アヱネアスは、先住の彼らとのつながりを良好に保ち、率いる民族の営みについて考えていた。課題とするところは『これから』であった。彼にとっては率いるトロイの民全員が家族であり、家中の者たちと位置づけている。その一族郎党の事業が『建国』なのである。彼はこれを成し遂げる任を負っており、統領として君臨し、彼らの頼うだる人であった。彼らは、アヱネアスに絶大の信頼を寄せて従っていた。
イリオネスは、パリヌルス、オキテス、オロンテスの三人を呼んで、課題である『これから』について、スダヌスをはじめとする客人たちと話し合うように指示をした。
『彼らとの話し合いの場をつくる。いいな』
場は、統領の宿舎の前庭に造られた。
民族が営みを続けていくうえでのあらゆる諸事について、もれのないように慎重に多方面にわたって話し合った。パリヌルスら三人は、彼らの役務に応じて『これから』の構築を思考して話し合った。
陽が高みにさしかかってくる。話し合い終わり、客人たちの帰るときとなった。彼らには念を込めて焼き上げられたパンが手みやげとして提供された。
スダヌスは大喜びである。ダルトン、ハニタス、ガリダの三人も、アヱネアスらの隔意なき厚意にあふれるもてなしに感じ入っていた。アヱネアスらは招客の礼を尽くして見送った。
『統領、ご苦労様でした。内輪だけの小宴と考えていたのに、盛大な祝宴になりましたな』
イリオネスは、アヱネアスの労を心からねぎらった。
『よしっ、お前たちもご苦労であった。明日の会議にいい案をつくって発表してくれ。俺も考えをまとめるが、お前らのつくる案を優先する心算でいる。いいな!』
『いいな!』の締めくくりに力がこもっていた。三人は気持ちを引き締めた。
イリオネスは、パリヌルス、オキテス、オロンテスの三人を呼んで、課題である『これから』について、スダヌスをはじめとする客人たちと話し合うように指示をした。
『彼らとの話し合いの場をつくる。いいな』
場は、統領の宿舎の前庭に造られた。
民族が営みを続けていくうえでのあらゆる諸事について、もれのないように慎重に多方面にわたって話し合った。パリヌルスら三人は、彼らの役務に応じて『これから』の構築を思考して話し合った。
陽が高みにさしかかってくる。話し合い終わり、客人たちの帰るときとなった。彼らには念を込めて焼き上げられたパンが手みやげとして提供された。
スダヌスは大喜びである。ダルトン、ハニタス、ガリダの三人も、アヱネアスらの隔意なき厚意にあふれるもてなしに感じ入っていた。アヱネアスらは招客の礼を尽くして見送った。
『統領、ご苦労様でした。内輪だけの小宴と考えていたのに、盛大な祝宴になりましたな』
イリオネスは、アヱネアスの労を心からねぎらった。
『よしっ、お前たちもご苦労であった。明日の会議にいい案をつくって発表してくれ。俺も考えをまとめるが、お前らのつくる案を優先する心算でいる。いいな!』
『いいな!』の締めくくりに力がこもっていた。三人は気持ちを引き締めた。