伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

保存会は今週も活動

2024年01月24日 | 遠野町・地域
 ボランティア活動は12月から翌年3月までの間は毎週、火曜日と水曜日に実施されており、白皮を作るまでの作業を保存会員全体で行われている。昨年は、うろ覚えだが180㎏程度の白皮を作った。

 白皮は、次の紙漉きシーズン(紙漉きは主に冬期に行われる)に紙漉きの材料として使われる。

 楮の枝を刈り取った後、学舎まで運び、75㎝程度にそろえて裁断し、束ねて釜で発生させた蒸気でふかす。1回のふかし時間は約2時間だ。枝が十分ふかされると、あたりに甘い香り・・サツマイモのような香りが漂う。昨日、今日の香りは特に強かったような印象がある。



 枝の皮には、時々食い荒らされたような跡があった。カミキリムシによる食害だ。また、白皮にワインレッドのシミがついている場合がある。



 これも別種のカミキリムシによる被害で、楮の枝内に産み付けられた卵からかえった幼虫が枝の内部を食害し、排せつしたフンの影響で色がつくという。しかし、ここまでしっかりと色が出ていることはめったにない。紙にする際、不純物になりそうなので、この部分はしっかりと取り去る。

 こうして今回作った白皮は5㎏程度だろうか。

 今回の作業の最中にも、学舎周辺には雪が舞った。



 山間で三和と隣り合わせの学舎が所在する入遠野は、遠野のうちでも雪が舞う機会が多い。今回は積もらなかったのが幸い。スタッドレスタイヤをはかない車で作業に行っていたので、積もる気配があれば、帰るしかなかったからだ。

 雪が積もらなかったおかげで白皮の汚れを取り去り洗濯用のハンガーにかけ終える作業を最後まで続けることができた。

 今回は、初めて作業を体験することになった方もいた。アドバイスをしながら皮はぎ、しょしとりをしてもらったが、丁寧に作業をしてくれて、きれいな白皮を作ってくれた。感謝、感謝の言葉しかない。これからも参加してくれればありがたいと思う。

 もし、和紙に関心を持つ方があれば、ご連絡をいただければと思う。
 いっしょに活動していただければ良いなと考えている。


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