雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

少女のうみ

2013年06月23日 | ポエム

 少女の海

ああ 少女よ
人の手にみな 物語があるとしたら
君は海の物語だ

( 私の耳には 潮騒が聞こえる
白い浜辺の砂のひとつぶが光っている)

私の煙草をいじっている、少女よ
その爪は さくら貝にそっくりだ

私は君の顔に煙を吹きかけ
君はあわてて それをはらう
五つの貝殻を光らせながら

ああ 少女よ
私の哀しみは 消えるだろう
君が何も知らず 行きていけるとしたら‥‥

(1976.12.3)
コメント
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