伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

遠野町地域振興協議会総会で地域おこし協力隊が活動紹介

2019年06月12日 | 遠野町・地域
 地域振興協議会の総会は、提案された議案が全て了承されスムーズに終了。その後、平山ご夫妻がこの間の活動報告をした。

 ご夫妻は、夫の祐さんが東京出身で、祖母らが市内内郷に住んでいるといい、妻の綾子さんが神奈川出身。協力隊となる以前に、本市をたびたび訪ねており、この体験が協力隊に応募する一つの動機にもなったようだ。

 遠野に来て、イノシシ、ハクビシンなどを初めて見て、カメムシやゲジゲジとも共生するようになったという。田舎暮らしをご夫妻で満喫しているようだ。




 いわき市由来のあった裕さん縁で遠野町に移り住み、和紙の製造と活用で生活を維持することをめざすという平山さん。遠野和紙で卒業証書を作成する遠野町の小中学校及び遠野高校のために、着任後、まずは埼玉県でA3サイズの和紙漉を習得、遠野町で当該校の生徒達に紙透を指導、その後、菊版(障子の半分程度)の紙透も研修し、今後は技の向上を目指していきたいという。

 和紙の製造には、紙の原料となるコウゾの栽培・収穫、コウゾの皮向き等々、和紙を漉くまでに様々な作業があるが、地元のボランティアや集落支援員のみなさんの力も借りながら、作業をすすめているという。

 また、和紙でクマガイソウのイラスト入りコースターや名刺の製造、また、ランプシェードをデザイン・製造したり、和紙の活用の幅も広げる努力もしていた。先だって、平山さんが情報発信に活用しているインスタグラムで、田人町の町おこし協力隊の活動の中でオープンした「HITO-TABI」(お食事ができます)に名刺を納品したという投稿をしていたので、さっそく名刺の作成の可否を問い合わせたところOKの返事があり、作成してもらうことになった。デザインは私がしたものとなるが、どんな仕上がりになるのか、楽しみ。

 東京在住の切り絵作家の方が遠野和紙に興味を持り訪ねてきて、和紙を利用した立体切り絵を作成してくれたという。



 息をのむ美しさだ。細かい紋様を体に刻んだその姿は素晴らしい。和紙と芸術家のコラボは、遠野和紙の新しい可能性を広げてくれているように思う。


 平山さんは、様々なイベントにも参加しており、遠野町の魅力を磨き伝える役割をしっかり果たしてくれているようだ。

 いやそれにとどまらない。平山さんは釣りをしているし、これからも上手になりたいとか、今年かな・・ホタルを見たと言っていた。地元にすっかり根付き、溶け込んでいるように思える。遠野に住んで30有余年になる私は、釣りをしない上、光らないウバボタルは毎年見ているものの、光るゲンジボタルは数えるしか見たことがない。しかも、ここ数年は皆無。私、後れを取った、そんな印象が残ってしょうがなかった。


 活動を紹介するスライドが映るスクリーンには、紙を漉く2匹のネコの絵が浮かんだ。妻の綾子さん作だという。昔から絵が好きで描いており、このために和紙にも興味があった、と言っていた。この絵を見せると子ども達が喜ぶという。

 和紙の活用、そして情報発信に努力し工夫する平山さんの楽しい活動発表を聞いた。これからもがんばっていただきたい。


 さて、総会では次のような祝辞を述べた。


 本日は、地域振興協議会の総会開催おめでとうございます。

 さて、いわき市では、サッカーチームのいわきFCが活躍する中、Jリーグに昇格する際には、規格に合う一定規模のスタジアムが必要になるということで、スタジアムを作るならまちづくりにも生かせないか、ということで、この間、スタジアムを中心としたまちづくり可能性調査をすすめてきました。

 この調査、多くの方の関心を集めていたのですが、このほど報告書がまとまり、議会に対しても説明がされました。

 その内容を見ると、天然芝で1万5,000人分の観客席を持ち、観客席に屋根をかける構造のスタジアムの場合、用地と施設整備で110億円から150億円のビックプロジェクトになり、年間の運営費は約8,000万円の赤字になるという結果になっていました。

 さらに、この候補地となる、平、小名浜、常磐、そして内郷で、それぞれの地区に整備される際に想定されるグラウンド以外の機能、カフェやスポーツジムなどですが、この収益も見込んで計算しても、最も少なくて400万円、多いところで1億1,000万円の赤字になるという結果になっているんですね。

 この調査結果からは、なかなか厳しいんだなーという内容でした。

 このようなビックプロジェクトによるまちづくりではありませんが、この遠野地区においては、地区の資源を磨き、活用した事業を展開し、情報を発信することで、遠野魅力を広めているものと思います。

 今日の総会で、またこうした事業がすすみ、遠野の魅力を広範に広げることができますよう祈念しまして、本日のお祝いとさせていただきます。

 本日は、まことにおめでとうございます。


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