BELOVED

好きな漫画やBL小説の二次小説を書いています。
作者様・出版社様とは一切関係ありません。

マリーゴールドに恋して ◇第2話◇

2025年02月21日 | FLESH&BLOOD 現代転生パラレル二次創作小説「マリーゴールドに恋して」

「FLESH&BLOOD」の二次小説です。

作者様・出版社様とは一切関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方はご注意ください。

海斗の親友・森崎和哉は、わざわざ電車で片道一時間半位かけて海斗に会いに来てくれた。

「ねぇ海斗、今日誰かと会ったの?」
「どうしてそんな事を言うの?」
「だって、暗い顔をしているから。」
「そう?」
昔から―物心ついた頃から海斗と一緒だった和哉は、海斗の些細な変化を見逃さなかった。
「今日、知り合いに会って・・」
「どんな人?」
「前に話しただろ?スペインで世話になった・・」
「ビセンテっていう人?」
「うん。ヴィンセントが、俺のバイト先のカフェに来たんだ。」
「それで?」
「それだけだよ。」
「ふぅん・・」
海斗は、和哉の前にコーヒーが入ったマグカップを置いた。
「ねぇ和哉、そろそろ帰った方がいいんじゃない?電車の時間もあるし・・」
「大丈夫だよ、バイクで帰るし。」
「バイクで来たの!?」
「君に会いたくて、飛ばして来たんだ。」
「そうなの・・」
和哉は頼りになる友人だが、海斗は時折彼の嫉妬深さが怖いと感じる時がある。
「海斗、明日は大学休み?」
「講義は二限からだけど、それがどうかしたの?」
「ここに泊まろうと思って。」
「いいよ、そんなの・・」
「僕は、君の事が心配なんだ。」
和哉は、そう言ってじっと海斗を見つめた。
「わかったよ。」
「じゃぁ僕、お風呂に入って来るね。」
和哉の瞳に宿っていた狂気が消えている事に気づいた海斗は、彼が浴室へと消えるのを見届けた後、溜息を吐いた。
海斗が冷蔵庫の中に残っている食材でナポリタンを作った。
「美味しそうだね、何作ったの?」
「ナポリタン。」
「頂きます。」
和哉は海斗が作ったナポリタンを完食した。
「どうだった?」
「美味しかったよ。海斗は将来、良いお嫁さんになるね。」
「俺男だけど?」
「冗談だよ。」
(お前が言うと、冗談に聞こえないんだけど。)
「ねぇ海斗、この前の話、考えてくれた?」
「え?」
「ほら、一緒に住むっていう話。」
「今住んでいる所が大学から近いし・・」
「そう、残念だなぁ。」
「もう遅いから、寝たら?」
「お休み。」
「お休み。」
和哉が寝室に入った後、海斗はラップトップの電源を入れ、レポートを書き上げた。
(あ~、終わった。)
海斗がレポートのデータをUSBメモリに保存していると、上半身裸の和哉がリビングに入って来た。
「どうしたの?」
「ちょっと暑くて、Tシャツ脱いじゃった。」
「そう。」
「余り夜更かししないようにね。」
「わかった。」
その夜、海斗は久しぶりに前世の夢を見た。
それは、スペインの無敵艦隊と戦っていた時の夢だった。
「カイト!」
「ヴィンセント・・」
海斗は、ビセンテと戦場で敵同士として再会した。
「カイト、生きていたのだな。」
ビセンテは美しい翠の瞳から真珠のような涙を流した。
「カイト、お前を・・」
ビセンテの言葉は、突然空気を切り裂いた銃声によって掻き消された。
「ヴィンセント・・」
「カイト、行くぞ。」
後ろ髪を引かれる思いで海斗はジェフリーとその場を去った。
その後、海斗はビセンテの死を知った。
あの時、彼が何を言おうとしていたのか、海斗は急に知りたくなった。
「おはよう。」
「おはよう、海斗。良く眠れた?」
「うん。」
「じゃぁ、行こうか。」
和哉は海斗を大学まで送った後、ある人物と会った。
「初めまして、ジェフリー=ロックフォードさん。」
「どうも。」
ジェフリーは、初対面だというのに自分に対して少しも敵意を隠そうとしない和哉に少し苛立った。
「あなたには、前世の記憶があるんですよね?」
「あるが、それにが君に何か関係が・・」
「ありますよ、だって僕は海斗を愛していますから。」
「そうか。悪いが、君が何と言おうと、俺はカイトとは別れない。」
「そうですか。」
(あなたがそう言うのなら、僕も海斗を諦めない。)
「では、僕はこれから大学の講義があるので、失礼致します。」
「わかった、気をつけてな。」
「ジェフリーさん、僕はあなたには絶対負けません。」
ジェフリーは、自分に宣戦布告して来た和哉を鼻で笑った。
「まだまだガキだな、坊や。幼馴染だからって、カイトが自分の恋人になると思ったら大間違いだ。」
和哉は既に、ジェフリーに背を向けて店から出た後だった。
「森崎、今度合コン行かねぇ?」
「ごめん、バイト忙しいからパス。」
「え~、一度くらいいいじゃん。」
「こいつは駄目だ、“彼女”が居るからな。」
「イケメンは良いよなぁ~、今度その“彼女”、紹介しろよ!」
「こいつは嫉妬深いから、無理。」
スポーツ万能で成績優秀な和哉は、異性にモテる。
中学・高校時代、よく女子からラブレターを貰ったり、告白されたりしたが、和哉はそれらを全て断った。
(僕には、海斗しか要らない・・海斗しか欲しくない。)
和哉には、海斗が全てだった。
今も、“昔”も。
(海斗、今度こそ君は僕の傍に居るべきなんだ。君は、あの男に騙されているんだ。)
一度和哉は、海斗を軟禁しようとして失敗した事がある。
同じ過ちを、二度と繰り返してはならない。
(海斗、僕は君を絶対に諦めないよ。)
「和哉、待った?」
「ううん、今来た所だよ。」
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マリーゴールドに恋して ◇第1話◇

2025年02月21日 | FLESH&BLOOD 現代転生パラレル二次創作小説「マリーゴールドに恋して」


「FLESH&BLOOD」の二次小説です。

作者様・出版社様は一切関係ありません。

二次創作・BLが嫌いな方はご注意ください。

「俺の残りの命をあなたにあげるから、ジェフリーだけは助けて・・」

そう言って、自分に対して恋人の命を助けてくれるよう懇願した赤毛の少年。
彼は苦しそうに咳込みながら、黒真珠のような瞳で自分を見つめていた。
「カイト・・」
その少年の名を呼んだ瞬間、ビセンテは夢から覚めた。
その名を呼んだ時、ビセンテは何故か涙を流していた。
(終わらない・・)
かれこれ四時間、ビセンテはラップトップの画面を見つめていた。
急な仕事が入り、彼はこのカフェに入って只管ラップトップのキーボードを叩いていた。
「コーヒーのお代わり、いかがですか?」
「あぁ・・」
ビセンテは疲れた目を擦りながらラップトップから顔を上げると、そこには鮮やかな赤毛を持った店員の姿があった。
「カイト・・」
“ビセンテ。”
夢の中で聞こえた少年の声が、ビセンテの脳裏によみがえった。
「お客様?」
「済まない、自分の知り合いに君が似ていて・・」
「そうですか・・」
赤毛の店員はそう言うと、ビセンテが座っているテーブル席から離れていった。
「ビセンテ、どうしたんだ?今日は一日中上の空だったぞ?」
「あぁ、ちょっとな・・」
「もしかして、気になる女でも出来たのか?」
「まぁ、そんなところですかね。」
「今度紹介しろよ!」
アロンソはそう言うと、ビセンテの肩を叩いた。
「いいえ、わたしと彼はそんな関係ではありませんから。」
「照れるなって~!」
同僚のアロンソは、男女問わずモテる。
本人は、他人の恋愛話を聞くのが好きで、社内の社員達からの恋愛相談を引き受けている程の、良きアドバイザーなのだった。
なので、ビセンテはその日からしつこくアロンソにつきまとわれるようになった。
「ビセンテ、一緒にランチでもどうだ?」
「遠慮します。」
「何だよ、つれないじゃないか~」
しつこく自分につきまとってくるアロンソを漸く撒いたビセンテは、行きつけのカフェで昼食を取った。
「いらっしゃいませ。」
「ブラックコーヒーとパニーニのセットをひとつ。」
「かしこまりました。」
レジカウンターでそう言って自分に微笑んでいる赤毛の店員の姿を見て、ビセンテはこのカフェに来て良かったと思った。
「可愛い子じゃないか、あの子。」
「アロンソ殿、いつの間に・・」
「君の後をこっそりつけて来たんだ。君が惚れている赤毛の子、君の知り合いか?」
「まぁ、そんなところです。」
「元気そうで良かった。あの子と別れた時、肺病に罹って血を吐いていたから・・」
アロンソの言葉を聞いたビセンテが思わず彼の方を見ると、彼は口端を上げて笑った。
「もしかして、あなたにも前世の記憶が・・」
「今まで黙っていて悪かった。」
「いつからわたしが、前世の記憶を持っている事に気づいたのですか?」
「君と初めて会った時からだ。前世の記憶が自分にあると気づいたのは、フェンシングの大会で君と戦った時かな。君の太刀筋を見てね・・」
ビセンテは前世でアロンソと一度だけ剣を交えた事があったが、それだけで自分の太刀筋を覚えていたとは。
「あの子が生きて、イングランドの海賊船に乗っている姿を、わたしは見た。でも、君には知らせなかった。」
「わたしに未練は・・カイトに対する未練はありませんでした。」
「それで、これからどうするつもりなんだ?」
「カイトは、あの子はきっと、前世の記憶はないと思います。」
そんな二人の会話を、赤毛の店員―海斗はカフェラテを作りながら聞いていた。
(まさか、ビセンテがここに来るなんて思いもしなかった。)
もし自分にも前世の記憶があると海斗がビセンテに伝えたら、彼はどんな顔をするのだろうか。
「お疲れ様です。」
「お疲れ様。」
カフェでのアルバイトを終えた海斗は、疲れた身体を引き摺りながら自宅アパートの部屋に入ると、彼の足元に一匹の猫がやって来た。
「ブラッキー、ただいま。」
右目に黒い斑模様の猫は、嬉しそうにもう一度鳴くと、ボウルの中に注がれたキャットフードを食べ始めた。
海斗が帰宅途中に立ち寄ったパン屋で買ったパニーニを食べていると、ダイニングテーブルの上に置かれているスマートフォンがけたたましく着信を告げた。
「もしもし・・」
『海斗、何処に居るの?』
「家だよ。」
『今から行くね。』
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疲れた。

2025年02月21日 | 日記

今日は忙しかったので、甘い物で糖分補給。
無印良品の紅茶のブルードネージュ、初めて食べましたが、サクッとした食感で、紅茶の風味豊かな味でした。
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