石川県羽咋郡志賀町の福浦港から遊覧船に乗る。
左に見えるのは旧福浦灯台。
日本最古(1876年)の西洋式木造灯台で1952年まで使われた。
能登の岩礁では冬に岩のりが採られる。波に洗われ危険な作業と想像される。
作業しやすいようにコンクリートが張られ、命綱をつなぐ杭も設置されている。
船を進めると巌門に着く。
幅6m高さ15m奥行60mの洞門で、波による浸食で出来たそうだ。
この日は波がひどく中までは船が入らなかった。
福浦から関野鼻まで約30kmの海岸線は奇岩と断崖が続き能登金剛と呼ばれる。
巌門で船を下りて崖の道を上がっていく。
上がったところの散策路に松本清張の歌碑があった。
「雲たれて ひとりたけれる 荒波を 恋しと思えり 能登の初旅」
能登金剛のあたりは松本清張の小説「ゼロの焦点」の舞台になったところで、
入江になっていたり断崖があったり変化に富んでいる。
映画では最後に悲劇のヒロインが、この「ヤセの断崖」から身を投げた。
木柵があって先端まで行って下を覗くことはできなかった。その勇気もないが・・
前はもう少し高く前に張り出していたらしいが2007年の能登地震で崩落した。
遊歩道を更に進むと「義経の舟隠し」がある。幅5m、奥行100mの入江だ。
東北へ下る義経一行が荒波を避けるために、この入江に多くの舟を隠したという。
志賀町の海岸線からは海に沈む夕日が見られる。
この日は薄雲があって、少し残念であった。