日月神示の研究と実践

日月神示を中心に、神道、密教などを研究、実践するブログです。農薬不使用栽培などについても述べたいと思います。

スピリチュアル気功

2012-08-15 05:16:20 | 船井幸雄氏

 

 

 

 

img

船井幸雄注目の “本物”に携わる人たち

 
 
 
★今回の執筆者★
鍼灸師 森 美智代さん(2回目)
(森さんの詳しいプロフィールはページ下にあります。)
スピリチュアル気功

 スピリチュアル気功、これは、東京の佐藤眞志先生( http://www.satokiko.jp/index.php )のところへ、患者として5回通ったところ、できるようになりました。
 佐藤先生がおっしゃるには、10年ぐらい前には幽体離脱をした人が300人くらいいたということです。
 私は幽体離脱はしませんでしたが、7つのチャクラが全部開きました。
 福島県の原子力発電所で働いていた、設備メーカーの方への施術で、佐藤先生のスピリチュアル気功をしていなかったら、大変なことになっていたかもしれません。

 患者さんと私の魂がうまく1つになると、足が温かくなって、頭が涼しくなります。 不思議な映像がその時見えるとおっしゃる方々もいます。私の眉間と頭のてっぺんのチャクラが開いたときは、 500円玉くらいの穴が開いたように、風通しがよくなりました。同時に気の重心が、宇宙の中心に下がったようで、腰から地面の方にのめりこみそうになりました。
 体は重みを感じないで軽く こころはドーンと落ち着いて、いつも神様と一緒のような安心感があります。私は額のチャクラと頭のてっぺんの真ん中のチャクラが開いたせいか、宇宙からのエネルギーがいっぱい入ってきて、患者さんが驚くようになりました。

 お腹に手を当てられた途端に、ドーンとエネルギーが来た!と感じ、お花畑に寝ているような感じで、体が浮いて宇宙のエネルギーが入ってきているように感じ、体の感覚がなくなって、空気にとけている感じがした、など色々感想を伺いました。

 食事療法のことも、前だったら遠慮しながら言っていたのが、未来の成功の映像が浮かぶので、確信を持ってお話しできるようになりました。こころの状態は、落ち着いて静かな感じです。波一つない湖の湖面のように静かです。楽しいときも、心が弾むこともない落ち着いた感じがします。
 チャクラというものは7つあり、通常は下から順番に開いていくものらしく、上から開くなんて変わっていることらしいです。

他力無我の按摩(あんま)
 自然手技療法、故俣野四朗さん(1910年8月24日~1999年1月28日 88歳)
 大阪大学医学部を出た、お医者様でしたが、瞑想中に体が動きだしたり、神様の声を聞けるようになって、患者の診察中に按摩のようなことを手が勝手に動いてするようになったそうです。
 他力無我で行うので、疲れない方法です。私も治療を受けるうちに、できるようになりました。それ以来、あまり疲れなくなりました。
 肉体的にも、コリが取れたり、体調がよくなりますが、霊的にも良くなり、タヌキの霊が目の前で昇天していくのを見たことがありました。
 私の自動書記が始まったときは、俣野先生が手を揉んで、字が書けるようになりました。俣野先生が祝詞を唱えると、顔と声が別人のように変わります。神様が乗り移っているのかなと思いました。
 霊能があると一言で言いますが、それは、どなたがつくかで、ピンキリです。上は、釈迦キリストのような神と同じ高級霊、下は邪霊・動物霊、低級霊です。だからその人がだれの影響を受けているかを調べないと、その人の言葉を信じることができないのです。
 ある霊能者についているのが、いい神様・霊なのか、低級・悪霊なのかを判断する人がいます。それは、審神者(さにわ)といいます。俣野先生や甲田先生、花谷先生はみなさん審神者ができたと思います。
 私は、少しオーラが見えるのですが、甲田光雄先生も、俣野先生も、花谷先生も塩見先生も金色できれいでした。

 
Profile:森 美智代(もり みちよ)

森 美智代(もり みちよ)
1962年、東京生まれ。短大卒業後、養護教諭として大阪府で勤務していたが、難病の脊髄小脳変性症を発病。
以来、西式甲田療法を実践し、難病を見事に克服。その後、鍼灸学校に入り、鍼灸師の免許を取得して、大阪府八尾市の甲田医院の近所に開業。
甲田光雄医師の著書で度々紹介される。「仙人2号」のMさんとして知られる。
1日青汁1杯はすでに17年以上になっている。
著書に『食べること、やめました』(マキノ出版)『「ありがとうを言う」と超健康になる』(町田宗鳳先生と共著 マキノ出版)
出演映画 『不食の時代』白鳥哲監督

★森鍼灸院公式サイト: http://www004.upp.so-net.ne.jp/mori-harikyu/
 
 <転載終わり>
------------------------------------
 
 森さんの文章を読むと、不思議なことばかりでびっくりしてしまいますが、このような体験をされたことのある方にとっては当たり前のことなのかも知れません。人間は誰でも本来このような能力を持っているのでしょうが、今は封印されてしまっているのかも知れません。
 
 日月神示にミロクの世になれば、誰でも人のオーラのようなものが見えるようになり、その人がどれくらいのレベルの人なのかが一目瞭然に解ってしまうとあります。また、全てが光輝いてまぶしいくらいだとあります。
 
 また、日月神示には霊的なことには注意が必要だとあります。森さんも言われていますが、低級霊や動物霊が人に懸かっているのに、神様だと思ってしまうととんでもないことになるそうです。とにかく霊的なことにはあまり近寄らないことがいいようです。
 
 今日は終戦記念日です。靖国神社に行き、戦争で亡くなられた方々のことを思い、ご挨拶をさせていただきたいと思います。
 
 
 
 
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「食糧危機の足音」 朝倉慶氏

2012-08-03 05:37:33 | 船井幸雄氏

<船井幸雄.comより転載>

-----------------------------------

 

 

2012.07
食糧危機の足音

 「2030年までに地球が二つ必要になる」、世界自然保護基金(WWF)は警告を発しました。
 WWFのレポート「生きている地球」によると、2007年のデータをもとに分析したものによれば、「世界の人々は地球の環境を無視して地球の資源を消費しすぎている」というのです。
 世界中で異様なまでの乱開発と資源消費が続いています。WWFは、現在世界の人々は、地球環境が持続的に支えられる限界を50%も超過する消費生活を送っていると言うのです。仮に、世界中の全ての人々が米国人並みの生活をすれば、地球は二つどころが4.5個も必要になると指摘、そしてかろうじて中国人全体を見ての平均的な生活水準を全世界の人々が行うのであれば、今のところ地球は一つで足りるということですが、この中国人一人当たりの資源の消費量は過去2年で3割以上増加しているということです。この勢いは止まるわけもなく、まさに地球全体は危険ゾーンに向かって走り続けていると言えるでしょう。そして昨今の異常気象をみると、その悲鳴を「生きている地球」が人類に発しているようです。

食糧危機はじわじわと近づいてきている!?
 とにかく人類は地球が本来持っている生産力を超えて原資を食い潰しているのです。
 WWFはこのままいけば、地球上で壊滅的な環境破壊が起こり、その衝撃は経済危機の比ではない、と指摘しています。
 ところが世界中はそんな警告にはお構いなし、各国自らの国民の生活向上のために一生懸命日夜奮闘です。「環境が破壊されるから生活水準を落とせ」などという主張が、人々の共感を得られるわけがありません。「決定的な悲劇」が訪れなければ、人類全体が「環境保全」という意識を共有することなどできようもないでしょう。
 そしてこの「決定的な悲劇」がじわりと近づきつつあるようです。人々は何となく変調をきたしている地球環境の変化を感じているものの、まだ状況が壊滅的にはなっていないので、危機感がピークに達しているという段階でもありません。しかしながら、我々が目にする日々のニュース、そして日々刻々と変わる資本市場、特に穀物市場の中に大きな変化のマグマが見て取れます。
 世界中の人々が真に危機を感じないのであれば、市場が暴力をもって人々の前に恐ろしい現実を突き付けることでしょう。静かな相場の流れがやがて大きな激流となって世界を覆い尽くすのです。
 世界には主要作物というものがあります。年間約6億トン近い生産高をほこる、コメ、小麦、そしてトウモロコシです。これに大豆を含めると年間20億トンの生産量になりますが、これらは世界の全ての食物生産量のおよそ半分を有しているのです。バラエティー豊かな様々な食べ物に囲まれて我々は生活しているような気になっていますが、実はこの主要4つの作物は世界の食糧供給のキーなのです。
 そして現在、コメを除き、この小麦、トウモロコシ、大豆の価格の異常な急騰が止まらなくなってきたのです。あの2008年、狂乱の価格と言われた商品の史上最高値をすでにトウモロコシと大豆は抜いてきました。1ブッシェル、トウモロコシは8ドル、大豆は17ドルと驚くべき価格になってきたのです。10年前の常識では、トウモロコシは2ドル、大豆は5ドルというのが当たり前の感覚だったのです。
 2008年の狂乱した商品相場の高騰時には、WTIの石油価格は149ドル(現在は90ドル)まで達していました。
 トウモロコシと大豆はその時の狂乱価格をあっさりと抜いてきたのです。しかも現在の世界は景気後退懸念から、商品相場全体は低迷して下落基調にあるのです。その商品安の時にあって、この主要穀物の暴騰状態は決して投機などではありません。完全なる供給の不足がもたらしているもので、これでは今後、さらなる価格の上昇が予見され、その影響がどのようなものになっていくかまだ分からないのです。
 現在、世界中がこの穀物価格の驚くべき高騰に悲鳴を上げていないのは、タイムラグの関係で影響が及んできていないからに過ぎません。2008年に世界中で起こった食糧を求めた暴動、そして昨年、「アラブの春」といってチュニジアから始まってエジプト、リビアと政変をもたらした原動力はこの食糧高騰が引き金だったのです。

世界中で巻き起こっている異常気象
 前述したように、世界中の人々の豊かな生活を求める気持ちは抑えようもありません。
 そして、中国やインドや東南アジア、その後はアフリカ諸国までが発展していく勢いは止めよもないのです。先進国だけが豊かさを許容するという時代は終わりました。70億人という現在の世界の人口は増える一方ですし、それに対応する地球上の資源は全く足りず、結果として世界各地で争いは絶えません、皆が生きていくためには乱獲を許容し、とにかく生きるために資源を確保するしかないのです。そして「生きている地球」が、この人類の宿命的な動きにまさに警鐘を鳴らそうとしています。

 昨今の異常気象を見てください。もはや異常気象などというものでなく、異常こそが常態であって今後のこのような気象状態は収まるのではなく、加速していくと感じないでしょうか? 昨年はタイの洪水でタイ中が水浸しになりました。あんなことがあるのか、と驚いたと思います。現在、世界の食糧供給基地である米国は熱波に襲われ、何と国土の6割が干ばつ、60年ぶりの異常事態です。ビルサック農務長官は事実上の非常事態宣言を発しました。
 またひるがえって、日本の連日のこの暑さは何でしょう? 今年冬の激しかった寒波からあっという間の熱波、日本から春と秋は消え去るかのようです。しかしこんなことも日本ではもはや年中行事でまたか、という感じです。竜巻によって日本国内で死者が出るなど考えも及ばないことで、昨今の出来事は従来の日本人の想像を超えています。先日の九州の異常な豪雨もしかり、映像で見た川の氾濫に恐ろしさを感じた方も多かったでしょう。明らかに何かがおかしい、その異常性が昨年の地震も引き起こしていると言えるでしょう。
 現在の世界的な異常気象は米国の干ばつだけではありません。当然のことながら世界中で農業被害が後を絶たなくなってきたのです。

 豊作を伝えられていたロシアの小麦生産は、何と干ばつで2割減ということです。インドはモンスーンの時期なのに、雨が降らずサトウキビが不作、砂糖価格は上昇です。一方ブラジルでは、豪雨が続き、このためコーヒー農家で収穫ができず大被害、コーヒー価格は上昇中です。欧州も北部で豪雨が相次いでいます。英国やスウェーデンやアイルランドでは6月の降雨量が過去最高となりました、このためビール原料の大麦が大被害です。一方、欧州の南部は熱波に見舞われています。イタリア東部から黒海、ウクライナにかけての穀倉地帯は、7月に異常な高温となり、平均気温は平年を5度上回って35度以上、やはり小麦やトウモロコシが大きな被害を受けているのです。
 今年の場合は春先から大豆の価格が高かったのですが、これは南半球、特に世界最大の大豆産地である南米が夏(北半球の冬)に50年ぶりの大干ばつに襲われて、大豆が極端な不作になったからです。また中国も現在酷い洪水に襲われています。一体、世界中で従来通りの気象状況であるところがあるのでしょうか? 異常が恒常化して今後世界の農業生産はどのような影響を受けていくのでしょうか?

 干ばつが激しい米国の各州では車の洗車は禁止、さらに酷いところでは、プールの注水も禁止しました。家の前に水をまくことも禁止です。まさに水を使うなというわけです。
 問題はこれら、異常な気象状況が起こったのは、わずか1ヵ月半前からで、この時は世界中、現在のような熱波や干ばつは全く予期していなかったのです。その証拠に、現在急騰しているトウモロコシや大豆などは豊作が伝えられて価格は大幅下落中だったのです。現在8ドルしているトウモロコシなどは今年は豊作予想で、いずれ余ってくるということで、5ドル割れに陥っていくのは必至であるという見方が大勢でした。ですから、変化が起こったのは、この1ヵ月半のことで、突然の異常気象で状況が一変したというわけなのです。気象の専門家をはじめ、誰もこのような異常気象が起こることを予想していなかったのです。

 投資家ジム・ロジャーズは、農業従事者が超高級車を乗り回す時代がやってくる、と予言しています。世界中が驚くべき食糧難に陥っていくと警告しているのです。
 「国債を刷れ!金融を緩和しろ!」不況脱出の手立ては世界中一緒です。借金に借金を重ねて、マネーを刷りまくってデフレを解消しろとの大合唱です。
 現在、投資対象が無くなっているマネーは、一斉に日米独など安全資産とされる国債に殺到しています。今やマイナス金利でも、国債に投資するというのですから驚きです。
 相場の世界は非常に移りやすいものです。一たび流れが変わってその膨大な資金が儲けを求めて穀物に本格流入したらどうなっていくでしょうか? 本当のインフレが起こる時は供給が足りない時です。そしてトウモロコシ、大豆、の在庫は驚くべき速度で減少しているのです。もはや1ヵ月分しかありません。いったい今後どうなっていくのでしょうか?
 日本はトウモロコシの輸入は世界一で、ほとんど米国に頼っています。米国からの輸入比率はトウモロコシが90%、大豆は66%です。
 米国のビルサック農務長官は今後について、「輸出は減少するだろう」と明言、「現時点では減少幅は小さい」と言ったものの、「状況次第だ」と本音ももらしました。
 飽食の時代の終焉が近づいています。コメが余っているなどと涼しい顔をしている時期はもう長くは続かないでしょう。食糧価格が急騰してパニックが訪れてから、人々は何が起こったのか、そしてそれがどんなに深刻なものかを知ることになるでしょう。

<転載終わり>

----------------------------------

 アメリカの干ばつでとうもろこしや大豆が高騰しています。朝倉慶氏は3年前から一貫して食糧危機が起こる、そしてハイパーインフレになり、金融は破綻し、世界恐慌がやって来ると言い続けていますが、少しづつそれに近づいています。

 かつて日本人がそうだったように、中国人もインド人もアフリカ人も欧米並みの豊かな生活を実現したいと思うのは、自然なことだとは思います。そして中国は毎年欧米や日本並みの生活を手に入れる人が増えてきています。このままその方向で進んで行けば、地球の環境が破壊されてしまうのは誰もが解っていると思います。であるならば、中国人やインド人、アフリカ人が欧米並みの生活をしたいという欲求を諦めるか、欧米や日本人が生活水準を落とすか以外に解決策はありません。限られた土地、海という環境の中で生きて行くわけですので、皆が過度な欲求を我慢する必要があるのですが、そんなことはできるはずもありません。国連で決めたとしても誰も守る人はいないと思います。

 今の日本人の生活はとても快適だと思います。夏になれば会社も自宅も電車もエアコンが効いていますし、洗濯や炊飯はボタン一つ、いつでも冷蔵庫に冷えた飲物が入っています。トイレもウォシュレットがありますし、お風呂もボタン一つで自動で沸きます。また、アイスも100円で買えますし、コンビニに行けば100円でおにぎりも売ってます。海外旅行もアジアなら3万円から行けます。特に日本は20年間デフレですので、基本的な生活もわりと安く実現することができます。

 20年もデフレが続いていれば、誰だってインフレになるなんて考えられないと思います。多少の変動はあるにしても、このままずっとデフレが続くと考えるのが普通だと思います。インフレになって、コーヒー1杯が1万円もするなどとは誰も考えないものです。

 また、ジムロジャースさんがこれからは農業従事者が超高級車に乗ると言ってるようですが、今の時期の農作業はかなりきついので、正直誰もやりたがらないと思います。私たちの愛車は軽トラですが、これで十分です(笑)。ひふみ農園は赤城の標高200メートルにありますが、日中は35度まで上がりますので、農作業はなかなか大変です。なので、今は朝7時から13時までやって、その後は休みにしています。夜は25度か24度まで下がりますので、東京のような寝苦しさはありません。窓を開けていると、寒くて寝ていられないときもあります。

 朝倉さんの言うようにこれからはインフレになり、米10Kgが30万円になることもあるとは思いますが、今までの日本の歴史から見ると、だいたい4年間くらいですので、その間生き延びられれば大丈夫です。私の経験では米は3年間は普通の米袋に入れておけば、大丈夫です。虫も出ませんし、味も変わりません。ただ、玄米でないと傷んでしまいます。ですので精米機は買いました。

 何でもかんでも備蓄するのもいいですが、人参や大根、ジャガイモ、小松菜などは自分で栽培できるようになっておいたほうがいいと思います。今ならトマト、キュウリ、ナス、ピーマン、インゲン、レタス、人参、大根、などが美味しくできています。自分で作れば農薬も使いませんので安心ですし、何より美味しいです。ひふみ農法なら結構カンタンですので、誰でもできます。今年も100人以上の方が初めて農業を経験しました。今月から東光社さんで、ひふみ農法のDVDがリリースされましたので、これを見ながらやれば解り易いと思います。3000円もしませんので、一家に1本あってもいいと思います。

 野菜の栽培ノウハウや水の確保、米の保存なども大事だと思いますが、近所や知り合い、仲間との関係も大事だと思います。いずれにしてもこれからは自給自足共同体のようなものができていくと思いますので、何らかの関係が大事だと思います。そして、エアコンが無くても、寒さや暑さに耐えられる強い身体と心を鍛えるのも大事ではないでしょうか。ひふみ農園で毎日汗を噴き出しながら作業をしている29歳と22歳の都会育ちの若者は、段々と逞しくなってきています。人が何も言わなくても野菜と土と天候にいろいろと教わっているようです。畑はエアコンが効いていませんので、35度の中での農作業は正直きついです。強い精神力と身体が無くては負けてしまいます。でも作業が終わると、何ともいえない充実感があります(笑)。これはやった者だけが味わえるものです。結構世の中は平等にできていると感じます。

 

 

・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新刊『2013年 株式市場に答えがある』まえがき 朝倉慶氏

2012-06-01 05:39:02 | 船井幸雄氏

 <船井幸雄.comより転載>

 -------------------------------------

 

 
新刊『2013年 株式市場に答えがある』まえがき

 「欧州各国民が私達を見ている! 緊縮から脱したいのだ! あなた方が原動力だ!」
 フランス大統領選で勝利したオランド候補は観衆の歓喜に応えたのです。
 「緊縮政策なんてまっぴらだ!」フランスに限らず欧州全域で政策転換を求める嵐のような勢いが盛り上がっています。

 一方ギリシアの選挙では急進左派の政党が大躍進、「ドイツの言う事ばかり聞くな!」との国民の怒りを一気に吸収した形です。「国民の痛みをやわらげる、ドイツとは再交渉だ!」と訴える急進左派連合のツィプラス党首は大人気です。
 実際、国民の怒りももっともです。ここ数年、南欧をはじめとして欧州各国は緊縮策の連発で財政再建、健全財政を目指してきたのですが、一向に経済は上向かず、いつまで経っても成果が出てこないのです。

収まってはぶり返すユーロ危機への対処策は・・・?
 ドイツを除いて、欧州周辺各国はほとんど例外なく、債務残高の対GDP比は、危機発生前の水準を上回っています。財政再建を叫び、それに耐えているのにもかかわらず、その効果はさっぱり出てこないのです。出てこないどころか経済は各国とも悪化する一方、国債の利回りは上がる(価格低下)、金利負担は増えるし、失業者はますます増大してきています。問題となっているスペインやギリシアでは若者の失業率は50%を超えてきているのです。
 「これ以上緊縮策を続けても未来はあるのか!」
 民衆の苛立ちは当然でしょう。しかし市場は冷淡で残酷です。緊縮策を放棄するのであれば、ばら撒きです。いったいユーロ圏のどこに財政出動を行う資金があるのですか? ギリシア国民は緊縮策は嫌だという。しかしユーロには残りたいという。そんなわがままをドイツを中心とした北部欧州諸国が許してくれると思いますか? これ以上、ドイツ国民の資金をギリシア国民のために拠出させろというのですか? 先日、ギリシアの借金を7割も減額してやったばかりでしょう! それでも足りないと言っている、そんな法外な要求にいつまでも付き合ってはくれないでしょう。

 収まってはぶり返し、収まってはまた規模を大きくして襲いかかってくるこのユーロの危機、どうやって処方するのですか?
 「大丈夫ですよ! 今まで通りやりましょう。魔法の杖を使いましょう。昨年の12月もあれだけの危機だったのに一気に収まったではないですか! 魔法の杖の出番ですよ!」

 昨年12月、もうユーロは崩壊と思われたその瞬間に、さっそうと現れた新しい救世主、ECB(欧州中央銀行)のドラギ新総裁はまさに大盤振る舞いよろしく、107兆円という膨大な額を域内の銀行に投下して危機を収めたのです。
 「この手があるでしょう! 魔法の杖は健在です!」 危機なんてお金を刷れば一発で解決です!

 「QE3(=Quantitative Easing 3 量的金融緩和第3弾)はまだか!」
 市場関係者のFRB(米連邦準備制度理事会)を見る目は常にこの一点です。
 リーマンショック後、見事に危機を収めたバーンナンキ議長は英雄です。何をしたかって? QE1(=Quantitative Easing 1 量的金融緩和第1弾)でお金を刷りました。そのお金で住宅担保ローン証券を買い取りました、そして米国債を買い取りました。「よくやった!」とりあえず危機は収まった! ところが1年でまたおかしくなると、今度も「魔法の杖だ」と、QE2(=Quantitative Easing 2 量的金融緩和第2弾)の出動、米国債を大量に購入しろ、と8ヵ月にわたってドルを刷り続けたのです。おかげ様でQE1、QE2とドルを印刷するたびに株価が反応、この好調な株価をベースにして米国経済は復活模様です。

迫りくるインフレ
 「魔法の杖は健在です!」お金さえ刷れば何でも解決です。
 「いつまで経ってもデフレじゃないか!」「バーナンキとドラギを見習え!」「何でお金をもっと刷らない! 魔法の杖を使え!」
 欧州や米国でしきりに魔法の杖を使っているのに、日銀は使っていないというのです。日銀からすれば「そんなことはない、日本国民の皆さん、私達はもう2000年からみれば10倍以上の国債買い取りを行っているのですよ。もう勘弁してくださいな」と言いたいかもしれませんが、そんな言い訳は許してくれません。
 国民はデフレ不況にもう20年も苦しんでいるのです。「なぜ魔法の杖を使わない! クビにするぞ!」ついに国会議員はいきりたってきました。
 言うことを聞かないなら日銀法改正です。「目標を達成できないのであれば、責任を取らせろ、当たり前のことだろう!」というわけです。
 欧州も米国も日本もそして世界も、あらゆる市場関係者も常に視点は、「魔法の杖を使うのか、使わないのか?」に釘づけです。中央銀行というマネー製造機関に頼るしかありません。
 にわかに続くこの勢いに、ふと正論が発言されます。そして日本では報道されず、海外メディアの一部に小さく載るのです。
 「中央銀行が国債の買い入れを通じて、最終的に際限のない資金供給に追い込まれれば、この膨大な通貨供給の帰結は、歴史の教えに従えば制御不能なインフレである!」
 ワシントンでの白川日銀総裁の発言です。
 日本の今年の国債の買い取り額は40兆円、一方で今年の新規の国債発行額は44兆円です。いやいやながら国債を買い続けている日銀ですが、もう毎年の日本の膨大な発行全てを買い取るまでにその量を拡大してきているのです。それでもご存じのように「足りない!」と国会でつるし上げにあっています。
 完全なる感覚麻痺、いったいどこまで、「魔法の杖」マネー製造装置の中央銀行が機能できると思いますか? 「インフレなんて全く来ないじゃないか!」 その通り、しかしいつか確実に来るのです。それも何かのきっかけで突如爆発するのです。それが世界の歴史です!
 世界一の投資家と言われる全米の尊敬を集めるウォーレン・バフェットは「債券など通貨に関連した資産はもっとも危険だ!」と警告を発しました。バフェットが言うには今の世界中の金利は安過ぎるというのです。そしてやがて金利上昇(インフレ)が訪れるというのです。その時、現金や国債などで資産を保有している人は実質価値を大きく失うだろう、と警告したのです。
 2012年に入って世界中の株価は大きく上昇してきました。日本の株をはじめ、まさに上昇転換したのです。4月、5月と欧州危機の再来で再び波乱含みとなってきています。
 しかし世界の基本的な潮流は変わりません。「魔法の杖」を持つ中央銀行に頼るしかないのです。大不況に見える世界経済ですが、ニューヨークダウは史上最高値まで10%もありません。新興国は軒並み金利引き下げラッシュです。繰り返しますが、日銀も更なるマネー供給を続けるしかないのです。これらの流れは必ずや株式市場を刺激してくることでしょう。そしてその第一弾が今年から始まってきているのです。いよいよ現金はその実質価値を失うインフレが迫ってくるのです。どのように生き抜くか? 答えは株式市場にあるのです!

 <転載終わり>

-------------------------------

 朝倉さんはこの4年間、「いずれデフレが反転して、激しいインフレになる」といい続けて来られました。しかしながらそのときはまだ来ていません。相変わらず日本はデフレのままです。今週何気なく新聞の折込チラシを見てびっくりしました。32型液晶テレビが17,800円でした。桁が違っているのかと思うほどの安さです。エアコンは29,800円でした。特に家電は安さが目立ちます。

 理論的にはこれだけお金を刷っていれば、いずれはインフレになるだろうと思いますが、実際は20年間デフレのままです。最近は原油も安くなってきていますし、穀物も下落しています。この3年間、食糧危機が叫ばれていましたが、今は危機的な兆候はあまり見られません。こうなると、普通はこのままデフレが続くと思うはずです。誰でもそう思うのではないでしょうか。

 リーマンショック以降、あれだけお金を刷っているのだからインフレになるだろう、と考えていましたが、現実は反対でした。ただ、最近の日銀はお金を更に刷っていますので、インフレへの反転はいずれ起こるだろうと思います。インフレになると、、不動産も上がります。当然食料や日用品も値上がりします。20年間デフレの中に居ると、土地やマンションが値上がりするとは考えにくいですが、インフレに反転すればそうなるはずです。

 2012年12月21日から23日までに大激変が起こると考えている人も多いですが、実際は何も起こらず、「普通」が続くのかも知れません。副島さんは今年は何も起きない、と言われていますが、1999年のノストラダムスの時と同じで、結局何も起きないのではないかと思います。天災は忘れた頃にやって来るのと同じで、劇的な変化というのは皆が予測していると起きないことが多いです。逆に私たち大衆が全く無防備なときに、大きな変化は起こるケースが多いです。かなり皮肉にできています。どうもノーマークの時に、大変化は起こるようになっているようです。2012年12月21日から23日までも何も起きないとすると、皆は「なーんだ。何も起きやしない。」と少々嘲笑しながら言うのだと思います。大衆の想いと逆に展開するのであれば、皆がこれからも何も起こらないだろうと思ったときに、起こるのだろうと思います。ずいぶん皮肉なもんですね。

*先週の土日の富士山ツアーはとても得る物が多い良いツアーでした。そして、明日からは福島で中矢代表の講演会とひふみ農園での田植えが開催されます。参加者はあまり多くはありませんが、きっと意味のある講演会&田植えになると思います。明日は関東チームは午前中に東京駅に集合して、新幹線で福島へ行きます。福島で一緒にお昼ご飯を食べて、講演会に参加します。その後、懇親会には福島県の方々も参加されますので、色々と話しをしたいと思います。二次会から参加されるチーム関東の方もいますので、また楽しくやりましょう。20代、30代の若い方々も多いので、田植えはきっと盛り上がりますね。

 また、5月27日には大宮で料理サークルが開催されました。かなり内容は良かったようです。これはまた後日お話しします。それと、富士山ツアーに参加されていた山形のSさんとお話しして、いよいよ東北神社巡りがスタートしそうです。先ずは山形の神社に参拝させていただくことになりそうです。いよいよ東北が動き出してきました。東北人はそうカンタンには動きませんが、動き出したら力を発揮します。楽しくなりそうです。

 

・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インフレは来るのか?

2012-05-28 08:44:44 | 船井幸雄氏

 

<船井幸雄.comより転載>

-------------------------------------

 

 
インフレは来るのか?

 ギリシャで組閣が失敗し再選挙が行われることになり、最悪の場合、ユーロからの離脱の可能性が出てきました。金融マーケットはキャッシュへの逃避が進み、より流動性の高い金融資産が買われています。
 例えば、日本やドイツの国債が買われていて金利が低下しています。また、アジアの株式は、ヨーロッパへの輸出の落ち込みの懸念から売られていますし、金などの実物資産の価格も下落しています。どうも、20年以上にわたって日本を苦しめてきたデフレが世界中に広がっていくようです。

 いままでは、お金の仕組みの本質論を書いてきましたが、最近の社会情勢を受けて、デフレ経済がずっと続くのかどうか、それとも朝倉慶先生が主張されるようなインフレになるのかどうかを考えてみたいと思います。また、インフレが来ると考えた場合の対応方法についても考えてみたいと思います。

 朝倉先生の主張を整理すると、サブプライム危機やリーマンショックを境に、金融の問題は、金融機関の危機という段階からソブリン危機、つまり国そのものの危機に移りました。ソブリンが資本主義の根本であるマーケットを壊さないために、金融機関に無制限に資金を供給するようになったのです。そして、危うい信用という砂上の楼閣に守られているにすぎない金融システムが破綻すると、今度は国が破綻する可能性が高くなってきました。
 そして、ここで問題になるのは株式市場の暴落ではなく、国債市場の暴落であり、すなわち金利の高騰やそれがコントロールできる範囲を越えてしまえば、ハイパーインフレにつながっていくのです。ハイパーインフレとは紙幣が紙屑になることであり、1923年のドイツで実際に起こりました。1月に100マルクだったパンの値段が12月には3,990億マルクになり、アメリカ人夫婦が1ドルで1週間豪遊しても使いきれなかったという状態になったのです。
 そして、恐ろしいことに、日本の国の債務の額は、対GDP比でギリシャなどの現在問題となっているヨーロッパの国よりも遙かにひどい状態になっており、日本が世界恐慌のきっかけを作る可能性が高いというのが、朝倉先生の問題提起なのです。日本の財政状態を家計に例えると、年収400万円弱の収入に対して、900万円の支出をしており、その結果、たまった債務が1億円を超えている状態にあるのです。

 一方、日本の国債は大半を日本の金融機関や機関投資家、さらには個人が持っており、対外債務を抱えているギリシャなどのヨーロッパ諸国とは大きく違うこと。また、国の経営を家計に例えるのはまったく間違った議論だという話もあり、日本の国債が真っ先に暴落することは考えられないという意見もあります。

 私はハイパーインフレがくるかどうかはともかく、いまのデフレ経済は食料やエネルギーの高騰が原因で終わり、インフレがくる可能性は高いと思っています。それも、不景気でかつインフレが来る、スタグフレーションという最悪の展開になると考えた方がいいのではと思います。だから、インフレヘッジの方法も考えなければいけないと思っています。

 インフレが来るとすると、一番大事なのは生きていく力を付けることです。貯金をしてもインフレになると実質的には目減りしてしまいますので、貯金がいらないとは言いませんが、何割かは自分に対する投資やいい仲間づくりのために使うべきだと思います。我田引水ですが、にんげんクラブに入るとか、『ザ・フナイ』『船井メールクラブ』を購読するなどはいい投資になるのではないでしょうか。
 そして、既得権益や資産に頼らなくても生きていく力を付けることです。貯金がなくなっても稼ぐ力があればそれでいいわけですし、金融危機がきて、お金が機能しなくなっても、食料を確保する能力や、仲間で助け合える体制ができていれば何とかなります。
 企業の経営者やリーダーなどの立場でそれでも、資産を守らなければいけない人は、キャッシュや金融商品以外の資産に分散投資をしておくことも考えなければいけないのかもしれません。
 例えば、企業で農業に取り組んでみるのも面白いのではないでしょうか。すでに実施している経営者のお話を聞いていると、昔の運動会と同じように、社員が家族の人たちも含めて一体化する効果もあると言っていました。
 さらに現実的には、時流にあった優良企業の株式や、自分で使用するもしくは流動性の高い不動産の取得、さらには資産に占める割合は多くない方がいいと思いますが金などの貴金属の現物、さらにはアンティークコインやアンティークジュエリーなど、いざというときにすぐに持ち運べる形の現物資産も持っていた方がいいのかもしれません。

 こうすれば、絶対大丈夫という正解がない時代ですが、しっかりと現実を直視して、自分で考え、自分で意志決定し、自己責任で行動できるという自立の条件をクリアし、助け合い相談しあえる仲間がいれば、厳しい時代も何とか乗り越えていけるのだと思います。自分なりの資産防衛の方法や、激変期の乗り越え方を考えてみる時が来ているようです。

<転載終わり>

------------------------------------

 船井勝仁さんは朝倉慶さんや副島隆彦さん、藤原直哉さん、フルフォードさんなど多くの経済のプロの方と親しくされています。そのプロの方々のあらゆる見解を熟知した上での結論が、この記事であると思います。私も上記の先生方の著書をほとんど読みましたが、大変僭越ながら船井勝仁さんとほぼ同じ見解です。

 そもそも「いざというとき」が来ると思わない人には、全く関心のないことでしょうが、本当に「いざというとき」が来れば、日本中、世界中の誰にでも関係してきます。「いざというとき」がいつ来るかは誰にも解りませんが、5年先ではないように思います。今年後半か来年には誰にでも解るような形で、見えてくるように私個人としては思います(あくまで私の個人的な予測ですので、実現するかどうかは解りません。ただ、自分としてはその時期を見据えて準備しています。準備したものは無駄にはなりませんので、仮にインフレにならなかったとしても、マイナスにはなりません。)

『こうすれば、絶対大丈夫という正解がない時代ですが、しっかりと現実を直視して、自分で考え、自分で意志決定し、自己責任で行動できるという自立の条件をクリアし、助け合い相談しあえる仲間がいれば、厳しい時代も何とか乗り越えていけるのだと思います。自分なりの資産防衛の方法や、激変期の乗り越え方を考えてみる時が来ているようです。』

 いよいよ上記の船井勝仁さんが言われる時代になってきました。大企業も倒産する時代ですし、ギリシャのように公務員も首切りにあう時代です。「こうすれば絶対大丈夫という正解」がない時代に突入しましたが、これからは更にそれがはっきりしてくると思います。面白い時代に生まれることができて、本当にラッキーです。

 

 

・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「ぶり返すユーロ危機」 朝倉慶氏

2012-05-02 05:16:08 | 船井幸雄氏

<船井幸雄.comより転載>

---------------------------- 

 

 
ぶり返すユーロ危機

 「ユーロ圏の危機は欧州連合(EU)を破壊し、根底から覆す可能性がある。この点で欧州とソ連は似ている。」
 投資家ジョージ・ソロスは現在の欧州と崩壊していった旧ソ連とを重ね合わせました。ソロスは続けて、「欧州はソ連と似たような崩壊の過程が待ち受けている可能性がある」と警告したのです。

 再び世界の焦点となってきた欧州危機ですが、これは昨年の危機をスケールアップした状態で爆発を待っているかの様相です。表面的には収まっていた欧州問題ですが、根本的な問題がどうしても解決できません。一時的な備忘策を講じれば講じるほど域内の矛盾は拡大し、もうどうにもならないところまで行き着くだけです。まさに1989年、ソ連が劇的な崩壊をしたように事態は差し迫ってきています。再び欧州情勢を追ってみましょう。

格差のありすぎるユーロ圏の国々
 全ては経済力の違った寄せ集め国家がユーロという共通通貨を使うということにあるのです。
 例えば東南アジアと日本が同じ通貨を使えば、仮に今のように東南アジアがどんどん発展してくれればこの共通通貨は機能するかもしれません。ところが逆に一緒の通貨を使った東南アジアの経済が落ちていく一方では、この共通通貨は機能しなくなってしまいます。格差がつきすぎるからです。国力が違う国が同じ通貨を使うのだから弱い国が強い国に経済発展で追いついていく状態ならともかく、その逆では調整が難しくなります。
 通常はこの国際間の経済格差というものは為替で調整されるわけですが、その為替相場がないわけですから言わば調整弁がないわけで、この共通通貨を用いている各々の国が何とか政策をとらなければならないのです。
 一つは財政支援です。具体的には日本の中で過疎地に財政支援をするように、強い国が弱い国を財政的にバックアップしなければならないのですが、これが国が違うということで難しいのです。同じ日本人であれば都会の住民が過疎地の住民を結果として支援する形になっていてもなっていても、一応、いやいやながらも都会の住民は納得することでしょう。ないしは、この都会の住民が過疎地の住民を結果的に財政支援している形は、実質的には税金という形に隠れていますので一般的にはわかりづらいものです。

 ところが国が違うとそうはいきません。はっきりと支援をしたということは見えてしまいます。今回のギリシアに対する数回の支援でははっきりとユーロ圏内の資金がギリシア救済に投入されているのは誰にでもわかります。さらにはギリシアには国債の償還を減額され、借金が実質的には7割以上踏み倒されました。元々ドイツ国民としては働かないギリシア国民を救済するのは嫌なことだし、拒否したいのです。しかしユーロを存続するという大義名分の下にこのギリシア支援を受け入れてきました。

 ところがこのように域内の矛盾が大きくなっていくと、このような債務帳消しの問題がギリシア一国ですむわけがないのです。またそればかりかギリシアにしても今回救済資金をもらったばかりなのに再びどころか、3度目の破綻に向かっていくのは必至なのです。借金というものはなかなか返せないものです。ましてやギリシアのように観光以外に何の主要な産業もない国家では尚更です。これが世界に冠たる製造業を有しているドイツと同じ土俵で勝負しろというのですから所詮無理なことなのです。

 こう考えていくとこの共通通貨というものは域内の格差が拡大すればするほど、この強い国家が弱い国家を救済し続けなければならず、これが救済資金として見えているものとまだ見えていないもの(船井メディア発行『朝倉慶のKレポート』(2012.5.1発信)の「TARGET2」という話で紹介)とあるのですが、実質目に見えようが見えまいが、この救済資金は天文学的に拡大する一方なのです。それにもかかわらず、域内の経済格差は縮まることがなく広がっていくばかりで、これはもう民主主義国家としては許容限度を超えつつあるのです。

 ギリシアにしてもスペインにしても25歳以下の若者の失業者は5割以上です。若者の半分が職がないという社会を考えればわかりますが、これは悲惨です。それでもこのユーロという共通通貨圏にいたければ、ユーロという通貨の健全性を維持するために財政再建をさらに行えと強制されるのです。そしてギリシアもスペインもその他の諸国もこの財政再建という緊縮経済を行っています。実はユーロ圏の各国の国民もこの財政再建という緊縮経済にはほとほと疲れ切っているのです。スペインの若者などは職を求めて旧植民地であったアフリカ諸国に移民する有様です。この辺がユーロ圏とひとくくりにしても難しい問題があるということが如実に現れています。
 というのも仮にユーロ圏が一つの国家だったらどうか、と考えてみると、自分の住んでいるところに職がなければ当然、職のあるところに移住を考えるわけです。例えばユーロ圏が日本のような一つの国家と考えますと北海道の過疎地に住んで職がないという人は、東京に上京して職探しを始めることでしょう。こういうことは自然です。中国だって農民工と言って地方から都会に人が移動してきました。これはどんな国家でもその発展過程に当然起こることです。ところが不幸なことに、ユーロ圏という経済圏ではこのような当然の住民の移動すら起こりえないのです。 

ユーロがひとつの国になれない理由
 どうして? と思うかもしれませんが、ユーロ圏をよく考えればわかりますが、ユーロ圏は元々ひとつの国家ではありませんから、言葉も違うのです。スペインはスペイン語、イタリアはイタリア語、ドイツはドイツ語で、フランスはフランス語です。これではスペインの若者は職がないからといってドイツに行って職を探すというわけにもいきません。
 言葉が話せなければ、まともな職などあるはずもありません。ですからスペインの若者はやむなく、言葉の通じる旧植民地のアフリカに移住するという選択をするわけです。このように、ユーロ圏というのは、一つと言っても国家が寄せ合っていますので、様々な不便があるわけなのです。

 先に書いたように、ユーロ圏各国が発展しているうちは問題が生じませんでした。ところが今の状態はまさに悲惨の一言なのです。
 一方で好調なドイツ、オランダ、デンマークなどと、PIIGS諸国であるギリシア、イタリア、アイルランド、ポルトガル、スペインとは格差は広がることはあっても、これが縮まることはありません。
 例えば、ユーロ圏の鉱工業生産指数は今年2月には全体として1.8%低下したのですが、一方で個別でみるとドイツは横ばい、オランダ、とデンマークはそれぞれプラス6.7%、3.1%と上昇しています。ドイツの自動車産業などは史上最高益を叩きだしています。
 これとは対照的にPIIGS諸国の鉱工業生産指数をみますと、同じく2月はスペインはマイナス5.1%、ポルトガルはマイナス6.8%です。スペインとギリシアの失業問題が深刻になっている話は指摘してきましたが、これに対してドイツの失業率は20年ぶりの低水準になっているのです。ドイツの労働者は賃上げ交渉です。これほど格差が大きいのです。
 国が違うということは政策も違ってどうにもならない部分があります。
 このように、「失業者が減らない状況はなぜか?」と顧みてみますと、もちろん各国の経済状況も大きいのですが、それとは別に、各国の雇用政策に一つの問題があることもわかってきています。例えばイタリアでは、原則として労働者を解雇することができません。勤務態度に問題があったり会社の業績が極端に悪化しても、雇用主は雇用者を解雇できないのです。そうなれば企業は余剰人員を抱えたくないですから、当然新規の雇用、若者の雇用は控えます。現在のモンティー政権はこのイタリアの硬直的な雇用制度を変えようと試みましたが、国内の反対が強く立ち往生しています。スペインにしても1970年代半ばまで続いたフランコ政権の独裁時代に、労働者の解雇や地域内移動を厳しく制限した慣行があるのです。それが今でも続いている形で、このような数十年続いてきた各国の仕組みはもう一つの伝統といいてもいいようなもので、これを変えていくのは実際問題としては至難の業なのです。こうみるとやはり国家が違う、言葉も違うという地域が同じ通貨を持つという問題点にどうしても突き当たってしまいます。

 欧州では第一次世界大戦、第二次世界大戦、それだけでなく、戦争と争いを繰り返してきた歴史があります。これに終止符を打とうという大きな金字塔の下にユーロという通貨の統合を計り、いずれは国家統合を目指すという壮大な理想はあるのでしょうが、この大いなる矛盾を解決することは難しいというしかありません。
 これだけではありません。そもそも、このユーロ圏を維持しようと無理に無理を重ねてきているので、もうその矛盾は爆発寸前というのが実態なのです。昨年秋からユーロ危機が叫ばれ、イタリア、スペインの国債の暴落が懸念され、もしそのような事が起きればユーロが崩壊すると懸念されたわけですが、これは昨年暮れにECB(欧州中央銀行)が日本円にして107兆円という膨大な資金を域内の銀行に担保など吟味もせずに、1%という低利で貸し付けたことで息をつきました。
 いわば、これは緊急で大盤振る舞いの貸出をしたようなものです。どんな倒産寸前の企業でも当座、銀行が資金を融通してくれれば、倒産は免れることはできます。しかし本業が不振では再び危機が訪れます。今回のユーロ圏の場合は、一応このイタリア、スペインの危機に対して、ECBが膨大な資金を実質供与して当座を凌いだのです。
 これはどうやったかというと、ECBから受け取った資金を使って、イタリアはイタリアの銀行に自国の国債、スペインはスペインの銀行に自国の国債を買わせることで、国債の暴落を止め、危機を先送りしました。ところが今やその玉も尽きて、再び国債の下落が始まってきたのです。
 こうなると今度は前よりも問題はスケールアップしてしまいます。というのも、イタリア、スペインの銀行は自国の国債の持ち高が爆発的に増えたからです。今後、暴落必至のイタリア、スペインの国債を以前より大量に保有して身動きがとれません。こうなったらやぶれかぶれでさらにECBから資金を供給してもらって、買い続けるしかないのです。
 結局、ECBは資金を貸し付けたものの、その資金で、紙になっていく運命の国債を購入しているのですからどうのもなりません。何度も指摘してきましたが、問題が起きるたびに紙幣を印刷してその場を凌ぎ、しばらく経つと問題がさらに大きくなって再び現れ、そうすると、さらなる紙幣を刷る羽目に追い込まれていく、という繰り返しをしているに過ぎません。これは日本も同じで、事あるごとに日銀に円を印刷させるということで、その額がどんどん増えていくわけです。

 こうしてユーロ危機は再び燃え盛ろうとしてきました。政治的な問題もあります。この5月6日には、ギリシアとフランスの選挙が行なわれます。ギリシアは今までの連立与党ではなくて極右や極左の政党が著しく支持を伸ばしてきています。
 もう改革はたくさん、デフォルトしろという主張です。フランスの選挙でも優勢とされるオランド候補は「もし自分が当選すれば、ユーロの財政協定を破棄する」という主張を述べています。要するに、どこの国民ももう緊縮財政はまっぴらだという気持ちなのです。これが世論の怖さです。一度このような流れが始まると、政治の世界ではこの勢いを止めることができません。こうしていよいよ財政再建の流れもとん挫していくことでしょう。
 その行先を予想している投資家ソロスはもうわかっているのです。「ソ連と同じようになっていく」、ユーロ圏の崩壊は必至、ソロスの予言は現実となってユーロ圏を襲い、そして世界に伝播していくことでしょう。

 <転載終わり>

----------------------------------

 ECBはユーロをドンドン印刷して、イタリアやスペインなどの銀行に貸し付けているわけですが、何だかんだ言っても何とか破綻もせずに現状維持されています。FRBなども同じようにリーマンショック以降はドルをドンドン印刷して何とか急場をしのいでいますが、案外現状維持はできています。日本は1000兆円の借金がありますが、やはり何とか表面上現状は維持できています。

 こう考えると、紙幣はどれくらいまで印刷しても大丈夫なのかと考えてしまいます。日本の借金は現在1000兆円ですが、2000兆までなら大丈夫なのか、5000兆くらいまで平気なのか。或いは恐慌を仕掛ける側がGoを出すまでならいくらでも印刷OKなのか?恐慌が来ると言われて早や3年です。景気は良くないが恐慌までにはならないのではないか、という意見も正しいように見えます。

 ジョージ・ソロスはユーロはソ連と似ていると言ったそうですが、ソ連の場合は崩壊を予測する人もなく、突然崩壊したように見えました。ユーロは危ないと散々言われているので、案外大丈夫かも知れません。まあ、分かりませんが。

*昨日でやっと会社の決算が終わりました。結構大変でした。決算の最後の確認が終わった後に、岡山のFさんと打合せをしました。五井野さんと池田さんのセミナーを聴きに、丁度上京されていたそうです。岡山でもいよいよひふみ農園サークルがスタートします。スーパー活緑やライフグリーンなどの地球(テラ)サイエンスとひふみ祝詞などについて最終確認を行いました。岡山は5反あるので、結構広いです。トラクターも持っておられるので、本格的な農園になりそうです。

 これで、東北は福島、関東は赤城、千葉、太田、信越は小諸、近畿は丹波篠山、中国は岡山にひふみ農園ができました。まだまだこれからですが、拠点ができたのはいいことです。多く作ればいいというわけではありませんが、皆さんが率先して農園をやりたいという想いがあるので、ドンドンとできて来るわけです。農業は一度やると、あまり気分がいいので病みつきになりますね。私もそうです。本格的にやれる人はバンバンやればいいですし、たまに農園に行きたいという人はそれもよしです。家でプランターや家庭菜園もいいと思いますし、全国に300人くらいがひふみ農法でやられています。個人宅まで含めれば、全国に300ヵ所のひふみ農園が既にできています。日月神示は農本主義だと中矢代表が言われていますが、土と野菜と虫と一緒にいると、とにかく元気になるから不思議です。

 今日は久しぶりにこれから赤城に行きます。雨かと思いますが、ハウス内の作業をやりたいと思います。その後、みんなで「あいのやま温泉」に行き、ラジウムをたっぷり浴びます。今日は4月から新しくひふみ農園赤城に常駐している22歳のS君の歓迎会を行いたいと思います。丁度疲れが出て来るころですから、今日は美味しいひふみ野菜を食べて(毎日食べてますが)皆で楽しくやりたいと思います。

 

 

 ・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

野菜”は本当に健康にいいのか?

2012-04-30 07:52:18 | 船井幸雄氏

<船井幸雄.comより転載> 

 -------------------------

 

“野菜”は本当に健康にいいのか?
 
藤原 かおり

 皆さんこんにちは。最近は新緑が目立ちはじめ、初夏のような陽気になってきました。
 そしてもうすぐゴールデンウィーク♪心身ともにリフレッシュしたいですね!
 船井本社『船井幸雄.com』事務局&『船井メールクラブ』事務局の藤原かおりです。

 さて、健康ブームの昨今、健康や美容のことを考えると、「食」を大切にし、野菜をしっかりとることに行きつく人は多いのではないでしょうか。
 実際最近は、肉食を疑問視する考えも多く、これまでにないほど「野菜」に注目が集まっているように思います。
 私も野菜を食べると体調がいいし、お肉よりもやっぱり野菜の方がカラダによく、それが無農薬、有機栽培だったりしたら、もう「まちがいない!」と思っていました。

 しかし、本当に野菜は体によいのでしょうか? 体に良くて害がなく、安全、安心な“本物”と言えるのでしょうか? 

 というのも最近、恐ろしい話を聞いたのです。
 スーパーや八百屋などでは、いろどりよく、大きさや形も均一な野菜がズラッときれいに並べられています。
 しかし、「自然の賜物の野菜がなぜこんなにも大きさや形が揃っているのか?」と考えたことはあるでしょうか? 多くの人は、「野菜はきれいで当たり前」と思っているのではないでしょうか?(私もそうでしたが・・・)

 実は、現在スーパー、そして外食産業で出回っている野菜はほとんどが(有機栽培のものも含めて)「F1種」というタネが使われているそうです。
 「F1種」は人工的に異なった性質の種を掛け合わせて作った種のことで、一代目は、「雑種強勢」という、両方の良い面が表に出る性質が働き、野菜の生育がよく、大きさや形、収穫の時期が揃うようになるのだそうです。まさに、大量生産、大量消費にうってつけのものでしょう(「F1種」については、船井勝仁のコラム「「天律時代」の到来に向けて」の2011年8月1日号8月11日号でも紹介しています)。
 しかし、魔法は「一代限り」で、F1種の野菜から種を採って蒔いても、二代目以降は親と同じ性質を持つ野菜にはならず、採種はほとんどされないので、実質一代限りなのだそうです。
 市場に売りやすい野菜を大量に作れるF1種は農家にとっても都合がよく、また種苗業者にとっても、毎年種を買ってくれることになるので、まさに好都合なのだそうです。
 私たちがふだん口にするのは、ほとんどがこのF1種からできた野菜です。

 確かに、「F1種」は人工的に掛け合わせて作られたものとはいえ、これだけなら、「まあ、仕方がないことかな」と思えるかもしれません。

 しかし実は、このF1種を作るときに都合のいいものとして使われているのが、「雄性不稔(ゆうせいふねん)」という、ミトコンドリア遺伝子の突然変異によっておしべを持たずに生まれてきた野菜(個体)の性質を利用する方法なのだそうです。
 これは簡単に言えば、野菜を人工的に“無精子症”にする技術なのだそうです。
現在の「F1種」を作る時には、ほとんどこの技術が使われているそうです。
 この「雄性不稔のF1種」からできた野菜を食べ続けることの健康への影響は本当にないのか? 子孫を作れない野菜ばかりを食べていて、人間に影響がないなんてあり得ないのではないのか?
 ・・・と、この「雄性不稔」に対する危機感をひと一倍強く持たれているのが、野口のタネ/野口種苗研究所 代表の野口勲さんです。

 野口さんの会社(タネ屋)では、F1種ではなく、何世代にも渡って育てられる「固定種」を販売されています。
 そして、『タネが危ない』(日本経済新聞社)などの著書もある野口さんには、「船井メールクラブ」の4月19日にご執筆いただき、会員様から大きな反響をいただきました。
 野口さんは、昨今の「草食系男子」流行りの風潮も実は、このおしべ異常をベースとしたF1種からできた野菜が影響しているのではないか・・・と考えられています(可能性は大いに考えられるでしょう)。

 「それじゃあ、安心して食べられるものなどないじゃないか」という声も「船井メールクラブ」の会員様からいただきましたが、残念ながら、それも一つの現実なのかもしれません。

 しかし少なくとも、人口がどんどん減り、需要よりも供給が上回る現代、大量生産に最適な、この「雄性不稔」の技術を使ったF1種を作る方法は見直す必要があるように思います。
 野菜や「F1種」の実態を多くの人が知り、人類の永続を阻む可能性のある技術に対しては、
「No!」という姿勢を一人ひとりが持つことが求められているのかもしれません。

<転載終わり>

-------------------------------

 スーパーなどで販売されている野菜の90%以上がF1種と言われています。F1種には「雄性不稔」の問題がありますので、できれば避けたほうがいいと思います。ただ、避けたいといっても市販の野菜のほとんどは、F1種ですので避けようがないのが現実です。

 ひふみ農園では、できるだけ野口種苗さんから種を購入して栽培していますので、安全なのですが、固定種は野菜の形が均等になりません。曲がった大根や人参、ほうれん草などが結構できてしまいます。するとユーザの方から、形が奇怪だとか形がヘンだと言われます。均一な形の良い野菜を要望しているのは結局ユーザさんなので、生産者はF1種を使うということになるのだと思います。F1種はモンサントが画策しているといっても、ユーザが望まなければ売れません。結局ユーザさんは真っ直ぐな大根のほうがいいわけです。「雄性不稔」の問題はすぐには表面化しませんので、誰も気付きません。気付いた時には無精子病になっていたということになる可能性がありますが、それもF1種が原因だとは特定できません。

 今日はこれからひふみ農園丹波篠山で実習会が開催されます。関西で初めてのひふみ農園がスタートします。定員の20名の皆さんが今日は集まり、畝の作り方や種の蒔き方、苗の定植までやりたいと思います。

 昨日は、群馬のひふみ農園サークル太田の活動日でした。耕運機を掛けて、畑らしくなりました。いよいよサークル太田も進んでいます。5月3日は長野の小諸でもスタートします。全国にどんどんひふみ農園サークルができてきました。今年はどれだけ増えるか楽しみですね。

 

 

・船井幸雄.com

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「直感力と「ワクワク」について」 船井幸雄.comより

2012-04-04 07:19:22 | 船井幸雄氏

 

 

 

直感力と「ワクワク」について
  お散歩中の船井会長とゴンちゃん
  (ゴンちゃん気持ちよさそうです^^)

 皆さまこんにちは。
 前回は「ワクワクする気持ち」について書かせていただきました。
 前回もお伝えしましたが、ワクワクする気持ちには、その人の長所や、その人が生まれてきた使命がかくれています。自分の中にある情熱や、楽しい、心地よいといった気持ちを大切にし、それを追求していくと、自分らしく、心から幸せを感じながら生きることができるようです。

 ワクワクする気持ちを大切にすることは、人間にとってとても大事なことだと思います。心から喜びを感じ、心が満たされ、幸せを感じている人が、人を幸せにできるからです。
 「楽しいな」と過ごしている人はまわりによい影響を与えます。そういう人がまわりにいるだけで、明るい気持ちになります。イキイキ過ごしている人をみると、「自分も頑張ろう!」と思えてきます。
 自分の心に正直に生き、喜びを感じて生きている人は、人にも優しく接することができます。そして、自分だけでなく相手にも幸せになってほしい、みんなで幸せに生きたいと考えます。そういう人が家族やまわりの人を幸せにし、社会に貢献できるのだと思います。


 今回は、ワクワクする気持ちと関係のある『直感力』について、書かせていただきたいと思います。
 
 皆さまも普段過ごしているなかで、直感が働いた!ということがあると思います。
 ふと頭に思い浮かんだ人から、ちょうど電話がかかってきたということや、
 本屋に行き、なぜか気になる本があり買ってみると、その中に自分が必要としている情報が書かれていた。
 なぜか「早めに出かけた方がよい」と浮かび、いつもより早く出かけてみると、電車が遅れて、ちょうど間に合うことができた。
 などなど、いろんなことがあると思います。

 直感は、頭で考えてもよく分からない不思議なものですが、一体直感とは何なのでしょう。そして、どんなときに働くのでしょうか。

 船井会長が自身の著書の中で直感力について説明している部分がありますので、そちらをご紹介したいと思います。



 私たちは普段、顕在意識といわれる意識下で思考したり判断したりしていますが、その意識のさらに奥には、通常の生活では意識されない、深い意識の層があります。
 顕在意識の一つ奥には、潜在意識があります。膨大なる自己の全ての記憶や経験がデータベース化された意識層で、それにもとづく無意識の心の動きが、微妙なバランスで私たちの精神状態や、ひいては肉体の状態にまで影響しているようです。

 そして、潜在意識のさらに奥になるのが、超意識ともいうべき深い意識層です。
 これは同種の生物同士、たとえば人間同士、あるいは猿同士でつながっているとされてきましたが、最近では、種族を飛び越えてすべてとつながっている可能性があるといわれています。

 何も思考することなく、ぱっと正しい答えがひらめくことを「直感が働く」といいますが、今述べたような意識体系から考えてみると、直感は、日常に使われている顕在意識の思考はもちろん、潜在意識すら介さない超意識の感覚です。

 つまり、直感とは、超意識のレベルから情報を引き出してきて、顕在意識に注入する感覚なのです。宇宙の意識とダイレクトに交信し、正しい情報や回答を導き出す力です。この直感は、良心に従うクセづけによって、適時に、しかも的確に発言されることができると考えられています。

 そもそも良心は、今述べた意識のなかでは、どのあたりにあるのでしょうか。あえて特定するならば、おそらく、顕在意識と潜在意識のほぼ中間、ときおり超意識も混じってくるような、微妙な意識レベルです。したがって、理屈では片付けきれない判断を下す良心は、もちろん、顕在意識の影響は受けてはいるものの、サムシング・グレートの意思に限りなく近い答えを出していると考えられます。

 こうしたことから、良心は、いわば「宇宙意思付き顕在意識」といえるでしょう。半分は顕在意識にあるものの、宇宙の意思を的確に判断することができる意識です。

 直感は、完全に顕在意識を飛び越えてしまっているので、それ自体を意識的に自在に扱うことはできません。しかし、宇宙意思にもっとも近い顕在意識である良心に、徹底的に従う努力をすることで、直感力の発現をうながすことができるのです。

『「本物」になるクセづけ』(海竜社刊より)



 遠く離れた人のことが、ふっと頭に浮かび、相手も自分のことを考えていたりすることがありますが、きっと人間の深いところでは、みんなつながっているのだと思います。おもしろいですね。

 直感が働くとき、自分の心がどんな状態か注目してみると、心がワクワクしているときや、ウキウキしているときが多いことが分かります。自分が大好きなことをやっていたり、穏やかで心地よい気持ちで過ごしているときに、なぜだか分からないけれど、こうしたらいいような気がするなぁと「ふっ」と直感が降りてきます。そのまま直感にしたがって進んでみると、やっぱりその行動が正しかったりします。

 イライラしているときや、不満が多い心の状態のときは、直感はあまり働きません。 頭の中が思考でいっぱいになっていると、直感に気づきにくくなるようです。
 自分の心に正直に、素直な心でいると、宇宙とつながり自分にとって正しい情報を受け取ることができるようです。

 良心に従った生き方をしていると、直感が働きよい方へ導かれていくことから、宇宙はそういう生き方が正しいと私たちに教えてくれているのだと思います。
 素直な心でいると宇宙と調和し、自分に必要な情報を自然と受け取ることができるようです。調和ができていれば、ものごとはうまく進んでいきます。自分が幸せを感じ、他者に幸せを与えられる人を宇宙は喜んで応援してくれます。
 自分がワクワクすることも、宇宙が「それでいいよ」と教えてくれている情報のようです。

 

 
 
 事務所に咲いていた「エリカ」という花

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  <転載終わり>

-----------------------------------

 直感については最近よく耳にします。また、ほとんどの人が直感を受けた経験があると思います。直感に従ったおかげで電車に間に合ったとか、乗った電車の後続の電車が故障したなどはよくあると思います。その他、直感ではありませんが、連絡しようと思ったら、1秒後にメールが届いたり、たまたま開いたサイトに自分の知りたいことが出ていたりというシンクロは、誰でもしょっちゅう起こっていると思います。特に日月神示に関わることは非常に多いです。たまたま走ってきた車のナンバーが「123」だったり、「345」だったりするのは、週に3回はあります。「123」をよく見かけるときは、『完訳 日月神示』を読むようにしています。「345」が多いときは、もっと頑張って実践しようと考えるようになりました。

  この記事の中で、船井会長が大事なことを言われています。

 『直感は、完全に顕在意識を飛び越えてしまっているので、それ自体を意識的に自在に扱うことはできません。しかし、宇宙意思にもっとも近い顕在意識である良心に、徹底的に従う努力をすることで、直感力の発現をうながすことができるのです。』

 直観力は自分が使いたい時に、自由に使うことはできません。ただ、良心に従っていると、直観力が付いてくるということだそうです。つまりいいと思うことをやれば、次第に直観力も磨かれてくるそうです。 そういえば、6、7年前に読んだ浅見帆帆子さんの本にも、毎日良いと思うことを実践し、明るく前向きな気持ちの時に直感やラッキーなシンクロが起こると言われていました。反対に暗く不満ばかりのときには、暗くなるような場面に遭遇してしまうということです。

 このようなことは、ほとんどの方は既に分かっていると思います。ただ、技術としてのみ直観力をアップさせるということは、できないのではないかと思います。直観力をアップさせ、ラッキーなシンクロが起きるには、良心に従い、良いと思うことを実践していくことが早道だと思います。要は、毎日明るく元気で、仕事を一生懸命して、人にも動物や植物にも親切に、思いやりを持って接すれば、自ずと直感力は付いて来るということです。それほど難しいことはないですね。だから、いい人は直観力が冴えているのだと思います。不平不満ばかり言う人は、益々不平不満に陥るような環境が揃えられてしまうようです。今日も一日、仕事に精を出して、明るく楽しく行きましょう(笑)。

  

 ・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「円安が始まった」 朝倉慶氏

2012-04-03 08:57:15 | 船井幸雄氏

<船井幸雄.comより転載>

--------------------------------

円安が始まった

 「あの時点が転換点だったのか?」
 相場の大きな節目というものはかなり後になって振り返ってみないとわからないものです。1989年12月に日経平均は39,000円をつけ、その後20年以上にわたる下げ相場に突入したわけですが、その株が天井をつけた直後の1990年初頭や、1991年当時では、まだ日本の40年に渡った株式市場の上昇が大天井を打ったとはにわかには信じがたかったのです。
 「どうせ、また株は上がってくるさ」という楽観論が大勢だったと思います。実際、大きな相場の変化点ではどうしてもそれ以前の長いトレンド、(1989年のバブル崩壊時はそれまで40年間にわたって株が上がり続けた)に人々は慣れきっているために変化を認めるないしは感じ取ることは難しいものです。

 私は、今回円相場は完全に円安方向へ大転換したと確信しています。
 まさに円相場の歴史的なトレンドが変化したと感じているのです。今後、若干の円高への揺り戻しはあり得るでしょうが、基本的には円相場は100円、120円、150円、200円と怒涛の円安方向へ進んでいくことでしょう。思えば円相場は、1971年のニクソンショック当時の360円から2011年10月31日の75円まで40年間にわたって上がり続けました。長期にわたる円の上昇相場でした。そして今、ついにこの円の上昇相場は終わったのです。これから円相場はこの40年にわたる上昇相場が逆回転して、数十年にわたる円安への動き、言わば怒涛の円安相場に向かっていくのです。そしてそれはデフレからインフレへの日本経済の大きな変化であって、ひいては日本の大変な苦難の幕開けとなるのです。

 終戦後、焼け野原から東京証券取引所が1949年に再開されました。そしてこの1949年から1989年バブルの崩壊まで40年にわたって、日本の株式相場は一本調子で上がり続けたのです。奇跡と言われた日本の経済発展の歩みでした。そしてそれが40年にわたる株式市場上昇の歴史だったのです。
 一方、為替相場の方も同じで、1971年、固定相場から解き放たれて円の長い上昇トレンド、2011年までの40年間にわたって円相場の上げ相場が続いてきたわけですが、ここで終焉を迎えたのです。

円安進行でインフレ加速へ
 相場の世界は常に移ろいゆくのです。永遠に上げ続ける相場もなければ永遠に下げ続ける相場もない、どこかで変化が訪れ、新しい流れは芽生えてきます。そしてそれは大きな川となって広がり、やがて収集のつかない驚くべきクライマックスへと向かっていくのです。目指すは長く日本全体を悩ませてきたデフレからの脱却です。
 「やっときたか」と喜ぶのも束の間です。今度はデフレを解消し勢いがついて、一気にインフレへの止まらない道のりが始まるのです。円安になれば当然そうなりますよね。今ガソリンはリッター150円ですが、円が120円になったらいくらになりますか? リッター200円ですか? 250円ですか? その時の諸物価の値段はどうなりますか?
 そしてその時の日本の政策金利は何%になるでしょう? 3%ですか? 5%ですか? 国家財政はどうなりますか? 借金1,000兆円の金利支払いは? 30兆円? 50兆円? ちなみに、昨年(2011年)の税収は42兆円でした。止まらない円安は持続不能な日本の国家財政の姿を否応なく我々の目の前に強制的にさらけ出すことでしょう。暴力的な市場崩壊への始まりです。

 一度にそうはなりません。段階があります。これからしばらくはハッピーアワーです。円安万歳、デフレ脱却おめでとうで誰もが喜ぶ時です。株は上がり、円安で輸出産業は軒並み増額修正、トヨタなどは1円の円安で300億円の増益ですからこのままいけば大増益です。日本を代表する輸出産業は笑いが止まりません。待ちに待った円安です。95円くらいまでならね。しかし勢いがついてそれ以上いくとどうですか? 話は全く変わってきます。

 日本は31年ぶりに貿易赤字に転落しました。昨年の大震災が直接の原因ではありますが、実質、あの震災の後は福島の原発事故を受けて国内の原発は全てストップの動きになっています。この原稿を書いている現在、北海道の泊原発を残すだけで他の原発は全てストップして再開のめどは立っていません。あれだけの事故を受けては原発を停止しようという決断は国民感情としては当然かもしれません。
 しかしその後遺症として、日本はエネルギーの3割を賄っていた原発の代わりとして、火力発電に頼るしか選択肢がなくなりました。結果的に石油と液化天然ガスを中東から輸入、この輸入代金の高騰により貿易赤字となりました。昨年の貿易赤字約2兆5,000億円は全てこのエネルギーの買い付け代金の増加によるものです。これは原発が再開できない今年はさらに増えるしかありません。これだけ大きな輸入代金を支払っても今年の夏はエネルギー不足が必至と言われているのです。
 米国や欧州のように陸続きならば、パイプラインを敷くことによって天然ガスなどは安く手に入るのですが、各国と海を隔てた日本はそうはいきません。よって、今や米国の値段の7倍の高値で液化天然ガスを購入する羽目に陥っているのです。原発を再開しない限り、この割高なエネルギーの依存状態から脱することはできないのです。
 では原発をかつてのようにエネルギーの3割を賄うまで使用再開することができると思いますか? 国民感情としてできませんよね。ということは高い石油と液化天然ガスを買い続けるしかありません。要するに貿易赤字は減らない、さらに増え続けるということに他なりません。
 それだけではありません。今や日産などはタイから自動車を逆輸入していますが、この例をみるまでもなく、ここ数年の円高の流れの中で日本の主力企業は次々と工場を海外に立地、それを拠点にして輸出を増やしているのです。一度行ってしまった工場は返ってきません。日本には失業者とさびれた町が残るだけなのです。この工場の海外移転という傾向は過去10年にわたって顕著に展開してきました。個々の企業としては生き残りをかけた戦略ですが、気がついてみたら日本全体としてみて、多くの工場も雇用も海外に渡っていました。

 アメリカでは今シェールガス革命と言って、新しいこのシェールガスの開発のラッシュとなっています。特殊な工法で岩に穴をあけ水を吹きかけることでガスを発生させ、それを取得できる技術が開発されたのです。そして米国ではこのシェールガスの埋蔵量が400年分あると推定され、一気にシェールガスブームが訪れ、エネルギーの価格低下に繋がってきました。その結果として米国ではガスの価格が日本の7分の1となっているわけです。今回米国がイランに対して強行に出られる背景も、これは米国自身が自前でエネルギーを確保していける体制ができたという背景もあるのです。
 このシェールガス革命が米国で起きた結果、日米で今後どのようなことが展開されるかと言いますと、米国は当然、この新しいエネルギーであるシェールガスの輸出を目指すことになります。日本もこれは欲しくて仕方がない、しかしこのシェールガスは日本にそのまま直接輸入ということはできません。太平洋をつないでいるパイプラインがないからです。当然、一時的にガスを液化させて液体にして液化天然ガスにして輸入するわけで、これからこの液化プラントの工事が米国で始まるという段取りです。この完成には3年から4年かかります。こうなって晴れて米国から日本へと液化天然ガスが輸出される運びとなるのです。日米の関係からいって、これはもう日程に組まれていると言っていいでしょう。日本としても安いエネルギーを米国から調達できるのですから渡りに船です。
 こうなるとどうなるか? 今までは日本が輸出、米国が輸入ということで、日米の貿易摩擦など数々の問題がありました。ところが今や、日本は貿易赤字国になった上に、今度は米国からエネルギーを輸入する立場となるわけです。
 となるとどうですか? 今までは日本が輸出国だったから絶えず円高なのでしょうが、今度は米国が輸出国で、日本は輸入国となります。当然ドル高円安となります。今まで貿易関係の日米の形が逆転するわけです。まさに180度立場が変わるのです。

 これら円安への基本的な動きの変化がはっきりと為替相場に現れてきています。

円・ドル相場の推移をあらわすグラフ
円・ドル相場の推移をあらわすグラフ
(※クリックすると拡大して見られます。)

市場の変化は正直で、為替、株、債券などどのジャンルをみても何年ぶりというような指標ではなく、30年ぶり、40年ぶり、ないしは史上始まって以来の記録が頻繁に相次いで出てきています。為替の世界では16日連続円安という、1980年以来30年ぶりの記録が出現しました。またチャートをみるとわかりますが、典型的なチャートの見方であるトレンドラインをみてみますと、2007年からの円相場の上昇ラインが見事に今年ブレイクされているのがわかります。チャートを少しでもかじった人ならば、円相場の円安転換は否定しようがないでしょう。

 円安に動く理由をさらに直近の事象として追ってみましょう。
 まずはヘッジファンドの動向です。彼らは昨年まではユーロを売って円を買い持ちしていました。また同じくヘッジファンドは、ギリシアやイタリア、スペインなど欧州の国債を売って返す刀で日本国債を買っていました。いわゆる欧州危機の深刻化を見て、欧州売り、円買いというポジションを組んでいたわけです。円が魅力的だから買っていたわけではありません。まさに欧州売りの取引の反対側として消去法的に円を手当てしていたのです。そしてヘッジファンドは、昨年はこの取引では相当の利益を上げていたのです。それがここにきて、欧州危機が昨年暮れから一段落し始めたので、これらのポジションを手終い、反対売買を行ってきたというわけです。具体的にはユーロの買い戻し、並びに円売りとなって現れます。
 またバレンタインデーに発表された日銀のインフレターゲット(=物価上昇率(インフレ率)に対して中央銀行が一定の範囲の目標を定め、それに収まるように金融政策を行うこと)政策も外人投資家にとっては絶好の円売りの動機となりました。日銀は1%を目途に消費者物価の上昇を目指すと宣言したわけです。日本語で目途と言っても英訳ではゴール(目標)と訳されていますから、海外投資家から見れば日銀は完全に1%の物価上昇を目指して金融緩和、国債の買い取りを続けるとみられるわけでこれは強烈です。

 日本はそもそも人口が減っていきますので、簡単には経済全体の需要が増えません。当然ですよね、人口が少なくなれば車も住宅も食べ物も前よりはいらないわけです。ですから、日本経済は恒常的に需要減少と言いますか、供給が絶えず需要を上回っている状態だったのです。いわゆる需給ギャップというものです。この需給ギャップが存在するということは、言い換えれば当然、供給過多で物の値段は下がりやすくなるということです。
 日銀に課せられた課題というのは、このような状態なのに物の値段を上げろ! と迫られているのです。ではどうしますか? 物が恒常的に下がる状態なのに物の値段を上げなくてはならない! 仕方がない! 何でもかんでも値上がりするところまでお金を印刷しよう! ということです。それを約束するのがインフレターゲットというわけです。1%の物価上昇目標はほぼ海外からみると公約に近い形になりつつありますから、これは強烈な政策です。まさに日銀はマネーを刷り続けるしかありません。効果が出るまで続けるのです。まさに出口のないマネー印刷、円安への強いアクセルです。

 こうして日本はあらゆる意味で円安方向へと外堀は埋められつつあります。留めはイランでの紛争ぼっ発が待っていると思えばいいでしょう。31年ぶりの貿易赤字、シェールガス革命、日銀のインフレターゲット、止まらない日本の財政危機、対外投資の加速、円安の理由を探せばきりがありません。しかし、今回始まった円安は日本経済に深刻な事態を引き起こすことでしょう。というのも結果的に円安は止まらなくなって、相場の帰趨は残酷に日本の本当の衰退を見せつけることになるでしょう。低下しつつある国力は覆い隠しようがないというところまできているのです。<円は安全資産>と言われていたのは遠い思い出となっていくのです。

<転載終わり>

--------------------------------

 朝倉さんが言われるように、1989年12月に付けた日経平均の39,000円が、今思えば最高値だったわけです。23年も前のことです。当時はバブルがはじけたことは誰も判りませんでしたので、きっとまた株価は戻るさと皆言ってました。そのうちに日銀の総量規制が始まり、融資に大きな規制が掛けられてしまいました。特に不動産や建設業は酷い仕打ちを受けました。今でも思い出します。私の知り合いの工務店さんもそのあおりで倒産してしまいました。2、3年経ってから、どうやら株価は元には戻らないのかもしれないと気付いた次第です。完全なハシゴ外しです。国際金融資本に見事にやられてしまいました。

 その後は、株価はずっと下がりっぱなしで、今年の1月には8,000円台で低迷していました。人間というのは面白いもので、今日も明日も変わらないと考えがちです。「心の慣性の法則」が働くので、明日も今日と同じだろうと考えるわけです。普通は誰でもそうです。なので、バブルがはじけたことも理解できないわけです。これは仕方ないことです。私もバブルがはじけたとは認識できませんでした。3年くらい経ってから、ようやく39,000円が最高だったのだなと理解したのでした。かなり遅いですが。

 朝倉さんが言われるように、昨年に円相場も同じことが起きたようです。1971年のニクソンショックまでは1ドル360円の固定でしたが、その後はドンドン円高になり、2011年10月31日には75円まで行ったのです。たぶん朝倉さんが言われるように、2011年10月31日の75円が最高値だったのかも知れません。

 もし2011年10月31日の75円が最高で、後はUターンして落ちるとしたらどうでしょうか。朝倉さんの言われる通り今後はインフレ傾向になっていくはずです。既にガソリンが150円になってきてますので、誰もがちょっとだけ感じていると思います。

 しかし面白いことに、今後は、しばし景気が良くなってみんな喜ぶということです。

『これからしばらくはハッピーアワーです。円安万歳、デフレ脱却おめでとうで誰もが喜ぶ時です。株は上がり、円安で輸出産業は軒並み増額修正、トヨタなどは1円の円安で300億円の増益ですからこのままいけば大増益です。日本を代表する輸出産業は笑いが止まりません。待ちに待った円安です。95円くらいまでならね。』

 最後の「95円くらいまでならね」、というのが不気味ですね。100円、150円、200円、300円と円安は進むのでしょうか。200円になれば今の中国のように輸出は有利になります。海外に出ていった企業は戻って来るかも知れません。

 輸出には大きなメリットがありますが、輸入は逆にデメリットになるのは誰でも判ると思います。石油、天然ガス、小麦、大豆、綿花、コーヒー、材木、パルプなどの輸入品が軒並み値上がりするということになります。

 この朝倉さんの予測が正しいと思う方は、輸入品は今の内に買っておいた方がいいかもしれませんね。今はフランスワインも500円くらいのもありますね。これが3000円、5000円になるのでしょう。そういえば、昔高かったジョニ黒やホワイトホース、ワイルドターキー、フォアローゼスなども今は1000円か2000円くらいですよね。これが昔のように8000円になるのでしょうか。まあ、お酒は別にいいとして、3パック98円の納豆が300円になるかも知れません。小麦も90%以上輸入なので、1斤150円のパンが、450円くらいになってしまうということですね。そうなると、今は何とか暮らしていける年金生活者の方には、相当厳しい環境になる可能性があります。また、家畜の飼料もほとんど輸入ですから、100円のマックが300円になり、280円の吉野家が1000円になるかも知れません。収入の少ない者には大きな逆風が吹いてくることになります。(尤も日月神示に従い、五穀野菜の方は逆風は少ないですが)

 インフレ傾向になって一番問題なのは日本の財政です。金利が低い今でも1000兆円も借金があるのに、金利が5%になったら 1000兆円×5%=50兆円 を金利として支払う必要が出てきます。昨年の税収が42兆円ですから、借金の利子50兆円を払うこともできません。それではどうなるかというと、年間30兆円かかっている医療費を削減したり、公務員の給料を半分以下にしたりと、社会保証の質を落とさざるを得ません。住宅ローンも上がりますから、毎月7万円の支払いが10万円になるかも知れません。(住宅ローンは固定に変えておいた方がいいかも知れません。)金利が上がれば、国民の生活を直撃します。

 デフレの内に、トイレットペーパーや洗剤、ゴミ袋、水、米、缶詰、醤油、味噌、衣服、下着、靴下、靴、住宅、電気製品、ビール、ワイン、卓上コンロのボンベなど、保存ができて、いずれ使うものは買っておくのもいいかも知れません。

 そうはいっても、このような変化が来るとは考えないのが普通ですから、この記事を読んだとしても、右から左かも知れません。確かに23年もデフレの中に居ると、インフレになるとは考えられませんから仕方ないと思います。自分に影響が出ないと行動に移せないのが人間ですから。どう考え、どう行動するかは本人次第ですから、この世は面白いのです(笑)。インフレになってきてからでも、そう遅くはないのですが、皆が一斉に買出ししたりするので、混雑しますし、待たされたりするので、そういうのが嫌な方は、少しインフレ気味になってきたら、早めに手を打てばいいと思います。

 そういえば、2月に高円寺で高島ヤス先生と飲んだとき、近々日本が総ビンボーになるよと言ってたのを思い出しました。

 

 

・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

これからの日本の経済情勢と対処法(私見) 船井幸雄氏

2012-02-13 23:24:04 | 船井幸雄氏

 

<船井幸雄.comより転載>

------------------------------

 

2.これからの日本の経済情勢と対処法(私見)
(1)私は今年中に日本が、インフレ、国債暴落、金利高で悩むようになり、国家破綻につき進む可能性は非常に少ないと思っています。
(2)円高は進むでしょう。しかし日本経済にとっては円高になった方が絶対によいと思います。技術革新や海外投資も進むからです。
(3)デフレはストップするでしょう。しかし円高基調から考えてインフレでそんなに困ることはないと思います。
(4)多分、大きな人災、天災は今年、来年はないと思います。
(5)東北の復興特需は、それなりに日本経済をプラス面に向かせるでしょう。
(6) 政府(政治家と官僚)が、最低レベルなので、総選挙の結果がどうであれ、マイナス影響はあっても、政策的にはプラスにはならないでしょう。
(7)対処法は、
①日本株式で価格の割に配当のいい、安定している会社の株式を買うこと(これは多分安全なことです)。
②よい不動産を買うこと。
③財産の20%くらいは、キャッシュを持っておくことがやはりよいでしょう。
④国債依存や外債投資、為替は、素人は慎んだ方がよいでしょう。
⑤あとはたえず朝倉慶さんや増田俊男さんの意見を知っておいて、随時対応することです。

<転載終わり>

----------------------------------

 船井会長の2012年の予測を見ると、私見と言われていますが、インフレにはならず、デフレも脱却し、国債暴落や国家破綻はないと言われています。

 しかも、株を買え、不動産を買った方がいいとも言ってますので、結構景気のいい話しに聞こえます。

 これからは株があがり、不動産も上がると言われているのは、塚澤さんというアナリストですが、船井会長の予測は塚澤さんの影響があるように思いました。再来週船井メディアのYさんのご紹介で、塚澤さんと人形町のおでん屋で飲もうということになってます。

 塚澤さんは朝倉慶さんや副島隆彦さんとは逆で、金(キン)にはあまり期待しない方がいいと言われています。金よりも株と不動産を狙った方がいいと言われています。いまどき不動産を買えと言っている人は塚澤さんと船井会長しか知りません(他にもいるとは思いますが)。いずれにしても、大多数とは真逆の意見であることは確かです。もしこれが実現すれば、大穴が来ることになります。

 

・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大波乱の幕開け(最新著『もうこれは世界大恐慌』序章) 朝倉慶氏

2011-12-21 06:54:17 | 船井幸雄氏

<船井幸雄.comより転載>

------------------------------------

 

 

大波乱の幕開け(最新著『もうこれは世界大恐慌』序章)

 暴徒化したイラン民衆による英国大使館襲撃事件が予告するもの。
 「今回の一件は学生たちの自然な怒りの表れだ!」
 デモで暴徒化した民衆による英国大使館襲撃という重大事件に対して、イランのラリジャニ国会議長は擁護しました。2011年11月29日に事件は発生したわけですが、それに先立つ11月28日、イランの国家最高指導者ハメネイ師は、「英国はイランという国家を侮辱し、文化・文明遺産を破壊、資源を奪った歴史を持っている」と、植民地時代にまで話をぶり返して英国を激しく非難していたのです。まるでこの非難声明に応えるかのように翌29日、デモが発生、怒りの矛先は英国に向かっていきました。
 先導役はイランの指導体制に強い忠誠を誓う民兵組織「バシジ」。いつもは体制反対のデモが発生した時に警官隊と一緒に市民を弾圧する側に回る、まさに体制側の手足となって働く部隊です。イラン当局の発表では、英国大使館襲撃は予測不可能で抑えることはとてもできなかったというのです。英国大使館は言わばイランの中にあっても英国の領土と言える存在です。その国家主権を侵すような大事件に対して、このような言い訳が国際社会で通用するわけがありません。明らかにイラン側が意図的に襲撃を黙認した形を変えたイランの英国、並びに欧米に対しての恫喝とみられても仕方のないことでしょう。しかもイラン警察はこの英国大使館に乱入したかどで逮捕した学生たちをすでに釈放したというのです。
 英国のキャメロン首相は11月29日の事件発生を受けて「イランが英国政府の職員や資産を保護しなかったのは恥ずべきこと」と述べ、「数日内にしかるべき対抗策を講じる」と発言、イラン側に警告を発しました。翌30日、英国政府はイラン大使館を閉鎖して全大使館員のイランからの退去を決め、同時にロンドンにあるイラン大使館に即時の閉鎖を通告して全大使館員に48時間以内の国外退去を命じたのです。
 こうして英国とイランの関係は一触即発になってきたわけですが、この目まぐるしい急速な展開はなぜ発生したのでしょうか? 両者はなぜいきなりこのような緊張関係に陥ってしまったのでしょうか?

いよいよ切られたイランへの「切り札」
 禁じ手の「イラン中央銀行への制裁」という切り札を切った事件のきっかけは、11月8日に発表された国際原子力機関(IAEA)の報告書から始まりました。IAEAはイランの核開発について軍事目的であると強く示唆、これが米国をはじめとする欧米諸国のイラン制裁に繋がっていったのです。IAEAの天野之弥事務局長はイランが核兵器開発に向けて様々な実験を繰り返してきたと指摘し、イランが行った複数の活動は核兵器開発特有のものだと断じました。これに対してイラン当局は「報告書は政治的な動機に基づいている」とIAEAを非難したのです。
 中東諸国は従来からイスラエルの問題もあって絶えず欧米の国々、特に米国とは対立を繰り返しているわけですが、一方で石油をこの中東に依存している世界は、制裁という強いカードを思い切って使えないというジレンマを抱えてきました。しかし、今回イランの核開発も最終段階に入ったとみられ、何とかこの状況を打破したいという欧米をはじめ世界各国の緊急の命題があったわけです。
 一方でイランの核開発成功によって生存すら脅かされるイスラエルにとっては、極めて深刻な事態で、このイスラエルの出方とともに今回のIAEAの報告を受けた欧米諸国、とりわけ米国の出方が注目されていたのです。
 イランは数年にわたる欧米の制裁措置によって国内の経済活動は疲弊し、原油は採れても精製施設のないイランではガソリンが高いという悲劇的な状況となっていました。一向に改善しない経済に対して、イラン国内でも保守派、改革派双方の非難合戦と相まって政治も経済も混乱状態に陥っていたのです。欧米は、イランの核開発を断念させようと、様々な圧力や制裁の繰り返しを数年にわたって行ってきたわけですが、イラン国内では欧米の制裁に反発、かえって保守化していったのです。国内の状況が厳しくなればなるほど、強硬意見の勢いが増してくるのは世論の当然の流れで、いまやイランの核開発を止めるということは、イランの国内事情を考えれば不可能という当然の結論をみるに至っているわけです。
 このような保守・強硬路線に傾いているイランに対していかなる制裁が可能か? ということですが、実は軍事行動ということでなく、米国は切り札を持っているのです。
 その切り札とは何か? それはイランの中央銀行を制裁対象にするということなのです。世界ではドルの凋落が言われていますが、それでもいまだにドル体制です。石油の決済はほとんどドルで行われているのが現状で、この世界のドル流通のシステムによって石油代金が滞りなく決済されていくわけです。仮に米国がイランの中央銀行を制裁対象にすればイランは国際的な金融システムから孤立、貿易の決済が不可能な状況に陥ってしまいます。そうなれば日本も含めて世界各国はイランからの石油調達ができなくなるのです。イランにとって国内の経済が危機的な時に石油という収益源を失えば、イランは資金や貿易に行き詰まり、ひいてはイランという国家の崩壊に陥っていくのは必至なのです。
 米国もイランも、いままで口ではお互いを罵る強い非難合戦を繰り返してきたわけですが、この最後の一線である「イラン中央銀行への制裁」というカードは決して切ることはなかったのです。仮にこのカードを切れば、米国とイランの対立は決定的となって最終的には軍事対立を含む「崩壊への序曲」となっていくからです。
 ところが今回いよいよ米国はこのカードを切り、イランとの全面対立を辞さないという覚悟を決めたようです。その先鋭部隊となったのが英国です。

 指摘してきたように中央銀行への制裁は「禁じ手」で、絶対に触れてはならないものなのです。我々の人間関係、友人との関係や会社での振る舞い、夫婦との会話などでもそうですが、ある一線を越えるような行動や言葉、態度はこれらの人間関係を一瞬にして破壊させます。一度言ったら戻れないということがあるのです。これは誰もが日々の生活の中で感じわかっていることです。
 ところが今回、英国はイランに対してIAEAの報告を受けてこの一線を越える「中央銀行への制裁」というカードを切ったわけです。英国は米国とは違いますからこの決定がイランに壊滅的な打撃を与えるわけではありません。しかし「禁じ手」を使った英国に対して、イランは我慢できるはずがないのです。イランを破綻に追い込む、実質宣戦布告のような制裁に黙っていられるはずがありません。ですからイランは暴走を始めました。追い込まれたネズミが猫を噛むようについに暴発したのです。
 イスラエルがイランで戦端を開いたとたんに世界は一変する

 英国はなぜこのカードを切ったのか? 英国の一存でこのカードを切ったのでしょうか? そんなわけはありません! すべては米国の差し金によって、シナリオ通りに動き始めただけと思えばいいでしょう。このイランの中央銀行に対しての制裁というカードを切ればお互いが抜き差しのならない対立に向かうだけなのです。ですから今回、米国は直接このカードを切ることはなかった。しかし最大限の挑発を試みたのです。イランを追い込み、イランを暴発させるための仕掛けを作り、ついにイランは、そのシナリオにはまって動き始めました。背後に、イランをここで潰さなくてはならないイスラエルの意志が働いているのは明白です。イランが核開発に成功して、核弾頭がミサイルに搭載されたらイスラエルという国家はお終いです。そうなればイスラエルはその生存権をイランに握られると言ってよく、いままでとは全く違う局面が出現することになるのです。これはイスラエルにとっては耐えがたいことです。我々日本人にはピンときませんが、ユダヤの民はあのホロコーストの歴史を持っています。自分たちの命は自分たちの力で守っていくしかないのです。それができなければどのような悲劇が生じても仕方がないということを身をもって感じているのです。
 日本が米国の属国と言われながらも米国に本当の意味で逆らうことができないのは、日本が広島、長崎の原爆投下を含め悲劇的な敗戦に至った過去を有しているからです。米国を敵に回すとどのような未来が訪れるのか、我々日本人は感覚的にわかっていて、ここには触らないのです。そこには日本および日本人の生存をかけた根本的な問題があるからなのです。これと同じことで、イスラエルにとってはこのイランの核開発を許すわけにはいかないという絶対的な命題が存在しているのです。その信念は我々の想像を大きく超えるものでしょう。
 現在イスラエルからイランへの空爆は絶えずシミュレーションされているに違いなく、この中東地域ではこれから何が起こってもおかしくはないのです。そして米国はついに、イスラエルの意図をくんでイランとの全面対決に動き出した可能性が高いのです。
 ではその時に世界はどうなるのか? 日本はどうなるのか? ここもはっきりとシミュレーションされていることでしょう。そして昨今の世界で起きている動き、並びにマスコミ報道を追っていくと、いよいよ大変なクライマックスが待っていると思った方がいいのです。そのクライマックスを演じる最大の役者は日本、実は我々日本人なのです!

これから始まる国家破綻レースの一番手は日本
 なぜ日本なのか? 仮にイスラエルがイランを攻撃、ないしはこのまま欧米とイランの関係が抜き差しならないところに来て、軍事行動を含む対立に発展すればどうなるでしょうか。まず誰でもわかることは、原油の大暴騰です。現在1バーレル100ドル近辺の値段は一気に200ドル以上に暴騰するでしょう。その後、何が起こるのか? 不況下の大インフレです。特に中東の石油に依存している日本にとっては石油価格の暴騰、並びに供給不足は大打撃になるに違いありません。そして世界にも万遍なくインフレの波が襲ってくるのです。インフレとなれば、金利は上がらざるを得なくなります。現在、景気後退懸念で政策的に低下させている金利ですが、このような低金利が続けられると思いますか?
 1973年の石油ショックで、石油価格が一気に4倍になり、日本全体は大混乱に陥りました。その時は狂乱物価となって日本中がパニックに襲われたのです。仮にイランで火がついて原油が2倍以上の価格となったら、どのような状態になるか? 物の値段はどうなるのでしょうか?
 12月1日、米国のコーエン財務次官は米上院外交委員会の公聴会で証言し、日本や欧州など緊密な同盟国に対して、イラン制裁の一環としてイラン産原油の輸入削減を求めてきたのです。米議会の場で同調を求めるという極めて異例な要請の仕方です。おそらく米国の世論をも巻き込もうとする強い意志を感じます。
 日本は石油輸入の10%をイランに頼ってきました。しかし日本政府は、今回の米国の要求を断るわけにはいかないでしょう。東日本大震災の後、日本では原子力発電所が次々とストップ、原発の再稼働ができない状態です。当然電力の供給は火力に頼っていくわけです。日本エネルギー研究所によれば、このまま原発の再稼働がなければ、必要となる原油量は2012年に4096万バーレルになると言われています。これは2009年度に比べて3倍の量です。ただでさえ、これほど石油不足となっているのにイランの原油が止められようとしているのです。
 そして現在、世界中で怒濤のようにマネーが印刷され続けています。欧州を発火点として国債の危機、ソブリン危機が叫ばれています。このような袋小路に陥った世界に、一方で世界最大の火薬庫と言われる中東に火が付いたら……。そうなったら世界各国の金利はどうなりますか?
 疑問の余地はないでしょう。全世界で万遍なく金利が急騰します。例外はありません!
 いま問題になっているイタリア国債10年物などは、現状でも危険水域の7%を超えてきていますが、それどころか10%を超える金利となっていくでしょう。フランスやドイツの国債もその動きに追随していくことでしょう。もちろん米国債も現在のような2%というわけにはいきません。4%、5%、場合によっては10%と金利が駆け上がっていくことでしょう。日本はどうなるのでしょうか? いま1%近辺の10年物国債の金利は3%に上昇ですか? 5%までいきますか? そのように世界中に金利高が波及した時、世界中で一番苦しい国はどこでしょうか? 世界中で一番金融が危なくなる国はどこですか?
 日本に決まっています!
 世界の流れに乗って、石油価格暴騰の波を受け、金利が5%に上昇する。その世界はどういう世界ですか? 日本国は1,000兆円も借金があって、税収は38兆円です。金利が5%になれば、金利支払いだけで50兆円。まさに日本の国家財政は間違いなく、算数ができる小学生から大人まで誰が見ても日本は国家破綻です!
 これこそが、現在進んでいるシナリオなのです! ユーロ危機が叫ばれ、この本(『もうこれは世界大恐慌』(徳間書店刊)でも書いていきますが、このユーロの崩壊は避けることはできない。そうなれば世界経済を崩壊させた立役者はユーロで、まさに欧州が世界を破綻に導いたということになります。しかし欧米というところは非常にしぶとい。なぜかというと、現在の世界の金融を牛耳っているのはまさにIMF(国際通貨基金)、世界銀行、バーゼル銀行監督委員会、そして米国のFRB(連邦準備制度理事会)だからです。欧米そのものが世界の金融を支配しているのです。彼らが自らの手で、もうどうにもならない世界経済崩壊の引き金を引くと思いますか? それともその悲劇的な役者を日本に巧みに肩代わりさせますか?
 微妙なシナリオが動き始めています。IMFがここにきて「日本の債務は持続不能である」とレポートしてきました。ヘッジファンドのヘイマン・キャピタルのカイル・バスが顧客に送った手紙がいま話題になってきています。「今後数ヵ月以内に、日本国債が危機に陥る可能性がある」と。そして多くのヘッジファンドは日本が破綻したら大儲けができる金融商品、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ=倒産保険)を買い漁っているのです。
 世界経済の崩壊、そして日本という国家の存亡の危機が間近に迫ってきています。ところが日本では「消費税を上げる、いや、阻止する」などという涼しい議論に、国会や政治家は夢中で、まるで彼らは「おとぎの国」の中で生きているようです。いよいよ2012年は、待ったなし。日本が先か? ユーロが先か? 世界経済を崩壊させる真打ちの出番、日米欧を巻き込んだ国家破綻一番乗りへのレースが始まるのです!

 <転載終わり>

---------------------------------

  朝倉慶氏は一貫して金利の暴騰を予測しています。イランの問題から石油が高騰し、それに伴い金利が上がってくると言われています。確かに日本の国債の金利は約1%ですから、日本の予算は組み立てられますが、もし金利が5%になったら、日本の国債1000兆円の5%の50兆円を金利で支払わなければなりません。税収が約40兆円ですから、10兆円マイナスとなります。これでは国家が破綻となります。

 金利が上がるとご存知の通り、住宅ローンなどの長期金利が上がってきます。日本も20年前は住宅ローンの金利は6%以上でしたから、1000万円借りている人の利息は60万円となります。私はまだ住宅ローンが残っているので、昨年、変動型を固定に変えておきました。先週副島隆彦氏の新刊「金・ドル体制の終わり」を読みましたが、副島氏は2、3年後には日本の金利は4~5%まで上がると言われていました。20年間日本の金利は1%でしたので、金利が上がるとはあまり想像できませんが、20年前は6%だったわけですので、日本の金利が上がらないという保証はありません。万が一金利が上がっても大丈夫なように、今から対策を考えておくとよいと思います。

 *ひふみ赤城農園から歩いて7分のところに、ひふみ農園オーナーズクラブの会員さんのご厚意で住宅を借りることができました。農園のAさんやSさんは先週から引越しをしていまして、昨日ほぼ終わりました。6部屋もありますので、今後はオーナーさんが泊まることもできます。今までの宿泊施設は車で15分くらいかかったので、あまりオーナーさんは泊まりませんでしたが、今度は徒歩7分ですので、泊りがけで農作業をすることができます。そこで引越し祝い&忘年会&クリスマス会を23日の昼から、新居で行うことになりました。採れたてのひふみ野菜を使った鍋にしたいと思ってます。ブロッコリーは塩茹でして、そのままでもとても美味しいですし、さつまいもも甘いので女性は喜ぶ思います。激動の2011年を振り返りながら、辰年の2012年の抱負を語り合いたいと思います。来年をどうするかは自分次第です。私としては草木、虫けら、四つ足と共に歌う世の中に一歩でも近づけたいと思っています。そして、自分自身が楽しく、充実した日々が送れればいいと思います。明日楽しいのではなく、今が楽しく充実できれば最高です。100%は無理としても50%くらいできればいいかなと思っています。そしてたまに100%。来年は経済的に激動な年になるように思いますので、心の準備はしたいと思います。心が明るければ何とかなると思います。心配ご無用ですね。

 

  

・船井幸雄.com


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする