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マーケティング研究 他社事例 329 「発想の転換1」 ~マウンテンリゾート開発~

2019-03-22 09:39:52 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 329 「発想の転換1」 ~マウンテンリゾート開発~


昨年の10月初旬にオープンしたのが、テラス施設「ハクバ マウンテンハーバー」です。

足を運ぶと、来訪者からは「すごい景色」と喜びの声があがっているそうです。

残念ながら現在は雪景色となってしまいますが・・・。

北アルプスの絶景が迫り、雪山と紅葉が同時に望める開業した10月6日からの3連休で、約4,500人を集めたのです。

運営するのは日本スキー場開発の子会社、白馬観光開発(長野県白馬村)です。

「夏秋シーズンで1日平均1500人の来場は過去にないこと」と同社の和田社長は手ごたえを語りました。

雪がある冬に営業するイメージの強いスキー場を夏や秋でも楽しめる施設に変えて集客するのが、日本スキー場開発の戦略です。

同様の施設を他に2か所開業させているのです。

同社の創業は2005年でした。

駐車場関連サービスを手掛ける日本駐車場開発の社内ベンチャーとして立ち上がったのが最初です。

「疲弊するスキー業界をなんとかしたい」と考えてスタートさせたといいます。

スキーなどのウインタースポーツ人口は1993年の1860万人をピークに減少し、2007年には1,000万人を割り込んだのです。

映画「私をスキーに連れてって」が公開された1987年から20年を経て、冬の定番は斜陽産業になってしまいました。

だからこそ、2006年9月に長野県のサンアルピナ鹿島槍スキー場を取得した日本スキー場開発は異色でした。

なぜ、衰退する産業に力を注ぐことを決めたのか?

日本スキー場開発の鈴木社長は、参入の理由として2つの「低さ」を挙げました。

施設の稼働率とサービス水準です。

何のことを言っているのでしょうか?

日本駐車場開発には不動産を効率よく稼働させるノウハウが蓄積しています。

その目線に立つと、稼働するのが冬と春の150日ほどに限られるスキー場は「宝の持ち腐れ」に映ったのです。

「スキー場を手放したいオーナーが多い中、グループに取り込んで稼働率を高めればチャンスがあると考えた」と鈴木社長。

しかし、当初はもくろみ通りに進みませんでした。

最初のスキーシーズンとなった2006年~2007年シーズンは暖冬で歴史的な雪不足となり、グループ化した鹿島槍スキー場からも客足は遠のき、1億円の赤字を出してしまいました。

しかも赤字は3年目まで続きました。

それでも日本スキー場開発はひるまず、規模拡大のアクセルを踏んだのです。

施設ビジネスには一定の規模が必要と考えたからです。

2009年には、竜王スキー場の運営会社を譲受し、さらに2010年、群馬県の川場リゾートも傘下に収めました。

これらの施設の共通項は、夏秋シーズンも集客しやすい点です。

竜王は標高が高く、高山植物の視察や避暑地としての需要があります。

首都圏から近い川場はサバイバルゲームやスケートボードの会場などとして活用することにしたのです。

サービス水準の改善では、レンタル事業と飲食施設をてこ入れしました。

気軽に来てもらえるようにレンタルウエアを充実させ、地元の食材を使った食事の提供も始めたのです。

地域との連携に力を入れることで、施設の魅力を高めました。

(続く)


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