『こいつらが『海岸は危ない、ギリシアの奴らがウロウロしていると思う』と言います。まず、『キラズリ』へ行こうということで、その場を後にしたのです。私たちは山中を懸命に逃げたのです。途中、ギリシアの奴らの残党狩りに出会いましたが、敵勢は5人と少なかったので、これを圧し囲み、叩き斬って逃げました。この頃には、東の空が明るくなってきていました。明るくなったとはいえ山中を歩くのに難儀の連続でした。幸いなことに追っ手が来ないことに安堵して、身を潅木の茂みに隠して休んだような次第でした。ここにいるナックスが キラズリ、そして、ベイチャズル を通って リャクゼキ への道を知っているというので、彼を案内役にしたてて逃げました。キラズリ、ベイチャズル で略奪をして、空腹を満たして、二日間山中をさ迷い歩いて、どうにか リャクゼキ の浜に着きました。ここで、もういけないという二人を残して、夜であることをいいことにして、11人で漁師の船を盗み、海峡の北のはずれを対岸の ゲリボリ の浜へと海を渡ったのです。もう、命からがらでした』
メッキスは、事細かに話した。
メッキスは、事細かに話した。