昨日、この本を図書館で読ませていただいた。
その中に、「恩返しと恩送りの決意」(門脇利枝氏作)という話があった。
「恩返し」をテーマにした作品はこの前(その七十八で)もご紹介したが、この話にも感動した。
どういう話かというと、
利枝さんが28歳の時に実家の事情で東京から広島へ仕事を辞めて帰郷した。
そこで、待っていたのは、祖父と祖母の看病で持病を悪化させた母と皆の面倒で倒れそうな父だった。
利枝さんは父を助け頑張ったが、父が交通事故に合い、左足切断で脳に重い機能障害が残った。
ある日、利枝さんは疲労困憊していたが、父が病院の看護師に迷惑をかけたので、その病院へ謝りに行った。
そこで、看護師長に泣いて手を握って言われた。
「あなたは逃げようと思えば逃げられたのに逃げなかった。本当に私はあなたを尊敬する」と。
この言葉に利枝さんは感極まって泣くのである。
そして、この嬉しくて泣いたことにより、やっと自分がしてきたことが間違いでなかったと思えるようになり成長する。
40歳になった利枝さんは、この看護師長から受けた「恩」を社会に返すことにより、「恩送り」したいと考えるようになった。
ということである。
「頑張っている人へ寄り添う」生き方。素晴らしい!
私もこうありたいと思う。(たやすいことでは、決してないが)
なお、この冊子には、この話以外にも「恩師の言葉」(松浦千春氏作)や「バーテンダー」(岡本彰夫氏作)など、感動する話がたくさん収録されていましたので、是非ご一読ください。