスーツケースを降ろすのを手伝ってくれたり、あれこれ世話を焼いてくれて、あくまでも親切でした。


おまわりさんに気に入られた私は、「一緒に写真撮ってください」と言われ、駅のホームでツーショットで撮りましたが、特にメール交換とかもしなかったのでそのままです。
ま、それもいいでしょう。

どこのホテルに泊まるのかと聞かれ、「ラサホテル」と答えると、「???」な顔をされたので、やや不安がよぎります。
だ、大丈夫だろうか、桂林の旅行代理店・・・。

なにはともあれ、お互いに良い旅を!


ラサに近づくに連れ、列車内の気温もだんだん下がってきていたので、現地はさぞかし寒いだろうと思ってウインドブレーカーを着込んでホームに降り立ったのですが、寒くはありませんでした。
でも日差しが強烈!
油断するとものすごい日焼けするぞ~!


ここでもちゃんとガイドさんが迎えに来てくれていたので、一応中国の懸案事項はクリアです!
よかったよかった。

ようやく憧れのチベットへ足を踏み入れることができました!



~おまけ~
こちらがチベット列車の切符。



ベッドの上の段が671元、中段が692元、下段が712元です。(1元は約16円)
実際には切符代の倍ぐらいの賄賂が支払われているのですが。

そして注目。
上段と下段の切符は14車17号(SさんとTちゃんが寝た部屋)なのですが、中段の切符だけ14車6号(おまわりさんらと同室)なのです。
本当に、今思い返しても、不手際があったとはいえあの成都のガイドさんが必死に切符を交換してくれたお陰で、なんとか3人とも14号車に乗れてよかったです。

ある意味、ツイているかもしれないこの旅

成都にあしあと

2007年08月08日 | Weblog
成都観光の目的はただひとつ!

それは・・・


パンダ!!!!


朝から張り切って成都パンダ基地へ。
もしかして赤ちゃんパンダを抱っことかできるかも♪と思っていたのですが、行きの車の中でガイドさんから「パンダを抱っこするには1200元必要です」と言われ絶句。

1200元って言ったらあなた、2万円ぐらいするじゃないですかっ!


ガイドさんいわく、「どんどん値段が上がって行ってるので、将来また来たときにはもっと高くなってると思います。」

悪どい・・・。
悪どいぞ、中国人!


聞くところによると、日本の動物園がレンタルしてるパンダも、一定のレンタル期間が終了すると、その後は年間億単位のレンタル料を請求されるそうじゃあないですか。
しかも生まれた赤ちゃんは当然のように中国のもの。

う~む。



成都パンダ基地に到着し、パンダ柄のバス(入場料払ってるのにバスは別料金)に乗ってパンダがいるところまで移動します。


あ、いたいた!


ちっちゃいパンダ達、かわい~!


が、しかし、鉄柵が邪魔して綺麗に写真が取れないんですなこれが・・・。






かと言って1200元も出して抱っこできな~い!
私達、なんてったって無職3人組。


と、そこへ、お客さんの中の誰かが1200元払ってパンダを抱っこするという情報をキャッチ!
いいな~、お金持ち~。


抱っこできるのは大きいパンダだけのようですが、この際他人が抱っこしているパンダを激写しようと、撮影ポイントを確保。

抱っこするおじさんは、ビニールのエプロンと手袋をつけさせられています。


で、このおじさんが抱っこしているところを激写。





パンダは結構デリケートらしく、あまり耳とかに触れてはいけないそうです。


おやじが邪魔なので、パンダだけのアップ。




抱っこできる時間は、ほんの2~3分といったところです。


このおじさん、てっきり中国人だと思っていたので、SさんやTちゃんとパンダを激写しながら、「このおやじが邪魔だよね~」「あとで加工しておやじだけ消せばいいんじゃない?」とか大きな声でしゃべっていたのですが、その後、このおじさんが日本人であったことが判明!

恥ずかしくって、こそこそっと逃げるようにその場を立ち去りました。


あ~、失敗した。気をつけないと。
しかしやっぱり日本人はお金持ってるなあ。
払えちゃいますか、1200元。

「お前らも日本人だったら1200元ぐらい払え」とか言わないで下さい・・・。
だってうちら、プー太郎・・・。


まあでも短い時間でしたが、ラブリーなパンダにすっかり心癒されました。


ガイドさんが「次はレッサーパンダのところへ行きますよ~」と案内してくれるのですが、私的には「レッサーパンダかよ・・・」とあまり乗り気はしません。


日本では、後ろ足で立ち上がるレッサーパンダが一時もてはやされてたみたいですが、いやあ、やっぱレッサーパンダより本物のパンダでしょう!



が、レッサーパンダを見に行ってみると、意外にこやつらもかわいかったです。






このパンダ基地には、基本的にパンダとレッサーパンダしかいないようです。
従って、見所終わり。


パンダ柄のバスでまた入り口付近まで戻り、お土産物屋さんで怪しげなパンダのお土産を物色しましたが、どれも割高なので結局何も買わず。
パンダTシャツとかに惹かれたのですが・・・。


それにしても成都は暑い!
たぶん日中の気温は35度ぐらい。
湿度も高く、大阪の夏といった感じです。
出発前の日本と麗江が涼しかったので余計に暑さがこたえ、クラクラします。




パンダ&レッサーパンダ見学の後は、四川料理のランチ!
ここはなんと言っても四川省ですからね!
辛くておいしい~!




大皿とは別に、各人に小さな器で色々なおかずやデザートがついてきます。






このレストランが観光客向けだからそうしているのか、普段から四川料理はそうなのか知りませんが、小皿もかわいくておいしくてグーです。



午後は武侯祠の見学。




武侯祠とは、諸葛孔明の祠でございます。
あ、成都は三国志の舞台となった古都ですよ~。
三国志ファンにはたまらない土地だと思います。






ネットで検索してヒットしたサイトの情報をそのまま掲載させて頂きますと、「中国には14の武侯祠があるが、主君の劉備の祠堂が並んで建てられているのはここだけ」だそうです。


もう、どっちがどっちだか、誰が誰だか分からなくなりました・・・。







こういう屋根に乗ってる装飾とか、




お線香を立てるこういう器がかわいかったりします。




蓮の葉っぱが生い茂る、なごみの風景もあり。





その後、杜甫草堂へ向かいます。
そうそう、唐の時代の有名詩人、杜甫さんですがな。


ちょっと京都あたりを思わせるようなこの風景。




壁の上に乗っている瓦に狛犬っぽい顔がついているところが気に入りました。




ちょっと暗くて顔まで見えませんが、こちらが杜甫さんの銅像です。(細い!)




手に触るとご利益があるというので、たくさんの観光客に触られて、手だけツルツルピカピカに光っています。


ここには、杜甫さんが住んでいたと言う藁葺き屋根の家があったりして、当時の暮らしぶりがしのばれます。


成都のガイドさんはベテランで、日本語もペラペラだったので事細かに色々と説明をしてくれたのですが、なにせ成都は猛暑だったので意識朦朧で記憶がほとんどございません。ご了承下さい。


そして列車に乗るための食料などの買出しへ。

そうです。わざわざ成都まで来た本当の目的は、実はパンダではなく(パンダも非常に高ポジションにいましたが)、チベットのラサまで行く列車に乗るためなのです

このチベット鉄道、ちょうど1年ぐらい前に開通したばかりです。
標高5,000メートルを超える高原を通り、「天空列車」とも呼ばれている列車です。(みなさん、関口知宏の番組は見ましたか~?)


成都市内の日用品店で、パンや缶詰、インスタントラーメン、ティッシュペーパーなどを購入。
チベットは高山病の心配があり、水分補給が重要と聞いていたので水をたっぷりと買う必要があるだろうと思い、なんと3リットル入りのボトルを3本も買ってしまいました

その後、ガイドさんの実家の近くの果物屋さんでモモやりんごを購入。
もう準備万端かしら?
それにしてもすごい荷物になってしまいました。



さて、買い物の後は、ちょっと大衆チックなお店での四川料理ディナー
辛い!うまい!




麻婆豆腐もおいしかったけど、水餃子もなかなかのものでございました。


食事前にガイドさんが列車のチケットを出して、何やら電話で激しくしゃべっています。
もしやトラブル・・・?


私の予感は当たり、食事が終わってからガイドさんが言いにくそうに切り出しました。


「ラサまでの列車のチケットですが、3枚のうち2枚は同じ車両の同じ部屋なんですが、1枚だけ違う車両になってしまってるんです」


なにぃ~



チケットを見ると、3枚のうち2枚は14号車の17号室なのに、残り1枚だけ4号車になっているのです!

ちなみに成都からラサまでは列車で丸2日間。
どう考えても車両が離れてるっつーのはいかんだろう!

ガイドさんは「中国のシステムでは、コンピューターで予約を入れるときにクリックしたら、3人分同じにはならずにこうなってしまうんです・・・」とかなんとか言い訳してますが、幾らなんでもそんなことあるのか?

さすがにこちらも不機嫌に、「それは何とかしてもらわないと困ります!」と言ってしまった。


幸いにガイドさんはプロ意識のある人だったので、「とにかく駅に着いたら周りの乗客に切符を交換してもらえないか聞いてみます。ただ、改札を入ってから出発まであまり時間がありませんので、もし間に合わなかった時のために同じ内容を中国語で紙に書いておきますので、それを見せて交渉してください。車掌さんにも伝えておきます。」と、最大限努力してくれることに。(トホホ)


不安とイライラを抱えたまま、成都駅へ到着。
もう駅前で記念撮影などしている心の余裕はありません。


列車の出発時間は夜8時半。
改札はそんなに早く開かないので、ガイドさんによると交渉時間は15分ぐらいしかないと言います。(トホホ)

駅前は大きな荷物の旅行者と物売りでごった返しています。

また、改札も大混雑というか大・混・乱。

偽のチケットを持った行商人のおじさんが改札を通ろうとして駅職員に見つかり、追い返されていたり・・・。

職員はすごい剣幕ですが、バレたおじさんは悪びれもせず「でへへ」と苦笑いしてその場を離れました。


きっとこういうのは日常茶飯事な風景なのでしょう。


さて、時間が来てとりあえず改札を入りました。

大きな荷物を持って移動するのは大変なので、50元払ってポーターサービスを頼むことに。
大きなカートで荷物と人を一緒に運んでくれ、自分の乗る車両の前で降ろしてくれるので便利なのですが、お客さんや駅の係の人が方々で怒鳴り散らし、わめきちらし、相変わらずChaosという言葉がぴったりな混乱ぶりです。

やっぱり中国は中国です。(妙に納得)


その喧騒の中、ガイドさんが必死で色んな人を捕まえて交渉を試みていますが、その声も届かないほど現場は混沌と・・・。
大変だけど、がんばってぇ~。


まだ切符を交換してくれる人は見つかっていないけど、とりあえず3人とも14号車の前で降ろしてもらいました。

列車は恐ろしく長いので、これでギリギリ出発までに交換できなかったら、4号車まで荷物引っ張っていくのはものすごく大変!
しかも3人共同で食べ物を購入してるのに、1人だけ離れた車両にいたらどうすんのさー。

頼む~、なんとかしてくれ~っ!

あいにく大勢のグループで来ている人が多く、なかなかみんな交換に応じてくれません。


もうだめかと思ったところ、ガイドさんがなんとか4号車のチケットを14号車のものと交換してきてくれました!

おおっ!でかした!
まだ部屋は17号室と6号室で離れているけど、同じ車両になっただけでもラッキーです。


ここでもう時間切れとなり、列車が出発してしまうのでガイドさんはさよならです。
一応がんばってくれたガイドさんに感謝。


列車に乗り込んでから、今度は自分達だけで交渉せねばなりません。
2枚のチケットは17号室の上段と下段のベッド。
もう1枚は6号室の上段ベッド。

17号室もしくは6号室の乗客と交渉せねば。


17号室には、大学生ぐらいの若いカップル1組と、おじさんおばさんらのグループの一部がいるようです。

もしかして若い人ならば英語ができるかもしれないと思い、声をかけてみるとラッキーなことに男の子の方が少し英語が話せると言います。


そこで厚かましくも「実はこういうことで困ってるんだけど、同じ部屋の人にチケット交換してもらえるかどうか聞いてくれない?」と頼んでみました。

好青年な彼は早速同室のおじさん、おばさんたちに事情を話してみてくれたのですが・・・、


やはり中国ですなあ。

外野がうるさい。


交渉を持ちかけられた当人が普通に対応すればいいものを、周りのおじじおばばがギャーギャーと口々に騒ぎ立て、またもやカオスな状態に。

あんたらに聞いてないんだから、ちょっと周りは黙っててくれんかな!!!


気の毒にも親切な好青年が何故かおじじおばばに責め立てられ、さすがに彼女が怒ってしまい「もうこの人たちの相手するのやめときなさいよ!私らが責められる筋合いなんかないじゃない!」みたいな雰囲気になった。(中国語は分からんが、彼女の言ってることが容易に察することができる。)

そこでこちらも諦め、好青年に「ごめんね。ありがとね。」と謝り、とりあえず3人でベッドに腰掛ける。

もうしょうがないか。
寝るときだけ1人あっちの部屋に行って、昼間は3人でずっとベッドに座って話してれば。


Tちゃんが「じゃあ私が1人であっち行くよ」と申し出てくれたのですが、彼女の荷物は一番大きく重い。
そしてSさんも大きなスーツケース。

幸いにも他の乗客の荷物が小さかったので、2つのベッドに下にそれぞれスーツケースを滑り込ませることができたものの、もし同室の人も大きい荷物を持っていたらどうなったことでしょう。


で、結局一番荷物が小さく軽い私が別室へ行くことに。
6号室へ行ってみると家族かどうか分からないけど、年齢層が入り混じったグループがそこに。
私のベッドは一番上。
親切な青年がスーツケースをベッドの上にあるスペースに置くのを手伝ってくれました。


列車の構造自体は、ベトナムでサパに行く時に乗った寝台列車と同じです。
私達は2等車。

とりあえず自分のベッドに荷物だけ置いてSさんたちの部屋へ。
もうすでに列車は動き出してるのに、本当にバタバタしてました。
気分的にはゲッソリ。


そしてますますゲッソリするような光景。
まだ列車が走り出して数分しか経ってないのに、車内のトイレはそれはそれはすごいことになっており、洗面所でも早速足を洗ってる人などがいて、床は既にびしょびしょ。

この数分間で一体どうやったらそんなに汚せるんだぁ~



この人たちと丸々2日間寝食を共にするのはきついなあ・・・。


列車にはシャワー室などはないので、2日間シャワーは浴びれません。
成都であれだけ猛暑で汗をかいたのに、ちょっと厳しいです。

綺麗好きなTちゃんはそれでも、「洗面台で髪だけは洗う!」と宣言していたのですが、中国人のすごい有様を見てその意欲は消滅したようです。


チベット鉄道は大変人気があり、チケットは非常に取りにくくなっています。
現地の旅行会社もチケットの倍ぐらいの値段の賄賂を払ってやっと2等車を入手してくれました。
2等車の硬臥は、私達以外に外国人は見かけません。
他の外国人は1等車に乗っているのだろうか?
そもそも駅でも外国人の姿は見かけなかったような。


とりあえず、中国人の洗面の波が過ぎ去った頃に顔を洗い、歯を磨き、ホッとひと息ついた10時ごろにいきなり車内が真っ暗に!

ええ?もう消灯ですか?
洗面所とトイレ以外の場所は全て電気が消えて真っ暗です。

まだ時間は早いのに、周りの中国人はそろそろ寝に入っているようです。

仕方がないので、私も大人しく自分の部屋に戻り、懐中電灯でガサゴソ荷物を整理して眠りにつきました。

長くなりそうだ、この列車の旅。