伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

会派の市議会報告が完成しました。新聞折込で7月28日にお届けする予定です。

2019年07月17日 | 市議会









 記事は以下に掲載します。



■市議会6月定例会

 いわき市議会6月定例会は6月13日から27日の15日間の日程で開かれ、27日の本会議では、提出された33議案と人権擁護委員の国への推薦に関する諮問1件、議会提出の意見書5件を可決・承認して閉会しました。

 日本共産党・市民共同は、議案等のうち、10月からの幼児教育・保育無償化の対象から外された給食費の管理等を行うためのシステム改修経費の計上に賛同できないため、一般会計補正予算案の1件に反対しました。

 今議会の一般質問には、伊藤浩之、溝口民子、渡辺博之、質疑に伊藤、討論に溝口の各議員が立ち、採択された意見書のうち「『労働者協同組合法案』の早期制定を求める意見書(案)」の提案説明に、坂本康一議員が立ちました。

 定例会の質問等について、お知らせします。なお、文字数の都合で本文の「問」については「である調」で表記しています。



■今年の国保税 昨年に続き据え置きにー不足額は国保基金取り崩しで対応します

 県内統一に向けて準備がすすむ国保制度ですが、現在は県が示す標準保険料率を参考に、各事業者(市)が国保税を決めています。今年県が示した本市の標準保険料率は引き上げの内容でした。しかし、本市は、不足する財源3億6,200万円を約26億円の国民健康保険基金から繰り入れして税率を据え置くにしました。一方、5割と2割の軽減税率の対象世帯を拡大することになりました。

■国保世帯は一般に低所得。引き下げの必要性の認識ただしました

 国保加入者の一世帯当たりの所得は。

 課税標準額は、平成28(2016)年度は98万734円、30(2018)年度は86万7,692円と減少傾向です。

 夫婦2人で所得200万円の世帯の国保税額は。

 基礎課税額、後期高齢者支援金等課税額、介護納付金課税額の全てが課税される場合32万3,900円で、所得に占める割合は約16.2%です。

 現行税率に据え置くことにした理由は。

 基金を一定額以上保有している間は、被保険者の税負担に配慮することにしたものです。

 税負担に配慮するなら、加入者の生活から見ると国保税が高すぎるので、引き下げが必要では。

 引き下げると赤字額が拡大し、県内統一までに基金が枯渇し、値上げが予想されます。従って引き下げの状況はありません。

■市から見た国保県内統一の課題はなに?
 低所得世帯が相対的に負担増




■県立高校統合計画に進路指導とまちづくりで意見――市が考え示す

 福島県が公表した県立高等学校改革前期実施計画に、小名浜高校と海星高校、湯本高校と遠野高校の統合が盛り込まれている。前者の2年間での統合準備には拙速さを感じ、また後者は、遠野地区から高校がなくなり、学業や地域に対する影響も大きい。市内高校教育での遠野高校の役割は。

 少人数教育のメリットを生かしたきめ細かな指導で、学力向上等、特色ある教育を実施している高校の一つと認識しています。

 地域と結んだ教育への評価は。

 遠野和紙による卒業証書作成等地域資源を生かした教育活動を展開していると考えています。

 統合は、本市の将来の担い手育成で大きな問題。市長の所見は。

 中学校の進路指導に支障をきたさないよう、またまちづくりに寄与する人材育成の観点から市の考え方を伝えたいと考えています。

■小規模小中学校で積極的に情報共有を図れ

 小規模校は、きめ細やかな指導でのメリットがあり、デメリットには少人数のため社会で必要とされる資質等の育成で課題等があり、複式学級には学習指導面での困難があるとされてきたが、これらの情報の保護者等との共有は。

 行事等の際、保護者等に説明しており、特に小規模校ではメリットを生かしながらデメリットを克服する取り組み等を説明してきました。今後も説明責任を果たしていきたいと考えています。



■教育ゆがめるテストは中止を――ふくしま学力調査 全国学力・学習状況調査

 本年4月11日に、小学4年生から中学2年生を対象に、「ふくしま学力調査」が実施された。さらに、その1週間後、小学6年生と中学3年生には全国学力テストが実施された。

 子どもたちはクラス替え等で不安定な気持ちの時期であり、また、教職員は学年や学級運営のスタートで仕事が山積みの時期となる。

 国連・子どもの権利委員会は、日本政府に「高度に競争的な教育制度が、子どもにストレスを与え発達に障害をもたらしている」と厳しく指摘し改善を求めている。教育をゆがめる全国学力テスト、ふくしま学力調査は直ちに中止すべきでは。

 学校や児童生徒の実態を適切に把握し教科指導等の充実や児童生徒の生活習慣等の改善を図る上で必要であり、いたずらに競争をあおることなく児童生徒一人ひとりの学力の伸びを認め、成長を称賛し学習意欲を喚起すると共に、日々の授業改善に取り組み、確かな学力が身につくよう指導・支援します。



■除染作業員――被爆放射線量の記録、適正管理を求めよ

 除染等業務従事者等被ばく線量登録制度の目的は。

 除染事業従事者の被ばく線量等の情報を公益財団法人放射線影響協会が一元的に管理することで、一人ひとりの
被ばく線量を容易に把握することを可能にするとともに、記録を散逸させることなく長期間保管することです。

 国のガイドラインでの定めは。

 除染事業者が労働者の被ばく線量の記録を30年間保存するか、放射線影響協会に記録を引き渡すこととされています。

 急性骨髄性白血病になったAさんは2011年から広野町で除染作業をしたが、被ばく線量等の記録は放射線影響協会に登録されておらず、会社もほとんど記録を保管していない。

 また、富岡町で作業したBさんの放射線管理手帳には被ばく線量として2016年7月0.04ミリシーベルト、8月0.04ミリシーベルト等と毎月記載され、2017年3月末までの累積被ばく線量は0.33ミリシーベルトだ。しかし、放射線影響協会にはこの期間の累積被ばく線量は、0.0ミリシーベルトと登録されていた。

 これではデータそのものが信頼できない。

 市が発注した除染事業でも1件1件確認することが必要だ。除染事業者等が放射線影響協会に登録するよう、国に働きかけるべきでは。

 制度の充実について機会をとらえ、国に働きかけたいと考えます。



■障がい者等軽自動車税軽減手続き――2回目以降の簡易な方法の手続きを早期実施へ

 身体または精神に障がいがあり歩行が困難な方が所有する等軽自動車税は減免を受けることができるが、毎年、同じ手続きを繰り返すことになる。

 議会事務局に調べていただいたところ、中核市58市中52市が、また、県内13市中9市が、2回目以降は簡易な手続きで済むようにしている。本市の手続きも簡易にすべきでは。

 本市でも、窓口の混雑等があるため、他自治体の状況等を調査・研究してきましたが、今後、システムでの対応等も含め、早期実施に向けて検討していきたいと考えています。



■条例制定でなりすまし詐欺対策の強化を――一般質問・伊藤浩之

 新聞報道で、関東圏に隣接する福島県のなりすまし被害が多いと読み、深刻な事態にあると痛感した。本市での被害の状況は。

 市内3警察署によれば、平成28年度は、22件、6,827万円、29年度は、19件、5,579万円、30年度は、16件、6,105万円です。

 一定の水準で被害が続いている。なりすまし詐欺の対応は、第一義的には警察だが、本市としての対策は。

 被害の防止には、市民のみな様が自ら被害を未然に防止することが非常に重要と認識しています。
 このことから本市では、消費者教育推進講座の開催等の啓発活動に取り組み、本庁・支所・消費生活センターの14ケ所に相談窓口を設置しています。
 また、金融機関等においても、なりすまし詐欺の注意喚起に努めていただく等、地域の見守り体制の構築を図っています。
 今後は、防災メール等の活用で、被害防止に関する有用な情報を事業者や市民のみな様と共有し、被害防止を図りたい考えています。

 柏市では、「振り込め詐欺等被害防止等条例」を制定しているが、本市もこのような事例に学んではどうか。

 警察や金融機関等関係機関と連携を図り防止に向けた取り組みを推進しており、お質しの条例制定は、柏市等の状況等を調査し、条例制定による有効性等を検証していきたいと考えています。



■実態つかみひきこもり対策強化を――一般質問・溝口民子

 内閣府が昨年12月に40歳から64歳対象のひきこもり調査を実施し、全国推計人数は61万3,000人と発表した。本市の推計人数は。

 本年4月1日現在の住民基本台帳人口で1,500人と推計されます。

 ひきこもりに関する不安や悩みを抱えている家族を対象にした家族教室「ひだまりの会」の活動内容は。

 心理士のグループカウンセリング、ひきこもりを経験した当事者や就労支援の講話、家族同士の交流などで、月1回の割合で開催しています。

 まずは安心できる居場所、信頼できる人、自分を肯定してくれる仲間がいるという考えに基づく支援施策を展開するためにも、実態調査をすべき。

 ひきこもりの状態は非常にデリケートであり高い専門性が求められることから、市単独の実施は困難であり、今後、相談窓口や各種事業の周知を図り、十分な情報共有を行いながら、早期発見・支援に努めます。

 加齢による難聴者に支援を

 高齢者全体で難聴は3人に1人となっている。本市独自の支援をするべき。

 一定程度以上の方は身体障害者手帳の対象となり、補装具費支給制度の対象になりますことから、現行制度内で対応します。



■感謝を伝えて風評払拭を――一般質問・渡辺博之

 首都圏在住者の放射性物質について気にしている割合は。

 いわき産農産物の風評被害に関するアンケート調査では、放射性物質について「震災後からずっと気にしている」と「自分は気にしていないが子どもに対しては気になる」の合計は、2016年度30.7%、18年度29.3%、18年度27.5%です。

 観光交流人口の推移は。

 震災前の約75%にとどまっている状況です。

 震災後に何度も支援に来た東京のある社長は「ネットでボランティアを募集すると見ず知らずの若者たちが駆けつけてくれた。貯金を全部使い果たしたけれど楽しかった。今、福島産の農産物は避けているが、『ありがとう・いわき』等とシールが貼ってあれば、思わず買うと思う」と話した。

 震災直後には「がんばっぺ」という言葉がみんなを励ました。そして今、「おかげさまです。ありがとう」という言葉は、募金や支援をしてくれた方、心配してくれた方々の心に染み入ると思う。この言葉を本市の復興・創生の基本に据えて、震災後に作られたきずなを強めることは、風評被害を払拭し観光交流人口を増やすことにつながると考える。

 「おかげさまです、ありがとう」の発信についての市の考えは。

 多様な機会をとらえながら、感謝の思いや復興の姿を発信したいと考えます。



■10月の消費税10%増税の中止を求めよ

 3月7日発表の景気動向指数の速報値が、景気が後退期に入った可能性が高いことを示す「下方への局面変化」に基調判断を引き下げた後も、5月13日及び6月7日公表の速報値では「悪化」に引き下げられた。我が国の経済状況にも陰りが見え、加えて震災復興事業の終結に伴う市内経済への懸念もある中、消費税の10月の増税を中止するよう求めるべきでは。

 租税法定主義の原則のもと、法の趣旨を踏まえ対応したいと考えています。



■犬のふん放置対策でイエローチョーク活用を

 ペットの犬のふん放置について、市はこれまで啓発活動等を行い放置をなくすために努力を重ねてきましたが、苦情受理件数は2016年度は12件、2017年度は20件、2018年度は15件と横ばいの状況です。

 放置ふんをチョークの線で囲み、日時を記入するイエローチョーク作戦が効果が高いと広がっている。導入しては。

 一定の効果を聞いていますが、課題もあり調査・研究したいと考えています。



■6月定例会主な議案と会派の対応

条例改正案


●常磐湯本財産区公衆浴場条例

 常磐湯本財産区が設置する上の湯の利用時間を2時間短縮の午後4時から午後9時までとし、みゆきの湯の使用料を12歳以上を50円引き上げ300円に、6歳から12歳未満を30円引き上げ150円とし、これにともなう回数券引き上げ等を行うものです。

 公衆浴場は、現在赤字の経営となっており、今後、温泉の給湯施設の更新等にも多額の費用が必要となること等を踏まえ、料金改定等を行うことになりました。

●さはこの湯公衆浴場条例

 運営が赤字となっていることから、利用料金の限度額を70円引き上げ300円とするもので、実際の料金はこの改定を受けて指定管理者が市の承認のもと決定します。限度額の利用料になると見込まれ、これにより赤字の解消が図られる見込みです。

●体育施設条例の改正

 総合体育館の改修にともない空調設備が設置されたことから、空調利用期間のフロア使用料に空調利用期間の空調使用料を加えた使用料を定めるものです。使用料は1時間単位にあらためられますが、単位時間当たりのフロア使用料は、これまでと変わりません。

 また、照明のLED化に伴い照明使用料は引き下げとなります。


一般会計補正予算

●保育所事務費

 今年10月からの幼児教育・保育無償化の対象外とされた給食費を管理するシステム改修の経費です。

 給食は、「食を営む力」の基礎を培い、様々な人と一緒に食べることで「人とかかわる力」を育む等の役割を果たす等、大切な保育の一環です。これを無償化の対象外としたことは、国の大きな問題です。

 市議選で、学校給食の無償化に共感が寄せられたように、幼児教育・保育の給食無償化にも市民の共感はいただけるものです。市独自の無償化を図るべきことを求め、この補正予算に反対しました。



■プレミアム付き商品券発行事業の詳細決まる

 消費税増税に対応する事業です。
 「商品券引換購入権」を持参し、5,000円分の商品券を4,000円で、最大5冊まで購入できます。
 引換券の対象となる市民税非課税(課税されている方の扶養親族や生活保護世帯は除く)の方には、申請書が送付されるので所定の手続きをとって下さい。

 また、2016(平成28)年4月2日以降に生まれ、基準日に本市の住民登録があるなど該当する子どもがいる世帯には、該当の人数分の引換券が9月以降に送付されます。

 詳しくは広報いわき7月号をご覧ください。



■可能性調査、スタジアムの赤字運営飲み込み示す

 「サッカースタジアムを中心としたまちづくり可能性調査」の報告書概要が公表されました。「いわきFC」がめざすJリーグ入りの条件に一定の基準を満たすスタジアム整備があるため、将来のまちづくりの視点から調査してきたものです。

 報告書では、Jリーグの基準を満たす天然芝で観客席だけ屋根をかけた「大庇」の構造で整備した場合、毎年8,000万円の赤字を見込みました。この結果に、整備候補地となる平、小名浜、内郷、常磐の4つのエリアで、導入が想定される他の収益施設も含めて試算した結果、最も少ないエリアで400万円、最も多いエリアで1億1,000万円の赤字と見込まれました。

 報告書の総括では、課題に「整備・運営に必要な資金」の調達をあげ、「収益性の高い『スタジアムビジネス』のモデル」の必要性を指摘する一方、インフラ整備等「市民生活に及ぼす可能性」に注意を喚起しています。

 6月定例会の一般質問の答弁で、市は整備資金の調達は「株式会社いわきスポーツクラブ及び親会社・株式会社ドームが主体となり検討していくべきもの」との考えを示しています。



■次期定例会は9月12日の開会予定です。請願・陳情の提出、ご意見、ご相談等何でもお寄せください。



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