伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

無症状の市民対象PCR検査見直し

2021年05月08日 | 市政
 7日の会見で公表されていたのは、新型コロナウイルスのPCR検査についてだった。新たに公表されていたのは次のような内容だ。



1 目的
 市内におけるゴールデンウィーク後の新型コロナウイルスの感染を早期に把握し、感染の拡大をできる限り抑制するため、PCR検査を緊急実施します。
 なお、この検査は感染拡大防止を目的として、感染した方を早期に確認するために行うものです。この検査の性質上、検査時は陰性でも、その後に陽性になる可能性がありますので、検査の結果は、必ずしも感染していない事を証明するものではありません。また、検査が陰性であっても必ずしも感染しないということではありません。このため、出張や旅行等を行うために利用することは認めておりませんのでご注意願います。
 検査後も、引き続き感染防止対策の徹底をお願いします。

2 対象者
 いわき市民のうち、ゴールデンウイーク等において、次のような接触歴や行動歴から感染症への不安があり、検査を希望する無症状の方
例:市外への往来、普段一緒にいない人との会食、仕事等で多数の人との接触など


※ 次の方は、対象外となります。
(1) 発熱等の症状のある方
(2) 過去に感染したことがある方
(3) 健康観察が終了していない濃厚接触者
(4) 検査結果が出ていない接触者
(5) 陽性者との接触があきらかな方

 (1)~(2)の方は、かかりつけ医または「受診・相談センター」に相談ください。(TEL 0120-567-747)
 (3)~(5)の方は、保健所に相談ください。

3 検査施設
 公益財団法人ときわ会 磐城中央病院(いわき市小名浜南富岡字富士前41)

4 検査方法、回数、費用
  だ液PCR検査、1回、無料

5 検査実施期間及び予約方法

 (1)予約受付
   ・期間 令和3年5月10日(月)から28日(金)まで
    ※申込者が多数の場合、期間内であっても受付を終了する場合があります。

   ・方法(完全予約制)
     磐城中央病院に、電話またはインターネットからお申し込みください。
    【電話番号】 080-7591-9665、080-7591-9892(受付時間:8:30~11:30(土・日曜日を除く))
    【インターネット】https://select-type.com/rsv/?id=6aB7R_30ogk (24時間受付(土・日曜日含む)

 (2)検体提出
   ・月日 令和3年5月17日(月)から6月4日(金)までの平日のうち、予約申込をした日
   ・時間 11:30~15:30(指定された時間)
   ・場所 磐城中央病院敷地内の指定された場所

※詳細は以下のホームページでご覧ください。




 以上のようなものだ。

 この措置を執るに当たって市長は、7日の記者会見で次のように述べている。

 ゴールデンウィーク後の感染の再拡大をできる限り食い止めるため、先月28日(新聞報道等は29日)の臨時市長記者会見で申し上げました、PCR検査の拡充につきまして、当検査の特性や医学的な見地からの助言を踏まえ、内容を一部見直しし、実施することといたしましたので、お知らせいたします。
 この「市感染拡大防止PCR検査の緊急実施」につきましては、市内で多数の感染者の確認が続く中、ゴールデンウィーク期間中の人の動きが少なからずあったことから、今後の感染を早期に把握し、その拡大をできる限り抑制するため、緊急的に期間限定で実施するものであります。


 どんな議論があって、見直しをされたのかは分からない。しかし、報道から見ると、28日の会見(以下、28日要項)で公表された希望する無症状の市民のPCR検査からは交代した内容となっているようだ。

 まず、28日要項では検査人員は5,000人の枠を想定していたことが報道されていた。しかし、見直しされた内容では3,000人に減少している。今回の見直しの背景には、ゴールデンウィーク(GW)での人流の変化という具体的な要素がある。会見では「人の動きが少なからずあった」としていることから、28日要項の背景にあった状況以上に、検査の必要性は高まっているはずだ。

 高まりを反映させるためには、検査人員枠を拡大することしかないはずで、縮小するのは論外ではないだろうか。会見では「当検査の特性や医学的な見地からの助言を踏まえ」としている。では、28日要項の時点では、そのような助言はなかったのだろうか。どうも、この理由は解せない。28日要項はいったいなんだったのだろうか。

 感染者の拡大による医療の逼迫等、その背景に何らかの物理的な事情があるのならば、その事実を市民と共有しながら、困難をともに乗り切るための姿勢を明確にすればいいと思う。しかし、会見のコメントからだけでは、その辺りは全く見えない。情報開示のあり方として、それで良いのだろうか。

 28日要項の公表を受けた29日のブログでは、PCR検査が無症状者まで拡大されたことに歓迎の意を表した。同時に、検査の拡大で感染者の確認が拡大した場合の医療体制についての危惧も書いている。

 感染を押さえ込むためにも、早期に感染者を確認して隔離することが大切と1年前から指摘されている。現在、ワクチン接種が始まっているが、それにしても、検査で感染者を隔離して、感染を広げない措置をとることの大切さは変わっていないだろう。

 では、いま、現在、どこまで検査の態勢は拡充したのか。また、医療体制は、政府の施策によってベット数の削減が続けられてきた。その結果医療スタッフが不足することになり、緊急時の体制をまかなえなくなっているのではないか。この見直しはどうなっているのか。まあ、1つの市の問題ではないが、新型コロナをめぐって様々な問題が浮彫りになっているのではないだろうか。

 こんな報道があった。


2021年4月10日 5時19分  NHK


イギリスでは9日、ロンドンを含むイングランドで新型コロナウイルスの症状がなくても、すべての市民が無料で定期的に検査を受けられる措置が始まりました。

変異したウイルスが広がったイギリスでは、1日の感染者数がことし1月には6万人を超える日もありましたが、このところは3000人程度にまで減り、外出や経済活動の制限の緩和が段階的に進められています。

こうした中、ロンドンを含むイングランドでは9日、ウイルスの症状がない人を含むすべての市民がウイルスの検査を受けられる措置が始まりました。

検査は簡易的な形式で地域の検査センターのほか、自宅でも受けることができ、市民は薬局や自治体などで7回分が入った検査キットを無料で受け取り、これを使って自分で結果を確認します。

結果はオンラインや電話で報告することになっていて、もし陽性と出たら、隔離をすることや、より精密なPCR検査を受けることが求められるということです。

イギリス政府は、感染者の3人に1人が無症状とされる中、自由な移動や経済活動の再開を安全に進めるために週に2回程度、定期的に検査を行うよう市民に呼びかけていて、感染の再拡大を避けられるかが焦点です。


 そのイギリスでは、海外渡航の枠が拡大されていることが昨今報道されている。こうした取り組みは、学ぶべき取り組みなのだろう。市も、必要な措置をとれるよう、しっかり情報発信をすることがひつようなのではないだろうか。


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