伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

こわいをしって、へいわがわかった・・言葉が心に響く

2022年06月24日 | 平和・戦争
 沖縄全戦没者追悼式、そう、昨日に実施されることが報道されていた。しかし、失念。今朝の新聞で実施状況を知った。

 小学2年生の德元穂菜さんの詩が労働されたと伝え、前文を紹介していた。
 すぐに読んでみた。


こわいをしって、へいわがわかった
    沖縄市立山内小学校2年 德元穂菜

びじゅつかんへお出かけ
おじいちゃんや
おばあちゃんも
いっしょに
みんなでお出かけ
うれしいな

こわくてかなしい絵だった
たくさんの人がしんでいた
小さな赤ちゃんや、おかあさん

風ぐるまや
チョウチョの絵もあったけど
とてもかなしい絵だった

おかあさんが、
七十七年前のおきなわの絵だと言った
ほんとうにあったことなのだ

たくさんの人たちがしんでいて
ガイコツもあった
わたしとおなじ年の子どもが
かなしそうに見ている

こわいよ
かなしいよ
かわいそうだよ
せんそうのはんたいはなに?
へいわ?
へいわってなに?

きゅうにこわくなって
おかあさんにくっついた
あたたかくてほっとした
これがへいわなのかな

おねえちゃんとけんかした
おかあさんは、二人の話を聞いてくれた
そして仲なおり
これがへいわなのかな

せんそうがこわいから
へいわをつかみたい
ずっとポケットにいれてもっておく
ぜったいおとさないように
なくさないように
わすれないように
こわいをしって、へいわがわかった


 戦争の残虐さと悲惨さを描いた絵に恐怖を覚え、抱きついたお母さんの温もりに平和を感じ、お母さんが二人の話を聞いてくれてケンカしたお姉ちゃんと仲直りしたことに平和を感じた。その感性が素晴らしい。

 人の温もりを感じれば、戦争が始まることはないかもしれない。国間で話し合いをしっかり進めることができれば戦争が始まることがないかもしれない。こうした子どもの率直で、まっすぐな視点が、現実の世界に生きることを願わずに居られない。現実の世界が、その視点から外れたところで進んでいるからなおさらだ。

 ロシアのウクライナ侵略は、武力で他国の領土を奪い取る野蛮な戦争だ。ロシアには、ウクライナ国内の親ロシアの人々の解放という大義名分を掲げているが、それはウクライナ国内の問題であり、そこに住む人々の話し合いによって解決すべき問題だった。ところが、ロシア・プーチン大統領は軍隊を派遣して、この問題に対応し、ウクライナから地域を分離独立しようとしているようだ。そしてそこには、国会に開かれたロシアの軍港を安定的に確保しようという軍事的な思惑と、ウクライナを親ロ国として確保したいという野望が絡んでいるように見える。

 その結果始められた戦争で、子どもをはじめ数多くのウクライナ国民とが犠牲となり、街が破壊され、ウ国とロシアの両国兵士に多数の死傷者が出ている。もし人の戦争という行為の先にある、人の温もりを感じることができれば、侵略を思いとどまったのではないか。「平和の詩」の感性を、ロシアの戦争の指揮者が持っていなかったことが残念でならない。

 戦後77年の式典で、玉城知事は「沖縄から世界へ平和の声をつなげ、二度と沖縄を戦場にさせないために、核兵器の廃絶、戦争の放棄、恒久平和の確立に向け絶え間ない努力を続けてまいります」と宣言したという。これに対し岸田首相は、「戦争の惨禍を二度と繰り返さない。この決然たる誓いを貫き、世界の誰もが平和で心豊かに暮らせる世の中を実現するため不断の努力を重ねていく」としながら、米軍基地の問題など、沖縄の人々が望む解決の道を具体的に示すことがなかった。

 世界の軍事力のパワーバランスの上に置かれた沖縄の現実は、普天間基地の辺野古への移転を進める政府の姿勢のままでは変わることはない。あらためて「平和の詩」の訴えに耳を傾けてほしいものだ。また自分自身も小学2年生の子どものこの願いを忘れないようにしたい。

 同時に、この詩を生み出した子ども達の世代も、この心をいつまでも忘れず、世界に発信し続けてほしいものだ。世界の人々に、その気持ちが伝わる時、たぶん本格的な武力によらない国際問題の解決の方向に、世界は本格的に大きく変わっていくのだろう。

 詩を読んでそんな思いを感じている。


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