伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

遠野和紙ボランティア・「しょしとり」始まる

2022年01月19日 | 遠野町・地域
 遠野和紙ボランティアの活動は、春から夏の畑の草刈りやコウゾの芽かき、秋・初冬からのコウゾの収穫、枝の蒸し作業と皮むき・乾燥作業と続いてきた。

 いよいよ仕上げの段階となる「しょしとり」作業を、本格的に始めた。昨日、今日の2日間で、管理するコウゾ畑のコウゾの刈り取りと皮むき作業は全て終了した。続く作業が「しょしとり」となる。

 コウゾの皮は、表面の黒皮、2層目の薄緑色の甘皮、そして枝の木質部に接していた3層目の白皮のほぼ3層からなる。しょしとりは、黒皮と甘皮をむいて白皮をむき出す作業となる。山地によっては、甘皮を残す山地もあるというが、遠野では、できるだけ甘皮も取り除いている。

 作業は、稲わらで編んだ台に置き、皮に斜めに包丁をあて表面を削っていく。2度、3度、皮の上に包丁を滑らせ、白皮になるまで続ける。

 これがなかなか大変で、一定、力を込めるようになる。初体験となった前シーズンの作業では、下手すぎるためにがちがちになるほど力を入れた作業を続け、腕と腕関節に痛みを覚える程だった。実は、その痛み、軽減はしていたものの完治はしておらず、この間の作業で、腕関節に負荷がかかると、激しい痛みを覚える中での作業の開始となった。

 できるだけ、腕に負荷をかけない方法はないか。今回は、考えながらそろそろと作業スタートをした。1週間前に、少ししょしとりをしてみたので、今回のしょしとりは2回目となる。

 右利きなので包丁は右手に持つ。左手は、処理するコウゾの皮を持つ。枝を処理する台は尻の下に敷き、股の間で作業する形になる。今回、到達したのは、包丁は斜めに構え、皮は左上方に向けて斜めに引き抜くように引っ張る。この時、左手の手首をねじって引っ張るのではなく、腕全体で引き抜くようにする。包丁を動かして皮をむくと右手に負担が大きい。今回、試した方法なら負担が小さくてすみそうだ。

 しょしとりをすると、白皮自身が汚れていることがある。





 赤や緑などの着色はきれいに見えなくもない。しかし、和紙をすく際には、これが汚れとなる。原因はカビ。枝から向いた皮を干すためにしばった部分が、風通しが悪い状況になり発生する。カビさせないためには、皮を束にする際の縛り加減が大切だが。緩すぎると、竿にかけて乾かす過程で皮が落下してしまう恐れがある。きつすぎると風通しが悪くなってカビが発生してしまう。縛り具合にはいつも気を使うが、永遠の課題のような気もする。

 さて、昨日の作業は川畑と深山田の畑のコウゾ刈りをして、その後、皮むき作業をした。
 朝はよく晴れていた。ところが、昼が近づくにつれ雪、が降り出した。



 しばらく降り続けた後止んだのだが、大雪の雰囲気を醸すような降り方だった。





 しかし、しかし、積もらなくて良かったなぁと、心から思う。

 今日は、一転して温かい日になった。写真のように戸外でしょしとりをしたことは、いままでになかったという。昨年から始めた私にしても初めてのこと。日中はそれほど温かい日だったのだ。

 朝はとても寒かった。愛犬の散歩の時には、寒気が入り込んだ時にしか見えないサンピラーが見えたような痕跡があった(別ブログに写真掲載)。

 寒かったためか皮を浸していた容器の水も凍みついていた。



 しょしとりをしていた時間帯には、空に彩雲や光環が浮かんだ(別ブログに写真掲載)。



 しょしとりをしながら、コウゾの枝を2釜分蒸して皮むきをした。今シーズン最後のコウゾの枝だ。
 そして、ボランティア活動のメニュー終了後は、最近、恒例となりつつある、紙すき前の準備「ちり取り」をしてきた。水に浸した白皮に残っているごみや汚れた皮を取り除く作業だ。

 水は地下水を使っているので、寒い日は温かく感じる。実際、昨日は暖かく感じた。しかし、今日は冷たく感じる。気温が高い分、相対的に冷たく感じるのだ。

 しかし、作業を続けていると、冷たさを感じなくなる。水温になじんだのだ。
 おおよそ2時間、作業を続けて、ちりをとったのはこの量。



 サボった分けではない、と思う。ちりを見つけて取り去る。作業自身は難しくはないのだが、なかなか手のかかる作業だ。

 これを営々と続けるのも、大変だなと思う。
 この間の体験から、作業の手元が暗いことが分かり、照明を増やすよう関係者にお願いし導入してもらった。手元が明るくなり作業が多少楽になった気がする。これも、実際に作業を体験したたまものだ。手のかかる作業をした甲斐があるというもの。

 学舎横のギャラリーの建物周辺では、ヤナギに芽が吹いた。



 種類は分からない。和紙の材料にも使われるミツマタもツボミを膨らませている。



 ボランティア活動は、お休み後、来週の火曜日水曜日もしょしとり作業を継続する。地味な作業だが、和紙作りの体験の第一歩。興味・関心のある方はご連絡を。


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