安倍晋三首相はどんな国をつくろうとしているのか。
累々たるバブルの残骸、ワーキング・プア、子どもを産んでも展望を持って育てられない国、どういうビジョンで 克服していくのか。さっぱり見えてこない。
2月16日付『朝日新聞』金融情報欄のコラム「経済気象台」は『「眼高手低」論考』として次のように書く。
【 安倍内閣のスローガンは『美しい国作り』である。その第一条件は、この国を豊かで安全なものにすることで あろう。
天然資源の少ない日本を豊かにする方法はただ一つ、大いに産業を興して世界に輸出するしかない。企業のため、 他の国に負けない環境条件を整えてやることが大切だ。グローバル化した時代、企業はこの国から出て行くかもしれ ないーー。
ここまでは誰も反対はしないだろう。だが、企業減税分を、消費税など個人増税で賄うことになれば、話は別であ る。バブルの発生と崩壊を手をこまねいて見ていた官僚や学者たちが、再び物知り顔に経済成長の旗を振っているこ とに国民は不信感を持っている。今、国民の持っている不安は再び政府に裏切られるのではないか、ということであ る。
戦時中、「欲しがりません勝つまでは」という有名なスローガンがあった。国民は政府の言うことを信じて我慢に 我慢を重ねた結果、敗戦と生活の破綻が待っていた。
一方、池田内閣の時代には「所得倍増計画」というのがあった。国民は汗して働き、歴史にもまれな高度成長を達 成したのである。今にして思えば、あのスローガンが広く世の中に受け入れられたのは、視点が企業ではなく、国民 生活にあったからだ。
「美しい国」と大上段に振りかぶったものの、具体的に何を目指すのかが抽象的な安倍内閣は、どうも「眼高手低 」の気味がある。政策を実施することで、国民にどれだけのリターンがあるか明確に示し、実現できなければ責任を 取るという姿勢が肝要だ。
「いささか脇の甘さがあって、内閣の支持率は下降中である。若い内閣だ。未熟による失敗もあるだろう。くじけること はない。もう一度、国民の視点に立って「美しい国」の骨格を練り直して欲しいものだ。 (可軒) 】
脇の甘さ、若い、未熟による失敗などという言葉で片づけられると納得は行かないが、視点を国民の生活において 練り直す、という趣旨に賛同する。
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