長谷寺の境内。池のあたりフジバカマの近くキキョウが咲いていた。
白い色のキキョウはいかにも清楚な感じがする。
山門を入って花がいっぱいの池のところから本堂に行くには少し坂道を上がる。
その途中に卍池がある。なるほど卍の形になっている。
卍は仏の胸や手足などに表される吉祥の印とされている。
池の縁にいるのは左が奪衣婆(だつえば)、右が懸衣爺(けんねおう)だ。
死者が三途の川のほとりに行くと奪衣婆が衣類を剥ぎ取り懸衣爺が衣領樹に懸ける。
その枝のたれ具合で亡者の生前の罪の重さを計るのだそうだ。
吉祥の卍池に怖い爺婆がいて、もしかして地獄に堕ちるかも・・・
いやいや大丈夫。付近は福壽地蔵や水かけ地蔵や千体地蔵など地蔵菩薩の霊域となっている。
極楽浄土に往生の叶わない我々は、地獄における責め苦からの救済を地蔵菩薩に欣求できる。
地蔵堂の後や横などに多数の地蔵が並んでいる。千体かどうかは数えていない。
家族を亡くした一般の方が死者を思って奉納されたにちがいない。
この女性が撮っているのも、たくさんの小さな小さな地蔵菩薩たちだ。