昨日、海上自衛隊に護衛艦「いずも」が引き渡された、というニュースの映像を見てあらためて思いました。
その巨大さ。形態。どうみても空母。
海上自衛隊ホームページより( http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/izumo/183.html )
各国の空母やヘリコプター搭載艦の比較してみると一目瞭然です。結構な大型艦なのです。
「東アジア黙示録」というHPより引用( http://dogma.at.webry.info/201308/article_4.html )。考えは違うようなのですが図は分かりやすいのでお借りしました
この報道をネット検索をすると、上位に出てくるのが産経新聞の記事。導入の狙いがあけすけに語られているようです。( http://www.sankei.com/politics/news/150322/plt1503220017-n1.html )
引用すると、
海上自衛隊最大の艦艇となるヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が25日に就役する。空母のように艦首から艦尾まで続く「全通甲板」を有する護衛艦は現在も「ひゅうが」型2隻が配備されているが、「いずも」の全長は「ひゅうが」の1・25倍の248メートル。通常搭載ヘリも4機から9機に倍増する。新型艦導入で防衛省が見据えるのは、潜水艦の近代化を進める中国海軍の抑止だ。
記事では「中国海軍の抑止」と、尖閣諸島の問題も念頭に置きながら論説しています。けれども、それでとどまるのだろうか。
この艦が浮かぶ海は世界のどことでもつながっている。日本周辺にとどまらず、世界中どこへでも行くことができるのです。
と考えると、集団的自衛権行使をめざす安倍内閣の外交・軍事戦略と重ねあわせて見ざるを得ない。
集団的自衛権行使を言う安倍内閣がめざすのは、世界中どこでも自衛隊を派兵することです。政府与党の自民・公明が、集団的自衛権行使の容認などを踏まえた自衛隊活動を拡大する法制の骨格に実質的に合意しています。
その主な柱は、
①武力行使する米軍やその他の軍隊の後方支援を、いつでも、世界中のどこでも、どんなケースでも可能にする自衛隊の海外派兵の恒久法を制定する、
②米国の戦争に参加する集団的自衛権行使の根拠を自衛隊法などに創設する、
③国連平和維持活動や他国領域内での治安維持活動のための派兵法制定、
でした。
アメリカが世界中で行う、あらゆる戦争、軍事活動に切れ目なく参加し、支援する体制の構築です。
そして、これらの動きのベースには、自主憲法制定の名のもとに、自衛隊をれっきとした軍隊に変えて世界に派兵することを内容とする憲法改定の考えがあることは明らかです。
その本音があらわれたのが、3月20日の参院予算委で安倍首相が自衛隊を「わが軍」と発言したことにあるように思います。
3月27日の参院予算委員会で、「共同訓練に関する質疑の流れの中で答えた。相手国である他国軍との対比をイメージして自衛隊を『我が軍』と述べた。それ以上でもそれ以下でもない。自衛隊は私の軍隊とは違う」(産経、2015年3月27日)と答えたようですが、自衛隊を「自衛隊」と呼ぶのはのは日本独特の用語で、世界のレベルになれば「フォース」=「軍」とされています。でも、現憲法のもとでは「軍」と呼べないから、「自衛隊」と抑制的にとらえてきた。安倍首相は、この歴代の努力を乗り越えて、自衛隊は「軍」なんだという認識を常識として持っていることが答弁にあらわれてしまった。これが実際のところだろうと思います。
実際、先の産経記事はこんなことも書いています。
改修費はかかるが、米海兵隊が保有する垂直離着陸型の最新鋭ステルス戦闘機F35Bも艦載できるようにもなる。防衛省は28年度に同型艦をもう1隻就役させる予定。海自のヘリ搭載護衛艦を全て全通甲板型とすることで運用能力の向上を図る。
ヘリコプターが離着陸できるのだから、新中期防衛力整備計画で導入を予定しているMV22・オスプレイは間違いなく搭載できるでしょう。
米海兵隊太平洋基地HPより引用( http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Regional/Regional.html )
オスプレイを搭載する、おそらくこんな感じになるのでしょう。
米海兵隊太平洋基地HPより引用( http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Units/Meu.html )
加えてF35Bも運用できるというのです。
ウイキペデイアより引用( http://ja.wikipedia.org/wiki/F-35_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F) )
新中期防衛力整備計画で日本が導入しようとしているF35は、通常離着陸(滑走路を使用する戦闘機)のF35Aですので、これをただちに「いずも」に搭載することはできないとしても、日本から遠く出撃した「いずも」に、米軍との共同作戦をとりながら、F35Bを離発着させる絵が目の前に浮かんできます。
新中期防では、尖閣諸島への中国の挑発を利用した島嶼防衛を口実にしながら、上陸用舟艇、水陸両用車などの充実をはかろうとしています。これらは限定なく世界のどこにでも出動し、軍事行動をとろうとする集団的自衛権行使の法整備の方向性とも合致するものです。
そしてこの方向は防衛費(世界レベルでは軍事費)を増大させ、社会保障を始めとした民生費を圧迫し、国民生活を圧迫することは明らかです。
本当にこの報道で良いのか。私はこの方向から転換しなければならないと思っていますが、大いに議論しなければならないと思います。
その巨大さ。形態。どうみても空母。
海上自衛隊ホームページより( http://www.mod.go.jp/msdf/formal/gallery/ships/dd/izumo/183.html )
各国の空母やヘリコプター搭載艦の比較してみると一目瞭然です。結構な大型艦なのです。
「東アジア黙示録」というHPより引用( http://dogma.at.webry.info/201308/article_4.html )。考えは違うようなのですが図は分かりやすいのでお借りしました
この報道をネット検索をすると、上位に出てくるのが産経新聞の記事。導入の狙いがあけすけに語られているようです。( http://www.sankei.com/politics/news/150322/plt1503220017-n1.html )
引用すると、
海上自衛隊最大の艦艇となるヘリコプター搭載護衛艦「いずも」が25日に就役する。空母のように艦首から艦尾まで続く「全通甲板」を有する護衛艦は現在も「ひゅうが」型2隻が配備されているが、「いずも」の全長は「ひゅうが」の1・25倍の248メートル。通常搭載ヘリも4機から9機に倍増する。新型艦導入で防衛省が見据えるのは、潜水艦の近代化を進める中国海軍の抑止だ。
記事では「中国海軍の抑止」と、尖閣諸島の問題も念頭に置きながら論説しています。けれども、それでとどまるのだろうか。
この艦が浮かぶ海は世界のどことでもつながっている。日本周辺にとどまらず、世界中どこへでも行くことができるのです。
と考えると、集団的自衛権行使をめざす安倍内閣の外交・軍事戦略と重ねあわせて見ざるを得ない。
集団的自衛権行使を言う安倍内閣がめざすのは、世界中どこでも自衛隊を派兵することです。政府与党の自民・公明が、集団的自衛権行使の容認などを踏まえた自衛隊活動を拡大する法制の骨格に実質的に合意しています。
その主な柱は、
①武力行使する米軍やその他の軍隊の後方支援を、いつでも、世界中のどこでも、どんなケースでも可能にする自衛隊の海外派兵の恒久法を制定する、
②米国の戦争に参加する集団的自衛権行使の根拠を自衛隊法などに創設する、
③国連平和維持活動や他国領域内での治安維持活動のための派兵法制定、
でした。
アメリカが世界中で行う、あらゆる戦争、軍事活動に切れ目なく参加し、支援する体制の構築です。
そして、これらの動きのベースには、自主憲法制定の名のもとに、自衛隊をれっきとした軍隊に変えて世界に派兵することを内容とする憲法改定の考えがあることは明らかです。
その本音があらわれたのが、3月20日の参院予算委で安倍首相が自衛隊を「わが軍」と発言したことにあるように思います。
3月27日の参院予算委員会で、「共同訓練に関する質疑の流れの中で答えた。相手国である他国軍との対比をイメージして自衛隊を『我が軍』と述べた。それ以上でもそれ以下でもない。自衛隊は私の軍隊とは違う」(産経、2015年3月27日)と答えたようですが、自衛隊を「自衛隊」と呼ぶのはのは日本独特の用語で、世界のレベルになれば「フォース」=「軍」とされています。でも、現憲法のもとでは「軍」と呼べないから、「自衛隊」と抑制的にとらえてきた。安倍首相は、この歴代の努力を乗り越えて、自衛隊は「軍」なんだという認識を常識として持っていることが答弁にあらわれてしまった。これが実際のところだろうと思います。
実際、先の産経記事はこんなことも書いています。
改修費はかかるが、米海兵隊が保有する垂直離着陸型の最新鋭ステルス戦闘機F35Bも艦載できるようにもなる。防衛省は28年度に同型艦をもう1隻就役させる予定。海自のヘリ搭載護衛艦を全て全通甲板型とすることで運用能力の向上を図る。
ヘリコプターが離着陸できるのだから、新中期防衛力整備計画で導入を予定しているMV22・オスプレイは間違いなく搭載できるでしょう。
米海兵隊太平洋基地HPより引用( http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Regional/Regional.html )
オスプレイを搭載する、おそらくこんな感じになるのでしょう。
米海兵隊太平洋基地HPより引用( http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/Units/Meu.html )
加えてF35Bも運用できるというのです。
ウイキペデイアより引用( http://ja.wikipedia.org/wiki/F-35_(%E6%88%A6%E9%97%98%E6%A9%9F) )
新中期防衛力整備計画で日本が導入しようとしているF35は、通常離着陸(滑走路を使用する戦闘機)のF35Aですので、これをただちに「いずも」に搭載することはできないとしても、日本から遠く出撃した「いずも」に、米軍との共同作戦をとりながら、F35Bを離発着させる絵が目の前に浮かんできます。
新中期防では、尖閣諸島への中国の挑発を利用した島嶼防衛を口実にしながら、上陸用舟艇、水陸両用車などの充実をはかろうとしています。これらは限定なく世界のどこにでも出動し、軍事行動をとろうとする集団的自衛権行使の法整備の方向性とも合致するものです。
そしてこの方向は防衛費(世界レベルでは軍事費)を増大させ、社会保障を始めとした民生費を圧迫し、国民生活を圧迫することは明らかです。
本当にこの報道で良いのか。私はこの方向から転換しなければならないと思っていますが、大いに議論しなければならないと思います。
自衛隊が対潜水艦、その無力化のためにヘリコプターを集中運用できる空母(ヘリ空母)は半世紀以上前から要求し、それを予算や世論が許されないという意見を述べて却下してきたのが自民党政権です。
たしかに予算承認は民主党政権下で行われていますね。民主党が政権に付き、第1代の鳩山政権は、普天間基地の移設問題でも、県外移設の公約を反故にし、県内移設に舵を切ったと記憶していますが、日米安保体制に重きを置いた判断だったのだろうなと思いますし、日本の政治のあり方を考える際に、やはり、日米安保を抜きに考えることができないことを、白日にさらした出来事だったと思います。
さて、その視点から民主党政権の弱点があったのだろうと思います。
さて、ご指摘のいずも型護衛艦について調べると、予算承認は民主党政権下ですが、民主党政権前の政権・・つまり自民党政権下の構想に組み込まれており、民主党政権がこれを追認する形になっているようですね。
そして、いずも型護衛艦(1万9,500トン、全長248m)は、ひゅうが型護衛艦を大型化して搭載ヘリコプター数を増やしたもの(最大11機を14機へ)となっており、一方、排水量1万3,950トン、全長197mのひゅうが型護衛艦は2009年で、自民党政権下で導入されていることが分かります。
過去のいきさつは分かりませんが、この経過を見ると、自民党の中でも過去の戦争を知った政治家たちは、現行憲法の制約というものを意識している方々が多くいたにもかかわらず、近年、その制約を踏み破っても構わないという政治家が増えていることが示されているように感じます。
民主党政権になった際にも、安保体制が関わる装備品調達で、この自民党的流れを汲んでしまったということなのでしょうね。
そんなふうに感じます。