新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

とても嬉しかった!

2008年09月04日 07時04分49秒 | 身辺雑記

 昨日の午前中、JR電車でのこと。

 空いていたので、優先席に座った。いつものように、座ればすぐに文庫本。

 3人掛けのシートに3人。向かい側のシートも空いていなかった。かなりの人が立っていた。

 幾つかの駅を過ぎた。斜め前に、赤ん坊を抱いた若いママさんが立った。肩には小さな荷物が一つ。

 私の左隣りは、40代か50代の男性。目を閉じていた。右隣は私よりも年上年配の女性。太っていて、ひどく疲れていそうな様子だった。

 私は立ち上がって、若いママさんに席を譲った。

「ありがとうございます」 

 気持ちよく座ってくれた。受けてもらえるのは気持ちがいい。

 私はつり革に捉まって、片手で本を開いた。多少は揺れても、読書に支障はない。まだ足腰は大丈夫だ。

 次の駅で、40代か50代の男性氏が降りた。つまり、席が一つ空いた。若いママさんが席をずらしたので、その席に私がまた座った。

 私の左手に赤ん坊。

「いくつ?」 答えてくれるかどうか不確かだったが、訊ねてみた。

「○○ちゃん、幾つって?」 ママさんが、子供に声をかけた。

 その子は愛くるしい目を見開いて、私をまじまじと見た。そして、Vサインのような手を出した。2歳らしい。

「そうなの、二つなの?」

 その子は大きくうなずいた。

「お名前は?」 

「ムニュムニュ……」 何を言ったか聞き取りにくかった。

「○○ちゃんなのよね」 ママさんが答えた。

「そうなの、○○ちゃんなの」 

 そんなやり取りをしていた。

 いつの間にか、向かい側に座っていた中年女性が、立ち上がっていた。すぐ傍に若者がいたが、座らずにいた。

 中年女性も若者も、優先席を意識して立っていたのだ。

 若いママさんに席を譲ったことが、彼らの何かをくすぐったのかもしれない。少し混んできても、その席は空いたまま。妙な空間だった。

 席を譲った私の行為が、少しは役に立ったのだろうか。

 なんのこともない小さいことなのに、とても嬉しかった。

 これから仕事場へ。

 お読みいただきありがとうございました。

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