陽は沈み、宵闇が船団をつつんできていた。
パリヌルスは、暗闇を通して島に突き出ている半島を視認して、半島(現在のアクロテイリ半島、この呼称が正しいか正しくないかは不明)の右手側へ船団を誘導していった。
かなり遠くに突き出している半島(現在のスパタ半島)は暗さゆえに目にすることはできない。このふたつの半島にはさまれた大きな湾である。この時代、この湾に名があったかどうかについては不明である。半島間の距離はおおよそ30キロ以上離れている。
船団は、半島の端を左手に見える地点に到達した。
『カイクス、停船信号だ。急げ!』
『そして、ギアスの舟艇を呼んでくれ』
矢継ぎ早やの指示である。舟艇はパリヌルスの一番船につかず離れずの間隔を保ちながら航行していたのである。
『お~、来た来た。ギアス、もっと近くに寄れ』
『ギアスっ!俺の声が聞こえるか』
『聞こえます!』
『よし、各船に伝えてくれ!このあとオキテスの船が先頭に出て、船団を誘導する。彼の船に続けと伝えてくれ。いいな』
『判りました』
パリヌルスは、暗闇の洋上をオキテスの船に接近していった。声の届く距離に近づいた。闇を通して、舳先に立っているオキテスの姿を見とめた。
パリヌルスは、暗闇を通して島に突き出ている半島を視認して、半島(現在のアクロテイリ半島、この呼称が正しいか正しくないかは不明)の右手側へ船団を誘導していった。
かなり遠くに突き出している半島(現在のスパタ半島)は暗さゆえに目にすることはできない。このふたつの半島にはさまれた大きな湾である。この時代、この湾に名があったかどうかについては不明である。半島間の距離はおおよそ30キロ以上離れている。
船団は、半島の端を左手に見える地点に到達した。
『カイクス、停船信号だ。急げ!』
『そして、ギアスの舟艇を呼んでくれ』
矢継ぎ早やの指示である。舟艇はパリヌルスの一番船につかず離れずの間隔を保ちながら航行していたのである。
『お~、来た来た。ギアス、もっと近くに寄れ』
『ギアスっ!俺の声が聞こえるか』
『聞こえます!』
『よし、各船に伝えてくれ!このあとオキテスの船が先頭に出て、船団を誘導する。彼の船に続けと伝えてくれ。いいな』
『判りました』
パリヌルスは、暗闇の洋上をオキテスの船に接近していった。声の届く距離に近づいた。闇を通して、舳先に立っているオキテスの姿を見とめた。