伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

海開きでたずねた薄磯を議員だよりの記事にしました

2017年07月19日 | 市政
 海開き式が行われ、とよまツアーに参加した際に、住民のみなさんに伺ったお話をもとに、議員だよりの記事にしました。

 すでにブログに書いた観点からの記事ですが、よろしければご覧ください。



復興・喜びの夏
でも、今後の課題も大きい/息長い支援が必要と実感


 東日本大震災から6年4ヶ月、被災地のハード面の復興がすすんでいます。7月15日には、津波復興区画整理事業による宅地の引き渡しが完了した薄磯地区で、東日本大震災後初めて海水浴場が開設され海開き式が開催されました。同時に催されたイベント「海まち・とよまパークフェス」は多くの人出でにぎわっていました。


 震災前、市内の海水浴場は10ヶ所開設されていましたが、震災と原発事故の影響で休止。震災の翌年に勿来海水浴場が、2年後には四倉海水浴場が開設され、今回の薄磯海水浴場で3か所目の開設となりました。関係者は、「まちの復興につながる」と多くの人出が期待されています。





 海開き式で、海水浴場安全対策実行委員長の薄磯区長は、震災前と変わらない海の姿に勇気をもらったとしながら、薄磯地区が「海とともに生き、海に生かされてきた。これからも海とともに生きていきたい」と、再開の喜びを語ったのが印象的でした。

旧住民の帰還が減少

 復興の着実な前進への喜びの一方、被災地でのまちづくりには、大きな課題があることも明らかになりました。

 「パークフェス」と並行して実施された「豊間周遊ツアー」では、沼ノ内、薄磯、豊間地区に散在する名所等と合わせて区画整理事業で造成された住宅地などを見学しました。

 薄磯の高台住宅地では、地元の副区長さんらが説明に立ち、住民の帰還の見通しなどを説明しました。

 それによると、薄磯地区では市有地分を含め185区画の宅地がありますが、住民にアンケートをとった結果、3年以内に住宅を建てると言っているのは25世帯程度にすぎないといいます。


薄磯高台部から見た平場の造成地


 住宅地の造成を待ちきれず、同地区276世帯中60世帯程は他地区に家を建てているといいます。

 しかも戻ってくる住民も、1ヶ所に固まって戻るわけではなく、住宅地に点在する形になるので、地域コミュニティーの再建が難しいという危機感を持っており、50世帯から60世帯まで居住世帯を増やせるようにがんばりたいというのです。

 また、住宅が再建されない空き地の草刈り等が課題になるとも話しました。

 事情は豊間地区も同じです。

 説明に立った住民によると、同地区では来年3月までに宅地349区画の引き渡しが完了する予定で、このうち、すぐに住宅を建てるのは50世帯から60世帯だといいます。

 以前のアンケートでは200世帯程あったといいます。区画整理事業をすすめる間に、多くの世帯で生活の事情が変化してきたことを知ることができます。


豊間地区の高台部からは二見ヶ浦がよく見える


 同地区では子育て世帯向けの150区画の販売達成を目標にして、若い世代の呼び込みに取り組みたいと話していました。

 両地区が共通して話すことは、土地の価格はとにかく破格的に安いので、景色のよい同地区に興味のある方はぜひ相談してほしいということでした。

いっそう緊密な連携で

 ツアーで聞いた被災地域の実情は、復興区画整理事業などのハード面の整備が終わっても、被災地の復興が終わらないという現実を示しています。
 「帰還を考えるのは孫の世代になってから」と話す人もいるようです。深刻な被害を受けた津波被災地の復興は、これから10年、20年という息長いスパンで考えなければならないと、この言葉が示しているのかもしれません。

 被災地の復興には、住民と行政が協働しながら、取り組んできました。今後も、住民の確保とコミュニティーの再建という大きな課題を解決に向け、いっそう緊密な連携のもとに取り組むことが課題になると思います。

 日本共産党市議団は、被災者のみなさんの声に耳を傾けながら市政に届け、実現するために力をつくしてまいりたいと思います。
【伊藤浩之】



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