子供は、無邪気で正直だ。
そして、ときに残酷な生き物になる。
カミさんの90歳になる祖母さんが体調を崩して入院した。
手術の2日後、家族みんなでお見舞いに行った。
祖母さんは、7階の4人部屋の病室の窓側のベッドで眠っていたようだった。
点滴が痛々しく、短めの髪には寝グセがあった。
半開きで深く窪んだ口元が老体を蝕む病魔宮の入口に見えると同時に、死を拒むことができない祖母さんの弱々しさを痛切に感じてしまった。
カミさんが声を掛けた。意識はあった。
子供達に一人ずつ声を掛けさせ、一番最後がリョー坊だった。
リョー坊は自分の声がちゃんと届くように、祖母さんの耳元に寄って、大きく、ハッキリした声で言った。
「ばぁちゃん!、ばあちゃん!、入れ歯したいど!」
その声の雰囲気から、-ばあちゃん!、ばあちゃん!、入れ歯はちゃんとははめておいたほうが良いよ、はめていたいよね、そうだよね-と解釈された。
病室の空気が瞬間凍結し、・・・溶解した一瞬だった。
そして、ときに残酷な生き物になる。
カミさんの90歳になる祖母さんが体調を崩して入院した。
手術の2日後、家族みんなでお見舞いに行った。
祖母さんは、7階の4人部屋の病室の窓側のベッドで眠っていたようだった。
点滴が痛々しく、短めの髪には寝グセがあった。
半開きで深く窪んだ口元が老体を蝕む病魔宮の入口に見えると同時に、死を拒むことができない祖母さんの弱々しさを痛切に感じてしまった。
カミさんが声を掛けた。意識はあった。
子供達に一人ずつ声を掛けさせ、一番最後がリョー坊だった。
リョー坊は自分の声がちゃんと届くように、祖母さんの耳元に寄って、大きく、ハッキリした声で言った。
「ばぁちゃん!、ばあちゃん!、入れ歯したいど!」
その声の雰囲気から、-ばあちゃん!、ばあちゃん!、入れ歯はちゃんとははめておいたほうが良いよ、はめていたいよね、そうだよね-と解釈された。
病室の空気が瞬間凍結し、・・・溶解した一瞬だった。
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