反原発集会に6万人集結:国民の危機感が高まっている証拠か
1.反原発集会に6万人も集結
本ブログ前号(注1)にて、国民のマスコミ不信問題を取り上げました。この問題は今後も尾を引く兆しがあります。それは、2011年9月19日に東京・明治公園にて行われた反原発集会になんと6万人も国民が集まった事実に関するマスコミの報道姿勢に見られます。
テレビニュースや新聞は一応、報道していますが、その扱いは非常に小さいものです、できれば報道したくないという姿勢がミエミエです。その中で、英字新聞のジャパンタイムズ紙2011年9月20日号のトップに掲載された集会の航空写真には驚きました。ものすごい数の人が集まったことがわかります。このところメーデーなども盛り上がりがなくなっている中で、マスコミの応援なしに、これほどの人を集める集会は非常に珍しいと思います。
この集会はノーベル賞受賞の大江健三郎氏などの立ち上げた『さよなら原発1000万人アクション』(注2)の主催したものです。
この集会主催者の事務局は御茶ノ水の総評会館にありますから、原水禁(注3)系の団体のようです。つまり旧日本社会党系団体です。
原水禁は、日本における原爆反対勢力の中核で、当然、原発や核燃サイクルにも反対であり、悪名高い日本の原発マフィア(産官学の原発推進派および政官財の原発利権者)の天敵です。
原発推進派の学会である日本原子力学会も9月19日に、北九州市にて3.11事件後初めての全国大会を開いています。マスコミの扱いは、上記、反原発集会より、原子力学会の扱いの方が大きいという印象でした。
2.マスコミが無視したにもかかわらず、反原発集会に6万人も集まったのは驚異
上記、9.19反原発集会の特徴は、マスコミの協力なしに6万人も動員した事実にあります。恒例のメーデー4万人台の動員数を上回るほどです。メーデーの場合、全国の官民労組活動家が動員されますが、今回の反原発集会に集結した国民は自発的参加だと思われます。この日は三連休の最終日だったにもかかわらず、遊びより、集会参加を優先した人たちがこれほど多いとは、何か大きな国民意識の変化を感じます。
いずれにしても、国民の原発マフィアへの怒りがいかに大きいかを物語っています。
東電を筆頭に原発推進関係者は国民の怒りがいかに大きいか、肝に銘じるべきです。
3.新安保時代が再来するのか
上記、9.19反原発集会の大盛況から思い出されるのが、現在より半世紀前の60年代の安保闘争時代です。
今回の集会を主導した大江健三郎氏は紛れも無く、安保世代の人物です。同氏は9.11集会の壇上に立って、50年前の記憶が蘇ったはずです。
今、若者中心に60年代と同じような危機感が芽生えているような気がします。
60年代安保世代の危機感とは、簡単に言えば、当時の岸信介・自民党政権が日米安保条約締結を強行し、日本が米国の属国となって再び戦争に巻き込まれるのではないかという危機感でした。安保世代は、50年代、在日米軍が朝鮮戦争を始めたのを見ていますから、その危機感は切実だったのです。
当時の若者は、現在と大きく違って、極めて反米的であり、在日米軍を敵視していました。当時の若者の勘に狂いはなかったのです。彼らの危惧したとおり、50年後の現代日本は、日米安保条約に縛られ、米国の属国に堕しています。当時の若者が口にしていた米帝(米国帝国主義)という対米観は、本ブログにおける米国覇権=米国戦争屋という対米観に近いものです。
なお、上記、米国戦争屋およびそのロボット・悪徳ペンタゴン日本人の定義は、本ブログのNo.225の注記をご覧ください。
4.安保世代以降の日本人は米国に懐柔された
戦後日本を支配する米国戦争屋ジャパンハンドラーのすごいところは、60年代安保世代の過激な反米運動を観て、日本国民を露骨に弾圧せず、巧妙な懐柔策を採った点です。その結果、日本国民の反米感情が緩和されたのみならず、大量の悪徳ペンタゴン日本人(親米日本人、厳密には米戦争屋ジャパンハンドラーに操られる日本人)が発生しました。
米戦争屋は、属国日本に在日米軍を配置する関係で、日本列島に同居する反米日本人による対米テロ攻撃を嫌った結果、日本人への懐柔策(ソフトパワーの適用)が採られたのです。
5.近年、米国戦争屋の対日懐柔策への反動が出始めた
米戦争屋ジャパンハンドラーは、2001年に極め付きの対米隷属・小泉政権誕生に成功し、以来、米戦争屋の対日介入が露骨になっています。しかしながら、その反動にて、2009年、政権交代が起きてしまいました。そして、小沢・鳩山政権というアンチ米戦争屋政権が誕生したため、あせった米戦争屋は悪徳ペンタゴン日本人を総動員して、小沢・鳩山政権を潰すと同時に、ジャパンハンドリングを一層強化してきました。その結果、米国ジャパンハンドラーに操られる悪徳ペンタゴン日本人の反国民的行動が際立つようになってきました。
とりわけ、悪徳ペンタゴン検察とマスコミによる小沢・鳩山コンビの追い落としは露骨で異様であったわけです。そして異様に執拗な小沢失脚工作を通じて、政官財とマスコミに蔓延する悪徳ペンタゴン日本人がその正体を国民に見せつけたわけです。
そこに3.11原発事故が発生、有事対応を通じて、米戦争屋の威を借りる悪徳ペンタゴン日本人エリートの反国民的行動が国民の目に余るようになったのです。
3.11原発事故が起きた後、国民は、日本における原発マフィアの存在に気付いており、彼らからとんでもない目に遭わされたと感じています。そして、この国民の敵・原発マフィアと露骨な小沢失脚工作で正体を見せた悪徳ペンタゴン日本人が同じ穴のムジナ、すなわち、両者、国民の敵であると認識し始めているのです。
6.原発事故を契機に、国民意識に変化の兆し
9.19反原発集会の盛り上がりから、国民意識の変化の兆しを見ることができます。
これまで政治に関心の薄かった国民が、ネットで情報を得るようになり、まず、マスコミの偏向と異変に気づいたわけです。次に国家が危機に瀕しているのに、政治家も官僚も国民の方を向いていないことに気付いています。そして、国民の選んだ政治家は期待に反して自己保身に汲々としており、官僚とマスコミに翻弄されていることにも気付いています。
このまま、政治を彼らに任せたら、とんでもないことになりそうだと気付き始めています。
三連休にも浮かれず、9.19集会に6万人も集まったのは国民の危機感が高まっている証拠です。
注1:本ブログ No.450『フジテレビ抗議デモ:韓流偏向に留まらず、国民のマスコミ不信の爆発とみなせる』2011年9月19日
注2:さよなら原発1000万人アクション
注3:原水爆禁止日本国民会議、ウィキペディア参照
<転載終わり>
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9月19日の脱原発集会に6万人もの人が集まったのには驚きましたが、テレビや新聞でほとんど報道されないことの方がもっと驚きました。マスコミや国、原子力村の人間にとって、余程このデモが迷惑だということが判ります。せっかく原発という金の成る木を育てたのに、福島原発事故くらいで廃棄にされてたまるか、ということでしょうね。あと3年も経てば、忘れやすい日本人は忘却の彼方だろうから、今は神妙にしていよう、というところだと思います。このままだと、彼らの思惑通りになると思います。
原子力村や国としても、このように6万人も集まる大規模なデモが頻発する状況は、とても厄介なことだと感じていると思います。確かに60年安保や70年安保闘争は、国の方向性に大きな影響を与えたので、今回のような脱原発デモがそのように成長することを危惧しているはずです。
9月6日、7日と中矢代表と共に福島各地の線量を計測しましたが、いくつかのことが判りました。先ず、福島に誰も来ないということです。磐梯熱海温泉に泊まったのですが、旅館には私たちしか泊まっていませんでした。また、郡山市から田村市を通って、葛尾町、浪江町まで行きましたが、すれ違う車も少なく、休業している飲食店も多かったです。昼食を摂ろうということで、お店を探したのですが、地元の蕎麦屋や郷土料理などが全くありませんでした。30Km走っても地元の料理を提供する店が見つからず、仕方が無いので「かっぱ寿司」に入ることになりました。これには参りました。まさか福島まで来て、東京や埼玉のチェーン店で昼食を摂ることになるとは思ってもみませんでした。寿司自体は悪くなかったですが、福島名物を食べる予定でしたので、ちょっと期待外れでした。
次に原発から半径20Km~30Kmの田んぼや畑では、作付けを行っていないため、草ぼうぼうになってました。たとえ米や野菜を作ったとしても、福島産=放射能汚染ということで
買い手がいないということで、作っていないと思います。米や野菜を栽培している農家もいましたが、少数でした。
三番目に、福島県は全て放射能汚染されていると思っている方が多いと思いますが、実際に福島に行って、各地をガイガーカウンターで計測してみると、全然違っていることが判ります。原発20Km地点では、空中で最高が2.5μSvくらいでした。4月に浪江町の同じ場所で計測した時には、6.75μSvでしたので、かなり下がっていることが判ります。この件に関して、高島ヤス先生は海に放射性物質を流し続けているため、空気中は軽減されていると言われていました。多分海に流しているということと、「特攻隊」と呼ばれる原発の最前線で作業をしている人たちの懸命な努力のお陰で、改善されたと考えられると思います。
確かに原発から20Km地点は2.5μSvありましたが、25Km地点 では0.3μSvくらいですので、かなり低い数字になりました。30km地点では0.1~0.15μSvでしたので、東京と変わらない数字でした。このように、原発から30km離れていれば、東京や埼玉と同じということです。福島県全てが汚染されているわけではなく、汚染されていない地域の方がずっと多いというのが、真実です。30km離れた地点では、地表でも0.1~0.15μSvですので、東京と全く同じということが判りました。ただ、浪江町のホットスポットでは、1ヵ所だけ地表で27μSvを計測しました。空中は2.5μSvでした。
このように、福島県は安全な地域が相当多いですので、福島が全て放射線で汚染された死の町ではないということです。毎年、健康診断や人間ドックで、平気で胸部レントゲン写真を撮っているなら、一度福島に来て、各地を計測して欲しいと思います。そして地元の人に鼻血が出ている子供がいるか聞いて欲しいと思います。JTBや近畿日本ツーリストなどの旅行代理店は、福島のツアーは一切組んでいないとのことです。旅館やホテル、飲食店などは次々に倒産しているそうです。政府の保障については話しも進んでいません。これでは経営は続けることはできません。真実を追究する人が最近は多くなっています。自分が真実や真理の探究を目指すのであれば、一度福島に行って、現地を見て欲しいと思います。それが一番の支援だと私は思います。原発20Km地点の機動隊のバリケードから300mくらいの至近距離に、「副島隆彦学問道場」の施設がありました。副島さんは原発推進派だとか言われていますが、とにかく至近距離に施設を構えるということは、誰でもできることではないと思います。
そもそも低線量被爆は健康に害があるかどうかの理論自体が、立証されているわけではなく、あくまで仮説です。害があるかも知れないし、害などないかも知れないというのが現状です。これが根本的な問題ですので、今後は多方面から検討されるべきだと思います。