広場に向かう道を歩む、立ち止まる、振り返る、民らが働く浜を見る、歩を進める、立ち止まる、振り返る、民らの邑落に目をとめる、歩き始める。
小高い広場の高所にアエネアスは立った。
民ら全員が生きている場を俯瞰する、身体を向かせながら眺め見る、無量の感慨がこみあげてくる。
地域、海域、そして空域を望む。
民族を統率する者として統括している、いや、していた、そんな自分の力の領域を考えた。
それは統率することにより生まれる民族の力であると感じとる。
抽象的な統率力の具体化力によって、効果的に具体化した結果である。統率力で民族のモチベーションに働きかける、それでカタチづくった業績である。
『俺一人では為すことのできない業績であり、カタチであり、結果なのだ』
そのことに胸がうたれる。
アエネアスは言葉にできないまま、目を風景にくぎづける、またもや襲い来る無量の感慨に思わず身を引いた。
成果の現状を考え見る、今日に到るまでの道のりを思い浮かべる。
クレタを離れて、新たな地に新たな民が根をおろす、花を咲かせる、実を結ばせる、種を蒔く、実が結ぶ、繁殖を繰りかえす。建国の道程を頭中に描く。
建国事業がスタートする、目にすることのできない国を建てる力が生み出す、はるか遠い未来の国のカタチを思い浮かべる。
建国を進めていく道程の移りゆく姿が頭の中のスクリーンに描き出される、平面的である、そのイメージが立体化してくる、人像が浮かんでくる、人が動く、旗が風になびく、像が活性してくる、建造物も立ち並んでいる、建物の中に自分がいる、描いたイメージが完結する。
この季節では考えられない柔らかな陽光の下、吹きすぎていくそよっとした風を感じる、かすかに耳にする木の葉のはずれ音で我に返る。
アエネアスは、広場の高所に到る道をたどってくるイリオネスの姿を目にする、手をさしあげる、声をあげる、手を振り返すイリオネスの姿が目に入ってくる。
程なくイリオネスがアエネアスの横に立つ、アエネアスが目に収めている風景をイリオネスが眺める、感慨が胸を打つ、イリオネスの目が潤む、なぜかわからない、空、海、そして地に生きている者らの息づかいを感じとる。
イリオネスが思いつめた口調でアエネアスに声をかける。
『こうして、しみじみとこの風景を見ると、そこにあふれる統領の力を感じる、カタチとなって見えてきます。統領の力によって民が活性する、生き生きと働く、何かを生み出す、働く民らの息づかいをひしっと胸を打ちます』
『お~お、そうか。お前も俺も、感慨の無料を感じているのか』
アエネアスは見つめている、イリオネスも見つめている。
『なあ~、イリオネス、俺はここに立ってつきつめて考えた。残る民がポリスを成り立たせるだろうか? そして、建国を目指す我らが新しい地に立って、業を成し遂げれるかを考えた。計画立案の時に考えなかった領域のことを考えた』
『統領、想うところを、考えるところを存分にやってください。統領の力で我らが働き、カタチにしていきます。案ぜられなくともカタチづくられます。統領がいて我ら、我らがいての統領です』
『イリオネス、言ってくれるな!今の言葉!俺は嬉しい!安心立命の境地、民あってこそだな。俺は民を裏切らない!イリオネス、約束する。よろしく頼む』
二人は、互いの心を、気持ちを語った。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/face_yaho.gif)
小高い広場の高所にアエネアスは立った。
民ら全員が生きている場を俯瞰する、身体を向かせながら眺め見る、無量の感慨がこみあげてくる。
地域、海域、そして空域を望む。
民族を統率する者として統括している、いや、していた、そんな自分の力の領域を考えた。
それは統率することにより生まれる民族の力であると感じとる。
抽象的な統率力の具体化力によって、効果的に具体化した結果である。統率力で民族のモチベーションに働きかける、それでカタチづくった業績である。
『俺一人では為すことのできない業績であり、カタチであり、結果なのだ』
そのことに胸がうたれる。
アエネアスは言葉にできないまま、目を風景にくぎづける、またもや襲い来る無量の感慨に思わず身を引いた。
成果の現状を考え見る、今日に到るまでの道のりを思い浮かべる。
クレタを離れて、新たな地に新たな民が根をおろす、花を咲かせる、実を結ばせる、種を蒔く、実が結ぶ、繁殖を繰りかえす。建国の道程を頭中に描く。
建国事業がスタートする、目にすることのできない国を建てる力が生み出す、はるか遠い未来の国のカタチを思い浮かべる。
建国を進めていく道程の移りゆく姿が頭の中のスクリーンに描き出される、平面的である、そのイメージが立体化してくる、人像が浮かんでくる、人が動く、旗が風になびく、像が活性してくる、建造物も立ち並んでいる、建物の中に自分がいる、描いたイメージが完結する。
この季節では考えられない柔らかな陽光の下、吹きすぎていくそよっとした風を感じる、かすかに耳にする木の葉のはずれ音で我に返る。
アエネアスは、広場の高所に到る道をたどってくるイリオネスの姿を目にする、手をさしあげる、声をあげる、手を振り返すイリオネスの姿が目に入ってくる。
程なくイリオネスがアエネアスの横に立つ、アエネアスが目に収めている風景をイリオネスが眺める、感慨が胸を打つ、イリオネスの目が潤む、なぜかわからない、空、海、そして地に生きている者らの息づかいを感じとる。
イリオネスが思いつめた口調でアエネアスに声をかける。
『こうして、しみじみとこの風景を見ると、そこにあふれる統領の力を感じる、カタチとなって見えてきます。統領の力によって民が活性する、生き生きと働く、何かを生み出す、働く民らの息づかいをひしっと胸を打ちます』
『お~お、そうか。お前も俺も、感慨の無料を感じているのか』
アエネアスは見つめている、イリオネスも見つめている。
『なあ~、イリオネス、俺はここに立ってつきつめて考えた。残る民がポリスを成り立たせるだろうか? そして、建国を目指す我らが新しい地に立って、業を成し遂げれるかを考えた。計画立案の時に考えなかった領域のことを考えた』
『統領、想うところを、考えるところを存分にやってください。統領の力で我らが働き、カタチにしていきます。案ぜられなくともカタチづくられます。統領がいて我ら、我らがいての統領です』
『イリオネス、言ってくれるな!今の言葉!俺は嬉しい!安心立命の境地、民あってこそだな。俺は民を裏切らない!イリオネス、約束する。よろしく頼む』
二人は、互いの心を、気持ちを語った。
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