伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

議員だよりは新型コロナをテーマに

2020年04月15日 | 市議会
新型コロナウイルス
市は感染への住民懸念受け止め適切な対応と国への要望を


 新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が続いています。政府は4月7日から5月6日までの期間で、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県等の7都府県を実施区域に新型インフルエンザ等特別措置法に基づく緊急事態宣言を発しました。しかし、実効性に疑問が持ち上がる事態も報道されています。市民には困惑も広がっています。


宣言で移動が広範に

 4月12日現在、福島県内で新型コロナウイルスの陽性者は38人となり、本市では2人にとどまっています。
 同じく本市に接する茨城県では県南部を中心に109人の陽性が、確認されており、首都を中心に、感染がじわじわと広がっているように見えます。
 報道によると、宣言による人の移動が見られるいいます。東京都等の実施区域から区域外に、宣言区域で休業するスポーツジムやパチンコ店などの利用のため移動し、また接客業の従業員が、地方の同業種に移籍するケースもあるとしています。宣言が、感染を拡大している。こういう批判の声が聞こえています。

懸念に妥当な対応を

 この中、市内でも感染への懸念が広がっています。SNS上でも、高校生の「通学に利用するバスや電車が怖い」という声や、リスクを避けるために学校をお休みさせるという児童・保護者の声も見られます。
 9年前の原発事故時、放射性物質に対する保護者の多様な受け止め方があり、波風も立ちました。この際、大切だったのが、互いの判断を尊重すること、また、学校等を休む判断をした際に、その児童・生徒に不利益な扱いとしないことでした。
 今回の事態で、市教育委員会は、休む判断をした児童・生徒の保護者に、理由を十分聞き、学校における感染症対策を説明・理解等と求めた上で、「出席停止」あるいは「欠席」を、学校長が判断するとしています。
 本市の陽性者は2人(13日現在)とは言え、宣言の実施区域からの人の流入があり、あるいは検査が十分に実施されていない現実を踏まえれば、無症状も含め、感染者の存在を否定できない状況があります。出席扱いになる「出席停止」として、児童・生徒に不利益が及ばない措置が求められていると考えます。

市が対応方針策定

 さて、本市は9日、「本市でもいつ大規模な流行が発生するか分からない状況」と判断し、既に設置していた「コロナウイルス感染症対策本部」を新型インフルエンザ等特措法に基づく対策本部に移行し、同時に、対応方針を定めました。
 方針は、「感染拡大の速度を抑制」「重症者及び死亡者の発生を最小限に食い止める」「社会・経済機能への影響を最小限にとどめる」の3つの目標に向かって、情報提供・共有、まん延防止や医療提供体制、経済・産業・雇用対策等の取り組みを定めています。
 また、人権等への配慮のため、感染者や感染者に関わった検査・医療者関係者、またその家族等に、差別や偏見、いじめを防止する取り組みなども盛り込んでいます。

目的はあくまで「抑制」

 この対応方針は、あくまで「感染拡大の速度」の「抑制」が目的です。
 新型コロナウイルスを、完全になくすことはほぼ不可能で、誰でも、いつか感染する可能性があります。現代人は、このウイルスに抗体を持っていません。短時間の感染拡大では、多大な犠牲が想定されます。
 このため1年から2年かかるとされるワクチン等の開発まで、感染者数を極力抑制し、感染者数の激増による医療崩壊を回避して医療を継続しながら、犠牲者の増加につながらないようにする。これが、いま最も求められていることになります。

給付・補償を国の責任で

 全国の発症者数は、3月後半から拡大が続き、4月11日で719人、12日に499人となっています。
 この状況を改善するために、住民の移動を抑える措置が必要です。生活を支える給付を急ぎ、生業の休業に対する補償の仕組みを国の責任で作ることが重要でしたが、政府の対応は後手に回ってきました。そして、この仕組みを感染拡大地区も含む広範な区域に適用させなければ感染拡大につながることは、緊急事態宣言後の人の移動の事例からもはっきりしています。
 これらの措置には財源が必要です。自治体単独での決断も求められるでしょう。一方、行政全般を考えれば、国に必要な措置を講じさせることが必要です。市も国に強く求めることが必要です。
 読者のみなさんも、手洗いやマスク着用など、個人での感染予防にも努めながら、ごいっしょに行政に声を届けていきましょう。
文=伊藤浩之



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