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怖い 自衛隊法改悪

2006年09月01日 10時35分41秒 | 政治 
秋の臨時国会で政府・与党は、先の通常国会で廃案になった自衛隊法の成立を企んでいる。
改悪案は、▽海外派兵を自衛隊の「本来任務」に位置付ける。▽防衛庁を「防衛省」に格上げする。…の二つの柱からなっている。
現行の自衛隊法第三条は、自衛隊の「本来任務」=主要な任務 を「わが国を防衛すること」と「公共の秩序の維持」と規定している。
改悪案は、これに加え▽PKO(国連平和維持活動)法、▽周辺事態法、▽テロ特措法、▽イラク特措法… などの海外派兵法に基づく活動も「本来任務」としている。
現行の自衛隊法では、こうした海外派兵を定めていたのは「雑則」や「付則」の中であった。
自衛隊は、砕氷船「しらせ」を使った南極観測協力や、警察などへの教育訓練、運動競技会への協力(輸送や音楽演奏)を行ってきた。こうした活動を定めているのが「雑則」。
歴代の政府・与党はこれまで米国の要求に応え、海外派兵を拡大してきた。しかし国民の強い批判のもと法律上は南極観測への協力なみの位置付けしかできなかったのだ。

海外派兵を主任務に位置付ける改悪案は、自衛隊を「日本防衛」を建前にしてきた軍隊から海外派兵型軍隊に大転換させるものとなる。
海外派兵の拡大を日本に求めてきたブッシュ政権は「テロとの戦い」を口実にした「長い戦争」(ロング・ウオー)へ同盟国を動員する戦略掲げてをいる。
海外派兵型軍隊への転換は、米軍が地球規模で仕掛ける先制攻撃の戦争に自衛隊が本格的に参戦できる体制づくりにほかならない。
政府の動きに呼応自民党は海外派兵を地球規模で随時可能にする「恒久法」の概要をまとめている。
現行法では実施できない海外での治安維持活動(安全確保活動)やその際の武器使用も可能とし、安倍官房長官は次期政権でその制定を進める考えを示している。
米軍は今、イラクで住民虐殺の掃討作戦(治安維持活動)を展開し、国際的な非難を浴びている。
「本来任務化」とあわせて恒久法が制定されれば、米国から要求があるたびに、こうした米軍の作戦にいつでも自衛隊が一体となって加わる危険がある。

憲法改悪を先取りしたいわゆる解釈改憲の世界であろうが。
小泉チルドレンといわれたり、刺客とよばれて当選した粗雑な発想の国会議員が採決するのだ。
恐ろしい日本になりそうだ。          
                 (『しんぶん赤旗』8月30日付記事再構成)


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