ことごとく世を忌みにけり泡立草 ひよどり 一平
(ことごとくよをいみにけりあわだちそう)
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背高泡立草はアメリカ原産の帰化植物なのだとか。
明治末期頃、園芸種として日本に入ってきたのだそうな。明治時代にこんな不躾な植物を愛でる人がいたとは驚きだ。
私がよく訪れる池では、今、かなり繁茂していてとても邪魔だ。
ちょっと待てよ。なぜ邪魔なのだろうか。
この黄色い穂が薄や葦と同じような枯れ色だったら、私はそれなりに喜んで、懸命に撮影に励むかもしれぬ。
枯れ色であるべき池や沼の岸辺で、ひとり泡立草が穂の黄色を誇っているから、私の機嫌が悪くなったのだ。
そんなことを考えながら、乏しい成果のまま、岸辺を彷徨って帰ってきた。
私にとっては邪魔な背高泡立草だったが、泡立草にとって私は、根方を踏み荒らす邪魔な老人だったかもしれない。
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今朝は雨。
気分が乗らないので、外出予定を変更し家に籠った。
小人閑居して不善を為す。なにもせずにぼんやり過ごした。
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