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マーケティング研究 他社事例 328 「2019年の日本の金融市場についてを読んで」 ~ESG投資は追い風に~

2019-03-20 08:10:43 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 328 「2019年の日本の金融市場についてを読んで」 ~ESG投資は追い風に~


昨年末に発行されたNIKKEI BUSINES 2018.12.24・31号にBNPパリパ証券の中空さんが書いたコラムがありますので、2019年が始まって、3か月が立とうかと言う時期ですが、記事の内容について考えて行きたいと思います。

「2019年の世界の金融市場は基本的に強さを維持するでしょう。中央銀行によって資金の流動性が確保されている事が背景にあります。リーマンショックから10年がたち、投資家には「そろそろ何かあるんじゃないか」という気持ちがあるのも確かです。米中貿易戦争、ブレグジットなど、不安材料は少なくありません。」

なるほど、投資家目線だと何かあるかもと見るのが常識的のようです。

不安材料として、中空さんは以下のように示しています。

「世界的に株価は上昇基調ですが、けん引するのは、一部の大手IT企業。全体のインデックス(株価指数)が改善していても、個別銘柄の株価はそこまで上がっていないケースもあり、その乖離に投資家も気づき始めています。」

「ですから、すぐに売り相場になるわけではありません。資金の流動性が確保されていることに加え、多くの国や企業でファンダメンタルズが改善しているためです。」

ここで出て来た「ファンダメンタルズ」とは何でしょうか?

国や企業などの経済状態などを表す指標の事がファンダメンタルズです。

これらは財務諸表等で確認する事が出来るのですが、実際、上場企業は好業績で推移しています。

「財政破綻が懸念されているイタリアを見ても、財政赤字は増えているものの、銀行などの不良債権比率は改善しています。企業の業績も同様に堅調に推移しています。投資家としては以前より状況は良くなって来ているという考えが主流です。」

「少なくとも欧州中央銀行(ECB)と日銀は2019年半ばまでは金利を上げないとしていて、アメリカも利上げに慎重な姿勢を示し始めています。そのため、大きな金利変動も起こりにくい。相場が上下するタイミングを見定めることがポイントでしょう。」

大きな金利変動は起こりづらい状況という事は理解出来ました。

年末から年始に向けての日経平均株価を見て見ると、年明けまで下降し、年明けから少しづつ上昇して来ています。

慣らしてみると、上がっているのがわかります。

「日本国内の目玉は、やはり消費税10%への引き上げです。消費増税を社会は受け入れることができるのか、再度の延期はないのかなど、注目する必要があります。」

「国内景気は20年東京五輪までは底堅く、25年には大阪万博が控えています。しかし、その間の5年間、堅調な景気を維持できるかどうかは不透明です。五輪後を見据えた投資が必要になるでしょう。」

五輪後も成長できる分野への投資を考えていかなくてはならないようですね。

「今後の潮流としては、ESG(環境・社会・ガバナンス)への投資が加速するでしょう。プラスチックによる海洋汚染問題を受け、代替となる新素材の開発が急務になりました。」

「脱プラスチック運動を一過性のブームと見る向きもあるようです。しかし、EUが使い捨てプラスチック製品の全面的な禁止を検討するなど、世界的な大きな動きになっています。この分野に注力しないと「環境保護を優先していない」という理由で株式投資を呼び込めなくなり、競争に負ける可能性があります。」

いよいよ、ESG投資が与える影響が本格化してくるのが2019年のような気がします。

結びの中空さんの文章は以下の通りです。

「ESG投資につながるマネーフローをどう作るか、社会で考えていく必要があるでしょう。日本はむしろESGを商機と捉えるべきです。リサイクルに関しては、日本企業が非常に高い技術を持っています。企業にとっては、むしろ世界に打って出る追い風になるはずです。」

ESGについて、最後にもう一度触れておきます。

実は、大手生命保険会社の投資先として、すでに脱炭素企業へ向けるという動きが進んで来ています。

日本生命保険会社のHPには以下の記載があります。

「パリ協定やSDGsなど、世界が持続可能な社会の実現に向けた取組を進めていく流れを踏まえ、ESG投融資を強化しております。

具体的には、2017年3月に、国連の責任投資原則に署名するとともに、「ESG投融資の取組方針」を策定し、中期経営計画(2017-2020)において、ESG債等への投融資2,000億円の数量目標設定や、グループを活用したESG投融資の実施等を掲げ、ESG投融資をより一層強化する方針としています。

なお、ESG債等への投融資については、2017年度中に、2,000億円超を実施し、数量目標を早期に達成しました。それをふまえ、5,000億円を積み増し、新たな数量目標7,000億円を設定しました。」

いかがでしょうか?

すでに、実際に動きが出ているんです。

証券会社のエコノミストの参考になる程度のお話レベルではなくなって来ている事を皆さんも感じるはずです。

皆さんは、この情報をどのように自社ビジネスに活かしていきますか?


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