いぬのChoco.との暮らし方

罰や叱りを使わず、 動物福祉に則った犬との暮らし方を綴ります♪

犬にもハズバンダリートレーニング

2016-06-12 | CDS主催: セミナー・座学・ワンラボ

チャーリードッグスクール主催の「犬のハズバンダリートレーニング」座学に参加しました。

「ハズバンダリートレーニング」ってご存知ですか?

最近ではテレビなどでも特集されることがあるのでご覧になったことがある方も多いと思いますが、

動物園動物たちの主に健康管理のためのトレーニングがよく知られています。

柴田典弘飼育員さんによるキリンのハズバンダリートレーニング(大森山動物園) 

動物園にいる動物たちは健康管理と病気の早期発見ために

獣医さんや飼育員さんが日ごろから身長・体重・体温を測ったり・口腔検査や血液検査をしたい。

でもそれらはなかなか容易なことではありません。

なにしろ、展示されている動物はペットではなく野生らしさを失ってはいけないからです。

体調管理のためにそのたびに麻酔を打つこともリスクがありますし、

あばれてしまったら係りの方の安全も保てません。

なによりチェックできなければ、病気の発見、治療にも差しさわりができ

キリンではひずめの手入れができないと歩行に支障がでてしまうこともあり、

動物がつらい思いをすることになってしまいます。

ここでのトレーニングは人に慣らすのではなく、動物たちに必要なことをストレスなく

動物自らが率先していやがらずあばれずにやってくれる、やらせてくれることであり、

動物にかかわる人たちも安全である・・・ことが期待されるトレーニングです。

最近では全国の動物園で研修を重ねて取り入れる動物園も増えてきたそうです。

        

では、ペットである犬やねこはどうでしょう?

動物園動物よりずっと小さいし、毎日ヒトのそばにいます。

ヒトの生活に左右されることが多々あります。

例えば、日々の生活の中で犬の場合は・・・

お散歩の度、リードやハーネスをつけたり外したり、帰ってきたら体を拭いたり

足を拭いたり、洗ったり、ブラッシング、爪切り、歯磨き…などなど。

また、ワクチン接種、トリミングもあるかもしれないし、具合が悪ければ動物病院にもいくし・・・。

ヒトと暮らしているからこそやらなければならないことが数え切れないほどありますよね。

そういうとき飼い主さんは、嫌がるのを無理にしたり、反対にいやがるからできないといって

プロに頼んだりしていることって多くないですか?

プロの方も実は熟練の技術でチャチャッとやるけれど、嫌がる時間が短いだけで

決して喜んでやっているわけじゃない…ということも大いにありますよね。

そこで、ハズバンダリートレーニングの出番です。

使うのは、おやつとマーカー(クリッカー、マウスクリッカーなど)です。

ていねいなチャージングと正の強化のみです。

別の行動の選択もしないし、叱りません。

動物、ヒト双方ともにわかりやすい方法です。

たとえば、「お手」ってやったりしますか?

時にはちょっとギュッと握ってみたり、握って足を曲げてみたり・・・

これって爪切りするときに役立ちそうですよね。

そんなことも考えながら、工夫しながら、チャージングはていねいに、スモールステップで

犬さんねこさんが飼い主さんとと仲良くなって、

犬や猫にとって怖いや不安がなくなって

お互い暮らしやすい毎日を目指すって楽しいですよね~。

 

ハズバンダリートレーニングは、動物福祉の最先端のトレーニングだと思います。

動物が協力してくれるからこそ、みんなにとって幸せで、安全でもありますもんね。

 

 

 

これらの動画は飼育員柴田典弘さんが行っているトレーニングです。

全国の動物園でこの方法を使って頻繁に血液検査が実施されるようになると

数多くの血液サンプルによる比較や研究が進み

動物園動物の健康管理のために役立ちますよね。