山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

タコがきたあ!

2021年03月11日 | 釣り
 明日は仕事が休み。天気予報を見ると、降水確率0%で、波の高さは1m。海辺の最低気温が氷点下に下がる以外は、前回のタコ釣り(空振り)とほぼ同じコンディション。
 また行くか?
 ここで、小さな葛藤。

 「また、行くの?」
「行きたい!」
「前回の空振りから、まだ5日目よ。気候だって、あんまり変わっていないのに。しかも、何時間もかけて。」
「でも、行きたい。季節が進むほど、他の誘惑が増えてくるんだから。山菜シーズンに入る前の、今でないとだめなんだ!」
「それもそうね。じゃあ、行ってらっしゃい。」


心の中の声だが、家族との会話とも重なる。基本的に、マタギの性格が分かってる家族は、「いってらっしゃい。お気をつけて。」なんだけど、本人の心の中に迷いがある。その元になっているのが、前回の完膚なきまでの完敗。
 狩猟民族のマタギは、常に、この収穫なしの恐怖を背負いながら漁(猟)に出掛ける。それは、マタギの技量を問われるだけでなく、家族の生死を決める命の分岐点なのだ。
 ・・・昔(と言ってもほんの少し前まで)は、こんな命がけの自然界とのやりとりが繰り広げられていたはずです。
 獲れなければ死。しかし、獲りすぎても死。そういうギリギリの折衝の中から妥協点を見いだして共存の道を切り開く。これが、人の生業だったはずなんです・・・。
 ゲゲゲ、話が大きくなりすぎたのでリセット。

 で、ですね、また遊びに行ったんですよ。うまいこと休みと天候の折り合いがついたものだから。
 前回と同じ時間設定で峠越えをして酒田港へ。


最上川河口から臨む夜明けの月山



日の出と漁船

この辺りまでは、先週とほぼ同じです。
 でも、今回は、ちょっと違いましたよお!
 仕掛けを垂らし、海底の感触を探っていると独特の手ごたえが伝わってきたんです。少々間をあけて、大きく竿を煽ります。仕掛けには『カエシ』がないので、絶対に力を緩めないように巻き上げます。
 おおっ、座布団サイズ!
 肩にかけていたタモ(枠と柄が付いた網)を伸ばして、タコさんを誘導。小型だったので、すんなり枠に収まりました。
 素早く陸地まで運び上げて勝負あり。


無事に上がりました



二年ぶりの獲物

 サイズ的には大したことないんだけど、とにかく、久しぶりの獲物だ。そこが嬉しい!『収穫なしの恐怖』を脱することが出来たのだから。
 そして、もう一つ。「誘う」ところから「取り込む」までの作業が、ほぼ思い通りに出来たこと。これもまた嬉しい。二年のブランクを乗り越えたことが実感できたのだから。

 海の神様に心からのお礼を伝える。
「ありがとうございました。」
「また来いよ。」という返事が聞こえた気がしました。


海に浮かぶ鳥海山

 そのずっと先にそびえる山々からは、「俺達のとこにも遊びに来いよ。」と言われている気がします。

 改めて、「これからもよろしくお願いいたします!」

晴天の朝に

2021年03月10日 | 日記
 明日は夜勤日。ということは、午前中を自由に使える。早速天気予報を見る。
 降水確率0%、天候晴れだって。これは、お出かけですね。でも、午前中だけだから、前回のタコ釣りの続きというわけにはいきません。運転の時間と疲労とが大きすぎる。じゃあ、どうする?

  ポクポクポクポク チ~ン
 ≪ちょっと御来光拝み≫

 前回、酒田港で見た日の出は神々しかった。その日の出の感動をまた味わいたい。近場で体験できないかな。お日様は東から昇るから、西側のお山に登って眺めることができれば、体力維持と心の栄養との両方を満たせるんじゃないか。こんな風に考えた。
 そして翌朝、


さすがに晴天の夜明け、月が煌煌と光る

 放射冷却で、気温はかなり低いんだけど、海岸地域のような陸風は吹かないから、まあ、快適と言ってよいでしょう。


雪が消えた道

夜明け前とは言っても、登山道はそれなりに見えます。


下界はまだ・・・

足下の民家や道路の外灯が灯っています(少々見えづらいかも)。


お地蔵様と山の神様の祠



先客の方々も日の出を待っていました

 国立天文台発表の日の出時刻を過ぎると、

山の向こうは日が出てるのかな


朝焼けに燃える笹谷峠

この光景を目にすることが出来ただけでも来た甲斐があった。合掌。
 その後しばらく待ったのだが、直接御来光を目にすることなく山を下ることにした。既に満足なのだ。
 山を下りて車に戻り、帰路についた頃、日が昇り始めた。

振り返ると、

朝日を浴びる富神山

さっきまでいた山頂にも日が差している。もう暫くあそこにいれば御来光も見られたのだろうが、ま、仕方がないってことですね。こうやって朝日を受けた山容を眺めるのだって悪くない。
 当初の目的、体力の維持も心の栄養補給も十分に果たせましたよ。

 さて、帰宅したら、身体の栄養補給をして夜勤に備えましょうか。

わたしたちのきせつ(さんぽうた61)

2021年03月09日 | いきもの

  わたしたちのきせつ  おおいぬ るり

あかるいいろでしょ
 はるのいろだもの

かわいいすがたでしょ
 いっしょにおどりたいの

さいしょにさいたのよ
 ずっとまってたの

たくさんのみんなと
 わかちあいたいよろこび

なみだのような
はなびらのかたちは

まちこがれた
 おもいのあかし

やっときたのね

ららららら

わたしたちのきせつ



 久しぶりに職場の休憩時間、好天にも恵まれたので気持ちよく散歩していると、

きれいな瑠璃色


 山沿いの日当たりがよい土手に咲いていました。

かわいいねえ



きれいだねえ


 春の訪れを、いち早く教えてくれる花です。
 調べてみると、こんなに小さいのに冬を越えて、寒いうちに新しい茎や芽を伸ばしているんだそうです。
 だから、雪が消えた途端に頭をもたげて花を咲かせることが出来るんだ。丈夫な草で、自家受粉も出来るし虫に花粉を運んでもらうこともできるんだって。
 今回見つけたときには、昆虫を見ることができなかったけれど、『るり』さんの香りや春の色に惹かれて、もうすぐ虫たちも目覚め、集まり始めるんじゃないでしょうか。
 『るり』さんとの出会いで、春の喜びをより強く実感することができました。
 ありがとうね。しばらく春を楽しませてもらいます。


タコとフキの恩返し?

2021年03月08日 | 日記
 むか~し昔、山形にホリデイマタギっていう爺様いだっけど。この爺様、すごい欲タガリで、海でも山でも、東にも西にも、何か獲れると思ったら出掛けていってガッポガッポと採っては食っていだっけど。
 ある日のこと、マタギ言ったっけど。
「そろそろ海さ行って、タコ釣ってくるか。タコはどんな喰いかたしても旨いからなあ。」
 マタギは、さっそく準備して海に行ってみたど。そうしたら、タコが出てきて言ったど。
「マタギ様、今回ばかりは命をお助け下さい。その代わりに、きれいな海の景色をお見せします。」
水平線上のビーナスベルト(?)

「んだが、わがた(そうか、わかった)。」
マタギも、いい景色ば見せてもらったもんだがら、珍しく釣りば止めて帰ることにしたっけど。
「そんでも、何も持たずに帰ったんでは家族に合わせる顔がねえな。」
そこで、マタギ、山菜探し始めたっけど。
 そうしたら、川の土手に小さなフキノトウ、顔出してで言ったっけど。
「マタギ様、今回ばかりは命を助けて下さい。その代わりに、温かい日差しを差し上げます。」

やっと出始めたフキノトウ

「んだが、わがた。」
マタギも、温かい日差し浴びて気持ちよかったもんだから、珍しく山菜採りば止めて帰ることにしたっけど。   (この辺は半分フィクション)

「あ~あ。何にも持たずに帰るなんて俺らしくない。でも、タコもフキノトウも可愛そうだったからなあ。」
 マタギ、家に帰ると、婆様に正直に話したっけど。そうしたら婆様、こう言ったっけど。
「あら、それは良いことをしなさった。ほんとは、爺様が何か持ち帰ったらどうしようかと思っていだっけのよ。」
「なんで?」
「あら、やっぱり忘れてる。」
「んん?」
「今日は爺様の誕生日だからご馳走準備してたのよ。」
「おう、そう言えばそうだった。」
   (この辺はノンフィクション)

今宵はトンカツ定食(キノコ汁付き)だって


 そうして、マタギ一家は、美味しい夕食を食べて幸せに過ごしましたとさ。 チャンチャン。

 これはもしかしたら、命を助けられたタコとフキノトウからサプライズのプレゼントだったのかもしれませんね。

至高の収穫

2021年03月07日 | 釣り
 休日の朝。午前3時20分。目覚ましが鳴るよりも早く目覚めた。予定よりも10分早いけど準備を始める。
 釣り道具や足回り、防寒具は車に積んである。冷凍庫から餌を運び出せば釣りはできる。準備OKですね。出発!
 ほぼ二年ぶりのタコ釣りだ。身体中からワクワクが溢れ出してくる感じ。
 ただ、この時期怖いのが峠の積雪と路面凍結。峠には、まだ数メートルの積雪が残っているのだ。最も寒い時間帯に越えるので、こちらはドキドキだ。ところが、本日はラッキー!路面は凍っていません。緊張を強いられることなく無事に釣り場入り口に到着。身支度を調えて、釣り場に向かい歩き始める。


 振り返ると、東の空が茜色に染まりつつある。


 山形の最高峰 鳥海山も機嫌良く顔を出している。


 午前6時になると小型の漁船達が港から動き出す。次から次へと出て行く。何か取り決めがあるのかもしれない。安全確保のためかな?
 防波堤の先端に向かって延々と進むうちに日が昇り始めた。


  ああ

  光の筋が差し込む

  山肌にも日差しが

 気持ちよかったあ!
 久しぶりに、大きな大きな自然の神様の腕にいだかれた気分。
 遙かに鳥海山を臨み、西には水平線。東から昇る朝日を一身に浴びるひととき、至福の時間となりました。

 「収穫物は?」って??

 こういう時にそんな質問は、ヤボって言うの。