テカリオンが話す、交易人ソストラトスなる男の話が終わる、アエネアスがつぶやく。
『ホッホウ、そのような勇気のある冒険的交易人がいるわけだ』
『そうですな。イドメネウスのことはその男から耳にした話です』
テカリオンの話が尽きることなく語られる、テカリオンが渡り歩くキクラデス諸島、西アジアの東海岸の各都市の見たり聞いたりした話をおもしろおかしく、テカリオンなりの脚色をして語って聞かせる。
聞く一同が笑う、うなずく、あいづちを打つ、質問もする。
彼は、知っている限り、彼らの質問に丁寧に答える。
テカリオンが一同と顔を見合わせる、首を上下に振って、話しつくした風情を漂わせる。
イリオネスが口を開く。
『やあ~、話も出尽くしたようですな。テカリオン殿、ありがとう。いろいろな話を聞かせていただいた。我々が日常、聞くことのできない諸々の話を拝聴しましたな。厚く礼を言います』
パリヌルスが立ちあがる、テカリオンに向けて頭を下げる。
『ありがとうございました。このクレタの地に座っていて、見る、聞く、体験の出来ない話を聞かせていただいたことに礼を申します。ありがとうございました』
オキテスもオロンテスもパリヌルスに続いて礼を言う。
テカリオンから、航海、交易等いろんな話を聞いた一時が終わる。
パリヌルスらは、各自の持ち場へ向けて場を去っていく、アエネアスとイリオネス、テカリオンの三人は、その場にとどまり一時の話し合いの時を過ごす。
アエネアスが言葉をかける。
『それにしても世の中はさまざまだな。ペロポンネソス、そして、その西の地域の政情を聞かせてもらった。我々にとって、とても有益な話を聞かせてもらった。ありがとう、礼を言います』
『いえいえ、どういたしまして。統領が知りたいと思われることに充分に答えたでしょうか?』
『おう、充分に話を聞かせてもらった。ありがとう』
『イリオネス殿、明日の予定ですが、新しい暦の始まる時期となりました。船の件について打ち合わせたい考えています。よろしく願います』
『解りました。担当の者に対応するように準備させます。私も同席いたします』
『よろしく願います。段取り等、朝行事の折に言っていただければ結構です』
『了解しました。たずねますが、停泊中のことで不便がありませんか?あれば言ってください』
『はい、ありがとうございます。それはありません。十分すぎるくらいに世話になっています』
テカリオンがイリオネスの宿舎をあとにする、イリオネスが同道する。
アエネアスは、イリオネスの宿舎にとどまり、このあとどのように事を運ぶかを考える、思考の一時を過ごした。
ニューキドニアの浜一帯が夕の茜に染まる。
夕食を終えたパリヌルスが交易船のテカリオンを訪ねる。
テカリオンが『おう、パリヌルス!』と言って、彼の肩を抱く。
二人は、久々の邂逅を喜び合った。
『ホッホウ、そのような勇気のある冒険的交易人がいるわけだ』
『そうですな。イドメネウスのことはその男から耳にした話です』
テカリオンの話が尽きることなく語られる、テカリオンが渡り歩くキクラデス諸島、西アジアの東海岸の各都市の見たり聞いたりした話をおもしろおかしく、テカリオンなりの脚色をして語って聞かせる。
聞く一同が笑う、うなずく、あいづちを打つ、質問もする。
彼は、知っている限り、彼らの質問に丁寧に答える。
テカリオンが一同と顔を見合わせる、首を上下に振って、話しつくした風情を漂わせる。
イリオネスが口を開く。
『やあ~、話も出尽くしたようですな。テカリオン殿、ありがとう。いろいろな話を聞かせていただいた。我々が日常、聞くことのできない諸々の話を拝聴しましたな。厚く礼を言います』
パリヌルスが立ちあがる、テカリオンに向けて頭を下げる。
『ありがとうございました。このクレタの地に座っていて、見る、聞く、体験の出来ない話を聞かせていただいたことに礼を申します。ありがとうございました』
オキテスもオロンテスもパリヌルスに続いて礼を言う。
テカリオンから、航海、交易等いろんな話を聞いた一時が終わる。
パリヌルスらは、各自の持ち場へ向けて場を去っていく、アエネアスとイリオネス、テカリオンの三人は、その場にとどまり一時の話し合いの時を過ごす。
アエネアスが言葉をかける。
『それにしても世の中はさまざまだな。ペロポンネソス、そして、その西の地域の政情を聞かせてもらった。我々にとって、とても有益な話を聞かせてもらった。ありがとう、礼を言います』
『いえいえ、どういたしまして。統領が知りたいと思われることに充分に答えたでしょうか?』
『おう、充分に話を聞かせてもらった。ありがとう』
『イリオネス殿、明日の予定ですが、新しい暦の始まる時期となりました。船の件について打ち合わせたい考えています。よろしく願います』
『解りました。担当の者に対応するように準備させます。私も同席いたします』
『よろしく願います。段取り等、朝行事の折に言っていただければ結構です』
『了解しました。たずねますが、停泊中のことで不便がありませんか?あれば言ってください』
『はい、ありがとうございます。それはありません。十分すぎるくらいに世話になっています』
テカリオンがイリオネスの宿舎をあとにする、イリオネスが同道する。
アエネアスは、イリオネスの宿舎にとどまり、このあとどのように事を運ぶかを考える、思考の一時を過ごした。
ニューキドニアの浜一帯が夕の茜に染まる。
夕食を終えたパリヌルスが交易船のテカリオンを訪ねる。
テカリオンが『おう、パリヌルス!』と言って、彼の肩を抱く。
二人は、久々の邂逅を喜び合った。