遺伝屋ブログ

酒とカメラとアウトドアの好きな大学研究者です。遺伝学で飯食ってます(最近ちょっと生化学教えてます)。

酒造りは厳しいっす

2013-04-15 23:16:35 | 
今夜9時頃の月と木星です。もう少し下にアルデバランもいたのですが、建物の影に隠れてました。そもそも一眼レフの手持ち撮影ではちょっとムリ。

気候変動でワイン産地が移動する?(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト) - goo ニュース
醸造酒のできる地域は地球上で温帯の極めて限られた地域でして、ワインはその中でもすごく地域を選びます。穀物じゃなくて、果物を素材に使うからね。そもそもワインに適した葡萄が栽培できる気候が、夏は高温乾燥で冬は温暖湿潤の地中海性気候というから贅沢だ。つまり、夏にジメジメジトジトしてる日本じゃ無理っつーわけね。美味しいワインないでしょ。高いばかりで。
地球が温暖化してきて何となく心配でしたが、本当に醸造酒の適地が大きく変化しそうです。コンサベーション・インターナショナル(CI)の気候変動生態学者リー・ハンナ(Lee Hannah)氏のチームが、局地的な条件を加味して気候変動のコンピューターモデルを作成し、ワイン生産への影響を分析しました。 その結果、ワインの名産地として有名な南米のチリやイタリアのトスカーナ地方は、ブドウを収穫可能な範囲が2050年までに2~7割狭まる可能性があるそうです。コンピューターモデルを使った分析では、温暖化後の世界でワイン生産に適している地域は、北アメリカの北部や北欧、ニュージーランド、タスマニア、チリ中央部。
僕はどっちかというと南欧や南米のワインが好きなんですが、地中海沿岸はアウトのようですねぇ。チリ産はアンデスの高地へ移動すれば、なんとかキープできそうです。 ニュージーランドやタスマニアのワインが良くなるなら、是非ともTPPを即刻結んでほしいもんですな。w

創業300年の老舗酒造が破った“禁忌”…『浪花正宗』になぜ安酒を混入したか(産経新聞) - goo ニュース
こちらは情けないニュース。業界の方々には旧聞に属する話しだと思いますが、まとまった解説記事が出てたので拾っておきまする。今年2月、酒蔵で造る新酒に安価な酒を混ぜて販売していたことが判明し、自主回収という恥ずかしいというか、もはや造り手としてはアウトの所業。
ブレンド自体は酒造りの技術のひとつで否定されるものではないです。原酒を喜んで飲む人は、造り酒屋の従業員でもそういませんよ。そりゃ、今まさに醗酵しているタンクの蛇口から注がれた日本酒を飲んだことがありますが、メチャメチャ美味かったです。でも、それは蔵で飲むから、そして、美味しい醗酵段階のタンクからとりだした酒だからこそ、なんです。普通に買って飲むなら、ちゃんと調節して寝かされた酒の方が美味い。まあ、原酒が好きだという一般の飲み手は、『原酒』の銘で流通して売られているお酒が好きなだけです。瓶詰めされ、酒質が一定に保たれた状態で商品として店頭に並んでるということは、ほんものの『原酒』であろうはずがありません(稀にアルコール度さえ調節されずに毎年バラバラの品質で売り出される『原酒』がありますが、そういうのは極めて珍しい)。
この「ねつ造」を見つけたのは大阪国税局。浪花酒造での成分調査で、醸造アルコールが検出されるはずのない純米酒から醸造アルコールが検出されたほか、普通酒にしか含まれていない糖類が検出された。どんだけ精密な検査してるんだっ。おいら、醗酵工学科卒だから、国税局のやる日本酒検査は一通り経験しているつもりだったけど、それは思い上がりだったわけですね。反省です。僕が在籍した時は醸造工学教室に国税局OBの助教授がいて、学生実験で指導を受けたんだよ。ほんとに。今の検査技術が相当進んでいるってことなんでしょうねぇ。

本日のお酒:銀河高原ビール 白ビール + 菊姫 純米 加州菊酒
コメント
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