歩み行く道は平坦であった。川の瀬音を右耳に受け止めて歩いていく。エノスの浜と違う地勢の関係だろうか、吹きすぎる風が季節の変わり目を感じさせた。
夕陽は空を焼いて沈んでいく。三叉路から2時間余り歩いただろうか、道は川原へと向かっていた。
『ダナン、どうだ。野宿の場所でも決めようか』
『そうだな、俺の勘働きでは、明日の夕方にはウブレジエだ。よし、野宿の場所探しをやろう』
二人は、道から川原の薮陰へと入っていった。迫りくる宵闇にせかされての場所探しを終えて二人は落ち着いた。夜は冷え込むだろうと考えて旅仕度が整えられていた。食糧も充分であった。塩の効いた干し肉、干し魚はささやかな焚き火であぶって食べた。
『アバス、これは旨いぜ。サカナは生を焼いて食うのも旨いが、塩の効いた干し魚、これは絶品だ。俺たちは生魚ばかりで干し魚はめずらしい食い物なのだ。しかし、このパンはいただけないな、硬すぎる。お前はどうだ』
『あ~あ、パンか。まあ~、俺たちは、これが当たり前と思って食べている。旨いもまずいもない、とにかく腹に入れるだけだ』
二人は、硬いパンを水で腹の中へ流し込んだ。久々に味あうたびの食事は『うまい!』で終わった。
夕陽は空を焼いて沈んでいく。三叉路から2時間余り歩いただろうか、道は川原へと向かっていた。
『ダナン、どうだ。野宿の場所でも決めようか』
『そうだな、俺の勘働きでは、明日の夕方にはウブレジエだ。よし、野宿の場所探しをやろう』
二人は、道から川原の薮陰へと入っていった。迫りくる宵闇にせかされての場所探しを終えて二人は落ち着いた。夜は冷え込むだろうと考えて旅仕度が整えられていた。食糧も充分であった。塩の効いた干し肉、干し魚はささやかな焚き火であぶって食べた。
『アバス、これは旨いぜ。サカナは生を焼いて食うのも旨いが、塩の効いた干し魚、これは絶品だ。俺たちは生魚ばかりで干し魚はめずらしい食い物なのだ。しかし、このパンはいただけないな、硬すぎる。お前はどうだ』
『あ~あ、パンか。まあ~、俺たちは、これが当たり前と思って食べている。旨いもまずいもない、とにかく腹に入れるだけだ』
二人は、硬いパンを水で腹の中へ流し込んだ。久々に味あうたびの食事は『うまい!』で終わった。