昨晩の「BS、高島礼子 日本の古都」を観るまでは、一期一会、が千利休によりつくられた言葉だと思っておりました。この、一期一会、桜田門外の変で暗殺された、井伊直弼が生み出したそうです。比較的新しい語句なのですね。ナビゲーター役の高島礼子さん、失礼な言い方ですが、非常にクレバーな人だと思います。その明敏さは、聞き手をされる歴史専門家との掛け合いの随所にお見受けできます。淡々と返される言葉の選択が実に的確で、素敵なのです。
先日、母校の図書館で用を足した後、脱稿まじか記念をひとりでしました。自分へのご褒美として(女の子みたいですが)、「山の上ホテル」の天ぷら山の上でゆったりランチ。大学院入学直後、教授にごちそういただいて以降、何かの区切りにはここを利用しております。天ぷら山の上、今更ながら多言を弄する必要はありませんね。ちなみに、戦後まもなくGHQが、ここを宿舎として利用し、HILL TOPの呼称で親しんでおりました。それを和訳し、現在の「山の上ホテル」になったようです。戦前は、佐藤生活館という名称でした。
約2か月後に「秀和システム」から発売予定の本、全18章のうち、本日17章まで書き終えました。残るは1章だけ。僕の悪い癖ですが気をゆるめます~ 1章ごとに敏腕編集者に原稿を送りチェックいただいてきました。書き直しの章等、もろもろありますが大丈夫です。タイトルなど詳細は言えませんが、非常に面白くためになる内容です。密かにベストセラーを狙っております(笑、マジ)。ご負担ならぬよう、現時点で本が出る程度の宣伝をしていただけるとありがたい限りです。
神津カンナ(中村メイコの長女、杉本哲太の義理の姉)は幼少時、三島由紀夫から「辞書はひくものではなく、読むものなのだよ」とアドバイスを受けられました。その1カ月後に自決。エッセイストとなった今でもその言葉を大切にしているそうです。私事で恐縮ですが、辞書を引かなくなって久しい感がします。ネットで検索すれば、あやふやな言葉づかいや、わからない語句も瞬殺できますからね。先日読んだ週刊誌に、「人間の記憶効率は、二次元的(平面的)からのインプットよりも、三次元的(立体的)からのインプットの方が勝っている」と記載がありました。でも、やはり辞書をひくのは面倒臭いです。
14世紀初頭、中国の片田舎、貧農に、一人の男の子が生まれました。名前を朱元璋といいます。彼は、両親と兄を疫病で失い、村のお寺にあずけられることになります。しだいに、指導者としての頭角をあらわし、やがて、元( モンゴル )を破り、明を建国するに至りました。そして、現在の南京で即位して、朱元璋を改め、洪武帝、と称するに至ります。優れた政治を行う一方で、自分が、はげあたまで、かつて貧乏僧であったというコンプレックスをもち続けておりました。はげとか光、あるいは、僧の字が目にとまると、その文章の作者を引き出し、直ちに処刑してしまいます。同様な狂気の粛清は、淀むことなくつづけられ、彼一代で 10万人が殺戮されたといわれております。ちなみに彼が定めた、1世1元制、現在、世界で採用しているのは日本だけです。すばらしい伝統ですね。ところで二年後の1月1日の午前0時に、元号が変わるかもしれません。