
瀬谷市民の森の小さな流れの傍に何本かのヒメコウゾ(クワ科)の木があって、花の時期だ。

ヒメコウゾは雌雄異花、つまり一本の木に雄花と雌花がつく。
この写真でピンクの花柱が目立つのは雌花序、つまり雌花のかたまりだ。
黒っぽいかたまりのほうは雄花序だが、まだ咲いていない。

少し離れた木に黄色のシベを出しているのがあった。これが雄花序だ。
雌花序はいずれ実になって食べられないこともないが、口の中が少しざらつく。
美味しい桑の実とは大いにちがうところだ。

川辺をのんびり歩いているとカワトンボらしいものがヒラヒラ飛んできて葉の上に止まった。

濁ったような眼に見えるのは羽化して間もないということだろうか。
翅の斑紋が白いので雌のようだ。
もう花の時季ですか。クワも咲き始めているかしら‥?
ヒメコウゾとクワ。科は同じですね。
コウゾでなくても和紙が作れて、ざらつくけれど実も食べられるヒメコウゾ。
クワはお蚕さんも人も美味しく食べられて、和紙も作れるのですよね。
お蚕さん優先で和紙原料としてはあまり使われなかったとか。
人とのかかわりの中で変化する植物の運命が、ここにもあったのですね。
もうカワトンボも姿を現しましたか。今年は春になってからの
季節の進みが速いですね。
ヒメコウゾは歩いて5分ぐらいの所でも見られます。クワの花もそろそろですね。
ヒメコウゾとカジノキの交配でコウゾが作られたソウですから、ヒメコウゾも和紙が作れるのでしょう。
クワからも和紙が出来るのですか。やはりみんな仲間の木なのですね。
でも和紙よりは蚕を育てるのに使った方が良いと判断されたということで、
それぞれの特色を活かした結果なのですね。
いよいよ気温も上がってチョウやトンボなどさまざまな昆虫が姿を見せそうです。