雲のたまてばこ~ゆうすげびとに捧げる詩とひとりごと

窓の雨つぶのような、高原のヒグラシの声のような、青春の日々の大切な箱の中の詩を、ゆうすげびとに捧げます

カーナビvs方向感覚

2013年06月25日 | エッセイ

▲有明海に停泊中の貨物船。何か船って絵になりますね。

 カーナビvs方向感覚

 6月の第2日曜日、めずらしく長男が休みになったので、かねてから行きたいと思っていた福岡のイケアに親子3人で出かけることになった。
 イケア(IKEA)は、スェーデン発祥の世界最大の家具専門店で、家具・インテリアに関わる雑貨、カーテン、寝具、浴室や台所用品、食器なども扱う大型の総合ストアだ。昨年の春、オープンしたイケア福岡新宮店は、九州初のイケアで、熊本で放送される情報番組でも度々紹介されていた。
 と、言っても今とくに家具を購入する予定は無かった。食いしん坊の私は、家具よりも中にあるというレストランやフードコーナーの方に興味があった。
 初めてで土地勘が無いので、前日にイケア周辺の地図をネットで調べて、チェックしていた。熊本市内の自宅を朝9時半に出発し、益城空港インターから九州縦貫道を北上、順調に走って古賀インターで高速を降りる。その後は、国道3号線に出て福岡市街方面に少し南下すればいい。
 予定通り3号線に入り進んでいると、助手席の長男が、次のガソリンスタンドで左折するように言い出す。長男は自分のスマートフォンで、イケアをナビしているらしい。そのナビがイケアへの近道として左折を指示しているという。私は、3号線を南下すればイケアが見え、その辺りで右折するつもりでいた。
 すぐにその左折ポイントのガソリンスタンド地点に着いて、私は長男のナビに従い左折。道は6車線の3号線の下をくぐり、事実上は3号線を右折したことになる。ところが、その道は私の頭の中のナビと逆の北に向かっている。
 「これ、方向逆じゃない」
 前方に注意して運転しながら、途端に不信が募り、血圧が上がる。
 「違っていたら引き返せばいいじゃない」という家人の仲裁で、しばらく北に進んだあと、交差点に出て指示どおり左折。そこで漸く、長男のスマートフォンのナビと私の頭の中の方向感覚が一致した。そしてすぐにIKEAと書かれた大きな建物が見えて来た。
 私の車には、ナビが付いていない。熊本市内の地図は頭の中にあるし、今回のように初めての場所に遠出するときは、予めネットを検索して、広い範囲の地図でだいたいの場所を確認し、縮尺の小さな地図で付近の目印をチェックする。わかりにくそうな場合は、メモをするか、プリントアウトして出かける。
 そこまで準備しておけば、まず迷うことはほとんど無い。
 カーナビ不要論を唱えるつもりはない。土地勘の無い、知らない土地を走ることが年に数回も無い私にとって、あまり必要を感じないだけであって、仕事上、毎日のように知らない町を運転する車には必要だと思うし、渋滞がひどい都会では、抜け道などを教えてくれて便利だと思う。
 私がカーナビを使わないのは、運転が下手だからでもある。気分的に大きな通りを右折することが嫌で、遠回りになっても出来るだけ左折で行くことができるように、道を選ぶ。だからもしカーナビに女性の声で、「次の交差点を右折してください」とやさしく言われても、私は無視してしまいそうだからである。
 イケアに11時過ぎに着いて、結局店の駐車場を出たのは4時半だった。念願のレストランのスェーデン料理?は、サーモンも肉団子も期待はずれ。美味しかったのは100円のホットドックと50円のソフトクリーム、ドリンクバーのコーヒーだった。家具を買う予定はなかったのに、食堂の椅子を買い替えることになった。その他に、電気スタンドや台所の雑貨など、結構買ってしまった。
 イケアからの帰路は、国道3号線に出て、古賀インターに向かった。3号線からインターは右にあるので、私の頭の中のナビで、次は右折だろうと3車線の一番右の車線を走っていた。すると、直前でインターへの接続道路は、立体交差になっていて、左折であることがわかった。交通量が多く、車線の変更が出来ずに、次の交差点でUターン。引き返して左折でインターの接続道路に入ることができた。こんな時は、方向感覚よりカーナビがいいなと思った。
(2013.6.24)
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