伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

半年ぶりに二三版の和紙を漉いた

2024年02月03日 | 遠野町・地域
 保存会の作業は、楮の伐採から白皮作りまで。

 畑の楮を伐採した後に、75㎝程度に切りそろえる。



 切りそろえた楮は釜で蒸し、楮の枝から皮をむく(皮はぎ)。



 剥いだ皮は、束ねて乾燥させる。乾燥させた黒皮を一晩程度水に浸け、表皮の黒皮と2層目の甘皮をむく「しょしとり」をする。



 最初に甘皮の層まで包丁ではぎ、はいだ皮をつかんでひっぱってはがしていく。すると白皮だけが残る。




 むいた白皮は、表面に付着したごみを洗い流し、洗濯ハンガーにかけて乾燥させる。
 この作業を2日間続けた。

 木曜日と金曜日は、独自にニ三版の紙漉きをした。来週と2週後に、それぞれ大学生等が体験で遠野に来るが、その際に使う和紙作りの工程資料を印刷する用紙を確保するための紙漉きだ。木曜日はうまくネリ(トロロアオイの根から採る粘性の液体)が効かなかったため紙にならず、木曜日は化学ネリを使って紙漉き。15枚ほどの紙を漉き、土曜日に乾燥作業をした。

 乾燥には乾燥機を使うが、これが暖まるまでに2時間弱かかる。この間に、作業で使う薪スタンドを作った。

 薪スタンドは、ごみとなる楮の芯を材料に、ドリルで穴を開けて組み立てていく。材料は楮の枝のみ。他の物は一切使っていない。




 足になる部分には太い枝。横木には中くらいの枝を使い、足と横木を固定する釘の代わり極細の枝を使っている。奥の完成品にテープを巻いている部分が見えると思うが、足の枝が細かったため、釘刺しのために穴を開けた際に折れてしまった。その部分を固定するために毎田ものだ。

 乾燥機が30数度まで暖まった時から乾燥を始め、だいたい2時間で作業を終えた。



 出来上がった紙は20gを超える厚手の紙。この紙をカットして印刷幼としてA3版の紙4枚をとる予定だったので、ある意味狙い通りの紙となった。ただし紙によって数gのばらつきがあるのは、まだまだ経験不足の証となるのだが。

 とにかく紙は漉いたので体験のみなさんの紙料作りは何とかなりそうだ。

 保存会は来週も火曜日、水曜日に活動する予定だ。



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