日月神示の研究と実践

日月神示を中心に、神道、密教などを研究、実践するブログです。農薬不使用栽培などについても述べたいと思います。

「腐らない農産物の正体」 感謝の心を育むにはより転載

2011-12-01 21:20:28 | 農業

<感謝の心を育むにはより転載>

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『安心基盤をつくっていくには?』:「食」への期待2~腐らない農産物の正体~

前回の記事『「食」への期待1~食卓に迫る放射能の危機~』では、福島原発から漏れ出す放射性物質によって水産物と畜産物の汚染が進んでいる状況と、それによるリスクを明らかにしました。


今回は、野菜・果物に残留する農薬がどの様に使われているのか?また、それによるリスクについて考えていきたいと思います。


日本では、どこのスーパーに行っても、新鮮な野菜や果物がところ狭しと陳列されています。これらの農産物は、国内各地はもとより、海の彼方からも「見た目がきれいで新鮮な状態」で運ばれてきます。それを可能にしているのが、病害虫や雑草を取り除く化学薬品=農薬であることは広く知られています。


遺伝子組み換え作物の登場や、中国産の野菜から日本国内で禁止されている農薬が検出された事件などがあり、輸入農産物への不安が高まっているところに、国内では原発事故による放射能汚染が重なり、食材の安全に対する意識は一般的にも高まっています。


自分や家族の身を守ろうとする意識から、食材を購入する場合には、必ず農産物の産地を確認して輸入品よりは国産品を選んで購入する人も多いのではないでしょうか?


しかし、自分で産地表示の確認を徹底しても、普通に生活していれば外食する機会もあり、輸入農産物を全く口にしないで暮らすことは不可能だと言ってもいいでしょう。食糧を安定的にかつ安値で供給し続けるために、外国産の食材を大量に輸入し続けている日本の現実が、大きく変わる兆しも今のところありません。


また、一般的には「国内産は外国産よりも安全」という認識をしていますが、実際に農薬がどう使われているのかを、ほとんど知らないのが実態です。そこで、農薬がどの程度まで残留しているのか、国産と輸入品それぞれの農薬使用の実態や規制のあり方を押さえていきたいと思います。


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◆日本国内での残留農薬の実態・規制はどうなっているのか?


現在、日本で使用が認められている農薬は、化学物質の種類でいうと約380種類ほどあります。現在、使われているこれらの農薬は、次の3つの条件を満たさなければなりません。


1) 人間に対する急性毒性が低いこと。
2) 環境中で分解されやすいこと。
3) 目的とする病害虫や雑草の駆除には役立つが、その周辺にいる生物にできるだけ影響を与えないこと。


日本では残留農薬や食品添加物などの安全基準を、「食品安全委員会」(2003年、「食品安全基本法」により内閣府に設置)が、「急性、亜急性、慢性、発がん性、催奇形性、繁殖」などの各種安全性試験の結果を判断して、薬品が有害な作用を及ぼさないない量(無毒性量)を評価し、さらに安全係数を考慮して決めています。


大よそ、以下の方法で規制値が求められています。

 


 


まず、マウス(ハツカネズミ:小型のネズミ)、ラット(ドブネズミ:大型のネズミ)、ウサギ、イヌなど複数の動物で実験を行ない、得られたデータの中で最も低い値を、「無毒性量(NOAEL)」として選びます。その後、「無毒性量」を「実験動物と人間との種の違いを考慮した10倍」と、「身長・体重などの人間の個体差を考慮した10倍」を掛け合わせた安全係数「100」(実験データの質が十分ではない場合、安全係数に500倍などの数値を用いる)で割って「1日許容摂取量(ADI)」を定めます。これは、「人が生涯毎日摂取し続けても健康への悪影響がない値」とされています。


ある農薬のADIが0.1mg/kg/日であるとは、体重50kgの人が1日当たりその農薬を5mgずつ生涯にわたって摂取し続けたとしても、安全上問題がないということを意味します。


厚生労働省は、14種類の食品群(穀類、魚介類、肉類と卵類、飲料水など)から代表的な食品を複数選んで市場から購入し、調理をしてから残留農薬の分析を行なっています。実際に農薬が検出された食品群では、分析結果にその食品群の平均的な1日当たりの消費量を乗じて、その食品群での調査対象農薬の1日摂取量を求める「一日摂取量調査」を行なっています。これをADIと比較して安全性に問題がないかの評価をしています。

 


 


1991年度から2004年度までの13年間の調査結果をとりまとめると、これまでに分析対象となった農薬成分と類縁化合物(分解物など)の数は延べ216種類(登録を失効したDDT等を含む)になります。そのうち、これまでに一度は検出されたことのある農薬および類縁化合物は上の表に載っている30種類です。表の対ADI比に示された数字を拾うと、28種類については10%未満で、さらにそのうち13成分は1%未満と低い値でした。


このように、現在の日本の残留農薬の規制値は、かなり安全側で設定されており、その結果、国内の農産物から摂取する残留農薬の量は、低く抑えられているようです。この調査結果を見る限りは、残留農薬の影響を心配する必要はないようにも思えます。


しかし、調査対象の農薬の種類やサンプリングする食品の数には限界があるので、調査・分析の方法が変われば結果は変動します。そもそも、あくまで安全性を評価する基準は、現在の残留農薬の規制値であり、今後基準そのものが変わる可能性もあるので、完全に安心と言い切ることはできません。


また、小麦や大豆、柑橘類などの果物のほとんどは、海外からの輸入に依存しています。輸入される農産物の農薬使用の実態はどうなっているのでしょうか?


◆日本と海外との農薬規制の違い


日本で禁止されている種類の農薬でも、海外では使用が認められていたり、同じ種類の農薬であっても残留基準値が異なる場合もあります。


日本の基準を超えた残留農薬は水際でチェックされるから、高度に汚染された農産物は入ってこないはずです。輸入農産物の検査体制は下図のようになっていますが、様々な抜け道があることが指摘されています。

 


 


例として、年間4500t余り輸入されているイチゴの検査体制を見てみます。輸入先は95%がアメリカのカリフォルニアです。


日本でイチゴに設定されている規制農薬は下の表にある14農薬です。これに対してアメリカが収穫後のイチゴに使用を許可している農薬は5種類で、日本でチェックしている14農薬と一つも重なっていません

 

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たとえば「キャプタン」は、発ガン性が認められている農薬ですが、この「キャプタン」が高濃度に残留していたとしても、日本の検査でひっかかることはないことになります。これはイチゴだけの例ではなく、じゃがいも、ニンジン、タマネギ、カボチャ、大豆なども同様です。


以上のような検査体制を経て日本に入った輸入イチゴには、驚くほど長持ちするものがあります。冷蔵庫に入れた輸入イチゴは3週間たってもカビがまったく発生せず、1ヶ月たっても元通りの色つやを保っているとのことです。このイチゴからは0・9ppmの「キャプタン」が検出されており、異常に長持ちしたのは殺菌剤「キャプタン」のせいだと推察されます。


アメリカのポストハーベスト農薬に対する許容基準を調べてみると、日本と比べて非常に甘い点が問題となってきます。例えば、殺虫剤の「レルダン」の米への許容基準はアメリカでは6ppm、日本の登録保留基準は0・1ppmで、けたが違います。


登録保留基準とは、国内産農産物をチェックする場合に適用される基準なので、輸入農産物の検査には用いられないのです。日本とアメリカの許容値に最も差があるのが、じゃがいもの発芽防止剤「クロルIPC」で約1000倍。10倍以上違う農薬は7種類あり、それらが使用されている農作物は小麦、とうもろこし、さくらんぼ、セロリ、レタス、柑橘類など30種に及んでいます。


◆農薬を使用するタイミングによる残留濃度の違い


農薬を使用するタイミングは、収穫前=栽培の時点と、収穫後=輸送の時点の2つに大きく分かれます。


農産物を収穫する前、つまり栽培中に農薬を使用することを「プレハーベスト」と呼びます。これは、雑草や害虫の駆除を目的に、除草剤や殺虫剤を畑で散布する使用法で、私達が持っている一般的な農薬使用のイメージと合致します。


また、収穫後の農産物に直接農薬を散布することを「ポストハーベスト」と呼びます。これは、栽培中に農薬を使用する「プレハーベスト」に比べて残留する農薬の濃度が高くなるため、日本国内での使用は原則として禁止されています。


しかし、これはあくまで日本国内で作られる農作物の場合に限られます。海外から日本へ輸入される農作物には、例外規定が存在しており、輸入農産物のポストハーベストは、「食品添加物」として使用が認められているのです。長期間・長距離の輸送にも関わらず、商品価値を維持するためには、収穫後の薬品使用が不可欠だからです。


◆ポストハーベストの実態


ポストハーベストは、栽培中に使うものより数倍~数百倍高い濃度で農作物に直接ふりかけたり、農作物を薬液に漬けたりして使います。このため、もともとの付着濃度が高いうえ、太陽光線で分解されることもなく、栽培中に使う農薬よりも残留濃度がずっと高くなります


ポストハーベスト農薬の防かび剤「ジフェニール(DP)」「イマザリル」「OPP」「TBZ」は表示の義務があるので分かりますが、防かび剤以外のポストハーベスト農薬(殺虫剤など)については、使われていても表示されません。これらのポストハーベスト農薬のうち国内で使用が禁止されているものが検査で見つかったり、残留基準違反のものが見つかったりする場合があります。


海外から輸入される農産物のポストハーベストの実態を、いくつかの実例で見てみましょう。

 


 


輸入品には米国産が多いオレンジですが、米国でのオレンジの収穫後の処理工程は以下のようなものです。


処理場に入ったオレンジはまずブラシをかけられます。ここで、外皮の表面にある茶色のかさぶたなどが削り取られてきれいな色になります。しかし、外皮の表面は傷だらけになり、細胞膜が破れるので、このままではすぐにかびが生えてしまいます。そこで、まず殺菌剤をスプレーします。


次に、白かびを防ぐため、発がん性のある防かび剤「OPP(オルトフェニルフェノール)」が入ったワックスをかけ、さらに緑かびを防ぐために催奇形性のある防かび剤「TBZ(チアベンダゾール)」や発がん性のある防かび剤「イマザリル」をスプレーします。


こうしてオレンジの表面はピカピカ光ってきれいに見えますが、農薬入りワックスが光っているだけです。オレンジの皮にかびが生えないのは、かびが生えないほど強い毒物が塗られているからなのです。


次にレモンの処理工程です。処理場に運び込まれたレモンはまず「塩素剤」のプールに漬けられます。引き上げられると、「アルカリ剤」で洗われ、さらに殺菌作用のある「2.4-D」をスプレーしてから、冷蔵倉庫に入れられます。2.4-Dはベトナム戦争で用いられた枯葉剤の主成分で、発がん性があります。さらに出荷時には、発がん性防かび剤の「OPP」、催奇形性のある防かび剤「TBZ」をかけます。


埼玉県の実験(00年~01年)では、輸入レモンやオレンジをナイロンたわしで30秒間こすって流水で洗い流しても、防かび剤が25~90%残りました。農薬別の除去率はイマザリルとOPPが約30%、TBZは約65%にとどまりました。


また、レモン片を飲料に入れる場合の農薬溶出量を知るため、熱湯に輪切りレモンを入れて1分間置いたところ、イマザリルとOPPは約40%が、TBZは約60%が溶出しました。


さらに、輸入農産物と一緒に入ってきた害虫を殺虫するために、くん蒸という形で、農薬がかけられています。これは、密閉した室内でガス状くん蒸剤やくん煙剤を充満させ一定期間放置しておくというものです。


くん蒸に頻繁に用いられる薬剤の臭化メチルは、アメリカEPA環境保護機関やオランダ政府から、“発ガン性の疑いがある”との研究報告が出されています。この劇物に指定されている臭化メチルの毒性はかなり強く、中毒症状としては悪心、嘔吐、酩酊状態、めまい、頭痛、上気道の刺激、灼熱感、肺水腫、呼吸困難、喀痰、チアノーゼ、眼球震盪、散瞳、四肢けいれん、麻痺、狂燥状態、ショックなどがあります。また常温で気体の化合物であるので、くん蒸に当たっては、写真のようにガスマスク着用ということになります。

 

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日本では、収穫後の農産物への農薬使用はほとんどないので、1974年に米国から輸入されたかんきつ類からOPPとTBZが検出されると、当時の厚生省は違法添加物として摘発しました。ところが、ポストハーベスト無しでは農産物の輸入は成り立たないため、政府は後に米国の要求を受け入れ、77年にOPPを、78年にTBZを、それぞれ「食品添加物」として許可したのです。


つまり、日本国内でどれだけ規制を強めても、輸入品からは禁止薬品が残留した農産物がいくらでも流入しうるのが現状であるといえます。


◆TPP参加による影響は?


野田首相が交渉への参加を表明したTPP(環太平洋経済連携協定)については、「関税が撤廃されることで日本の農業が大打撃を受ける」との反対意見と、「製造業の輸出が増やすためには参加が必要だ」という賛成意見との、二項対立的な議論ばかりがマスコミでは取り上げられています。


しかし、TPPが締結されることによる影響は、単に農業が打撃を受けるだけには止まりません。


TPPには、「2015年までに農産物、工業製品、サービスなど、全ての商品について、例外なしに関税その他の貿易障壁を撤廃する」ことが定められています。つまり、関税だけではなく貿易の障壁となる日本の法律・制度の一切が取り除かれてしまいかねないのです。(たとえば日本の国民皆保険制度は、アメリカの保険会社にとって商売の邪魔でしかない)


TPPを締結することで、狂牛病の月齢制限の撤廃、遺伝子組み換え作物・ポストハーベストの規制撤廃、日本で禁止されている添加物や医薬品の使用認可といったことが次々に起こる可能性があるのです。そうなれば、現在よりも確実に残留農薬や添加物などによるリスクが高まることは不可避です。


◆残留農薬への対応どうする?


農薬の規制は数十年前に比べると格段に厳しくなり、少なくとも「残留農薬による急性中毒を起こす事態はほとんどない」と言っていいでしょう。ただし、輸入農産物のポストハーベストによる農薬の残留濃度は、国内で生産する野菜よりも高く、また国内で禁止されている薬品も使用されているので、リスクが高いことは否定できません。


現在、目に見える形での被害はなくても、摂取し続けることによる悪影響が将来に渡って出ないかどうか、実は良く判っていません1970年以降のアレルギー疾患やガンの増加には、工業化の進展による大気汚染などの様々な要因が考えられますが、残留農薬による影響も原因の一つではないかとの疑いがあります。


では、残留農薬のリスクから身を守るにはどうしたらいいのでしょうか?


農薬が最も残留するのが表面の皮の部分です。すぐにできる対策としては、野菜や果物の皮は必ず流水でよく洗い、厚めにむいて取り除くことです。また、昔ながらの日本の調理法も農薬などの有害物質除去に効果があると言われています。細かく刻んで表面積を大きくした上で、「ゆでる」「酢に晒す」などの一手間かけて下ごしらえをすることで、かなり残留農薬を取り除くことができるという実験結果も発表されています。


しかし、こうした個人レベルでの対策には限界があります。現在のように、産地から消費地までの長距離・長期間の輸送が常態化し、かつ市場の流通に耐える商品価値を維持しようとすれば、農薬を使用する量を減らしていくことはできません。加えて、TPPが締結されて市場開放の圧力が高まれば、今後ますます食品のリスクが増大することは避けられそうにありません。


残留農薬の問題を根本的に解決するには、農業のあり方そのものを変えていく必要があります。今後は、地産地消を実現できるように、顔の見える生産者とのネットワーク形成が、日本社会の課題になってくるのではないでしょうか?

<転載終わり>

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 日本では収穫された野菜に対して農薬を撒布することは禁じられていますが、アメリカなどでは法律で禁止されていません。ですからアメリカ産のイチゴは農薬がたっぷりかかっています。それで1ヶ月経っても、収穫したてのように生き生きとしているそうです。何とも怖ろしいことです。

 以前テレビで、半年経っても腐らないマックポテトの実験をやってましたが、これも怖ろしいですね。

 ネットで調べたら、腐らないマックのハンバーガーやポテトの記事が山のようにヒットしました。どうも本当のようですね。

 

・腐らないマックバーガーなど

 

 

・感謝の心を育むには


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F1種の危険性:ミツバチはなぜ消えたのか?  新しい農のかたちより転載

2011-11-30 06:31:44 | 農業

<新しい農のかたちより転載>

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2011年11月29日

【コラム☆】~F1種の危険性:ミツバチはなぜ消えたのか?~

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こちらからお借りしました 
 
以前「【コラム☆】~世界初のF1種をつくったのは日本人だった☆~」では、F1種とは何か、そしてどうやってF1種を作っているのかについて説明しました。
(もう読んで頂けましたか? Very Happy

実はF1種の作り方には以前紹介した除雄(じょゆう:雄しべを取り除くこと)以外にもいくつか方法があります。
それらのうち現在最も広く利用されているのが雄性不稔植物(葯(やく)や雄しべが退化し花粉が機能不全になった植物)を利用した方法です。

雄性不稔植物を利用することで、除雄=手作業時とは比べ物にならないくらい効率的にF1種を作り出すことが可能になるため、現在既に多くの野菜や果物が雄性不稔植物によりF1化され(=雄性不稔F1種)、市場に出回っています。
 
「効率的に野菜が作れるなら、万々歳だね m028 m028 」とお思いになるかもしれません。
 
しかし雄性不稔の仕組みについて調べてみると、そうも言っていられない危険性を孕んでいることがわかってきました。


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1.雄性不稔植物を使ったF1種の作り方

まず改めて簡単に用語のおさらいです。
 
F1種:異なる性質を持つタネを、人為的に掛け合せてつくった、雑種の一代目のこと。異種を掛け合せてつくるイイとこ取りの種です。
除雄:作物が自家受粉(自分の花粉で受精すること)しないように雄しべを手で取り除くことを言います。

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こちらからお借りしました
 
F1種は「雑種」であるため、自家受粉されては目的の雑種がつくれないため、除雄が必要になります。
 
雄性不稔:植物の葯(やく)や雄しべが退化し、花粉が機能的に不完全になることを言います。人間で言えば、男性側に原因のある不妊症と同じです。


冒頭でも述べたように、元々除雄は人の手で行っていたこともあり膨大な人件費がかかっていましたが、この雄性不稔植物を利用することで大幅な人件費削減が可能になりました。
薄利多売の農家にとってこれほどありがたいことは無いと、雄性不稔形質を受け継いだ種の需要が高まり、今では多くの野菜や植物に利用されています。

例えば・・・稲、玉ねぎ、人参、トウモロコシ、ネギ、大根、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、白菜、シシトウ、ピーマン、ナス、オクラ、春菊、レタス、インゲン、テンサイ(砂糖の原料)など、ざっと挙げただけでも雄性不稔を利用した野菜はこれだけあります。
現在も研究はどんどん進められているため、近い将来ほぼ全てのものが雄性不稔植物を利用したF1種になっていくと考えられます

 
2.そもそも雄性不稔植物はどのように生まれるのか?
とても便利な雄性不稔植物ですが、どのように生まれてくるのでしょうか?

ズバリそれは突然変異によるミトコンドリア異常によって生まれてくるのです。


ミトコンドリアとは簡単に言えば、細胞のさまざまな活動に必要なエネルギーのほとんどを、直接あるいは間接的に供給する器官です。
この、生物にとって必要不可欠なミトコンドリアに異常をきたすことによって雄性不稔植物が生まれてくるのです。
 
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こちらからお借りしました
 
つまり、今私達が口にしているものの多くは、このようなミトコンドリアに異常のある野菜ということになります。
このような異常のあるものを食べて続けても体への影響は無いのでしょうか?
 
 
3.ミツバチはなぜ消えたのか
雄性不稔植物を口にすることが人体にどんな影響を与えるのか、実はまだまだ未解明です。
ただ未解明ではありますが、実はミツバチに関して気になる現象が起こっています。

<現象1>
2009年の日本農業新聞で「欧州ミツバチ報告 卵産まぬ女王が続々」という記事が。ヒマワリ、菜種、トウモロコシの単作農業地帯で産卵数が極度に少なくなる不妊症の女王バチが数多く見られた。※ミツバチは野菜を交配させる際の、花粉の運び役として世界各地で活用されている。

<現象2>
1960年代・2007年と世界各地の養蜂場から一夜にして蜂が大量に失踪するという現象が起きた。アメリカでは国全体の4分の1もの養蜂が一夜にして失踪した。
一方で、野生の蜂ではこうした現象は一切起こっておらず養蜂のみが大量に失踪した。

これらの原因についてはハチのエイズ説や携帯電話の電磁波説等を始めとして多くの仮説が立てられていますが、そのどれもがミツバチが巣を見捨てていなくなる原因には帰結せず、「複合的な原因」ということで犯人探しはストップしています。

しかし『タネが危ない』の著者である野口勲さんは、その著書の中でこれら現象の原因が雄性不稔野菜なのではないか、という仮説を立てられており、信憑性を感じさせるものになっています。

<仮説>
●ミツバチたちはミトコンドリア異常の蜜や花粉を集め、ローヤルゼリーにして次世代の女王バチの幼虫に与える。
●養蜂業者は一定の農家と契約しているはずだから、雄性不稔F1種子の受粉のために使われているミツバチは、世代が代わっても同じ季節には同じ採取農家の畑に行く。従って、この養蜂業者が所有するミツバチは代々雄性不稔の蜜と花粉を集めて次世代の女王バチと雄バチを育て続けていく。
●ミトコンドリア異常の餌(蜜)で育った女王バチは、世代を重ねるごとに異常ミトコンドリアの蓄積が多くなり、あるとき無精子症の雄バチを生む。
●巣の雄バチ全てが無精子症になっていることに気付いたメスの働きバチたちはパニックを起こし、巣の未来に絶望するとともに本能に基づく奉仕というアイデンティティを失い、集団で巣を見捨てて飛び去る。

これらは野口さんも著書で仰っている通り、仮説の域は出ませんが、逆に全く事実でないとも言い切れません。
むしろ、雄性不稔植物(やその蜜)という異常な作物を継続的に口にするということで生物に何の影響も無いと考える方が不自然でしょう。

もしミツバチへの影響が事実であるとすれば、このミツバチ同様に雄性不稔野菜を摂取している我々人間にも、影響が出る可能性は多分にあります。

昨今叫ばれている成人男性の精子数減少の原因について、農薬由来の環境ホルモンが主因であるという見方が一般的ですが、雄性不稔に原因がある可能性も十分に考えられるのではないでしょうか。


こちらからお借りしました


  
4.自然の摂理を踏み外してしまった農の市場原理化

全ての生物は自然圧力を始めとする外圧に適応するために、様々な進化を遂げてきました。
その中でもとりわけ雌雄分化は生物が外圧に適応するための非常に重要な進化です。

雄性不稔植物とは、その重要な進化機能である性を持たない不完全適応態を人工的に作り出していることになります。(その意味で除雄を用いたF1種とは明確に異なります)
そして、そうした雄性不稔F1種の使用が自然界及び現実場面に何らかのひずみを生むことは想像に難くありません。

なぜならば、全ての生物は外圧適応という軸でつながっており、それらが複合的にバランスすることによって適応を実現しているからです。

環境ホルモンにせよ、雄性不稔F1種にせよ、「市場社会で儲けるためには(食べていくには)どうする?」という軸から生まれています。
そういう意味では、農家の皆さんが雄性不稔F1種に頼るのもある意味仕方の無いことだと言えます。

しかし農を市場原理(自由競争)に委ねた結果、このような安全とは言いきれない食品群が生み出されてきたということも事実です。

勿論、市場原理からの脱却の実現は決して容易ではありませんが、今重要なのは、「今後の農業の可能性はどこにあり、それを引き出していくためにはどうすればよいか?」という視点と、そのために事実を追求し自然の摂理を学んでいくことなのではないでしょうか。

 

参考:『タネが危ない』野口勲 著

<転載終わり>

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 F1種とは人工的に自家受粉をさせずに、他の種類の雄しべの花粉を使って受粉させる方法です。最初にF1種を考えだしたのは、日本人だそうですが、今はアメリカのモンサント社などが広く行っています。日本の種メーカーであるサカタやタキイもほとんどF1種の種を販売していますし、農協でもF1種がほとんどです。

 このF1種は確かに育てやすいし、均一の野菜ができます。誰が、どんな畑で育てても、大体上手く生育してくれますので、メリットはたくさんあります。スーパーやデパート、八百屋、直売所で売られている野菜の90%はF1種と言われています。F1種はとても便利な種なのですが、この記事にもあるように、無理やり自家のおしべを受粉できないようにさせていますので、それを食べ続けた場合に、影響が出る可能性があるそうです。

『昨今叫ばれている成人男性の精子数減少の原因について、農薬由来の環境ホルモンが主因であるという見方が一般的ですが、雄性不稔に原因がある可能性も十分に考えられるのではないでしょうか。』 

 上記のようにF1種の野菜を食べ続けると、人間の男性の精子が少なくなる可能性も指摘されています。(あくまで仮説ですが)

 F1種の野菜は人体やミツバチなどに影響を及ぼす可能性が指摘されていますが、農家のなり手が減少し続けている現状では、工数をかけずに簡単に良い野菜が作れるため、プロの農家もほとんどF1を使うしかありません。農薬農法と同じで、就業数の少ない農家が、効率良く生産するにはF1に頼らざるを得ない面もあるように思います。そもそも農協でもコメリやカインズホームで販売されている種はほぼ100%F1種ですので、F1種以外を手に入れることが至難の業です。プロの農家がF1種を使っているのですから、私たちの口に入る野菜がF1種になるのは当たり前ですね。外国も日本と同じですからほとんどがF1です。つまり、世界中もうほぼ90%がF1ということです。

 ひふみ農園では、佐々木了雲先生のご指導の下、極力F1種は使っていません。もちろん農薬や化学肥料は一切使っていません。(肥料はほとんど使っていません。)農協やホームセンターで販売されていない固定種の種は、野口種苗さんや高木農園さんで購入しています。価格はサカタやタキイとほぼ同額です。ネットで簡単に注文できますので、家庭菜園やプランター菜園をやられるのであれば、一度試したらよいかと思います。固定種の種の場合は、農地との相性がありますので、初年度は上手くいかないケースもあります。種を採取して、2年目、3年目になると農地と種の相性が良くなりますので、F1にはない味や特性を持つ野菜を育てることができます。

 無農薬・無化学肥料の野菜は日本全体の0.2%しかありませんが、更にF1種でない固定種の野菜を手に入れるのは至難の業になります。無農薬・無化学肥料・固定種・硝酸態窒素無しの野菜は、木村秋則さんのグループかnicoの会、そしてひふみ農園で手に入れることができます。他にも手に入れるルートはあると思います。ひふみ赤城農園では、今はキャベツやブロッコリー、カリフラワーが旬です。ブロッコリーはスティックセニョールという種類ですので、茎も美味しくいただけます。先日の福島ツアーには、採れたてのキャベツを持っていったのですが、皆さんに柔らかくて瑞々しくて美味しいと言われました。ひふみ農園では野菜詰め合わせセットを日本弥栄の会の会員さん向けに販売していますが、「これが野菜の味ですね」、「昔の野菜の味を思い出した」、「野菜の甘さが何とも言えません」など喜びの声をいただいています。

 来春からは福島の田村市にもひふみ農園がオープンします。また、まだ決定ではありませんが、兵庫の丹波篠山や岡山、千葉でもひふみ農園の準備が始まっています。日本弥栄の会を中心として、全国に広がりつつあります。また、ひふみ農法でのプランター菜園や家庭菜園をされている方は、全国に400人を超えました。これも嬉しいことです。先ずはプランターでもいいので実際にやってみれば、いろいろと体験ができます。失敗しても勉強だと思えば、よい経験になります。

 ひふみ農園では農薬を使わないだけでなく、野菜を食べている虫を発見しても殺しません。プロの農家から見たら、アホとしか言いようがありませんが、長い目で見ると、実はこっちの方が得策なのです(笑)。虫に人間の気持ちが判るはずがないというのが普通ですが、実際は虫を駆除しなくなって半年くらいしてから、虫はいることはいますが、出荷に影響の出ない範囲でしか食いません。例えばキャベツにも青虫がいますが、周りの葉っぱは食いますが、人間が食べる丸い部分は食いません。ブロッコリーや白菜も葉っぱは少し食べますが、中は食べません。稀に虫のエサ専用になっているキャベツや白菜がありますが、それ1つだけが食われている状態です。上手く共生しているのです。虫は私たちの気持ちを判ってくれているように感じます。不思議なものです。農薬代や化学肥料代もかかりませんので、コストがほぼ0円です。縄文や江戸時代も同じようにやってたのでしょうね(笑)。

 27日から奈良県の神社を廻って来ました。中矢代表が以前ツアーで行かれた飛鳥を中心に廻りました。卑弥呼の墓ではないかと推測されている箸墓古墳は、柵で囲われていて中に入れませんでしたので、柵の近くで「ひふみ祝詞」を奏上しました。また、12月10日に関西神社巡りサークル「チーム135」で行く予定の大神神社(おおみわじんじゃ)にも参拝しました。なかなかの神社でした。今日からまた忙しい日々が始まりますが、ハリキッてやりたいと思います。

 

 

・新しい「農」のかたち

 


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ひふみ農園に3日間行ってました

2010-08-29 21:45:41 | 農業
 赤城のひふみ農園に27日から今日まで3日間行ってました。赤城の麓の標高380mの農園ですので、見晴らしのとても良い農地です。昼時はさすがに暑いですが、朝晩は涼しい風が心地よいです。

 現在テラ資材を使って、無農薬でも野菜が元気に育つための土壌作りをやっている最中です。無農薬で栽培する場合、野菜が元気で活力がないと、虫や病気にやられてしまいますので、先ずは土壌を作ることが肝心といえます。

 
 本来は奇跡のりんごの木村秋則氏のように、自然に任せて土壌を作ることが一番よいのですが、それだと10年はかかってしまいます。10年間の計画を立てられる方は、いいのですが、私は少しでも土壌作りの期間は短縮したいと思ったので、いろいろ検証した結果、テラ農法が一番いいとの結論を、現時点では出しました。

 万田酵素やパイロゲンも試しましたが、かなり良い効果がありました。ただし、価格が高いのがネックです。いくら無農薬栽培ができるといっても、その資材があまりに高いのではどうかと思います。

 また、永遠にその資材を使い続けなければ、無農薬裁判はできないというのも、どうかなと思いました。

 それらの観点でいろいろ考え、検証した結果、現時点ではテラかなと思っています。テラは最初だけ資材は使いますが、一度土壌ができてしまえば、その後はテラ資材を使わなくても完全無農薬で作ることができます。 

 ただし、いいことばかりではありません。土壌が元気で、活力があるということは、雑草(本当はそういう名称の草はないのですが)も元気だということです。野菜もよく育ちますが、同じく雑草もどんどん元気に育っていきます。これは仕方が無いのかもしれません。
 ただ、あることにひらめいて、現在実験中です。この実験が成功すれば、野菜だけはバンバン元気に育って、雑草はほとんど生えないという夢のようなことが実現できるかも知れません。当然のことながら、除草剤などの危険なものは一切使いません。何かの資材を投与するということ自体をしませんので、全くの無害です。
 自宅の庭では、実験が成功していますので、来週からは赤城の農園で試す予定です。

 また、昨日今日は多くの皆さんが赤城の農園を見学に来られました。東京や群馬の方が多いのですが、横浜や、平塚、新潟から来られた方もおられました。

 今週末の9月4日、5日に見学に来られる方もおられます。尚、赤城の農園で、実際に4日から野菜作りをされる方もおられます。
 だんだん盛り上がってきていますので、こちらもどんどん楽しくなってきています(笑)。気心の知れた方々と、野菜作りができるというのは、幸せなことですね。そして、旨い野菜ができれば、なお更です。これからが秋野菜の本番ですので、しっかりやっていきたいと思います。収穫祭での、鍋やバーベキューが今からとても楽しみです。

 
コメント (3)
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「コメ作りはあと5年で破綻する!? 高齢化進み崩壊寸前」 雑誌SPAより

2010-07-25 10:45:36 | 農業
 <Yahooニュースより記事転載>
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 「コメ作りはあと5年で破綻する!? 高齢化進み崩壊寸前」

週刊SPA!7月23日(金)


★都会の[田植え男子]の主張

 現在、田んぼをとりまく状況は明るくない。農業ジャーナリストの大野和興氏は「コメ作りの現場はどこも高齢化が進み崩壊寸前。あと5年持つかどうか……」と危機感を募らせる。


「どこの農村でも困っているのは、とにかく人手が足りないこと。よく『耕作放棄』という言葉がメディアで使われます。しかし本当は、農村の人々は耕作放棄しているのではなく、続けたくても続けられないのです。コメの価格が安すぎるため、作れば作るほど赤字になる。また、昨年の農業就業人口の平均年齢は65歳で、そのうち70歳以上が48%という状況です」

 大野氏は「多くの若者が農村に行くようになれば、この状況も変わるかもしれない」とも語る。

「そのために重要なのはマッチングです。農業を志す若者をいかに市場に繋げるかということ。政府や農協がやりたがっている国際競争力をつけて外国に農産物を売っていこうというのは古い考え。むしろ、食糧を自給したい都市の若者と、土地を荒廃から守りたい農村の人々が繋がることのほうが現実的です。

 コメ作りで忙しいのは、苗床作りや田植え、草取りなど、ある程度時期が決まっています。そうした時期だけでも都会の人が作業をしに来てくれれば、だいぶ助かる。都市に拠点を置きながら、関われるときに農業に参加するだけでも、意義は十分あるかと思います」


マイ田んぼの前に立つ高坂さん夫婦の話し。
「輸入食料に頼れば、他国の水や食料を奪うことになる。大規模農業の作物に頼れば、石油を浪費し、農薬で環境を汚染することになる。手作業による自給は、その悩みを解消してくれました。それに、人間も生態系の一部なんだってこともリアルに感じるようになりました」(写真:週刊SPA!)

 <転載終わり>
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 農業に従事する方が高齢だということは、今は誰でも知っていますが、年々益々高齢化は進んでいます。
 そもそも2代目は公務員になったり、民間企業に就職してしまいます。そうなると、今農業をやっている方々は初代ですから、高齢であるに決まっています。そして、初代が働けなくなると2代目が兼業農家としてやるか、止めてしまうわけです。

 では何故2代目は専業で農業をやらないかというと、国の50年に亘る減反政策によって米を作ることが容易ではなくなったからです。これは、誰でも知っている事実です。

 簡単に言えば、米が余っているから、減反政策をして米を作らない人には補助金をあげているわけです。これも誰でも知っていることです。

 米余りの状況でも、中には無農薬で栽培することにより、JAに頼らない独自の販路を開拓した人もいますし、野菜に転換した人もいます。

 ただ、多くの2代目は企業などに就職して、兼業農家の道を選びました。こうして益々高齢化していっているのが現状です。

 この記事にあるように、都会の若者が農業をやればいいではないか、という意見は多くありますが、農家はほとんど個人でやっていますので、若者を社員として受け入れる体制はできていないのが現状です。
 
 若い人の中には、農業を職業としてやりたいという人は近年多くなっていますが、就職先が無いのが大きな問題です。
 では、自分で個人事業主としてやってみようと思い立ったとしても、なかなか農地を探すのも難しいのが現状です。仮に、資金があったとしても、農地法という壁のお蔭で、農地を購入することもそう簡単にはいきません。

 結局、親戚や知り合いに頼んで農地を貸してもらう方法が一番現実的ですが、それでもコネが無い人は農地を借りることすらできないのです。

 また、農業というのは確かにもの作りなのですが、単に工業製品のようにものを作るというマインドでは、どうも合わないようです。米も野菜も生きているので、人間にかけたら死んでしまう農薬を、野菜にはかけたくないのが、人情です。

 2年前から無農薬で野菜や米を育てている農家の方々に、色々お話しを伺ったり、農業を教わってきましたが、みなさん一同に野菜や米に愛情を注いでいることがよく分かります。農薬と石油から作る化学肥料によるアメリカ農法をやってる人達が、全く農作物に愛情がないとは思いませんが、無農薬・自然農の方たちのほうが環境への配慮はあると思いました。

 そういう意味では、本来農業というものは、工業製品を作るような気持ちでは、できないのかも知れません。農業は自分が喰っていく手段ではありますが、金儲優先では、結果としてやりにくいように思います。
 金儲けと割り切ってやるのであれば、無農薬栽培は手間がかかって割りに合わないと思います。(もっとも、nicoの会の皆さんのように、無農薬・無肥料で10年やっている畑では、農薬農法より効率的です。不思議ですが。)

 今年の5月から、日本弥栄の会の中矢代表を中心として、「ひふみ農園」をスタートしましたが、毎回全国から30人以上の方々が参加されています。
 今月はあまりに暑いので、実地の農作業は止めて、私の知り合いの中野の居酒屋で、「ひふみ農園」で採れた野菜を調理してもらい、試食会をやります。
 ナス、トマト、ピーマン、ジャガイモ、枝豆、カボチャ、キュウリなどを、料理人に調理してもらい、ビールと共に味わいます(笑)。みんなで作った野菜を食すのは、サイコーですね!

 私は今月末から赤城山の裾野の見晴らしの良い農地で、いよいよ本格的に農業をスタートさせます。私の母の生まれ故郷で農業を始められるというのも、ご縁を感じます。勿論「ひふみ農園」ですから、無農薬でやります。最初は少しは手間がかかりますが、テラ農法なので、案外ラクかも知れませんが(笑)。今からワクワクしています。




 ●Yahooニュース
  http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100723-00000504-sspa-soci

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無農薬の田んぼ、寺坂棚田に行ってきます

2010-07-04 06:00:32 | 農業
 秩父の隣町の横瀬町(よこぜまち)に寺坂棚田という棚田が広がっています。昨年無農薬・無肥料のnicoの会で知り合った埼玉県美里町の方の紹介で、今年は寺坂棚田学校に参加することにしました。
 昨年、nicoの会の方の畑を見学に行った際に、たまたま来られていたその方の叔父さんが、寺坂棚田学校の校長先生だったのです。とても温厚なよい方で、こういう方が推薦されて校長先生をやられているのだなと思いました。横瀬の先人たちが守り続けてきた棚田を復活させるプロジェクトを企画し、何年も実践しておられるのは、たいへんなご苦労があったと思います。

 今でこそ多くの方々が寺坂棚田に来て、田植えをやったり、草取りをしたり、ほたるのかがり火祭り(7月3日昨日開催)を開催したりと、おおいに盛り上がっていますが、10年前は稲作などする人も無く、休耕田になっていたそうです。
 先祖が開拓して、苦労を重ねて守ってきた寺坂棚田を、何とか復活できないものかと試行錯誤し、みんなで知恵を出し合ってできたのが、寺坂棚田学校です。

 この学校は、4月から10月まで費用1万円で稲作を教えてくれます。しかも無農薬栽培です。毎月田植えや草取りなどの実習をやり、そして収穫した古代米は分けていただくことができます。当日用事が入った場合には、草取りを休んでも問題ありません。ただ、なるべく3回以上は参加してくださいね、という決まりはありますが。

 5月23日に田植えをして、先月1度草取りをしました。だいたい70名くらい参加しますが、東京や地元埼玉の方がほとんどです。年齢は50代、60代の男性がほとんどですが、中には20代の女性も来られています。その方は尺八の愛好会に属していて、昨日のほたるかがり火祭りで、披露されたはずです。私は仕事で昨日のかがり火祭りには参加できませんでしたが、今日その様子を聞きたいと思います。

 今日の寺坂棚田学校は9時からスタートですので、そろそろ行こうかと思います。所沢から西武線のレッドアロー号「むさし」で行けば、1時間くらいで着きますので、かなり近いです。帰りの特急の中で飲むビールが今から待ちどうしいです(笑)。それでは行ってきます!



 ●寺坂棚田
  http://www2.tba.t-com.ne.jp/k181/main1.html


 ●ほたるかがり火祭り
  http://pub.ne.jp/marpee/?entry_id=3028706

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「野菜がスーパーから消える日」 イーグルヒット

2010-02-14 06:53:18 | 農業
 <記事転載>
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 「野菜がスーパーから消える日」

農作物の大量育成には化学肥料が欠かせない。
リン、窒素、カリウムが揃わなければ、日本の農業は成立しないとも言われている。
とろこが、その化学肥料をほとんど輸入に頼っている。
特に、リン鉱石は全量が輸入である。しかもその輸入元が中国なのである。

実は、昨年4月の段階で、中国は化学肥料の輸出関税を100%引き上げ、
同様にリン鉱石の関税も100%に引き上げられていた。
これは実質的な輸出禁止措置に近い。

世界最大のリン鉱石の生産国である米国も、すでに輸出を禁止している。
他にロシアなどでも産出されるが、国際的に品薄状態が続いており、
リン鉱石、窒素、カリウムは、ここ数年で2~5倍も価格が上昇している。

このような状況で、政府が農政改革を行い、農業を振興しても、
肝心な肥料が手に入らなければ意味がないのである。
肥料を使わない方法もあるが、食糧の需要を満たすにはほど遠い。

国産の野菜がスーパーから消え、やがて輸入も滞り、
食糧が高騰する日は、遠い将来の話ではないのである...。

 <転載終わり>
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 日本の化学肥料はほとんど輸入に頼っていますが、その化学肥料がいよいよ値上げされつつあります。昨年農業見学をさせていただいた農家の方も、肥料の価格が少しづつ上がってきていると言われてました。

 日本の農業のほとんどがアメリカから教わった化学農業ですので、このイーグルヒットの記事にように、肥料が値上げされ、野菜がスーパーから消える日が来るという意見も頷けます。 

 今後は有無を言わさず、無肥料自然農法をやらざるを得ないかも知れません。化学肥料や有機肥料を一切使わなくても、元気に野菜が採れるのが、無肥料自然栽培です。りんごでいえば、木村氏の奇跡のりんごになります。

 ある農家が言われましたが、日本の農家の100%近くの人が、化学肥料を与えないと作物が育たないという思い込みに陥っているとのことです。水を与えないと、作物は100%枯れます。当たり前です。それと同じレベルで、化学肥料を与えないと作物は育たないと信じているそうです。かなりの重症です。
 そのような化学肥料信者に、無肥料自然栽培で美味しい元気な野菜が育つと言っても、頭から信じません。農協が云うのだから、絶対正しいということのようです。


 ●無肥料自然栽培 nicoの会
  http://nico.wonderful.to/




 ●イーグルヒット
  http://eagle-hit.com/
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本日1月5日夜10時から NHKに有機農業の金子氏登場!!

2010-01-05 13:26:33 | 農業
 昨年12月、埼玉県美里町で無農薬有機栽培をされている方の畑を見せていただきました。突然畑を見せて欲しいと、私からお願いしたにもかかわらず、親切にご説明くださった方から、先ほど有機栽培のカリスマ金子さんがNHKに出演されるので、見てくださいとの連絡をいただきました。
 その方も金子さんの農場を訪問されたそうですが、大変勉強になったと言われておりました。今日の番組は必見です!今からとても楽しみです。

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 第132回 1月5日(火) 放送予定

 命の農場で、土に生きる
 ~農家・金子美登~

有機農業の世界で知らぬ者はない、カリスマ農家・金子美登(61歳)。埼玉にある農場には、毎月100人もの見学者が押し寄せる。
金子は40年にわたり、有機農業を貫き、今も3ヘクタールの農地で60種類の野菜や果物、米を農薬も化学肥料も使わずに作り上げる。 金子の農法は、自然の力を引き出すことを徹底して考えた末に編み出されたものだ。例えば、トマトとニラ、ナスとパセリなど違った野菜を一つの畝に交互に植えることで病気や害虫の発生を抑える。それぞれの“野菜の個性”を生かし育てるのだ。
さらに金子は、自然に負荷をかけない循環システムも徹底して確立している。土は落ち葉やもみ殻などで作り、肥料は、家畜のふんや人間の尿などから作る。さらにはお湯を沸かすガスも、肥料が発酵する時に発生するメタンガスでまかなう。
番組では、春から秋にかけ、金子の農場に長期密着。作物作りの営みを追っていく。16年ぶりの異常気象に見舞われた今年、金子の水田は、日照不足のため発生した“いもち病”に襲われる。農薬を使わずにどう戦うのか。金子が挑んだ秘策とは?命めぐる農場で繰り広げられる、カリスマ農家・金子美登の格闘を追う。


 ●NHK仕事の流儀
  http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

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埼玉県美里町の無農薬栽培を見学しました

2009-12-19 07:15:43 | 農業
 昨日は午後仕事を休んで、nicoの会で知り合った方の畑におじゃましました。nicoの会については何度か書いてますが、無農薬だけでなく、肥料も与えないという自然農法を実践している会です。奇跡のりんごの木村氏と同じように、農薬を使わないのは当たり前で、更に化学肥料や堆肥などの有機肥料も一切与えないという、信じ難い農法を実践しているグループです。

 そのnicoの会で知り合った方が、今年の2月から埼玉の実家に戻り、無農薬+無肥料栽培を実践しているとお聞きしたので、是非見学させていただきたいと、私からお願いして、お伺いさせていただいた次第です。

 本庄駅まで車で迎えに来ていただき、先ずはお宅におじゃまして、お茶をご馳走になりました。お母さんもおられて、色々と無農薬栽培についてのお話しを聞かせてくださいました。長年無農薬栽培を続けているので、健康への関心の高いファンが多くいるそうです。

 その後、ご自宅の隣の畑を見せていただきました。無農薬&無肥料栽培と、無農薬&有機栽培の2通り栽培されていました。お父さんの時代から、数十年間農薬は一切使用していないとのことですので、土が汚染されていません。たいしたものだと感心しました。

 無肥料栽培は、今年から始められたとのことですが、たとえ肥料をやらなくても、初年度と次年度くらいまでは今まで与えてきた肥料が残っているので、野菜は育つそうです。しかしながら、3年目からは相当苦戦するそうです。今年は肥料が土に残っていたので、よい出来だったそうですが。

 埼玉県は、小川町や所沢などを筆頭に、無農薬&無肥料・有機栽培が盛んな場所です。しかも20代、30代の若い方が非常に多く就農されているのも特徴です。nicoの会員は、ほとんどが20代、30代ですので、そこだけ見れば日本の農業の未来はとても明るいと言えます。

 15時くらいから16時過ぎまで、畑を見学させていただきました。今は冬ですので、それほど多くは作ってませんと言われてましたが、かなりの種類を作られていました。小松菜やほうれん草、大根、人参、かぶ、白菜、キャベツ、ブロッコリー、長ネギ、玉ねぎ、ルッコラ、パクチ、ヤーコン、赤大根、麦、大豆、にんにくなど多種多様です。冬でもこんなに多くの野菜を作れるのかと、びっくりしました。

 一度もお会いしたこともないのに、勝手にメールで、こちらから一方的にお願いし、見学させていただいたにもかかわらず、帰りには大量のお土産をいただきました。キャベツ1個、ブロッコリー2個、人参4本、赤大根2本、やつがしら2個、長ネギ1束、ほうれん草10株、小松菜3株、ヤーコン3個、レタス1個、サニーレタス2個もいただきました。その他に大根やキャベツをもっと持っていってくださいと言われましたが、さすがに電車なので重くて持って帰れないので、ご遠慮させていただきました。
 初対面なのに、こんなに親切にしていただいて、とても感激しました。今後も無農薬自然栽培の先生として、ご指導いただきたいと思いました。昨日はこの冬一番の寒さでしたが、心の温まる一日でした。


 ●nicoの会
  http://nico.wonderful.to/


 ●奇跡のりんご 木村氏講演会
  http://nico.wonderful.to/event.html

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「ドリームファーム 新規就農に密着」  テレビ東京 

2009-10-05 06:59:02 | 農業
 <記事転載>
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 番組内容
勤めを辞めて人生を農業に賭ける!この番組では実際に初めての農業にチャレンジする2人の就農者に半年密着し、今最も注目される職業「農業」のナマの姿をお届けします!
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 出演者
【ナレーション】勝俣州和、城ヶ崎祐子
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 番組内容
農業学校を卒業した3月から夏野菜の収穫が一段落つく8月までの約半年間、初めての農業にチャレンジする2人の就農者を追う。ITビジネスから転身した千葉の39歳は標準的な農法で野菜の栽培にチャレンジ、農協や直売所で収穫した野菜を売る。教員から転身した神奈川の31歳は無農薬農法にチャレンジ、虫食いに悩みながらも、週一回の会員制配達で販売する。

▽農業を始めるのに、具体的に何が必要か?いくらかかるのか?農地はどうやって借りるのか?水はどうやって確保するのか?▽種を蒔き、育て、収穫するまで、毎日どんな作業をしているのか?▽収穫した野菜はどこで売るのか?値段は?▽野菜を買ったお客さんはどんな食べ方をするのか?その料理の様子を見た生産者の反応は?密着取材でその生活から職業としての収支まで全てを見せます。


 <転載終わり>
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 昨夜テレビ東京で、今年新規に就農した方2人の仕事ぶりを放映していました。1人は一般的な農薬を使う農法で、もう1人は無農薬有機栽培と無肥料栽培でスタートしました。

 二人とも1年間農業を学んでからの就農でしたので、基本的な作業は全てマスターされていました。それでも、実際に始めてやるわけですから、虫の被害にあったり、作物が順調に育たなかったり、台風にやられてしまったりと、悪戦苦闘の連続でした。
 ただ、二人とも奥さんが大変理解のある方で、一緒に農業を営んでくれていたために、新規でもできたのかなとも思いました。先週お伺いした、さいたま市の有機栽培の新規就農の農家の方も、奥さんとお二人でやられていました。二人なら心強いですし励みになりますね。

 3月から新規にスタートして、8月までの収支は、二人とも赤字でした。私は50万円くらいの黒字になっているのではないかと考えていましたが、予想ははずれてしまい、赤字でした。1年農業を学び、準備もしてからスタートして、結果が赤字となってしまったわけですが、農業とは甘いものではないと改めて思いました。

 ただ、二人の農家の情熱は画面を通して伝わってきましたので、来年は良い結果が残せるのではないかと思います。最初にしては、もしかしたら順調なのかも知れません。どんな商売や事業でも、最初から黒字になるケースは少ないかと思います。また10年続く企業は、全体の6%しか残らないそうですので、続けてやれば良い結果がついてくるのかと思いました。

 ●テレビ東京 ドリームファーム
  http://www.tv-tokyo.co.jp/program/detail/18508_200910041900.html

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「ユダヤ人 ビルゲイツの謀略とモンサントの国際食糧テロ活動」

2009-10-04 09:48:09 | 農業
 <記事転載>
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 「ユダヤ人 ビルゲイツの謀略とモンサントの国際食糧テロ活動」


ビル・ゲイツやヘッジファンドの帝王たちの新たな野望が始まった。世界の自然環境と食糧ビジネスは新たなマネーの流入で大きく変貌しようとしている。



現代版「ノアの方舟建設計画」

FX会社最新順位と比較 2009年5月5日、ニューヨークはマンハッタンにあるロックフェラー大学の学長でノーベル化学賞の受賞者ポール・ナース博士の邸宅に世界の大富豪とヘッジファンドの帝王たちが集まった。この会に名前はついていないが、参加者たちは「グッドクラブ」(善意の集まり)と呼んでいる。

 主な顔触れはデービッド・ロックフェラーJr、ウォーレン・バフェット、ジョージ・ソロス、マイケル・ブルムバーグ、テッド・ターナー、オプラ・ウィンフレーと言った超豪華メンバー。この集まりを呼び掛けた人物はパソコンソフトの標準化を通じて寡占状態を築き上げ、個人資産5兆円を超すビル・ゲイツである。

 これほどの大富豪たちが一堂に会し、密かに議論したテーマは何であったのか。実は世界の人口増大をいかに食い止めるか、そのために彼らが所有する巨万の富をいかに有効に活用すべきか、ということであった。

 議長役としてこの会を取り仕切ったビル・ゲイツによれば、「人類の未来に立ちふさがる課題は多いが、最も急を要する問題は人口爆発である。現在67億人が住む地球であるが、今世紀半ばには100億人の可能性もありうる」

「このままの状況を放置すれば、環境・社会・産業への負荷が過大となり地球環境を圧迫することは目に見えている。なんとしても人口爆発の流れを食い止め、83億人までにとどめる必要がある。各国政府の対応はあまりにスローで当てにはできない。潤沢な資金を持ち寄り、我々が責任をもって地球の未来を救うために独自の対策を協力して推し進める必要がある」とのことであった。

 ゲイツはその思いをすでに具体化するために、あるビッグプロジェクトに資金を注いでいる。それが現代版「ノアの方舟建設計画」に他ならない。

「北極種子貯蔵庫」に巨額の資金を提供したゲイツ氏
 この計画は2007年から本格的に始まった。人類がこれまで手に入れてきたあらゆる農業遺産を保護することを目的としている。

 あらゆる国の農業で不可欠の役割を果たしてきた種子を未来のために保存するということである。見方を変えれば、生き残れる人類とそうでない人類を区別することもできる。


 この計画を推進してきたのは、ノルウェー政府であるが、資金面で協力してきたのがビル・アンド・メリンダ・ゲイツ基金。この慈善事業団体を通じて、毎年15億ドルを使わなくてはならないゲイツ氏はこれまでエイズの撲滅やがんの治療ワクチンの開発等に潤沢な資金を提供してきた。

その彼が、2007年、ノルウェーのスピッツベルゲン島に建設された「あらゆる危機に耐えうるように設計された終末の日に備える北極種子貯蔵庫」に巨額の資金を提供していることはほとんど知られていない。ゲイツのお陰で、この貯蔵庫は2008年2月26日に正式オープンを迎えた。

 核戦争が勃発したり、地球温暖化の影響で種子が絶滅したような場合でも、未来の人類がこれらの種子を再生できるように保存するのが目的だという。しかし、この種子の提供を受けなければ将来は食糧を手に入れることはできなくなってしまう可能性は高い。

 しかも、ゲイツ基金の他にロックフェラー財団、モンサント、シンジェンタ財団、CGIAR(国際農業調査コンサルグループ)なども、未来の作物の多様性を確保するため300万種類の植物の種子を世界から集めて保管し始めたのである。ちなみに、シンジェンタはスイスに本拠を構える遺伝子組換え作物用の種子メーカー。CGIARはロックフェラー財団とフォード財団が資金提供を行っている組織。

 この計画に共同提案者として協力しているグローバル・クロック・ダイバーシティー・トラスト(GCDT:世界生物多様性信託基金)のカーリー・パウラー博士によれば、「我々は毎日のように作物生物の多様性を失いつつある。将来の農業のため、そして気候変動や伝染病などの危機から人類を守るため、あらゆる環境に適用する種子を保存する必要がある。いわば、あらゆる危機に生き残る種子を集めたフエール・セーフの金庫が必要だ」。

 このGCDTは国連食糧機構(FAO)とCGIARによって設立された。この会長はフランスの水企業スエズの経営諮問委員会に籍を置くマーガレット・カールソンである。

「緑の革命」がもたらしたもの
 ビル・ゲイツをはじめ農薬や種子をビジネスとするモンサントやシンジェンタは、いったいどのような人類の未来を想定しているのであろうか。

 また、ロックフェラー財団はかつて食糧危機を克服するという目的で「緑の革命」を推進した中心組織である。当時の目論見では在来種より収穫量の多い高収量品種を化学肥料や除草剤を投入することで拡大し、東南アジアやインドで巻き起こっていた食糧不足や飢餓の問題を解決できるはずであった。

 ロックフェラー財団の農業専門家ノーマン・ボーローグ博士はこの運動の指導者としての功績が認められ、1970年にノーベル平和賞を受賞している。しかし、緑の革命は石油製品である化学肥料や農薬を大量に使用することが前提であった。

 メキシコの小麦やトウモロコシ栽培で見られたように、導入当初は収穫量が2倍、3倍と急増した。しかしその結果、農作地は疲弊し、新しく導入された種子も年を経るにしたがい収穫量が減少し始めた。そのためさらに化学肥料を大量に投入するという悪循環に陥ってしまった。

 最終的には農薬による自然破壊や健康被害も引き起こされ、鳴り物入りの緑の革命も実は伝統的な農業を破壊し、食物連鎖のコントロールを農民の手から多国籍企業の手に移そうとするプロジェクトにすぎなかったことが明らかになった。

 とはいえ、このおかげで石油産業をベースにするロックフェラー一族やセブンシスターズ、そして世界最大の種子メーカーであるモンサントをはじめ、大手アグリビジネスは空前の利益を上げたことは言うまでもない。

 ノルウェー政府が推進している「ノアの方舟計画」に参加しているモンサントやシンジェンタにとって、どのようなメリットが種子銀行にはあるのだろうか。

種子を押さえることで食糧生産をコントロール
 これら遺伝子組換え作物の特許を所有する多国籍企業にとっては「ターミネーター」と呼ばれる技術特許が富を生む源泉となっている。要は、この技術を組み込まれた種子を捲いて育てても、できた種子は発芽しないように遺伝子を操作されているのである。

 言い換えれば、どのような状況においても一度この種子を導入した農家は必ず翌年も新たな種子を買わなければならないのである。いわば種子を押さえることで食糧生産をコントロールできるようになるわけだ。

 緑の革命を推進してきたロックフェラー財団やターミネーターを開発し、世界に普及させようとしている巨大なアグリビジネス、そしてマイクロソフトを通じて独占ビジネスに経験と知識を持つゲイツが世界の終わりの日に向けて手を結び、世界中から植物や作物の種子を収集している狙いは明らかだ。

 この種子貯蔵庫が建設されたスピッツベルゲン島のスエルバードという場所は北極点から1100キロメートル離れた場所に位置している。周りに人は一人も住んでおらず、まさに氷に閉ざされた場所であり、種子の保存には最適の自然環境かもしれない。とはいえ、この地下130メートルの収蔵庫は鋼鉄で補強された厚み1メートルのコンクリート製の壁で覆われ、核攻撃にも耐えうるといわれるほどの堅固なつくりとなっている。

 スピッツベルゲン島自体が永久凍土の一部を形成しており、マイナス18度が最適と言われている種子の保存にとっては理想的な環境といえるだろう。しかも、この一帯は地震の恐れがまったくないという。

 この地下貯蔵庫に集められた多くの種子は数千年の保存期間が保障されている。大麦の場合は2000年、小麦で1700年、モロコシでは2万年もの長期保存が可能といわれる。現在は300万種類の種子が保存されているが、今後さらに保存対象の種子を増やす計画のようだ。

 実はこのような植物や動物の種を保存するための種子貯蔵庫は世界各地に作られている。その数1400。にもかかわらず、既存の種子貯蔵庫を遙かに上回る規模でノルウェー政府がこのような巨大な地下貯蔵庫を建設した理由は何であろうか。

 意外に思われるかも知れないが、各地に作られた種子貯蔵庫は最近の経済金融危機の影響を受け、管理維持が難しくなりつつあるという。

将来の宝の山が失われつつある現状
 イギリスにあるミレニアム種子貯蔵プロジェクトでは30万種類の植物種子を保存することで、将来の生物多様性を維持し、食糧や医薬品の開発に貢献しようとしている。当初の目的では2010年までに世界中に存在する種子の10%を収集することになっていた。

 必要な費用はイギリスの宝くじ販売からの収益金と企業からの寄付金でまかなう構想であった。しかし、宝くじの収益は経済危機の影響で落ち込む一方となり、加えて2012年のロンドン・オリンピックのためにも宝くじの収益金が欠かせないという状況が生まれ、このイギリスの種子貯蔵計画は空中分解一歩手前となってしまった。

 あらゆる種類の種子を集めることは将来の人類の生存にとって、欠かせない作業と言えるだろう。なぜなら、ほんの30年前には「カサランサス」というマダガスカル・ペリーウィンクルという名前でも知られる植物にがんの治療薬に欠かせない成分が含まれていることは知られていなかった。昨今の新型インフルエンザの発生を見ても、予防薬や治療薬を開発するために同様なケースが容易に想像できるだろう。

 現在世界各地で森林の伐採や干ばつの進行によって、多くの自然の生物や植物が地上から姿を消し始めている。世界には1400か所ほどの種子貯蔵施設があるが、それらすべてを集めても地球上の植物多様性の中のほんの0.6%の種子を保存できているにすぎない。未だ人類が理解していない将来の宝の山が失われつつあるという現状がある。それこそビル・ゲイツやモンサントなどが大きな関心を寄せている背景に違いない。

 人類の将来の食糧危機や健康維持に必要な素材を確保する。また、同時にこれまで緑の革命の中で人工的に自然破壊が行われてきた過去の経緯を闇に葬ることも可能になるだろう。モンサントをはじめ、デュポン、ダウ・ケミカルといったアグリビジネスがこれまで開発提供してきたデカブやパイオニア・ハイブレッドなど遺伝子組み換え作物のトレーサビリティーが効かないようにすることも、あらゆる種子をコントロールすることで可能になるだろう。

 こうした人類の未来を左右することになりかねない種子の保存や選別といった極秘ビジネスが2007年から始まったことに我々は無関心でいるわけにはいかない。人間のありかたすらも影響を与えかねない。現在、種子の製造会社としてはモンサント、デュポン、シンジェンタそしてダウ・ケミカルが世界の市場をほぼ独占しており、遺伝子組換え作物に関する特許もほとんど彼らが押さえてしまっている。

米国はアフリカ大陸を遺伝子組換え作物の実験場に
 2007年、モンサントはアメリカ政府と共同でターミネーターと呼ばれる種子の特許を世界的に押えることに成功した。このターミネーターに関する特許を押さえたことでモンサントはかつて人類の歴史上ないことなのだが、一民間企業が農業生産すなわち食物の確保に決定的な支配力を持つことになったと言えるだろう。

 世界中の農民たちは毎年モンサントをはじめ巨大アグリビジネスが提供する種子を買わざるを得ない。特に米、大豆、トウモロコシ、小麦、といった主要作物に関してはあまりにも影響が大きくなりそうだ。2007年にそのような特許が成立したことを受け、今後10年あるいは20年以内に確実に世界の食糧生産者の大多数はこれら4社が提供する種子が手に入らなければ、農業生産ができないという状況に追い込まれるだろう。

 そのような長期的な食糧独占計画をアメリカ政府は国際開発庁が中心となりモンサントらとともに進めているのである。これほど強力な外交交渉における武器もないだろう。アメリカの政策に反対するような国に対しては食糧生産に欠かせない種子の提供を拒むということもありうるからだ。

 すでにアメリカ政府はアフリカ大陸における遺伝子組換え農業の推進に着手している。モンサントが開発した遺伝子組換え種子をアフリカ各地で実験的に栽培する動きを支援し始めた。南アフリカでは遺伝子組換え作物の導入が法律を改正して認められるようになった。また、ブルキナ・ファソでも実験的な遺伝子組換え作物の導入が始まり、ガーナでも同様の動きが見られるようになっている。

 要はアメリカの新たな国家戦略としてアフリカ大陸をアメリカ製の遺伝子組換え作物の実験場にしようとしているわけである。その背後にはビル・ゲイツやヘッジファンドの帝王たちの新たな野望が見え隠れする。彼らの隠されたビジネス戦略については、筆者の最新刊『食糧争奪戦争』(学研新書)で詳しく取り上げた。ご関心の向きには是非ご一読をお勧めしたい。世界の自然環境と食糧ビジネスは新たなマネーの流入で大きく変貌しようとしている。

 <転載終わり>
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 モンサント社の遺伝子組み換え品種のことは、以前副島隆彦氏の記事を読んで知っていました。モンサント社の種はF1種といって、作物から種が採れない種です。普通は、作物が育って、その作物から種を採取しますが、モンサント社のF1種は、種ができません。子孫を残せないので、自殺種とも言われます。

 モンサント社のF1種は、日本では農協が推進していますが、既に玉ねぎは全国の90%が遺伝子組み換えの自殺種のF1種だそうです。ここまで浸透しているのです。

 この強大な農協に対抗しているグループが、少しづつですが全国に現れてきています。先日行ったnicoの会は30代が中心で、20代の方も多くおられました。また、先週お伺いした農家も、30代です。埼玉県さいたま市で無農薬栽培を営んでおられました。その他グリーンオーナープロジェクトや、めだかのがっこうなど、全国に無農薬の日本古来の伝統栽培を実践しているグループもドンドン現れてきています。若い人たちの純粋で向こう見ずな情熱が、農協推奨の自殺種F1を駆逐する日も来るのだと期待しています。自分も少しづつ日本古来の伝統農法を実践していきたいと考えています。


 ●上杉機関
  http://kikan987.blog82.fc2.com/blog-entry-49.html


 ●nicoの会
  http://nico.wonderful.to/

 
 ●グリーンオーナープロジェクト
  http://www.gop55.com/



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