母が茶道の知り合いから、古い蔵から発見さてたという炭を、何俵も貰ってきた。
半ば不用品をうちの小屋のスペースを当てにして押し付けられたと言ってもいい。
事実、使われもしないで何年も何年も小屋の片隅を占領していた。
小屋が狭くなって仕方がないので、炭を雑草避けのマルチングとして利用して処分した。
炭の袋のエフには検品スタンプが打ってあり、昭和36年の文字が読み取れる。
その時に一緒にやって来た木箱が残った。

これがその木箱、推定65年経過している。
他の箱は梱包用の箱で、リンゴ箱レベルの粗造な物だったが、一つだけ比較的、丁寧な造りの物があった。

内部は炭を補完していた名残で、煤けている。

底面は帯状に虫が入って朽ちている。

底面の別の所も同様に朽ちている。

底を床に着けないように角材の上に置いていて、その角材に虫が居たり、湿気が入って角材と接してたと思われる部分だけが帯状に朽ちている。
底板を外して新しい板で張り替えてしまおうかと考えたが、釘で留めてあるので、それはやめることにした。
古い鉄くぎは錆びて太って、安易に抜けないものである。
ステンレスのビスの方が逆回転で抜けてくるので部材を壊さずに解体できる。
釘で打った古い建物が案外丈夫なのはそんな理由もある。


結局、まずは薄いべニアを貼る事にした。


重石を載せて密着させたが、朽ちたところに隙間ができる。
これを何とかしたいが、砥の粉や木工パテはコストが掛かる。

ダイソーで木粉ねんどなるものを見つけた。

「乾燥後は木のように固まり彫刻できる!」だと!!
100円で木工パテに流用できそうな物に出会った。


パテ類は乾燥すると引く(収縮する)ので、多少多めに盛った。



乾燥後、紙やすりで余剰部分を削って面を整えた。

気に入った色の水性ペンキを買って、塗ってみた。
よく見れば、パテ盛りした痕が判別できるが許容範囲内である。

うん、悪くない。

うん、悪くない。
木粉ねんど、お前のお陰だ。

箱の外面も塗装が終わった様子。


ステンシルプレートを使って、ワンポイント文字を入れる。
034は「まさし」を表す。
将志、そう、僕の名前だ。

とても格好の良い箱の完成!!
さて、何を入れましょう。
また、つまらぬ物を造ってしまった・・・。